アンナ・カレーニナ
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2023/02/24 (金) ~ 2023/03/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
喜劇やミュージカルばかり見ている、おめでたい演劇ファンのわたくし、縁あって本格悲劇を鑑賞。悲劇って、こんなにも悲劇的なんだ! と、小学生のような感想を持ってしまいました。それは原作に対して。
舞台としては、実演鑑賞の醍醐味をたっぷり味合わせていただきました。
Free Flow Sensation!
One Bill Bandit
中野スタジオあくとれ(東京都)
2023/12/09 (土) ~ 2023/12/10 (日)公演終了
No Robot
One Bill Bandit
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2023/02/04 (土) ~ 2023/02/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
これまでのワンビル作品の中で、わたし的には同率1位!
タイトルの意味が開幕すぐわかるのだが、これが大笑い。そっちかー! と。
現実社会への風刺も、これ以上踏み込むと「ちょっと言ってみたかっただけ」「だって社会派の人がそう言ってるじゃん」になっちゃうんだが、うまいところでとどまっている。ああ、いろいろ知ったうえでちゃんと言ってるな、と思えた。
スクルージ ~クリスマス・キャロル~
ホリプロ
日生劇場(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
1971年の映画『クリスマス・キャロル』と同じ脚本家の作品。歌もダンスもだいたい同じ。ワイヤーアクションも。
ただ、スクルージ役は映画は30代なかばのアルバート・フィニーで、現在のきったないじいさんと若き日のシャイで陰キャな青年と両方とも自分で演じていた。こっちは73歳のいっちゃん。とんでもない悪辣なじいさんなのに、妙に愛嬌があって、子供達が大喜びしていた。
大量の登場人物が所せましと踊り、走る長い長いシーンがいくつもあり、この振付師、鬼か? と思って映画の方を見直したら振付がパディ・ストーン、鬼のストーンさんだった。
たくさん出てくる子役たちが達者! しかもひとり何役もやっている。そのこと自体に感動してしまう。
酒があってもなくても話しにくいことがある
劇団やりたかった
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2021/11/17 (水) ~ 2021/11/29 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/11/23 (火) 14:00
たまたまいただいたチラシが親切で驚いたのと、尊敬する政治家さんが、おそらくわたしがチラシいただいたのと同じ人のことをツイートしてたので、これはご縁だと思い、初めての劇団さんだけど見に行ってしまいました。
よく見るOne Bill Banditさんに近いにおいを感じたものの、いざ行ってみると、人が違えば文化もまったく異なることを痛感。重きをどこに置くかが全然違う。受付からして端正、席への誘導からして美しい声と所作、ワクワクしながら幕開けを待ちました。
大醸造
One Bill Bandit
千本桜ホール(東京都)
2019/12/14 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
現代演劇にときどきあるシーン。
ドラマが煮詰まってくると、それまでこてんぱんにされていた人物が客席に背を向け、耐えるような姿になってしばらくほかの人物のやりとりをじっと聴く。そしてこてんぱん氏は突如振り返り、「さっきから聴かせてもらったけれども」と思いをぶちまける。
あれってなんなんだろう。ポップな喜劇でも何にでも出てくる。
こてんぱんにされる人が最後まで痛々しいのは、あまり面白くないと思うんだけどなあ。
そして、木下作品でそれを見るとは思わなかった。
それ以外は面白いんだけどね。事情で出番が少ない俳優さんも、そのことじたいが笑いを呼んだりして、ほんっとに上手な作家さんとそれにこたえるメンバーで、見てて気持ちがいい。
何作も見てると、俳優さんの魅力だけじゃなくて「この人、これが苦手なんだ」というのもわかってくるんだけど、お話の世界観の中でそれを使って面白くしてたりするので、「何作も見る」ってだいじだなあと思う。
ヘッダ・ガーブレル
project navakov
Vacant(東京都)
2018/07/05 (木) ~ 2018/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/07/08 (日) 14:00
価格4,000円
客席に招き入れられたら、そこがステージだった! ロフトふうの広い空間、客席も舞台もフラット。しかもオシャレな大道具小道具、窓にはふわふわのカーテン、なんだかステキな予感…と、始まる前は浮かれてました。
だんだんわかってくる人間関係、それぞれの欲望、そしてある小道具がイヤな予感を与える。
イプセンは前の前の世紀の人。でも普遍的なことを扱っていて、演劇ツウの方がよく「現代劇です!」と言われるわけも、実感できました。
登場人物は全員、こだわりや悩み、欲望があってデコボコ。その中でヒロインだけがどうも違うカタチをしている…。ひとりだけ、解決法のないことを悩んでいる。
そんなことが時間の経過とともにわかってくるのはスリリングでした。
女中役の多田慶子さん、いつもながら面白い俳優さん!
ベテランの女中さんだから「無駄のない動きをする人」に化けているんですね。ほかの登場人物の「古典の登場人物らしからぬはっちゃけ方」との対比でとても面白かったです。
Overtime HIGH
One Bill Bandit
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2017/12/16 (土) ~ 2017/12/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/12/16 (土) 19:30
価格1,000円
土曜日、1日3回公演ってすごいな。着ぐるみショーか。
少し込み入った話。思惑が途中で変わったり、ウラオモテが見えてきたりするたびに、ついていくのに苦労するので(ただしそれでも少しも面白さは損なわれない)、できれば2度みたい。再演しないかなー。
休憩やBBSなど、1,000円という料金にまったく似合わないサービス精神が、どんどん高まっていくふしぎな劇団。
こういうの、芝居の練習と同時に全員でどうするのか決めて共有し、覚えなきゃいけなくて、けっこうたいへんですよね。
「ところであれどうするんだっけ」「はっ! 決めてない!」みたいな問題が本番の半日前に出てきたり…。でも「たいへんだからシンプルにしよう」なんて思わないのが演劇人のおそろしさ。そして、サービスはちゃんとやらないとつまんないからちゃんとやる! この根性が演劇人のおそろしさ。
今回も「愛のテーマ」が最高でした。
あと、いい話なんだけど、いい話の落とし穴に落ちないバランス感覚がこの作家さんの天才性だとわたしは思います。
切実な問題の切実さをわかっていないわけじゃないんだけど、それにひっぱられて説教がましくなるのをすごーく上手に避けている。
「演劇に一生懸命になるの、イヤだな。ワンビルに一生懸命になりたい」というパンフにある言葉、かっこいいです。木下さんにしか言えない言葉です。
ペルセポリス
かもねぎショット
ザ・スズナリ(東京都)
2016/01/28 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
再演してほしいー
演劇を、生の舞台を見る楽しみがつまった作品。いつもそうだけど、今回はとくに。
演じる人と同じ時間を体験するということ、何かを伝えようとする人の態度に感動すること、それを知ってほしいから、再演してほしいし、地方公演もやってほしい。
追記。2017年、改訂版となって再演されましたね。夢みたいだー。嬉しかった。初「かもねぎ」の友人を誘って行きました。
今の日本の現実ともきっちり向き合っている、勇気ある作品であり、ちゃんと娯楽として昇華されているところもすごい。
偉大な一家の二泊三日ともう少し
One Bill Bandit
中野スタジオあくとれ(東京都)
2016/02/06 (土) ~ 2016/02/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
例年より少しまじめ
サービス精神あふれるワンビルさんが、さらにサービス増し増しで登場。いやあ、楽しかったです。
全国公演とかしてほしいぐらいですよ。
裏パンフによれば、俳優さんたちの希望をとりいれたあて書きなのだそうですが、なかなかできることではないですよね。奇跡的な才能の集まりだなあと思います。
ミュージカルシーンでは、全員が、それまでの役の顔とは違う、「ミュージカルシーンのキャスト」の顔をする! すごいわー。
病院ミシュラン
テアトル・エコー
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2014/03/01 (土) ~ 2014/03/10 (月)公演終了
二度目は二度目で
初見のときは、やはり筋を追うのがせいいっぱいなので、二度目は役作りや演出、舞台そのものを楽しんだりいたしました。
たとえばふたりのナースさんの足元、ポケットにさしているものに、それぞれの個性が「なるほどなあ」という現れ方をしていること。
不良患者さんそれぞれが読んでいるもの。
そしてリアクション演技のすばらしさ!
病院ミシュラン
テアトル・エコー
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2014/03/01 (土) ~ 2014/03/10 (月)公演終了
冬のグアムは空のまち
One Bill Bandit
池袋GEKIBA(東京都)
2013/12/07 (土) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
やっぱりあなどれない!
はたしてあんなふつうの高校生が、こじれて傷ついた大人の女性を救えるのか…?
という興味でひっぱるのですが、すばらしい展開のハッピーエンドでしたね。
寒い屋外の話なのに、みんなライトと動きで汗だく、という指摘がいくつかあるけど、わたしは気にならなかった。
確かに、汗だくになりながら「寒そうな演技」をする、というのもシュールで笑えてよかったかも。
ただ、そこで笑いをとるつもりはないだろうから、あれでいいんじゃないかな…。舞台と近いから汗が見えちゃうだけだしね。
カモメさんは、ああいう人が現実にいるとしか思えない存在感でした。
「まさかここまでやるとは!」な、音響の懲り方とか、ほんとこの劇団は予測を上回ってくれるのであなどれません。
予測と違うといえば、「そらのまち」だと思ってたら「カラのまち」なんですねぇ。
HOME!!GAME!!RUN!!!!
One Bill Bandit
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2012/11/17 (土) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
「あるある」と「こんなやつおらんわ」の激突
遅ればせながら。破綻なく手際よくとりおこなわれるお祭りみたいで、前回と同様、楽しく見ることができました。この料金はあまりにもうれしいです!
リアルな人物…「あー、球団広報ってこんなかんじだなあ」「熱狂的ファン出身のスタッフなら、やりそう、こんなこと」「チア・リーダーの設定がリアル!」「ほんもののプロ野球選手みたいだ」
とんでもない人物…「ぜったいおらんわ、こんな○○○や△△△…おったら怖いわ。でも…いたら会ってみたいかも」
この両方がいて、ぶつかりあうのがまたいい味出してました。
かもだる田バラエチー「花の精」〜再演+α!〜
かもだる田
浅草木馬亭(東京都)
2012/08/23 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
なんという日!
久しぶりの浅草、せっかくだから仲見世を抜け、右手に見えるというなんとかツリーも眺めよう、と駅を出たら、なんと例のカーニバルの日だった。そういえば高円寺では阿波踊りをやる日だ。なんという日!
だるま食堂はずっと見たかった劇団!
熟年女性の味わいを生かした笑いとアクション、こんな面白いものを今まで見てなかったとは、わたしはバカか?
多田さんとかもねぎショットは、昔から好きで見てるけど…
ハーフムーン
テアトル・エコー
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2012/04/03 (火) ~ 2012/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
唐沢ワールドに身をゆだねて大満足
『アラカン!』で、ニュータイプのバックステージものを見せてくれた唐沢伊万里さんと、テアトル・エコーのタッグ。
今回は、いかにもいそうな中年夫婦が、どこかにありそうな民宿にやってくる話。作家さんの振り幅の大きさをかんじさせますねー。
はじまりのところでわたしたちは、民宿の次男坊のもくろみをきかされます。やってくる客に取材して、それをネタにシナリオを書いてデビューしよう! なーんていう。でも、やってきた夫婦のダンナのほうは、きいてもごくふつうのことしか言いません。がっくりくる次男坊…。
おいおい、唐沢さんのドラマだぜ、これからきみにびっくりするようなことが起きるんだぜ、と客席から心のなかで、わたしは次男坊に語りかけました。
ワールド イズ スターマイン
One Bill Bandit
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2011/11/26 (土) ~ 2011/11/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
感情が全開になりました
それぞれに善人だが頭がラクをするほうにこりかたまっている三人組を、なぜ雇い主である宇野社長は「地域活性プロジェクトチーム」のメンバーにしたのか?
宇野社長のおそるべき(?)陰謀がわかったとき、三人は覚醒する…。
そこはちょっと感動的なんだが、だからといって善人が急に有能になるわけではない。
ひとりだけ有能さを見せる登場人物の社長秘書も、ある理由で、まっすぐに能力を発揮しなくなる…。
この窮地を救うのが、なんと…
アラカン!
テアトル・エコー
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2011/11/11 (金) ~ 2011/11/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
魔法にかかった理由
『アラカン!』、12日と19日に見ました。
一度やってみたかったのが、「同じ芝居を、間をおかず二度見る」ということ。
映画や小説、マンガではよく経験しますが、あまり間をおかずリピートすると、一度目は筋を追うのがせいいっぱいだけど、二度目はゆったり見られるから登場人物のようすに目が行き届き、気づかなかったことにたくさん気づける。
お芝居はライブの緊張感があり、筋を追うのがとてもたいへんだから、二度見の効果も大きいと思う。
でもお芝居はお金がかかるからねぇ…。
これまでは、自分で二度見るかわりに、ほかの人の感想をきいたり、劇団や作家の方の話をきいたりすることで満足するようにしてました。
(ちょうど劇場で売られていた唐沢さんの『リプレイ』っていう劇評本も、まさにそのために読みました)
まあ、だからこそ、「これぞ!」と思った作品は二度見てみようと思ってたんです。『アラカン!』は一度見て、「これがその作品だ!」と思ったんですよねー。
シニア向け演劇教室の素人役者が『オセロー』をやりたいと言い出す話、ときいて、当然、そのシニアさんたちの視点で見ることになるんだろうなあ、と思ってました。だってあたくし、文化祭とはいえ、いちおう部活で舞台に立ってるざますからねぇ(ドヤ顔)。いわば元素人役者でしょ、あたくしも。
ところが(以下ネタバレ)