尺には尺を 公演情報 尺には尺を」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    めでたしめでたし
    ヴィン公爵が発揮する大岡裁き不条理喜劇、この作品の萬長さんは扇の要部分の位置付けでMVP級の活躍だと思う。

    話と登場人物が若干無節操なご都合型の展開に思えたりもし、どこかしらまとまりの悪さは感じた。時事ネタに通じるようなことも絡めつつ、台詞の一文に「死には死を〜尺には尺を以て報いるのだ」と出てくるあたり、先日見た文学座の「なにいけ〜私たち」の聖書の場面を思い出したが、もともとメインの人物で修道女がでてくるし、キリストの教えに由来している作品だったのかと後に気づく。旧約も新約も聖書に馴染みないので、理解するのに時間がかかる残念脳。
    詩的な台詞が飛び交う中、公爵の「類には〜」あたり「俺の物は俺の物、お前の物は俺の物」というジャイアンの名台詞も被って聞こえてきそうだった。どうもすみません。

    観客を笑わせることが優先されそうな場面ではまだバカになりきれない真面目さが見える役者さんに、アンジェロとクローディオの配役は逆が良かったんではないかな、と思った。

    ネタバレBOX

    蜷川舞台常連俳優さんはもちろん手堅く良かったけど、多部さんやネクストの1期生に当たる若手役者さんたちの活躍ぶり、良かった。彼はここでも脱がされるのかw
    多部さんは「サロメ」や「キレイ」の時に、アクの強い作品も出来る女優さんとは思っていたけど、シェイクスピアのような古典作品も出来るとは。蜷川演出の他のシェイクスピア舞台を見てみたかったが…。
    最終的に大団円でまとめたが、カーテンコールでは蜷川幸雄氏の遺影が舞台上に登場し、ああ、本当にいないんだと喪失感を自覚、「蜷川幸雄」の存在の大きさが際立った舞台でもありました。

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