クラカチット 公演情報 クラカチット」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

    自ら発明した爆薬暴発の憂き目に遭ったプロプフ、まさに混沌とした意識の中からの幕開けがとても印象的な物語でした。
    現在の核兵器をすぐに連想する原子爆薬「クラカチット」
    それ故に人知を超えた発明がもたらす底知れぬ不気味さが常に横たわっているものの、決して重いトーン一色でなかったのはプロプフの人柄のせいか。

    研究目的があからさまな名声や金儲けではないプロプフ。
    今まで女っ気が無い生活だった反動からなのか、やたら惚れっぽいプロプフ。
    この無邪気な惚れっぽさに女性の方々は一体どう思うのか(笑)
    いたって善人、むしろ人間臭いと思えるプロプフが問題の「クラカチット」を発明し、一連の人々を突き動かした全ての張本人である事が、何とも悩ましい物語だと思いました。

    破天荒にうねる展開、同作者による「R.U.R.」に比べると消化しにくい原作と思え、なかなかすんなりとは入ってこない台詞が多かったにも関わらず、最後までしっかり楽しめたのは役者さんの力量や、目を見張る演出の数々があったからこそ、今まで味わったことのないSF超大作と出逢えたことに喜びを感じました。
    的確な暗示とも捉えられる人間の欲望の行方はノストラダムスの大予言よりずっと怖いです。

    開演前の喫煙場所でご一緒した非常に気さくな役者さんが舞台上ではめちゃダンディーで凄みあるデーモンを演じられており、もう全くの別人。
    「さすが役者さん、参りました!」それを終演後、直に伝えられなかったのが唯一心残りでした。

  • 満足度★★★★★

     この味わいのある小屋も締められてしまうという。惜しい、寂しい。休憩を15分挟むが3時間15分超の長尺。

    ネタバレBOX


     現在であれば、キチンと数式化して証明することは出来なかろうが多少生意気な小学生でも知っているあらゆる物質は、エネルギーの塊である、という恒星の原理、即ち核物理学の原理を察したチャペックの科学的センスの鋭さ、良さには唯驚嘆するばかりであったが、これを表す式E=mc²は、拝見しながら常に頭の中にあって舞台上に設えられた円周を光がぐるぐる回る様も、原子核の周りを周回する電子と見て楽しんだ。尤も、原子番号1の水素原子の核が野球のボール程度だとすると周囲を回る電子は、関東一円を包摂するくらいの所を回っている計算になるハズだが。
     とても乱暴な言い方だが原爆の原理は、現在人間が持つ技術で核爆発を起こすことの可能な核物質の構成を保たせている所迄濃縮・圧縮を掛け、極めて短時間に本来の物質エネルギーを解放させる為の連鎖反応を起こさせるショックを与えるだけの話なので、被ばくを防ぐ設備とラボ、分裂しやすい濃度迄濃縮した臨界量の核物質と核物理の知識さえあれば、かなり容易に作れる。
     無論、当初、知的興味から始まった核に関する知も、その被害が実体化され放射性核種や重金属汚染による悪影響が顕在化すると、ヒトのみならず、地球上に存在する総ての動植物、菌類やバクテリア、ウィルスなどまで含めて悪影響を考慮せねばならぬのは、食物連鎖の最上位にあり、且つ核技術を開発し、解決する可能性を持つ唯一の生き物として人間が在る以上、その責任も総てヒトが負わねばならぬのは必然である。
     無論、今作には実に多くの要素が含まれており、上に縣ことだけが今作の内容では無い。為政者が公人として生きる時、その社会的責任の重大さの為に、例えば己の恋心も抑制しなければならないことがあり、恋と社会的責任の狭間で引き裂かれる痛烈な哀しみ、切なさも描かれるし、そのような中での逢瀬では、一介の男と女として愛を成就し繋ぎ止めようとする足掻きも描かれる。俗世のシガラミとして権力最上位にあることで、不自由やいらぬ警備・警護を受ける不自由、地位故の悪辣や企み、驕慢とそれらを諌めるかのような神的啓示或いは象徴等も用いられる壮大な作品であり、矢張りキリスト教世界の価値観を纏った作品でもある。
     東洋の国、日本に生まれながら、東洋的な価値観や習俗より欧米的な生活様式を取り入れている現代日本に暮らす者として、様々に彩られた己の存在全体を振り返ってみるのに、適した作品と言えようか。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/03/28 (木) 19:00

    SFといえば言えなくないけれど、それは執筆当時に核兵器がまだなかったということ。
    クラカチット=核爆弾ということから、渦巻く陰謀、暗躍する組織、もたらされる世界の危機、主人公の運命やいかに!というサスペンスなんじゃないの。と思って観たが、これもけして的は得ず。
    一言で言うと、「クラカチットを脇に配した好色一代男」かな。
    確かに説明にあるように「大メロドラマ」です。

    まあ、主人公プロコプの女好きは無類この上ない。随分、女性には奥手で、まともな恋愛などしたことがないと言っておきながら(ましてや、大学の同級生トメシュが女にもてると嫉妬する始末)、シュールの女に心奪われては、あらゆる苦難もなんのその、トメシュを探しにまいります。
    実質トメシュは序盤で退場、むしろ彼がプロコプから聞き書きしたクラカチット製造法のメモ書きと残されたクラカチット自体が、物語を裏から表からぐいぐいと引っ張っていきます。その先々で出会う様々な女性。結局、手を出しちゃうんだものなあ。
    それでも、変に甘ったるい雰囲気になったり、愛の苦悩に浸ることがないのは、そう、クラカチットが折に触れ、ドカーンとやってくれるからで、これがどうも心地よい。
    まあ、これからも女性の間を飛び回るのでしょう。

    カーソン役の公家義徳とデーモン役の松下重人が怪演、プロコプとの絡みは雨宮大夢をいじりまくって丁々発止。プロコプを引っ張りまわすこのお2人なくして、この芝居はあり得ない。

    1つ質問です。誰か教えてください。
    トメシュが躍るところや、プロコプがアンチに迫る場面などなど、舞台上2段目の下から出てくるキャベツたちは何を意味しているのでしょう。
    原作にも、そのような場面があるのでしょうか。

    ネタバレBOX

    ラストの老婦人とプロコプとの対話、老婦人は本来神様だったようだけれど、この第三者的な女性像にしたのは正解。説教口調にならないし、嫌味にもならない。
    プロコプ=クラカチットというオチは、捻りはないけれどこれも心地よい。
  • 満足度★★★★

    「ブレヒトの芝居小屋」での最終公演ということで、西武新宿線 武蔵関駅まで出かけました。早く来ても会場ロビーに椅子があり、寛げます。会場もゆったりとした席、傾斜があって観やすい。舞台は白を基調とした抽象的な造り。映像を多用しながら展開していきました。話の筋を含め、もっと述べたいのですが、前半が終了すると帰らせて頂いたので後半が分からない。最後まで観ると、終演が10時を大きく超すのです。せめて6:30開演なら10:00前に終わることが出来きます。帰り道が遠い。残念。前半を見た限り、真面目な舞台作り、渾身の作品、これからも頑張って欲しい団体です。

  • 満足度★★★★

    Low Price Dayの今日、行って来ました。私のブレヒトの芝居小屋体験は4〜5回くらいと数少ないですが、その中で1番面白かったです。舞台セットも良かったです。しかしSF小説だとばかり・・・

    ネタバレBOX

    思っていたのですが、私から見たら恋愛小説のようでした。
  • 満足度★★★★

    劇団の長い「模索の途上」での新展開を見た感触があった。それだけに小屋が閉じてしまうのが惜しいが、言っても仕方ない。
    「クラカチット」の原作を今回は読んで観劇した(正確には観劇までに読了しなかったが面白さは十分に堪能)。そうした理由は、原作の台本化の仕事を見たかった事と、舞台を記憶に刻みたかったから(知識ゼロで筋が追えないと印象が薄くなる)。その読みが当たったのかどうか、判らないが、面白い舞台になっていた。
    通常制作に名前を連ねている小森明子が脚本・演出(過去演出経験有り)、自作戯曲も書く桑原睦が共同執筆。新作での演出を担っていた公家氏は演出補、出演。保守的に固まらず、集団力を開く方向性に期待感。そして原作・・めくるめくスペクタクルなイメージが1922年という時期に流麗な文字表現になっていた事の驚き。(1916年の米映画「イントレランス」を作者は観ていたかも知れぬ。が最も影響をもたらしたのは第一次大戦の衝撃ではないか。)
    戯曲化は難しかっただろうがよく舞台化した、と素朴に感心した。
    原作も「爆発」から始まる。主人公プロコプがその現場からフラフラと宵闇に沈む人気のない路上に彷徨い出、既に心神耗弱に陥っているが、この火薬専門の化学者が今しがた新型爆弾を固める処理を施して陶器の入れ物に入れた後、机に残った僅かな残り滓が、彼の仮眠中に凄まじい爆発を起こしたらしい事が彼の回想で分かって来る。だが彼の負傷と心理的ダメージがどれほどかが読者に判るのは、さらに続く暗鬱な長い夜が明けてのこと。意識朦朧の中で彼の頭に渦巻くのは、化学者としての探究がついに得た成果への思いと、それと裏腹にとてつもない発明を人に手渡してはならぬという怖れと自責の混濁した感情である。だが彼は懴妄状態の中ある女性と出会い情熱的使命感を沸き立たせる。彼のその後の歩みは彼がクラカチットと名付けた爆薬を巡る「外からの力」と、最初に女性と交わした約束という「内的衝動」の葛藤の物語と言え、それが変遷していく様はそれはそのまま人生の縮図と言えなくない。恋愛遍歴に示される下部構造と、爆薬に絡む「仕事」「使命」「政治」「軍事」を司る思想=上部構造との潜在的な葛藤を思わせ、一義的でない物語叙述に大作家の面目躍如を認めずにはおれない。
    作者は色んな夢をプロコプの脳に登場させるが、これが絶妙に彼の身体のみぞ知る精神状態を反映するようで、そういう部分にも凄みを感じる。
    彼が最初に見る夢は、彼がトメシュという女たらし(学生時代の同じ化学専攻の知己、路上で偶然再会し介抱された)の家で、彼を探すヴェールの女性の訪問を受け、不在の主人(トメシュ)への託けを頼まれた後、彼女が自宅に戻って「物」を持参するまでの待ち時間に見たキャベツ畑の夢である。尋常でない心身状態で彼は女のヴェールの奥に可憐さを認め、痺れに近い感覚を覚えるが、うたた寝の夢にそれが早速現われる。広い畑に並んだキャベツをよく見るとそれはぬめぬめと光る醜怪な顔で、遠くの方にヴェールの女性らしき女性がキャベツに襲われるのを見て助けようとするが、彼の体にもキャベツの手がまとわりついて動けない。身体的危機を知らせるようでもあり、彼女への思いを裏付けるようでもある印象的な箇所だが、アンサンブルの演出は最初の夢の後も、幻視や気分、象徴等の次元の場面で床から数人が顔を出すキャベツ人間を使っていた。
    装置は一面の白。中央正面にアルミ光沢の巨大な細いリング、後ろにも一回り小さなリングが立ち、SFである。原作公表当時での仮想近未来であり、核兵器の発展史を正確に辿っていないから(当然だが)、SFの扱いは妥当。映像も効果的で、冒頭細いリングに色彩のある光が走るのは見事だ(映像の正確さもさりながら、リングが肉眼では完全な円形に作られていた)。
    役者の演技にはアンサンブルらしい生硬さも見られるが、恋愛ドラマでもある本作。柔和さを要する役に引っ張られてか膨らみのある演技もあり、舞台の成功に寄与していた。

    原子爆弾(ある意味そう名付けて良い)クラカチットの存在は科学(者)の倫理的責任を問う素材だが、話の本筋は「ある数奇な人生を送る事となった男の物語」である。原爆投下以後の時代、「原子爆弾」は仮想の話ではあり得なくなったが、原爆と相似であるが同一でない「クラカチット」は前人未到の破壊的発明の比喩・象徴と解釈もでき、近未来ともパラレルワールドの過去とも取れるフィクションが成立する。もっともクラカチットを生み出した誇るべき業績は、畏怖の対象としてプロコプの道程に通奏低音を響かせている。いずれにせよK・チャペックの予言的作品の多義的であるゆえの魅力に、正当にあやかった舞台である。

    ネタバレBOX

    広渡常敏という精神的支柱を失った事が如何に危機的か、という修飾語付きでこの劇団を知った私は、その故人の事を何も知らず、不安の面持ちで船出したであろう劇団の「その後」を十年余観てきた。包括的思想と具現力・方法論を持つ事が創作集団の条件ならば、リーダー亡き後の演劇アンサンブルは才能を見出だし育てる努力と、継承すべき「精神」の内実を模索する途上であり続けた、という事になるんだろう。それ自体ごく自然な姿な訳だが、新進劇団とやや異なるのは、ある種の評価と支持者を持つ集団として既に存在していた事。既存レパの遺産と新作挑戦の両輪が、時にギクシャクと軋みながらも前へと進み来たって今日なおを健在である事を単純に祝福したい。
    競争原理に身を晒しながらも市場原理とは距離を取り、これに信頼して進む劇団である限り、私は見続けて行きたい。
  • 満足度★★★

    「ブレヒトの芝居小屋」の最終公演がチャペックとはどういうことだろう。
    広渡常敏率いる三期会が東京演劇アンサンブルになって、ブレヒトをやると旗印を鮮明にして東京郊外に自前の小屋を持ったあたりまでは、俳優座衛星劇団の中ではユニークな演劇活動だったが、その小屋での肝心のブレヒトが、旗幟鮮明とはいかず、SCOTのようなメソッドも生み出せず、スターも生まれないと言う事で、今回は地主の意向で小屋をしめる。その残念さが、最後にチャペックをやる、というところにも表れているように思う。
    再演でも、何でもいいからせめてブレヒトをやるべきだった。ブレヒトは最近人気がないが、なんといっても二十世紀の分断の時代を東西両陣営で生きた稀有の劇作家である。しっかり取り組めば、何らかの成果はあったはずである。
    チャペックはブレヒトに似ていると広渡なら強弁しそうだが、これは百年前の戯曲である。原子爆弾時代を予見していると言うが、ファンタジーの世界で、そこでの寓意が今も生きているとはとても言えない。ブレヒトは戯曲になっているが、これは戯曲風に書いたファンタジーだ。カットしても良さそうなところが沢山ある。俳優は一生懸命だが、今なお、志賀澤子が最も安定して見られるようでは、結局、演技も劇団として確立できなかったということではないか。皮肉なことに、装置と音楽がよく出来ていて舞台を引き締めている。朝日新聞劇評は小屋閉めのようなセンチな時は見境なく甘くなる。これでは劇評ではない。3時間15分。夜十時をかなり過ぎて、武蔵関の田舎道に出てくると寒さが身にしみた。

  • 満足度★★

    役者さんをはじめとする沢山の方々がこの舞台を作り上げているわけで、何か面白いところがあるのだろうと3時間観続けたが何も見出すことはできなかった。もちろん作られた時代に戻れば興奮する物語であることは想像できる。王女様の話は当時そのような出来事があったのではないのだろうか。そうでないとあまりに単純だ。

    ネタバレBOX

    クラカチットは原子爆弾か?についての個人的メモ(2019/4/30改訂)

    本作「クラカチット」では少量のクラカチットが大きな爆発力を発揮する。
    これが原子爆弾を予想したということについて舞台を観ただけでは懐疑的であったが、書籍を読んでみて高性能爆弾を予想していることを確認した。ただしその予想したものが我々の知っている原子爆弾と同じだと言うのは間違いである。以下そのことの考察。

    もちろん、チャペックが書いていることは当時の科学者が試行錯誤していたことの紹介である。

    原子核の一部が崩れて高速な粒子(放射線)が飛び出てくる。これを原子核の「崩壊」という。原子核の「分裂」は1938年になって初めて発見されたことで少なくとも1924年の時点では最先端の科学者でもそんなことが起こるとはこれっぽっちも考えていなかった。

    『ウィキペディア:放射性崩壊:原子核変換』より引用
    *** ここから ***
    これは古典物理学と化学反応では放射性崩壊には関与できず、放射性物質の半減期を短くしたり、分解する事が一切不可能であるためであり、もし触媒などを用いて放射性崩壊を加速させられるならば、より短期間に放射線のエネルギーが取り出せると期待され、核分裂反応が発見される前の原子力はこの方向で開発が進められたが、このような試みは全て頓挫した。
    *** ここまで ***

    チャペックも化学的な手法で崩壊を加速することができるのではないかという当時の最先端のアイディアを紹介しているのである。つまりは「頓挫した」試みを紹介しているだけで実現された原子爆弾とはまるで違うものである。錬金術師が「化学的に鉛を金に変える」ことを試みていたことをもって「原子物理的に鉛を金に変える」ことができると予言していたと言うのは無理である。

    考察以上。以下資料


    カレル・チャペック、田才益夫訳「クラカチット」青土社、2008年刊 より引用する。
    ***ここから***
    P14 「---物質の中には力がある。物質はものすごい力の塊だ。ぼくは…物質の中で力がどんなふうにひしめきあっているかを感じることができる。それらは途方もない苦労をしながら結合しているんだ。そいつの内部を激しく揺さぶってみたまえ。そいつはばらばらになる。そしてドカンだ!---」
    「---物質は、元来、どれもこれも爆薬だ。例えば水…水だって爆薬だ。---もちろん今のところは、単なる理論上の発見に過ぎないがね。それにぼくは原子の爆発についても発見した。ぼ、ぼくはアルファ粒子放射による爆発に成功した。その破壊は陽子に基づいて起こった。こいつはもはや熱化学なんてもんじゃない。破-壊。そうだ破壊化学だ。---」
    P17 「すべての物は崩壊します。でしょう?物質は壊れれやすいものです。でも、私のやったのは、それを一挙に破壊させることです。バンと!爆発です。おわかりですか。粉々にです。分子にまで。それどころか、原子にまでも。ところが私はその原子すら破壊したのです」
    P18 「---ど、どこからこのエネルギーは生じるのでしょう。---さあ、言ってください」
    「うむ、もしかしたら、アトムの中にあるのかな」
    「やはー、これはご名答。単純明快。アトムの中です。それはつまり…アトムがアトムを突き刺す。ベータの囲いを突き破って…その結果、原子核は破壊されるのです。これがアルファ崩壊です。私が何をなしえたかおわかりですか。私はこれまでの反発係数を遥かに飛び越えました。核爆発を発見したのです。---」
    ***ここまで***

    注:「物質は、元来、どれもこれも爆薬だ」というのはアインシュタインの E=mc^2 の帰
    結を語っているだけで「今のところは、単なる理論上の発見に過ぎない」とすぐに話を終了させている。
    注:「核爆発を発見したのです」というのは完全な飛躍。化学的な手法では結局「爆発」は起こせなかったのである。普通に崩壊するだけでは「燃焼」とは言えても「爆発」とは言えない。

    用語:
    ・ラジウムなどの放射性物質が自然に粒子などを放出して別の物質になることを放射性崩壊という。半減期が何年とかいうのはこのこと。
    ・アルファ崩壊 アルファ粒子(陽子2、中性子2)を放出する。
    ・ベータ-崩壊 中性子が陽子に変化しベータ線(電子)を放出する。原子番号は上がる。
    ・ベータ+崩壊 陽子が中性子に変化し陽電子を放出する。原子番号は下がる。
    ・ガンマ崩壊 ガンマ線を放出する。陽子、中性子の個数は不変。

    崩壊の例:
    ラジウム(原子番号88)はアルファ崩壊してラドン(原子番号86)になる。ラジウム226は半減期1600年でラドン222になる。ラドン222はアルファ線を3本とベータ線2本を出して鉛210になる。鉛210はベータ崩壊でBi210に変化し、さらに崩壊を続けて行く。

    ・ウランの核分裂の例『ウィキペディア:核分裂反応』より引用
    *** ここから ***
    天然ウランには、核分裂を簡単に起こすウラン235と起こさないウラン234、ウラン238が含まれている。ウラン235に中性子を一つ吸収させると、ウラン原子は大変不安定になり、二つの原子核と幾つかの高速中性子に分裂する。代表的な核分裂反応としては下記のようなものがある。なお核分裂反応は確率的に起こるため、他の核種を生成することもあり、下記の反応はあくまで一例にすぎない。
    ウラン235 + 1個の中性子 → イットリウム95 + ヨウ素139 + 2個の中性子
    *** ここまで ***

    年表
    1846 ニトログリセリンの発見
    1866 ダイナマイトの発明
    1896-98 放射線の発見 ベクレル、キュリー夫妻→1903年ノーベル物理学賞
    1899 アルファ粒子の発見 ラザフォード
    1905 特殊相対性理論:E=mc^2 アインシュタイン
    1911 原子≒原子核+電子の発見 ラザフォード
    1916 一般相対性理論
    1924 本作「クラカチット」
    1930 原子核≒陽子+中性子の発見
    1933 原子爆弾の原理の発見
    1938 核分裂の発見
    1945 原子爆弾の実現

    実際の原子爆弾ではウラン235に中性子を当てると二つの原子と中性子に分裂することを利用する。この核分裂反応の前後で陽子と中性子の個数は変わらない。陽子、中性子の結合エネルギーが外部に放出され、その分だけ質量が減るのである。なお、この反応で発生した中性子が他のウラン235に当たるので次々にこの反応が連鎖する。連鎖を急速に行うと原子爆弾、ゆっくり行うと原子力発電になる。

    天然のウラン中にはウラン238 が99.3%、ウラン235 が0.7%含まれている。ウラン238は連鎖反応を妨害するのでこれを取り除かなければならない(ウランの濃縮)。
  • 本川越から武蔵関まで40分なのに、逆はなぜか1時間もかかっちゃう。
    おかげで東上線の登り最終にクロスプレイでした。ギリギリセーフ。
    そのためブレヒトの芝居小屋や武蔵関を十分味わえなかったのはちょっと残念。
    でも最後にあの劇場へ行けて良かった。

この公演に関するtwitter

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  1. さぁ僕らと一緒にクラカチットしましょう! ずっと前の世代の人たちのおかげで、演劇を長く続けたい人には大変おすすめの環境だと思います。 https://t.co/fRyOCSDGVC

    約5年前

  2. 2019年度 東京演劇アンサンブル劇団研究生募集 https://t.co/dEQxb428Wx

    約5年前

  3. スマホが壊れたりで遅れましたが・・・ 一昨日をもちまして「クラカチット」全11公演終了しました‼️ ご来場してくださった皆様、本当にありがとうございます。 言いたいことも書きたいことも山ほどありましたが、それは自分のノートに… https://t.co/Apk1Wyj18s

    約5年前

  4. そして先日クラカチットも見てまいりました! 研究所の時も思ってましたが、稽古場として使っていたところが舞台になるってなんだかとても感動する。 ブレヒトの芝居小屋、ありがとうございました🙏🏻🙏🏻

    約5年前

  5. 東京演劇アンサンブルの演目としてもお馴染み https://t.co/Mc4MC6jnuy

    約5年前

  6. a letter from Brecht Raum TEE-BLOG tokyoengekiesb 東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。 https://t.co/NoKbiW9HiT 『ブレヒト… https://t.co/C8j6ziIE4X

    約5年前

  7. 「クラカチット」を読んだ。 (写真には写っていませんがほほほ) 衝撃的であった。 友からもらった豊水のお酒を飲む。甘くて美味しい。 TEEの芝居と「夢の続き」に共通点を見つけた気がして、少し放心。 っていうか、結局そこに行き着くの… https://t.co/HjMAZniyNk

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  8. 3月の「ベスト・ファイヴ」 1. 文学座「寒花」 2. 名取「ベッドに縛られて」 3. 青年座「スウェット」 4. ハツビロコウ「R.U.R.」 5. アンラト「ルル」 これに、俳優座研究所「から騒ぎ」、東京演劇アンサンブル「ク… https://t.co/H7ckhZPAC0

    約5年前

  9. お客さん来なくて何もやらないで座ってる時間に、「クラカチット」見に行った時の話をして楽しかった☺️ この前も東京演劇アンサンブルさんの話したし、今日も「クラカチット」の見た感想とか話してめっちゃ楽しかった☺️ いつかは分からないけ… https://t.co/Ig6PxNhak1

    約5年前

  10. 今日職場の先輩とお客さんこない時間に、ブレヒトの芝居小屋で「クラカチット」見た話になって、めっちゃ感想とか東京演劇アンサンブルさんについて話した☺️ めっちゃ楽しかった☺️

    約5年前

  11. 『クラカチット』、無事幕を降ろすことが出来ました。本当にたくさんの方に見守って頂き、私達も、この芝居小屋も、愛に包まれていたことを実感致しました。 移転後の再スタートも、引き続き見守って頂ければ光栄です。 https://t.co/bvjYMsC4iq

    約5年前

  12. クラカチットのバラシが終わりました… これから家の引越しです😂

    約5年前

  13. 永野愛理@東京演劇アンサンブルの質問箱です 最近回答した質問 → 「初めて稽古や舞台でキスシーンを演じたとき どんな気持...」 https://t.co/E6anSGXh0G

    約5年前

  14. 先週の火曜日は西武新宿線・上石神井のひとつ先、武蔵関下車徒歩10分の〈ブレヒトの芝居小屋〉で東京演劇アンサンブル「クラチカット」を観た。行ったことなかった小屋で今回限りで閉鎖ってことだったので。

    約5年前

  15. あったよ〜❗️ 中学2年生の時の鑑賞教室で東京演劇アンサンブルの銀河鉄道の夜を見たこと❗️ https://t.co/oA8pb2gslO #peing #質問箱

    約5年前

  16. 東京演劇アンサンブルの智子さんと、古武道太鼓集団風之舞のさくらちゃん❗️ 他にも何人かいるけど、特にこの2人❗️ https://t.co/D9WomwKX6G #peing #質問箱

    約5年前

  17. a letter from Brecht Raum TEE-BLOG tokyoengekiesb 東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。 https://t.co/NoKbiW9HiT 『ブレヒト… https://t.co/MlqFMAD8Zy

    約5年前

  18. 打ち上げから帰って起きたらスマホがクラカチットしてた。 電源入らない。 https://t.co/7Yamu2TKIm

    約5年前

  19. 今日はこれから 東京演劇アンサンブルさんの 「クラカチット」千秋楽です。 この芝居小屋での、最後の公演。 https://t.co/kF3Wb29c9V

    約5年前

  20. 先日観に行ったクラカチット。 昨年は森の稽古でもお世話になった 今日が最後の公演ですね😢 楽しい時間をありがとうございました。 寂しいけれど、最後まで素晴らしい公演になりますよう。 頑張ってください!… https://t.co/D9iK7kZ1kr #ブレヒトの芝居小屋

    約5年前

  21. 本日、公演11日目、3/31、14時開演 ブレヒトの芝居小屋で上演される最後の公演。 今日まで、一人も当日券では入れなかったお客様はいません。 あきらめずに! 東京演劇アンサンブル ブレヒトの芝居小屋最終公演 クラカチット 13… https://t.co/MzihPsXZ92

    約5年前

  22. いよいよ「クラカチット」千穐楽‼️ やってる芝居のせいか、本番直前からずっと見てる悪夢を今日は見ないで起きられたので凄く爽やかな気分です。 後悔なくやりきって、2週間ぶりの美味しいお酒を飲みたい🍺 当日券もまだあるようなので… https://t.co/xxRbnogTz4

    約5年前

  23. (3/30) honto 本の通販ストアランキング > 小説・文学 > 欧米の小説・文学ランキング13位:カレル・チャペッ...『クラカチット』 https://t.co/Yu3fKPdMJy

    約5年前

  24. カメラにはまっている後輩が撮ってくれました。一緒に撮るのはいいけど被写体が自分だけだと恥ずかしい。一眼レフとミラーレスの違いはもうほぼないと力説しておりました。 明日はクラカチットの千秋楽。 芝居小屋の最期の最後です。俺は調理班… https://t.co/HxOLo9HXbO

    約5年前

  25. クラカチットの影響で桜爆発するかな、ホテル爆発するかなって頭の中いっぱい

    約5年前

  26. 本日、公演9日目、 3/30、14時開演、 当日券、あります。 東京演劇アンサンブル ブレヒトの芝居小屋最終公演 クラカチット 13時受付開始、当日券整理番号配布 13時半開場 上演時間3時間10分(休憩含む) 明日、千穐楽… https://t.co/RRaYvjs9at

    約5年前

  27. 『2001年宇宙の旅』も技術の過信への警鐘でしたし、『博士の異常な愛情』は1人の人間によってあるいはちょっとした手違いによって科学は簡単に大多数の生きとし生けるものを滅ぼすということを示していましたね。キューブリックの皮肉。カレル… https://t.co/1BwiEw4uva

    約5年前

  28. いや、「また会いましょう」はキューブリックの引用だけではなく、観客に対するメッセージでもあったのか。そういえば最も感動した瞬間は、科学者や悪者の台詞でも恥ずかしくなるくらい多いキスでもエロでもなく、役者と観客が共に視線を舞台に向けたときだった。『クラカチット』@ブレヒトの芝居小屋

    約5年前

  29. 東京演劇アンサンブル『クラカチット』@ブレヒトの芝居小屋。白い舞台と、原爆(の爆発)をイメージした円。左右対称と一点透視のシンプルさ、赤い寝具、赤く光る照明は、キューブリックの映画を思わせる。そしてヴェラ・リンの「また会いましょう… https://t.co/qcIeWTFVpL

    約5年前

  30. ブレヒトの芝居小屋で東京演劇アンサンブル『クラカチット』。1924年のチャペックの小説が原作。原子爆薬とそれを発明した科学者、彼らを狙う者たちの物語。支配欲・所有欲・愛欲。偽善・欺瞞・裏切り。その荒唐無稽。すべてを無にする爆発。舞… https://t.co/djixt5R4XH

    約5年前

  31. 昨日は『クラカチット』。ブレヒトの芝居小屋最終公演にこの作品を選ぶところが素敵。

    約5年前

  32. a letter from Brecht Raum TEE-BLOG tokyoengekiesb 東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。 https://t.co/NoKbiWriHt 『ブレヒト… https://t.co/T68ml3Tc89

    約5年前

  33. 東京演劇アンサンブル『クラカチット』ブレヒトの芝居小屋。20世紀初頭のチャペックの戯曲に描かれる世界観、ブラックボックス化した科学への不安が今に重なる。二重円の装置が効果的に空間を切り取る。音と光での爆発がこれで最後となる芝居小屋… https://t.co/V05ICLZiZn

    約5年前

  34. 本日、公演8日目、 3/29、19時開演、 ソワレ公演最終日です。 当日券、あります。 東京演劇アンサンブル ブレヒトの芝居小屋最終公演 クラカチット 18時受付開始、当日券整理番号配布 18時半開場 上演時間3時間10分(… https://t.co/XDgfhYoD0Q

    約5年前

  35. a letter from Brecht Raum TEE-BLOG tokyoengekiesb 東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。 https://t.co/NoKbiW9HiT 『ブレヒト… https://t.co/oMER0piuTa

    約5年前

  36. 東京演劇アンサンブルの「クラカチット」が朝日新聞でも紹介されました。 今度の日曜日まで。 ブレヒトの芝居小屋での公演は、これが最後です。 https://t.co/sd3V4J5zcW #東京演劇アンサンブル #クラカチット #朝日新聞

    約5年前

  37. (評・舞台)東京演劇アンサンブル「クラカチット」 人間の欲望、まっすぐに:朝日新聞デジタル https://t.co/KXPP4V2gmC

    約5年前

  38. 『マクベス』の終演後、東京演劇アンサンブルの『クラカチット』を観劇。昨秋の新劇俳優協会Festivalでお世話になった<ブレヒトの芝居小屋>の最終公演。3時間10分の大作。あの空間でやりたい事やれる事を全て詰め込んだ素敵な舞台でし… https://t.co/CQEEOnMFB4

    約5年前

  39. 東京演劇アンサンブル『クラカチット』@ブレヒトの芝居小屋、観劇。 エネルギーを解放したい/してしまうというモチーフが(架空の)原子爆弾から恋愛、戦争、自由…とあらゆる次元で変奏される。すごい。 物語の構成や演出的には、美少女ゲーム(王女ルート)って感じがしました笑。

    約5年前

  40. (評・舞台)東京演劇アンサンブル「クラカチット」 人間の欲望、まっすぐに 朝日新聞 さまざまな劇場はあれど、命が宿る空間にそう出会えるわけではない。東京演劇アンサンブルの本拠地「ブレヒトの芝居小屋」は劇団前代表広渡常敏の持ってい… https://t.co/AVbwarzuvk

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  41. (評・舞台)東京演劇アンサンブル「クラカチット」 人間の欲望、まっすぐに - 朝日新聞 東京関連のニュース https://t.co/sBcyOAf4pl #東京 #Tokyo

    約5年前

  42. 本日、3/28付朝日新聞夕刊、 『クラカチット』劇評を載せていただきました。 ありがとうございます。     https://t.co/kWJC4Ghgtz #東京演劇アンサンブル #ブレヒトの芝居小屋 #カレル・チャペック

    約5年前

  43. 本日3/28の朝日新聞夕刊に劇評を書く機会をいただきました。お世話になった皆様ありがとうございました。東京演劇アンサンブルの常設劇場、ブレヒトの芝居小屋での最終公演「クラカチット」について。

    約5年前

  44. 昨日、3/27の赤旗新聞に劇評が載りました。 『クラカチット』 3/31まで。 https://t.co/wsSkDx5whp

    約5年前

  45. 本日、公演8日目、 3/28、19時開演、 当日券、あります。 東京演劇アンサンブル ブレヒトの芝居小屋最終公演 クラカチット 18時受付開始 18時半開場 上演時間3時間10分(休憩含む) 当日券の予定は、当日Faceb… https://t.co/Nyk60THqDl

    約5年前

  46. 昨夜は東京演劇アンサンブルさん「ブレヒトの芝居小屋」最終公演「クラカチット」(カレル ・チャペック原作)を観に行きました!めちゃくちゃ面白い!!!あっという間の3時間10分なので、雰囲気も合わせてぜひ!!!今日明日はチケットもある… https://t.co/4LpUaOAb2S

    約5年前

  47. チャペックのことはあまり知らなかったが、それを恥じるほどに引き込まれた。そして、その奇想天外ながらリアリティに溢れた世界を美事に魅せ、演じきる東京演劇アンサンブルの力量に驚いた。長尺ながら「凄いものを観たなあ」と唸らせる上演。まだチケットが残っているのかわからないが、おすすめです

    約5年前

  48. 昨日は、東京演劇アンサンブル、ブレヒトの芝居小屋最終公演『クラカチット』を観てきました。まさにアングラ演劇的な異容な佇まいから、通行人を喫驚させてきたブレヒトの芝居小屋。留学で暫く行けなかったのが残念。しかし、最終公演にふさわしい… https://t.co/OnDBwnRSdq

    約5年前

  49. 劇場で一年のまとめしてるのに、自分から出てくる話がアンサンブルのクラカチットがよかったという話(笑) アンサンブルの舞台は例会じゃなくても自分の心に響くものが多くて好き! https://t.co/ixlGC4G8Wm

    約5年前

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