ちゃたらーの観てきた!クチコミ一覧

41-60件 / 253件中
『クリプトグラム』(cryptogram)

『クリプトグラム』(cryptogram)

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2013/11/06 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★

藪の中
会話劇とは聞いていましたが、あまりにかみ合わない謎めいた会話に、ずっと緊張を強いられました。
しかしながら、悪い緊張では無かったです。妄想好きなので。

タイトルが「クリプトグラム」なので言葉の裏を追いかけて、その経過が面白かったです。そのあたりはネタバレで。←観劇した人だけお願いします。

故・三原順さんの漫画をイメージしながら見ていました。(テイストが似ていると思います)
チビルドルフ、チビ古美門の坂口湧久くんはとてもよかったです。

ネタバレBOX

妄想好きなので、こういう会話には、「何が隠されているんだ?」「何を隠しているんだ?」と裏を読みすぎ、勝手に話を作る癖があります。

(以下、私の妄想ですのでご注意ください)
私の脳内では、早いうちにデルはゲイで、ロバートの恋人でした。彼のシャツ着てるしぃ。
で、帰ってこないロバートは、死んでいました。安易な想像ですけど。
「殺したのはどっち?」くらいの気持ちでデルとドニーを見ていました。
だって二人とも、登場シーンがあまりに挙動不審だもーん(笑)

で、「デルとロバートは、キャンプには行ってないわねっ」と、これもわりと早いうちに読んでいました。デルが自分を「オカマ」呼ばわりして、もうひとつの想像も当たっていたと手を打ちました。←内心。

しかしながら、嘘キャンプで隠していたのが、ロバートの浮気というのは、あんまりだわー。女子中学生が「パパとママに内緒で彼と旅行に行くのv協力してvv」じゃないんだから。
一瞬、ガックリしたものの、私の脳は、その言葉は嘘だと却下しました。
その嘘が、もっとすごい秘密を隠しているハズ!!
それは、最後には明らかになるハズ!!
という私の希望は、残念ながらかなえられませんでした。←笑
でも、あのデルの告白が真実という証拠も、どこにもないのです。
ドニーにロバートを諦めさせるための嘘。今もそう思っています。

少年ジョンのセリフはしばしばイミシンで、これまた妄想を刺激しました。
あんなに眠れないのは、おかしいわよね。
ジョンは何かを知っているのではないかしら。何を見たの?!
あの蝋燭の火は、何を暗示しているの?!

これまた、明確にはなりませんでしたが。

そんなこんなの、語ればもっとの、脳内妄想が吹き荒れた80分。

伏線が回収されない芝居は嫌いなのですが、これに限っては、まあ妄想を楽しんだのでよかったということにします。
ギャラクティカ・めんどくさい。

ギャラクティカ・めんどくさい。

劇団鋼鉄村松

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★★

ジャンプ臭
面白かったです。
少年ジャンプ、私も読んでました。ジャンプ好きです。
そしてハインライン、ル=ヴィン、田中芳樹を読んで、スターウォーズ、ヤマト、ガンダムで育った私には、世界観もツボど真ん中でした。
おバカスペースオペラ、最高。
バブルムラマツさんの、歴代の作品へのオマージュを痛いほど(←横隔膜が)感じました。
たくさん笑わせていただいて、しかも、しばしば感動しました。
素敵な時間をありがとうございます。
最終日に観たのを後悔しました。半額割でもう一度観たかった。
(17時の回も、前もって知っていればとほぞをかみました)

劇場でいっぱい吸い込んだジャンプ臭については、ネタバレで。

次回の予告見ました。d-倉庫ですか。日暮里ですね。
阿佐ヶ谷で出会った鋼鉄村松さんも、ずいぶん遠くに行ってしまいました。(距離的に)
恥を忍んで告白すると、今まで多くの「観たい」を書き連ねてきましたが、結局d-倉庫での芝居は一つも見ていません。はい、遠いので。すみません。
私の中の宇宙でも、めんどくさい銀河帝国とおもしろい星団連邦が戦っています。

ネタバレBOX

小山まりあさんのビキニ!!
(そう、おっぱい、これがないとジャンプじゃないですよねー。)
ワタクシ女ですが、目が釘付けになりました。大島優子に負けてないと思います。
女子がみんなメガネっ娘なのも、ジャンプ臭というか少年誌臭が漂いました。(ただの演出家のフェチかもしませんが)

そして私がもっともジャンプ臭に身もだえたのは、「どうにもダメ少年の主人公が、仲間の死(注1)や困難を乗り越えて成長する」アレ、そしてもうひとりの主人公(ダメ少年よりはるかにカッコよくて優秀なのに作品的位置づけは二番手)が「そのダメ少年への嫉妬を自覚した時にもう一皮むける」アレ。
少年漫画の王道ですよね。
ちなみにキャラクター人気投票だったら、絶対、カルヴァン閣下が1位になると思います。私がハガキ200枚くらい書きます。
(注1…この芝居においては結局誰も死んでいない。これは私にはとても嬉しい話でした)

「友情」は、そんなに無かったけれど(ベルカとのりお?)、「努力」もあんまりしている人いなかったけれど(面倒くさいからね)、「勝利」も最終的にビミョーだったけれど(まあ カルヴァンの勝ち)、それでも、とってもジャンプしていました。

そんな中で、『少年ジャンプをこよなく愛しながらも「善」と「悪」の二元論を信じきれないぐらいには少年でなくなってしまったバブルムラマツ』さんのメッセージがキラリとこめられていて、うっかりそこには感動してしまったのでした。

語られるメッセージには「善悪の彼岸」という言葉も浮かびました。
ついでに西城秀樹の「若き獅子たち」の冒頭の歌詞も浮かびました。笑。



11/5追記
すみません、朝になって、突然昨日のジャンプ三大原則「友情・努力・勝利」、ちゃんとあったことに気付きました。訂正します。

暗殺されかかって親とも親友ともいえるベルカを殺された(注2)のに、「すまなかった」の一言で生まれた、のりおとカルヴァンの『友情』
(注2…しつこいですが、結局誰も死んでいない。本当に嬉しい話です)
誰ひとり正しく出来ていなかったけど、だからこそ『努力』を感じた腕立て伏せ。
唐突に始まった「めんどくさい」のシュプレヒコール。シュプレヒコールは少年漫画定番の『勝利』の姿。
こんなにわかりやすく詰め込んでいてくれたのに(笑)
大変失礼いたしました。次回作もよろしくお願いします。
「ラストシャフル」

「ラストシャフル」

劇団 浪漫狂

シアターサンモール(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

良かったです。
さすが劇団30周年のベテランの味。笑って泣いてスッキリさせてくれました。

途中のアドリブに見せかけたやり取り(『本番で突然アドリブ言うなよ』と分かりやすくわざわざ言う)や役者いじり(可愛い女優に変なポーズを何度もさせて、その女優が去り際に『恥ずかしーい』とわざわざ言う)は、ちょっと失敗。
アドリブ風に見せるなら、もっと上手くやってほしい。
個人的に、ああ言うのは苦手なので、☆一つ減。

それでも、笑えるところでは笑い、重吉さんの演技には泣かせていただきました。右近さん、良かったです。
ベタなのもわかった上で、楽しめる。私の中ではちょっと東京セレソンに似ています。

伏線もきちんと回収されていて、よく出来たストーリーです。
途中に記念撮影タイムがあり、フラッシュ付きカメラを持っていかなかったことを後悔しました。

前回、同じこちらの「サージェント」を見た時の感想は、『古くさい』『私には合わなかった』と書いていました。ごめんなさい。
今回、ある方に誘っていただいて観る機会があり、良い劇団だと気付いてよかったです。脚本が良いと、『ベタでも好き』ということが分かりました。
次回作にも期待します。

ネタバレBOX

アイドル風の女の子3人が、家の中で靴を履いていたのがすごく気になったのですが、最後のオチ(というか種明かし?)で、ああ、そういうことかと納得しました。
事故の時に、靴を履いていたか脱いでいたか、なんですよね。
そういうことにしてください。

あの白衣ふたりの存在も、気になっていましたが、ゲストとともにまるっと解決してくれてスッキリしました。
無駄に登場人物を増やしていたんじゃないんだなと。

役者さん、スタッフさん、感じのよい人たちでした。
ありがとうございました。
この世の楽園

この世の楽園

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★

いろいろサイテーな男女を堪能
酒巻誉洋さんを見たくて行きました。やっぱり酒巻さん良かったです。
他の役者さんたちも、みんなよかったです。嫌な奴が徹底して嫌な奴に見えました。

終始緊張した芝居でしたが、私が観た回ではけっこう笑いがおきていました。
ステレオタイプに強調された男女の「サイテーぶり」に、私も笑いました。

彼らをサイテーと見たのは、あくまで個人の感想です。

ネタバレBOX

謎のキチガ○(酒巻さん)が3組の男女に、それこそ大津波的な衝撃を与えたはずなのに、結果的に、状況は何も変わっていない。
「こいつら救いようがないな」と感じました。
だもんで、「こんな奴らはみんな津波に流されちゃうといいよ」とか思って見ていたら、実際に「あの」音が響いてきて、なんだか不気味にスッキリしました。

あの音の解釈は色々あるでしょうが、ワタシ的には「大洪水でスッキリ☆」感です。


以下、個人的な毒吐き。
(役中の人物についてです。役者さんはみんな好きです・笑)

志津夫と計伊子のカップル、強いて言うなら計伊子に共感。志津夫の執着ぶりはキモイ。「捨てられたんなら、あなたも捨てればいじゃない」って本当にその通り。言われて驚いた顔すんな。
しかしながらその台詞、お前が言うかと思った祥子。
あんたのダンナは最低だ。この芝居の中のキングオブサイテーだ。「あなたこそ、さっさと別れなさ~い!」と、肩をゆすってやりたくなった。
おろした子どものことをグチグチ言って、多分そのせいで妊娠できなくなった妻を置いて、外に子どもを作るとか言ってる身勝手男、妻が自分を立てないからとスネてキレる小さい小さい男。こいつだけは、キチ青年が殺してってくれれば良かったのになー。あーあ。
宏樹と美加のカップル、ありゃどっちもダメだ。女もダメだ。私は、クソ男を甘えさせている女が一番嫌いっす。


そんなこんなで、なんでお金払って、軽蔑したくなる男女を一時間半も見続けないといけないの?と思ったけれど、勝手な解釈であいつらは全員大洪水が洗い流したと結論付けてスッキリ帰りました。
帰りの脳内BGMは郷ひろみの「洪水の前」


それにしても「別れられない」ってのが全く分からない。
ほんと、「捨てればいいじゃない」 ね。
MIWA

MIWA

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白い!
実は「野田地図になってからの芝居は、ちょっと分かりにくいな」と思ってました。夢の遊眠社時代の野田ファンです。
この『MIWA』は、昔の遊眠社を思い出しました。二重構造、言葉遊び、そして野田さん。おもいっきり堪能しました。ありがとうございました。
できれば、もう一度観たいです。
ちりばめられた言葉やエピソード、美輪さんや三島由紀夫を知っていると、余計に楽しめます。推薦図書『オーラの素顔』(笑)

友人が「美輪さんが言うと自慢話にしか聞こえなかった話が、この芝居だと腑に落ちた」と言ったのも、面白い感想。


ネタバレBOX

宮沢りえさんの美輪少年、良かった。万年町の時はそんなに感じなかったけれど、この芝居では美少年ぷりが輝いていました。
最後の「愛の讃歌」場面は(歌ってなくても)トリハダもの。

もう一人の美輪さん、古田新太さんも、やっぱり良かった。安定した面白さ。存在感。
この二人で美輪さんを表現するという発想が、本当にすごい。

個人的にはナルシーの出番がやたら多くて(笑)、うれしい。

浦井くんも小出くんも大好きな役者なので、この二人とナルシーが並んで立っていると『俺得』という言葉しか浮かんでこなかった(笑)

役者さんがそれぞれ豪華すぎて、無駄遣いっぽくなっている気もした。けど、野田さんだからこれだけ集められたんだろうなー。

最初の場面は『リボンの騎士』みたいでしたね。天界からふたつの魂が一つのからだに落ちて行くというところ。
ビョルン・アンドレセンの肖像がフヤケて古田新太という場面や、三島の「この思い切ったこしらえに免じて」とか、個人的に大笑い。隣席の人には迷惑かけてしまったかも。すみません。
晩餐

晩餐

タクフェス

サンシャイン劇場(東京都)

2013/10/03 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

笑って泣いて最後は踊って
お芝居の面白いところ、てんこ盛り。
楽しかったです。

アドリブ場面は柴田理恵さんに頼りすぎの気がしましたが、やっぱり笑いました。
ただ、泣きのシーンについては、微妙なところも。
そのへんは好みの問題と、究極ネタバレなので↓で。
これから観ようとする人は、ご遠慮ください。

ネタバレBOX

耕太郎が母親の舞子に初めて会う場面や洋服を買ってもらった場面は、私もウルッときました。梅雀さん、田畑さんの演技も、すごく良かったです。


しかしながら、子どもを作ると舞子が死ぬからと言って、生まれてきた子どもが二人を別れさせようとするというのは、どうなの?
百歩譲ってそこは理解できたとしても、それで別れる決心をした純ちゃんが「舞子は本当は好みじゃなかった」とか「子どもを産める人がいい」って振り方は、酷過ぎないか?

二人が別れる必要はないじゃないか。あんな言い方、舞子かわいそうじゃないか。
どうせ嘘つくなら「本当は子ども嫌いだから作りたくない。ごめん」とかいうやり方もあるじゃないか。
もっというと、こっそりパイプカットでもすればいいよ。うん。
それしたくないというのは、やっぱり、こいつ舞子よりもいつか自分の子どもが欲しいのか?とか、意地悪な気持ちにもなりました。←性格悪い。すみません。

純ちゃんの言い方が舞子に対して酷すぎれば酷すぎるほど、観てる側が「舞子かわいそー」って泣くのを期待しているのか。
田畑さんの演技が良かっただけに、あの場面は残念でした。

「本当は好きなのに、それを隠して別れを告げる」って、メロドラマの定番ですから、好きな人は好きなのでしょうが、私の好みではなかったようです。
無理くさいというか。
泣け泣けって感じもちょっと。

しかし、全体的にはとても楽しいお芝居でした。

最後のハッピーエンドも(全ては中野たまちゃんのお手柄ですが)、良かったです。でも、あの作家だった耕太郎は、確実に消えているんだよな。梅雀さん、可愛かったな。
イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】

イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】

劇団東京イボンヌ

ワーサルシアター(東京都)

2013/10/01 (火) ~ 2013/10/06 (日)公演終了

満足度★★★

許すことが愛なのか?
ベートーベンとマリアの愛には、感動するところもありました。マリア役の女優さんが素敵でした。
けれども、現代の家族の話はついて行けませんでした。個人的には、あの話は無いほうがよかった。ベートーベンの時代だけで見たかったです。

マリア役の早瀬マミさんと、浅見さんのピアノに☆一つ追加。

ネタバレBOX

母親の愛人から性的イタヅラをされていた少女が「それでも私たちの生活をささえてくれたよね」なんてセリフ、ありえないわ~。
その幼い娘へのイタヅラを見て見ぬふりをしていた母親もわからない。つか、サイテーですよ。
最後に、マリアさんと「お互い大変でしたわね」とか笑っているし。
「おま、母親、それでいいのか!」と心で突っ込みました。
「あなたとマリアは違うでしょー」と。
この母親も、娘から簡単に許されすぎです。

一方、好きなこと(研究)に没頭するあまりに月3万しか稼げず、妻にはDVをふるう丈一郎。家族を捨てて金持ちの女性に養ってもらいながら(それも『吹雪の日に家の前で倒れていた』っていつの時代のどの地方の話ですか?)、研究成果をだせたものの、末期がんに侵されて、最後はいろんな女性に許されて愛されて死んでいく。
これも、都合よすぎる。
がんで死ぬからって、DV男を、自分たち家族を捨てた男を、そんなに簡単に許せますか?

テーマが「全てを受け入れ許す愛」と言うことで、上記のような都合のよい許しが描かれてしまったと思うのですが、何とも納得いかない脚本でした。



観劇前に【東京イボンヌ復活にかける思い】という文を拝読しました。
「どうしたら演劇でご飯が食べられるようになるのか」という強い気持ちが伝わりました。
それに対して、個人的に、一観客としての思いを述べたいと思います。芝居の感想ではありません。

その文中に「四季や宝塚のようにチケットが発売されると即完売する劇団がある。この違いはなんだろう」と書かれていましたね。
私はかつて、四季も宝塚も、友の会にはいってまで通い続けたものですが、このふたつの劇団にあるのは強烈なリピート力です。見終わった後に、もう一度観たいと思わせる、音楽、芝居、役者の魅力。そして見るたびに新しい発見がある「生」の面白さ、息遣い。
私の周りにも、宝塚や東宝ミュージカルは一公演を最低5回は観るというのがゴロゴロいます。新感線や三谷作品も、面白かったらリピートしますね。友達も誘って。チケット取るのが大変ですが。

一方、小劇場の多くは、もう一度観たいと思わせてくれるものが、とても少ないと感じます。
私の小劇場観劇歴はまだ2年ですが、ざっと200くらい観た中で「同じのを2回見たい」「これは友達誘ってもう一度観よう」と思わせてもらったのは、ほんの3作品くらいです。
(面白いと思った劇団はもっとたくさんありますが、同じのをリピートしたというのは3つくらい)

「お客様は気にいってくれたら来てくれるもの」
これは、間違いじゃありません。気に入ったら、通います。友達も誘います。
新たな顧客は、顧客が呼びます。口コミだけじゃない、好きになったらYou tubeでもニコ動でも、発信できるところは今はいくらでもあります。
営業活動に力を入れるより、スポンサー活動に力を入れるより、面白い脚本を一本書いて、魅力的な役者と印象的な音で、ひとりの観客の心を動かすこと、それが大事じゃないかと思います。

長々と、個人の意見を書いてしまいました。
演劇関係者でもなんでもない(だからお金が無い劇団の苦労などわからない)素人が何を言ってる、って感じかも知れませんが、商業演劇のチケットを買って支えているのは、ただの演劇好きの素人です。

次回、「これ絶対見た方が良いよ」と友達に勧められるお芝居を期待します。
『起て、飢えたる者よ』ご来場ありがとうございました!

『起て、飢えたる者よ』ご来場ありがとうございました!

劇団チョコレートケーキ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/09/19 (木) ~ 2013/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

上質の芝居
前回の「熱狂」に続いて、役者さんたちの熱量に圧倒されました。
ヒトラー役で私を魅了した西尾友樹さんが今回も、豹変する兄役で大変魅力的でした。
豹変といえば紅一点の渋谷はるかさん、「奥さん」から「永山さん」への変貌は何か憑依(と)りついたのかと思いました。

個人的に極左が全く理解できないので、感情移入はできなくて、「もっと総括します」とか「異議ナシ」「ナンセンス」などの科白には失笑しかけたのですが、それを許さない緊張感がありました。

思想や生きざまには共感できなくても、芝居としてはとてもクオリティーの高いものだったと思います。
舞台が柱で見づらかったのと、今一つ感情移入ができなかった点で満足度は☆1つ減らしていますが、劇団のお勧め度は☆5つです。

ネタバレBOX

思想でも新興宗教でも、純粋な人ほど染まりやすいのでしょうね。

奥さんが昔の罪を「総括」という形で告白して、それが受け入れられた後、大きく変わって行った様子が感慨深かったです。

大昔、通わされた自己啓発セミナーで、参加者一同円陣組んだ中でひとりひとり「今までの人生で最も悲しかったこと辛かったこと」を発表するという授業がありました。(なんでやねん!とか思っている時点で、私の自己啓発は不発に終わっていますが)
中には泣きながら語る女性もいて、その彼女の終わった後の晴れやかな顔など思い出しました。

ブサイクな彼女

ブサイクな彼女

1月11日

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2013/09/19 (木) ~ 2013/09/20 (金)公演終了

満足度★★★

ブサイクじゃない
山村涼子さんが良かった。とてもよかった。ちっともブサイクじゃない。むしろ男前。
でも、関西弁はずるい。あれ、標準語だったらそこまで魅力的にならないもの。
石原さんは、地味な役でもクスッと笑わせてくれる。

ネタバレBOX

死神が最後いなくなったのは、都合よすぎる気がした。
エミとよりを戻して(とは違うか)子どもが生まれることになって、タイゾウが死神に泣きついた時も「ダメ」って断っていたじゃない??
hedge

hedge

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2013/09/11 (水) ~ 2013/09/18 (水)公演終了

満足度★★★★

わかりやすい金融入門
金融用語の解説を劇中で行う、その巧みさに驚きました。
これなら全く知らない人でも十分理解できるだろうなというところまで丁寧に落とし込み、同時に笑いも取っている。詩森さんの力に脱帽。

ただし私個人としては(プラザ合意の少し後から20余年間、どっぷり金融業界に浸かっていたので)、くどく感じる部分もあり。「それはもういいよ」と退屈になるところもありました。しかたないですよね。学校の授業と同じです。
一緒に観に行った友人も「教育テレビを見ているみたいだった」と感想を漏らしていました。

とはいえ、面白くなかったかというと、そんなことない、面白かったです。

たくさんの扉で囲まれた舞台にはまさに複雑な「社会」を感じました。扉の使い方うまい。わかりやすくカッコイイ演出も、生演奏、音も、役者も良かったです。

あまりに上手くまとまりすぎていたのが、物足りなかったのかもしません。

詩森さんとこの劇団の素晴らしさは今回も感じましたので、次回作も絶対観に行きます。

ネタバレBOX

たびたび登場した会議の場面や、エリート意識のぬぐいきれない金融マンたちのちょっと鼻につく会話も、社長のスピーチも「業界あるある」で、個人的には目新しくなく、そのため残念ながら心揺さぶられることはありませんでした。
唯一、グッときたのはラスト会議室に駆け込んできた国分の叫びでしたが、あくまでその様子にグッときたわけで、「自動倉庫部分を物流に従業員ごと買い取ってもらう」という案は、もっと早く思いつくだろ?と(笑)
当然そこまでは最初に検討していて、立地とか雇用条件とか諸般の事情で出来なかったんだろうと思っていたのは、私だけでしょうか。

腹黒い(人も多い)業界に居すぎたからか、いろいろ穿った目で見てしまって、谷川が「個人でクレーンを買った」というのも、ワタシ的には「下心がスケスケ」
かつて私のいたところでも、法人担当者に気に入られようと要らないもの買いまくり、それを無理やり部下に売りつけたり、社内の景品にしたり(誰も欲しくねーよ)と、日常茶飯事でしたので。
なので、最後まで谷川がさわやかだったのが意外でした。えっ、こいつ、実は一番悪党とかじゃないの?!みたいな。

それで言うと、本当に、みんないい人でしたね。
ぶっちゃけ、誰がいつ裏切るのかと思っていたので、あまりに波風が立たない世界に肩すかしでした。
唯一最後まで期待していた(?)片桐まで、おばあちゃんネタでいい人になっちゃって~。
ひょっとして、全ての男を魅力的に書きたいって想いなのですかね。
仮に腹黒くても性格悪くても、片桐は魅力的でしたけど。

加治氏だけがインサイダーで道踏み外しましたが、それも「あるある」
そこをもっと泥臭く描いてくれたらドラマになったかもしれませんが、別の話ですね。

余談ですが、その加治氏のシャツの襟にしわがたくさんあったのが、登場した時から、気になって仕方なかったです。億の金を動かす人間にあれはあり得ません。
だから、冒頭の茂木を口説く場面、「こいつ詐欺だわ」と、ミスリードされてしまいました。いや、勝手に迷い込んだんだけど。
ワイシャツは洗うと縫い目が縮んでしわになるんです。縫い目を引っぱりながらアイロン当てて欲しかったですね。むろん、ちゃんとした金融マンは全部クリーニングに出します。250円を惜しみません。今はもっと高いのかな?



被告人~裁判記録より~

被告人~裁判記録より~

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/08/27 (火) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

被告に何を見るか
一緒に観た友人が「写真のような芝居だった」と感想を述べました。
まさに、言いえて妙。
物語があって「こうしてこうしてこうなりました」という明確なオチがあるのではなく、ポンと切り取った場面で、観る人の思いに任せる絵画的な芝居だったと思います。
被告人たちの言葉から感じるものは、観客によって大きく違う(そのあたりはネタばれで)が、だからこそ面白いと思いました。

開演前に当日パンフの「事件概要と演目の内容」を読むようにと再三アナウンスがあり、私もしっかり読んでしまいましたが、読まない方が良かったと思いました(笑)
色々な想像力をかきたてられてから見ても遅くない。
絵画の解釈も、自分が鑑賞してから教えてもらいたいし。

ネタバレBOX

1話めの秋葉原無差別殺傷殺人事件(被告人:加藤智大)
私がアンケートに書いたのは『母親のせいにすんな!お前なんか死刑だ!』という身も蓋もないものでした。
当時秋葉原をフラフラしていた(メイド喫茶の方じゃなくってフィギュア系のほうでね)私は、被害者たちを全くの他人とは思えず、加藤には憤りを感じていたので、被告の言葉が(弁護人の誘導も)酷く自分勝手で、自分の弱さを責任転嫁しているとしか思えません。
ところが、一緒に観た友人は「母親が(そしてそれを見て見ぬふりしていた父親が)悪い」と言いました。ドびっくり。
そして彼女は「あの秋葉原無差別殺人事件の本当の犯人は、加藤の両親だ」とまで言って、私に軽いカルチャーショックを与えました。
私が一番共感できなかった被告に、彼女は一番しっくりきた?ようす。
息子を持つ母親と子どものいない(が為にいい年してもいつまでたっても子ども目線)私とでは、全然違うものを見ていたのだなあ。


2話め結婚詐欺・連続不審死事件(被告人:木嶋佳苗)
割と最近TVで藤山直美のやった『悪女』を見ていたので、つい比べてしまい、「あれに比べて毒が無いなあ」とか「木島早苗役のナカヤマミチコさんが美人過ぎるよなあ」とかよけいなことを考えてしまいました。
会話も展開も予定調和。


3話め日本社会党委員長刺殺事件(被告人:山口二矢)
話うんぬんより(失敬)、宇野愛海さんの横顔が美少女すぎて目が釘付けでした。アンケートにもそれしか書かなかったと思います(笑)
そして今しみじみ思うのは、あの「純真無垢な美少女」は、山口被告の理想とした、守るべき国そのものだったのだなあ。

(余談ですが、実際の山口二矢の写真と演じていた塩顕治くんはとてもよく似ていると思います。似せたのかな?)


4話め226事件(被告人:磯部浅一)
個人的には、これが一番芝居らしくて面白かった。
磯部浅一の「天皇陛下、何という御失政でありますか」の叫びの場面は、切なかったです。磔にされたキリストが「わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」と言う姿を彷彿としました。
人によっては、あの叫びを狂人の妄執とか怨念とか見るかもしませんが、私には、信じていた神(天皇陛下)に裏切られ血を流している痛ましい聖人に見えたのです。


最後、異端審問裁判(被告人:ジャンヌ・ダルク)
ジャンヌダルクといえば、幼い日に胸ときめかした美内すずえ先生の『白ゆりの騎士』
どんな場面を切り取ってくるのか、ジャンヌの役者は誰なのか、と期待していましたら、なんという落とし穴!蝋燭一本という演出のため、眼鏡を忘れた(というかル・デコだからいらないと勝手に侮っていた)老眼(鳥目)著しい私には、役者の声と歩いている座っているといった動きしか分かりませんでした。
私の座っていた位置もよろしくなかった。

ラジオドラマのように声だけ味わいましたが、神の子ジャンヌが自白強要された冤罪被告のようだなあと思いました。
ある意味もっとも人間らしい。5人の被告の中で。
ディストピア

ディストピア

角角ストロガのフ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/08/22 (木) ~ 2013/08/26 (月)公演終了

満足度★★

好みが分かれるというよりは
率直に言ってしまえば「私の」好みに合いませんでした。すみません。
角角ストロガノフさん初見だったので、事前の情報収集が甘かったかなと反省。
基本、ハッピーエンド好きで、辻褄の合わない(現実的に照らして疑問が生じる)話が苦手で、下ネタもグロも苦手、ときたらしかたないですよね。全く私個人の問題です。
同じような好みの人にはお勧めできません。
その一方、
「これってこの後どうなるの?」
「これってどんな意味があるの?」
と、ぐいぐい引き込むパワーには圧倒されました。

さんざん引き込まれて、最後にブワッとカタルシスがあればすごく満足できたと思うのですが、どっちかというとモワーンとした気持ちで劇場を後にしました。
このモワーンが、好きな人は好きなんだろうなー。

ネタバレBOX

親切、思いやりが下劣な行為で、暴力が正当化され、殺すことが最高の行為という設定は、昔の少年漫画で見た気がします。デビルマン風の絵で(笑)←永井先生ごめんなさい。

その時の感想が「こいつら頭悪いなー」だったので、この芝居の特別区域の人たちも、「頭の悪い人たちが好き勝手してる」としか思えなかったです。
そこにこの芝居の主張があったのなら、もう少し違う見せ方があったのではないかと思いました。すみません。
カルメン、オレじゃダメなのか…

カルメン、オレじゃダメなのか…

シンクロナイズ・プロデュース

調布市せんがわ劇場(東京都)

2013/08/07 (水) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★★

何かが何かが
個人的には楽しめました。

が、何かが、何かが残念 と、当日のアンケートに書きました。
何が残念だったのかと、しみじみ考えましたがやはり、ひとつには「カルメン」がイメージじゃなかったというところでしょうか。
演じた方自身はとても素敵な女優さんでしたが、つくりの中で「男を狂わせるカルメン」としては小粒で真面目すぎたように見えました。それで、男達がこぞって縋りつく場面も、違和感があるというか、芝居くさく見えるというか・・・・・・いえ、芝居なんですけど。

そして、風刺を混ぜ込んだ歌は、私の場所が悪かったのか、歌詞が聞き取れずストレスを感じるところもありました。
ただ、まさかビセーの音楽で歌まで聴けるとは思っていなかったので、嬉しかったです。

今回初見でしたが、役者の皆さんとても魅力的なので、次回もぜひ見たいと思いました。

ネタバレBOX

カルメン以外の「女がいなくなっていく」という場面も、もう少し面白くなりそうなのに惜しいなーという気持ちになりました。

とは言いつつも、懐かしのミ・アモーレも聞けて、平井さんのキンタローも見らて、本筋とちょっと違うところでの満足度は高いです。

カルメンのしゃべり方が、ショムニの坪井さんみたいでした。
鮫に喰われた娘

鮫に喰われた娘

INGEL

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2013/07/31 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったです。
役者さんは「櫻井智也さんが出る」くらいしか事前情報を入れていなかったのですが、元宙組タカラジェンヌのひなさんこと朝比奈慧さんや、三津五郎さんの長女(巳っくんのお姉さん)の守田菜生さんが出ていて、ビックリ。ちょっと得した気分。
そしてそれより度肝を抜かれた、初めて観た女優の野口かおるさん。うわーすごい人見ちゃったという気持ち(笑)
新喜劇風ドタバタも、大げさな叫びも汗もよだれも鼻水も、「苦笑系喜劇」というキャッチコピーにふさわしい内容だったと思います。

そういえば、私が苦笑したところでも私の後ろにいたご年配の婦人はギャハギャハ笑っていましたし、私が大笑いしたところで隣の若者はクスリともしなかったので、突かれる笑いのツボがひとによって違う芝居だと思います。

ネタバレBOX

新喜劇風のしつこいリアクションネタ(記憶喪失のあたり)では苦笑させられたものの、個人的には、テンポの良い会話の面白さがツボ。
一例あげると、すっかり関係は終わったと思っている女に、まだ未練ある男が、
「俺は諦めちゃいなかったんだ!2アウト2ストライクでも逆転満塁ホームラン狙って打席に立っていたんだ!」
「いやいやいや4点差どころじゃないから(終わり具合)」
「野球の話じゃねーだろっ!」
「ってあんたが言ったんでしょ!逆転満塁ホームランてっ」
みたいな会話を汗と鼻水飛び散らせながら叫び合う。
櫻井さんと野口さんのやり取りがほんと可笑しかった。

男たちは(私に言わせたら)みんなダメ男で、女は強くて健気で、そしてどっちも可愛い。
可愛いといえば、アラフォーのふーみん、KAKUTAの高山奈央子さんも可愛かった。
「アラフォーがアラフォーをお姫様だっこしてクルクル回るのよ。その労働力に1万円くらい払うでしょ」と好きな男に万札渡すふーみんを、
「それって、愛情をお金で買ってるんでしょ」と別の女が非難すると、
「あーら、それって、お金で愛が買えるって信じている人の言葉ねー。ほーほほほ」
と、高笑い。
こういう会話がいっぱいあるのが楽しかったです。

ミニスカーツ (チケット残り僅か!ご予約はお早めに!)

ミニスカーツ (チケット残り僅か!ご予約はお早めに!)

INUTOKUSHI

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2013/07/05 (金) ~ 2013/07/09 (火)公演終了

満足度★★★

初見で
初「犬と串」です。
事前に覚悟していたほど下ネタはありませんでした。
冒頭のアメリさんの『3つの宣誓』は守られていたと思います。
面白かったかというと、うーん。くだらなすぎて笑えたという感じ。
思わず笑った後もそのネタが長すぎて、「もういいよ」という気持ちにしばしばなりました。
私の隣にいた男の子が(どこかの役者さんでしょうか)、ちょっとしたところでもガハガハ笑っていて、それにうっかりつられて笑ったり、逆に「いつまでも笑ってんじゃないよ、こんなギャグで!」とイラついたりと、忙しかったです。

役者さんは皆さんよかったです。次回の作品も、できたら見てみたいと思いました。

ネタバレBOX

「老いのり」が個人的に一番ウケました。多分私が老いを感じつつあるからですね。
おしめさんの「夜中に目が覚めるのは・・・」からに続くラブレター、ツボでした。
鈴木アメリさんのお婆ちゃんぶりには驚きました。


「新宿」
役者の力量に支えられていましたね。渡邊とかげさんとか藤尾姦太郎さんとか、他の役者だったら耐えられなかったと思います。
同じネタで長すぎます。

「野球部」
良くあるネタです。小劇場観劇歴2年ちょいの私でもこれと同じネタ4回見ています。おまけに、先生のお尻が汚すぎです。
教頭先生は、もうわかっているのだから、逆に、登場のときはもっと堂々として欲しいです。(横歩きがわざとらしかったです)

「ガーリーガーリー」
どの女優さんも素敵でした。
話はどうでも良かったけれど、役者を知るという意味では楽しめました。
そういう意味では、歌舞伎的です。

「超ノリツッコミ」
ダルカラの塚越さん、でよかったのでしょうか(紙パンフに名前が無いので)、この人の力技がすべてでした。下手な役者さんだったら、いたたまれなかったと思います。(いえ、彼でもいたたまれない時はありましたが)
初見の俳優さんでしたが、やっぱり、役者って大変な仕事だなと痛感いたしました。

「失われし七つの秘宝」
練習不足とかバイト疲れとかあれば、芝居はこうなるんだという見本。
ぶっちゃけうちわ受けですよね。カツゼツ悪すぎの役者とか。
役者さんとか劇団関係者にはウケていたようですが、一般観客の私的には、もういいよ早く終わってよ、というお話でした。

「キヲク」
チャーハンをネタにここまで引っ張るかと言う話。
わりとイケメンのアラタの回想する過去のアラタがけっこうなオッサンに見えるのが個人的にツボ。

「匠の技」
そのオッサンアラタ役の人(あってる?)の「よしこい!」的リアクションを楽しむ小作品。
個人的には、あと5分短くてよかったです。

「老いのり」
冒頭に書きましたが、私的には一番ウケました。
パーキンソンのキャラとか、今どきの若者がよく描けましたね。
GHQはガムを投げてはいないと思いますが。男女卑発言も生温かく笑えました。
『ベルサイユのばら』 -フェルゼン編-

『ベルサイユのばら』 -フェルゼン編-

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2013/06/14 (金) ~ 2013/07/21 (日)公演終了

満足度★★★

話が・・・・・・
酷かった。
色々なところでフェルゼンが自分勝手すぎ。

どうして初演から回を重ねるたびに改悪されていくんだろう。
二幕の関所の場面とかいらないと思う。
一幕のラスト、友達は感動したというのであまり大声では言えないけれど(いや言ってるけど)、私的には大笑いだった。
見た目みんな美しいだけに残念。

でも、最後のショーまで観たら「楽しかったな」「いいもの観たな」という気にさせるのがヅカマジック。

ネタバレBOX

一幕のラスト、滔々と愛を語りながら、衆人環視のもとオスカルを指差して自分に片思いしていることをバラすフェルゼン。
オスカルかわいそう~(笑)とか思ったら、そのオスカルにアンドレが片思いしていることもバラすフェルゼン。あんたなにもの。

オスカルに対抗し「(私はっ?)フェルゼン!」と前のめりのアントワネット。あんた隣に夫がいるやんけ!

何が何だかわからないまま強引に音楽が盛り上げて、前半の幕が下りた。

二幕ラストのアントワネットさまがギロチンへの階段を上がっていくシーンは、(過去の演出と同じで)グッとくる。
そこしかアントワネットの見せ場はなかった。「マリーアントワネットは、フランスの女王なのですから~」は省いてほしくなかったなあ。

杮葺落六月大歌舞伎

杮葺落六月大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2013/06/03 (月) ~ 2013/06/29 (土)公演終了

満足度★★★★

二部 
やりすぎ感いっぱいの「壽曽我体面」
海老蔵の五郎が随所で笑いをとっていた。そんな役じゃないだろう。
菊之助がやりにくそうに見えたのは、気のせいじゃないはず。

海老蔵の顔だけは、お父さんに似てきてる。
一方、お父さんにちっとも似てない孝太郎の舞鶴が力入りすぎで痛々しい。
仁左衛門さまは、いつもどおり美しかった。眼福眼福。

「土蜘蛛」個人的にはよかった。松葉目物はたいがい寝るのに今回は眠くならなかった。
人間国宝姑同士共演は見応えあり。重々しい。いろんな意味で(笑)
勘九郎の時とは全く違う土蜘蛛だった。
その勘九郎は狂言で登場、やっぱりうまい。狂言では松緑もよかった。息子の前でいいところ見せている。

でもこの2つの演目で2万円ってのは高すぎるよね。

杮葺落六月大歌舞伎

杮葺落六月大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2013/06/03 (月) ~ 2013/06/29 (土)公演終了

満足度★★★★★

千秋楽 第三部
ネタバレ欄は完全に自分用です。
すごい失礼なこと書いているけど、全ての役者に私なりの愛があります。
(そう思えないと思うけど・笑) 
許せないひとは見ないでくださいね。見ても知らんふりしてくださいね。

ネタバレBOX

①良くも悪くも予想通りの海老蔵 

観る前から「下手くそだけれど綺麗だろう」と思っていたけど、その通りだった。下手くそ加減は予想の上を行っていた。けど、やっぱり顔は綺麗だ。
出端の踊りはなかなか見応えあった。うん。3階からだから顔しか見れてないけど。

②福山かつぎより喧嘩っ早い揚巻 

福助の揚巻が酷かったよ。これも薄々予想通りっちゃそうだけど、前に新橋で見た時はも少しましだったと思ったのだが。千秋楽だから?たがが外れたの?
花道の登場から大トラだし、悪態ではどこの極妻ですか と。
あそこは「悪態の初音」と言うだけあって、聡明で思慮深い揚巻が助六を庇って「生まれて初めて」悪口を言いますよという場面。なのに福助の揚巻の喧嘩上等ぷり。啖呵切りなれてるだろーお前!
いろんなところから失笑が漏れていた。これ、初日からこうだったのか??

③あの米吉がすんげー美人に

並び傾城の登場場面。一番手は壱太郎、化粧が濃くって怖い。前はもっと可愛かったのに、最近TVによく出るようになったけどチヤホヤされて何か勘違いしているんじゃないかしら。オバちゃん心配よ。
新悟、品はあるんだけど痩せすぎ痩せすぎ。ほっぺたに綿詰めたらどうかしら宍戸錠みたいに。
尾上右近、彼もますます顔長くなっちゃって、この間の必殺仕事人2013で今さら解禁しなくていい女形を見せてくれた獅堂そっくり。
と、オペラグラス覗いて辛辣なことをツラツラ思っていましたら、
『誰あの美人?!』
驚いたよ米吉。中村米吉。ぶっちゃけ子役の時はどうにも頭悪そうな顔で、そのうち素で一条大蔵卿できるわ(前半のみ)とか思っていたのに、こんなに白塗りが似合う愛らしい顔になっていたとは。
芝居もうまくなってくれたらいいなー。
で、米吉に見惚れていたので、児太郎の粗はほとんど気になりませんでした。昔の破壊力を思えば、おとなしくなったもんだ児太郎。

④やっぱり通人里暁はおいしい役

三津五郎さんの通人里暁、笑った笑った。間がいい。当世風ネタというのもちゃんと入ってる。
助六に股くぐりを命じられて「じぇじぇ!」
「いつくぐるの。今でしょ!」
くぐるときの消臭剤はこのところお約束。
続いて、白酒売り菊五郎さんにも股ぁくぐれと言われて、
「再びのじぇじぇじぇ!」ちゃんと「じぇ」の回数を増やしている。
で、ブツブツ言いながらも「このお方の奥様はふじさん(富司純子)。富士山と言えば、世界遺産登録、おめでとうございます!」(ここで大拍手)「めでたい、めでたいからくぐっちゃいましょくぐりましょ」と股くぐり、花道に向かいながら「股くぐりのダブルヘッダー、こんなことめったにないよ。めったにないから、つぶやいちゃおう」とスマホ出して花道の七三で操作。会場爆笑。
「つぶやいたついでに海老蔵さんのブログも見ちゃおう」またまた爆笑。

普通千秋楽は嬉しいものです。

やはり今日はさみしい…

って、本当に海老蔵の6/29のアメブロ原文ママを読み上げて「千秋楽まで本当によく勤めましたね。十二代目さぞや」と亡き團十郎さんに触れ、会場割れんばかりの拍手。大盛り上がり。
「でも、歌舞伎座興行は七月も八月も九月も続くからよろしくね」とお約束通り御贔屓お願いしながら、退場。うまいなぁミツ。

⑤役者がそろっていて華やかで良かった

三津五郎さんの里暁について書いてたら疲れちゃった。そんなこんなで菊五郎さんの白酒売り、吉右衛門さんのくわんぺら、七之助の白玉、菊之助の福山かつぎいろいろよかったです。こういう役者の揃った助六はめったに見られないだろうから、見て良かった。
次あるとしたら福助の歌右衛門襲名の時かなー。するのかなー襲名。
仏の顔も三度までと言いますが、それはあくまで仏の場合ですので

仏の顔も三度までと言いますが、それはあくまで仏の場合ですので

ポップンマッシュルームチキン野郎

サンモールスタジオ(東京都)

2013/05/24 (金) ~ 2013/06/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

本当に今さらで・・・
会場でアンケートを書いたので、ここもすっかり書いていた気になっていました。って言い訳でしかありません。備忘録なので書かせてください。終了しているのにごめんなさい。
私的に、ポップンマッシュルームチキン野郎のお芝居は5作目になりますが(うち1作はDVD)、『史上最もトチ狂った作品』と言うだけあって、今までで一番ぶっ飛んでいました。
好みで言うなら『こい!ここぞというとき!』『よーいどん!!死神くん』の方が芝居として好きですが、これはこれで楽しかったです。芝居と言うより、神社裏の見世物小屋に連れ込まれたような。
不謹慎なネタもあったかと思いますが、見世物小屋ってそもそも不謹慎なものですからね。

開演前のパフォーマンスも、とてもよかったです。
あと、アッラー正田のサイショモンドさんが劇中降りてきて握手してくれたのは、密かに嬉しかったです。その喜びに☆一つ追加で。

バイト

バイト

カスガイ

テアトルBONBON(東京都)

2013/06/12 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

今さらごめんなさい
感想書いた気になっていました。備忘録のつもりがポロポロ抜けています。

最前列かぶりつきで観ました。客席対面式の舞台だと、ついあっちがわの観客に目が行ってしまう私ですが、この芝居はそんな余裕がありませんでした。
すごい熱量。全部の役者さんが良かった。

ネタバレBOX

ただ、レコーダーの使い方は、今一つ残念な印象を受けました。
せっかくの熱が冷めていったというか、録音された声に魅力を感じなかったので、死んだ彼女がどれほど素晴らしい女神さまなのかがわからなかった。
ラストの展開は想像がついてしまって、ありきたりな印象も受けました。


全く感想と関係ないのですが、18日の昼に新宿三丁目で荻野友里さんとすれ違いました。スマホをにらんでいましたが、睨んでいる顔も美しかったです。
「バイト休みですか」と聞きたい気持ちを抑えつつ、すれ違いました。
この日、休演日だったんですね。

このページのQRコードです。

拡大