ショウジさんの息子 公演情報 ショウジさんの息子」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
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  • 満足度★★★★★

    豪快に倦怠
    ではなく、
    コミカルながらも可憐ナ工藤由佳子さんが印象的。
    思い遣り合いながらも異なる絶望を見つめる父子の隣にある華でしたナ。

    ラストは、
    泣きじゃくる小さな男の子と、
    その頭を優しく撫でる父親。
    そんなイメージと重なりましたな。

  • 満足度★★★★★

    悲喜交々
    まず舞台装置が目を牽いた。決して軽くはない内容に、まさにぴたりとはまった乾いた空間が観客をひきこんだ。
    音響、照明がまた、出過ぎない的確さで心地良い。
    役者たちは巧者揃いだが、個人的には、改めて工藤由佳子のファンになってしまった。作、演出、出演の畑澤は役者としても今後も見続けたい。
    友人たちを誘ってあと数回観たい、と思わせてくれた。

  • 満足度★★★★★

    《滂沱の涙》
    終盤からウルウル。お互いの気持ちが解りすぎて切ない。涙が溢れ溢れ頬を伝うのは久しぶりの感覚。気持ちのイイ泣き。泣いた後が清々しい。場面を何度も反芻しています。

    東京公演は5/22(木)〜5/25(日)。皆さまぜひぜひ。

  • 満足度★★★★★

    満たされる喜び
    いいお芝居を見せてもらった満足感に浸っています。

    あの歌がもう頭から離れません。ほんとに、どうしてくれるんですか!
    血縁を超越した父と息子の関係の切なさに、『小泊の...』の父子の姿も思い起こされ、この深い余韻は、しばらく尾を引きそうです。

    次もまた観たい、と思わせる作家・劇団です。

    ネタバレBOX

    宮越さんのナチュラルな存在感にまたしてもやられました。

    老いた者の悲しみと思わせながら、終盤でひっくり返るお互いの立場に、悲劇性が一層高まる。うまいなぁと思いました。最後堰を切ったように寿司を食べ続ける佐々木さんの姿も、鬼気迫るものがありました。あれだけの複雑に交錯する感情を、「食べる」という行為に昇華させた演出と演技、見事でした。

    それにしても、じょんじょん&じゅんじゅんの「ナナジュウクでもサンジュ、傘寿」の歌が、勝手に頭の中でリピート再生状態です。

  • 満足度★★★★★

    ショウジさんの息子
    人を思いやる気持ちって、まったく切ないね~。
    前回も泣かされましたが、改訂版はますますグレードアップし、見所&聞き所満載で、必見の1作!
    そこにいるだけで存在感ずっしりの80翁・宮越さんと、その年輪を正面から受けて立つささきさん。静かで深い応酬が、痛くて温かい。
    店主・畑沢さんの久々の登場を目の当たりにできることも、コアなファンには嬉しい限り。地元青森にこんな劇団があるなんて、ほんと嬉しい限りです!

  • 満足度★★★★★

    次は米寿での再々演を!
    名作。傑作。

  • 満足度★★★★★

    演技を超えたリアリティー
    娘婿とともに二人で暮らすショウジさん役の宮越さんが、自然体の好々爺をを演じていて、とても惹きこまれました。やはり80歳という役の年齢に近いことのリアリティーは、演じることを超えてにじみ出ますね。息子がショウジさんを老人ホームへ預けようとした真意が判明した後の、二人のシーン。泣きながら寿司をつまむ息子と、本当の息子をいつくしむかのように微笑みうなずくショウジさん。今年上半期でもっとも涙腺ダムが崩壊しかけた瞬間でした(なみだ目でしたけど)。さいたまゴールドシアターもそうだけど、プロで長年やってきたベテラン俳優さんとは違う、うまさではない「味」のようなものに触れると、もっともっと年配の方が演劇にかかわる機会が増えてもいいように思いますね。

  • 満足度★★★★★

    今更ですが
    この公演は良かった。


    今でも思い出すと温かく切ない気持ちになります。



    また観たいです。
    今度は家族、友人総動員で。

  • 満足度★★★★★

    いよっ!職人芸!だけではなかった!!!
    演劇界のなみこしとくじろう、ツボ押しの達人、畑澤先生の作品だから、おもしろくないわけはないとは思いながらも、今回は「ケンちゃんの贈りもの」の「ベース」と聞いて、どうなるんだろうかいなと思っていましたが、先生、単なるツボ押しの名人ではありませんでした。まさに「座元に親切、役者に親切、お客に親切」の精神で、まったく「ケンちゃん」とは手触りの違う、すごくいいものを、つくりあげてしまったのです。これはもしかして、なかなかの大事件かもしれません。

    ネタバレBOX

    そういえば「親切」って「親」を「切る」って書くんですね。
  • 満足度★★★★★

    強い、弱い、優しい。
    主演の二人にやられました。涙はもちろん鼻まででてきてパンフはしわしわに。ラスト、息子が小さな子どもにみえました。そうさせることができる父親のやさしさが痛いくらいで、でもしあわせな風景だと思いました。

  • 満足度★★★★★

    裏切りのなさ。
    安心して観られる上に想像以上の満足感です。ストーリーだけじゃないすべての完成度。見えないところまで思いっきり味わっていたい。

    ネタバレBOX

    家族でないものが家族になって、しかも男同士でこんなに大切にし合えるっていう言葉で書くとひどく照れくさい設定なのに、熟年男性がこんなに真摯に演じてくささを全く感じない。むしろずっと追いかけて生きたい素敵な姿。展開は予測できても自分の気持ちの揺さぶられ方は予想外。絶対に観るべき。
  • 満足度★★★★

    幸せな出会い!!
    これを観てしまうと、今後、若い役者が(若くはなくても年相応とは言えない役者が)老人を演じている舞台がどうにも陳腐に見えてしまうかもしれない、これは本当に危険だ!もちろん、宮越さんがシェイクスピアの台詞を朗々と語るシーンは想像できないので、日常を描いた畑澤作品だからこそその愛すべきキャラクターを活かせるのだと思うが、当日パンフレットにあった畑澤さんの父親への想いも含めて、この舞台の評価のかなりの割合を占めるのが宮越さんの存在だった。それだけに、畑澤さんや劇団が宮越さんを「私物化」してしまいやしないか、といささか心配にもなったり…。だから、宮越さんの演劇界への登場は、本当に危険で幸せだ。

    ネタバレBOX

    なぜ息子が元・ローカル芸人である必要があったかは、分からなかった。お見合い相手の女性が密かに彼に憧れを抱いていたことへの伏線だけだったとしたら少し寂しいが(というのも元の芸人仲間たちが訪ねて来るシーンが少し暑苦しく感じてマイナスイメージがあったからだが)、女性のある種ストーカー的な好意を際立たせるためか。廃材を組み合わせただけのような舞台セットもよく見ると趣向が凝らしてあって、リアル過ぎる物語に寓話性を加味してくれたような感じがした。
  • 満足度★★★★

    名優健在。
    宮越昭司という俳優のナチュラルさは、どこでも得がたいものがある。
    ポジティブに「老人力」という言葉で表現したい、枯れた力がある。

    こういった作品を見ると、新劇方面から熱い視線を受けている理由が分かる。
    それこそ、落語の人情噺のような深い味わいなのだ。

    なべげんのレパートリーとして、ずっと育てていってほしい作品である。

    ネタバレBOX

    弘前劇場『ケンちゃんの贈り物』と主軸はほぼ変わらず。
    幾分ライトになった印象を受けるのは、若い役者が多いからか。

    一回観ている分、余計に裏読みしてしまうのは、すごく残念ではあるけど。
    でも、泣ける一品である事実に変わりはなし。

    喜久泉は、田酒で有名な西田酒造の銘柄です。うめぇど~。
  • 満足度★★★★

    すすり泣く声
    こんなに客席が泣いているのをみたことがない。
    このテーマをもってくるのがまたニクイね。
    小さな劇場から生まれたこの感動はなかなか忘れることができなさそう。

  • 満足度★★★★

    グヤーシュを探す
    サブタイトルの「ことば、からだ、こころ」がしみ込んできた。日常の中の非日常が、気持ち良く響いてきた。長内真理の存在感、ティナの独白、劇団レギュラーも相変わらず達者で若手が育っている。いつもながらこの劇団の音響効果はすばらしい。

  • 満足度★★★★

    観るのが10年早かった気もします。
    現実で実感として触れているものが不足(?)しているのは、個人的に悔しいところ。「悔しい」というのとも違いますが。10年後の自分が観たら、どうなのだろうかとか考えてしまいます。
    ありのままで舞台に生きるお二人と、その圧倒的な存在感を半分力技も使いながら、演劇として軽やかに魅せようとする周りの演技の対比が印象的。

  • 満足度★★★★

    心温まる作品でした。
    登場人物全員に愛があり、非常に心温まる作品でした。
    ストーリーはみんなに起こりうる、楽しい話ではないのですが、役者の方々のリアリティが感じられる演技や、各人それぞれの優しさが随所に感じられる作品で面白かったです。
    また、劇場では観客の方々が団体を応援しているような雰囲気も感じられ、良い時間を過ごさせて頂きました。

  • 満足度★★★★

    ここでしか作れない、「生」と向き合った会話劇
     舞台は80歳になる老人・正治(ショウジ)とその義理の息子・真佐彦が2人で暮らす家の居間。壁や家具などのほぼ全てが、コンパネや角材などのおそらく廃材であろう木材でできています。無造作に打ちつけられたような、不器用に組み重ねられたような家具の佇まいがいとおしい。

     ごく普通の人々の日常を描く現代口語劇で、役者さんは実年齢に近い役柄を自然体で演じます。いわゆる“静かな演劇”というジャンルに入る作品です。現代日本で「生きる」ということについて、真っ直ぐ目をそらさずに向き合った戯曲でした。登場人物1人1人を愛情いっぱいに見つめる視線も感じました。

     舞台の上にいる人たちご自身の優しさ、大らかさが体に染み渡るように伝わってきました。青森の方言が話されているからだけでなく、この空気はこの人たちにしか作り得ないものだと思いました。

     作・演出の畑澤聖悟さんが演じるローカル芸人と彼の弟子のカップルは、ちょっと元気が多い目に演技をして、空気をパっと変えるスパイスのような役割を果たしていた気がします。初日だったせいもあるかもしれませんが、少々ぎこちない印象でした。

    ネタバレBOX

     はじめのシーンで、ノートを持った真佐彦が電話をかけたのは介護サービス会社(に順ずるもの)だとわかりました。私も介護していた経験があるので、ノートと電話のセットを見ると胸にズキンと来るんですよね。そして真佐彦の病気がどんなものかも(若年性アルツハイマー?)その時点で察しがつきました。だから、正治と酒屋の純平が真佐彦にお見合い相手・由香里を紹介するシーンで、早々と涙がこぼれ出てしまって大変でした(苦笑)。

     正治は真佐彦にこれからずっと一緒に暮らしていくお嫁さんを、真佐彦は自分が居なくても正治が生きていけるように老人ホームを、それぞれにプレゼントすることになります。親しい者同士が小さな食卓を囲む幸せな時間のはずなのに、善意や希望が徹底的にすれ違い続けます。素朴で素直な笑いが散りばめられるので、より一層悲しみが際立ちます。

     一度は意地になって老人ホームに向かった正治ですが、すぐに戻ってきて真佐彦に「一緒に暮らしたい」と頭を下げます。誰かを求める気持ちがあふれて出て、なりふりかまわずに起こしてしまった行動は、不恰好だからなおさら美しいんですよね。ひたむきさに胸打たれます。

     真佐彦が病気のことを告白すると、正治は思わず「(病気は)治るよ!」と叫びますが、真佐彦も観客も、もしかすると正治もそれが叶わないことを知っています。そして、何も言わずに寿司をほうばる男2人。食べるという行為は生きることそのものです。何の解決もなく、明るい未来も見えない結末ですが、そこには今、生きていることを肯定し、愛する覚悟がありました。人生はそんな「今」の積み重ねなのだと思います。

     真佐彦が元ローカル芸人という設定は初演とは違うそうです。由香里が真佐彦のファンで、彼が出ていたラジオ番組を聴いていたというエピソードも新たに書かれたのですね。実際に80歳でいらっしゃる正治役・宮越昭司さんの圧倒的な存在感は言うまでもありませんが、私は由香里役の工藤由佳子さんの正常なのか異常なのかが一見はわからない、不安定で危なげな声とまなざしにも惹かれました。
  • 勘弁してください。
    ちょっと多めに芝居を観ている身ですが、人生で初めて観劇で涙を流しました。いつもはCoRichに記す旨を書いてアンケートは簡素に済ませてくるのですが、今回は感想をすぐに伝えたくてその場でちゃんと書きました。
    「隣にいても一人」でまずは役者としての畑澤さんを目にする。温かそうな人だなと思い、尚且つ彼の劇作の評判も知っていたのでこれを観ようと決心。ものすごく前からチケットを押さえていました。着席してパンフレットに目を通し、畑澤さんの挨拶文にまずやられる。お父様を早くに亡くされていて、今回の主役の一人であり驚異の80歳俳優・宮越さんの様に老いたいと。もう!そしてキャスト紹介。畑澤さんが勤務する高校の卒業生が多数出演。もう!ちょっとー、もう既にあなた方のドラマがそこにあるじゃないですか!人として羨ましい。
    そして開演。宮越さん、いえ、宮さん。ホントに驚異の80歳。単に味があるだけではないのです。「その歳にしては…」とかレベルではない。とはいえ冷静に考えたら、上京して慣れない地で芝居をしてるってのだけでものすごい事ですよ。確かに、彼の生き様を拝見しました。
    そもそも他人だった人間同士に長い時間を掛けて生まれる絆。人が生きるとはそういう事なのですね。人は命が尽きたら死ぬのではなく、誰とも接っせれない様になってしまったら死ぬのですね。生きていたい。心からそう思いました。

    ネタバレBOX

    終盤、真佐彦が『1年後には…』と将来的に予想された自分の身を語っていく所で「あぁ、それ以上は言わないで。もうやめてくれ…」という心境にさせられました。そんな救われない状態の中、正治の『治るよ!』。その言葉に根拠なんかない。でもそこに医学的根拠なんかいらない。
    あの後の2人がどうなったのか、いくら考えても考えは尽きないですね。由香里とはどうなったのか。真実を伝えないまま距離を取った気もするし、願いとしてはそれを乗り越えて幸せになって欲しかった。由香里が『支えていきます』みたいな事を言って、真佐彦が『そんなの無理です』みたいに返して、正治が間を取り持とうとする。そんなのを乗り越えて行って欲しかった。あぁ、あの人達は自分の中でまだ生きてるなぁ。きっとこれからも生き続けますよ。

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