Other People’s Money 公演情報 Other People’s Money」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-5件 / 5件中
  • 約2時間20分、休憩込。老舗会社とそれに目を付けた資本家のバトル。面白かった♪約30年前の戯曲が現代も映す。経営者、株主、労働者の関係が明快。生存競争と良心のせめぎ合いも。金子由之さんの演技に説得力あり。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/06/02/12478/

  • 満足度★★★★★

    同劇団の定番的作品「クリスマス・キャロル」と対を成すような良作。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/06/06 (木) 19:00

    フライヤーにあるドーナッツて何?
    と思っていたら、これは牧歌的な田舎町に、ダンキンドーナッツやミスタードーナツといった全国展開をしている巨大資本がが入ってきて、地元の小売店の素朴なドーナツを駆逐するという意味であり、ガーフィンクルの好物として「おいしいものは、おなかが一杯でもおいしいのさ」と言わせる対象なのだね。だから、ドーナッツはこの舞台において捨てられたり、お飾りにされたり、投げつけられたり、デスクの引き出しに隠蔽されたり、少しづつ周りに分け与えられたりする。

    金融経済を表現した古今の対比・対立を描いた舞台なので、株式や敵対的買収とその対策について、専門的な用語が飛び交う。しかし、それは、舞台上の人物たちが、今、企業乗っ取りで戦っているという構造を示すデコレーションに過ぎない。
    描かれているのは、欲望とは何か?ということだろう。その対象が、金だということだ。

    登場人物全てが、金に執着しているわけではない。ただ、金を通じて何かに強い執着を持っている。愛情、安寧、自己の過去など。

    ニューヨークとニューイングランド、それぞれのデスクを結ぶ舞台上の導線の作りは、シンプルに整理され、時として電話でのやりとりも、この2つの都市間の距離を明瞭に表していた。こうした舞台の作りが、ともすれば、金融用語に翻弄されてしまいそうな会話劇を、落ち着いて見せてくれる。

    タイトルの「他人の金」、わざわざ「Other People’s Money」と記載する必要があった理由は、1幕の最後で判ります。

    ネタバレBOX

    ラストの株主総会、ジョーゲンソン、ガーフィンクルの役員入れ替え投票に向けての演説は、観客を株主に見立てての迫真の演技。株主の心を見抜くように、観客の視線を探っていく。

    ジョーゲンソンの死後に、ビーが彼の人生を評して言う「唯一の汚点は、2年だけ長生きしたこと」(違ったかな)、ビルのその後の人生の独白、そして、ガーフィンクルとケートの結婚、悲哀と皮肉に満ちていて、不思議な余韻を残す。日本では、こんな芝居(あるいは結末)は、まだまだ描けないなあ。アメリカ演劇の乾いた感じが、ここでも感じられた。
  • 満足度★★★★

    日産・ルノー問題で世間の注目を集めている企業統合(売買)の話である。
    20年ほど前の本だから、かなり時代遅れの内容ではあるが、さすが、アメリカの本だけあって、押さえるところは押さえてあって、現在も話題になる企業合併・統合というものの仕組みはよくわかる。
    東部の地方都市の中堅企業が、ニューヨークの禿鷹に目をつけられての攻防戦だ。基本的に、経営を動かす「金」と、ものをつくる「経営・労働現場」との意思疎通は困難が伴うものだ。そこを、このアメリカの戯曲はわずか5人の登場人物で、面白おかしく解説する。登場人物が少ないからそれぞれのキャラ立ちもきわめて明確で、そこがこの本のいいところでもあり欠点でもある。
    内容を伝えることが大事な本だが、この劇団の主要な俳優が出演していて、ガラもよければ、なにより経済用語も多い台詞を明晰に聞かせてくれる。禿鷹のデブを演じる遠藤純一、気鋭の女弁護士、米倉紀之子、会社人間の一条みる、頑固な保守主義の金子由之、二枚腰の石田博英。みな絵で描いたように役を演じる。うますぎて却ってしらける位に見えるのは気の毒だが、それは本のせいだろう。
    最近、日本の小劇場でもこういう一種の会社ドラマはよく見るようになった。かつての進歩系劇団の労働争議ものと同じようなものだが、日本のドラマは結局は人情劇になってしまい、突っ込みが足りない。事象を解くだけでなく、もっと人間に迫らないと面白くはならないし本の寿命もない。当日パンフで訳者が書いているように、現実に経済戦線にいるサラリーマンが芝居を見て感心するような舞台を作る、などと言う事はホリエモンに芝居を書かせるのと同じで至難の業だ。
    この芝居はそこはしっかりしていて、結末は人情劇にも陥らず、意味のない未来志向でもない。そこは先を行くアメリカの本だと思う。

  • 満足度★★★★

    これは良い!面白い!見ごたえ十分です。

    良い本、奇をてらわない演出、熟練の俳優で、こんなに面白い作品ができるんですね。

    ネタバレBOX

    ダニー・デビートとグレゴリー・ペックが出ている映画版はみていないけれど、観劇しながらオリバー・ストーンの「ウォール街」を連想しました。時代設定も同じ頃ですしね。

この公演に関するtwitter

初日1週間前から「団体名」と「公演タイトル」を含むツイートを自動表示します。
(ツイート取得対象にするテキストは公演情報編集ページで設定できます。)

  1. 劇団昴「他人の金」には、企業乗っ取り屋と闘う女性弁護士が登場。二人の対決・交渉シーンの緊迫感が楽しめる。依頼者である会社経営者とも平穏な関係ではない。分かりやすい作品なので、旭川市民劇場で再度観てみたい(座組も5人だし)

    5年弱前

  2. 今夜のソワレは劇団昴「他人の金」。企業買収をテーマにシャークリペレント、ポイズンピル等の言葉が飛び交う作品。予定調和ではないエンディングまで緊迫した展開。金融用語の頻出した風琴工房「hedge」を思い出したが、こういうビジネスマンの興味を引く演劇が増えればなと思う

    5年弱前

  3. 劇団昴『他人の金』 観てきました! ビジネスを題材にした作品初めてでした! いやー舌戦の嵐ですわ。大好物です。 ガーフィンクルみたいな役やってみたいなぁって思いました! 金が「要る」と「儲ける」ってのは同じじゃない。勉強になりま… https://t.co/7lZXoOEGic

    5年弱前

  4. 劇団昴「他人の金」に酷似↓ 「(原因は)構造改革(略)。典型的には小泉政権の時に起こった(略)、不良債権処理っていうお題目で、ここにはメディアもみんな乗っかったんですけれども、潰す必要のない企業っていうのを軒並み潰して、それを二束… https://t.co/t2OtIrJOIX

    5年弱前

  5. 劇団昴「他人の金」約2時間20分、休憩込。老舗会社とそれに目を付けた資本家のバトル。面白かった♪約30年前の戯曲が現代も映す。経営者、株主、労働者の関係が明快。生存競争と良心のせめぎ合いも。金子由之さんの演技に説得力あり。小笠原響… https://t.co/y0K7S0vm7C

    5年弱前

このページのQRコードです。

拡大