オイディプス=罪名 公演情報 オイディプス=罪名」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

     会場は地下ではなく、1階画廊の奥。気をつけられたい。
     

    ネタバレBOX

     さて、、、会場に入ると、タダでさえ鰻の寝床のような空間は入り口から見て、丁度部屋の背骨の辺りに幅の狭い陳列台が設けられ、観客はこの陳列台の左右に背を向けて座る。一番観易いのは座った正面方向だから最も多くの時間正面の演技を観ることになるが、そこはそれ、無論、キチンと演出と今作の主張としての物語分割及びギリシャ古典劇の大傑作と現代日本の我らの暮らし(より正確には昏しか?)にことよせた翻案が演じられる仕組みだ。もっと予算があれば、更に効果的な見方ができる場所に観客席を設けることができたのは、演出家も重々承知しているが現実に費用捻出は難しい。そこで基本的なギリシャ建築のイメージ、白で壁面などは統一され、陳列台の上にはアルキメデスのなどギリシャの知恵を示す小さな模型が展示されている他、登場する役者達の大きな写真パネルが壁に取り付けられている。演ずるのは総て女優。衣装は黒のパンタロンに黒の上着を基本としている。これは無論、演劇というものが総て役者の身体性を通して表現されてきた媒体という歴史を、身体性を通して繋ぐという今作の基本姿勢と本質を重視する芝居創りに根を持つと観た。入り口から見て右が、古典としての悲劇を中心に、そして左側では、現代日本を意図した翻案が上演されるが、役者達は時に同じ役回りで、時に異なる役回りで双方の空間に移動するから、過去と現在、そして原作を一旦解体して再構成することで、恐らく今迄誰もやらなかったソフォクレスの新たな読み方・見方も提示している。これは画期的なことだ。会場でチケット代わりに配られる小品は、観客参加への誘いとみることもできる。女優の足首辺りにも注目して欲しい。粋で本質的、而も極めてお洒落な工夫と細かい所にまで神経を行き渡らせた今作の姿勢を見ることができよう。女優達の演技も熱演である。
  • 満足度★★★★

    会場の中央に配置された座席、その周りが舞台だったので、演者を常に観るのは難しく、演者同士の絡みも少なかったため、さながら朗読劇のような感じの印象でした。ただ、役者さんとの距離は近いので臨場感はたっぷりでした!

    ネタバレBOX

    一人、象徴的な動きを演じる人がいたので、一方方向の座席の向きで、座席内にいくつかのスペースを作って、そこを動線にしてもよかったのかなとも感じました。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/12/01 (土) 11:30


    入口で渡されるチケットは、「嘆願の小枝」。
    観客はテーバイの民として、、、、会場に迎え入れられる。

    会場は中央に幾つかのオブジェによって遮られ、観客席はそのオブジェに沿って正反対に設けられている。一応、正面となるのは入口から左手なのだけれども(そちら側にオディプスと神官らが常在、右手にコロスが常在)、2人の女優は双方を行き来する。

    席は双方で16席くらい。スタッフによる女優配置の説明があって、すでに満席状態の入口左手に対して、右手は私ともう1人。それならばと、1つ空いている左手の席に移動しようかと一瞬思ったのだが、スタッフの「後ろを振り返る必要はありません。その視線こそが、見えないものを見せるのです」的な言葉が移動を押しとどめる。

    そうか、ならば見てやろうではないか、の意気で。

    舞台(?)はちょうど1時間。かの「オディプス」を読誦(脚本を持たぬ方もいたが、意図的に持たされている方もいる)とポージングで見せる朗読劇。

    後ろを見なかったので、オディプス他の2人のお顔は全く覚えていない。

    果たして見えないものが見えたのかと言うと、私なりに見えたような気もする。
    「オディプス」の世界が、心地よい緊張感と共に、役者さんを捉える視界と、小声で各人のセリフをなぞるコロス、真っ白な壁によって、体に沁み込むようだ。

    アンティゴーヌを連れて行きたいと言う盲目のオディプス、それをさせない義弟で後の国王クレノス。その後のまた悲劇は、皆さん知るところ。

    ネタバレBOX

    ああ、でも見れなかった2人の役者さんの足首の模様はどんなだったかは、今となっては気なるなあ。今思えば、終演後に見せてもらえばよかった、でも、単なるスケベなオヤジと思われたかもしれないから、それもできないか。

    女性の方は、遠慮なく見せてもらってください。
    左手に座ると、今度はコロスの足首を見られませんから。
  • 満足度★★★★

    いかにもギャラリーらしい舞台セット(というより展示)の中でのスタイリッシュなアクション・リーディングもの、といったカンジでしょうか。黒の衣装で決めたちょいとアンニュイな女優さん達を360°キョロキョロ見ながらの観劇でした。個人的には好みのスタイルですね。

  • 満足度★★★★

    今まであまり会わなかったお芝居だと思いました。内容はよくわかりましたし。面白かったと思います。動きのある朗読劇みたいな印象でした。
    役者の皆さんとの距離も近くて、息づかいも聞こえてきそうな感じでした。

  • 満足度★★★

    いろいろと想像力を掻き立てられる面白い作品でした。

    ネタバレBOX

    客席を真ん中に両面を舞台として使用、片側のフロアスペースではリーディング(現在)が、もうひとつのフロア(過去)での演技(台詞)に重ねられて過去と現実の世界が交錯しながら展開されたり、それぞれの人物の心のイメージを具現化しながら物語を進行させたりと、とても面白い演出で楽しく拝見しました。
     できたら、照明効果(光と影の効果的な使い方も含めて...)についてもう少し工夫し(らんぷ、蝋燭の使用も有りかも)、演技者に合わせた舞い(複数)を取り入れる場面があったら、より見ごたえが増したのでは、と思いました。
  • 満足度★★★

    観客はテ―バイの民に見立てられ、席に座りオイディプス王の登場を待つことになる。王は立ち姿で座っている観客、民を見渡すという光景である。そこで本来であれば入場券代わりの”嘆願の小枝”に見立てた飾り物を差し出すのだろうが…。大筋は覚えていたつもりだが、劇としてみると印象が違う。説明にもあったが少し前衛的なところがそう思わせるのかも知れない。
    (上演時間1時間20分)

    ネタバレBOX

    場内は白色で統一し、壁には役者のパネル写真が飾られている。またいくつかの小物が置かれ、視点・角度によって見え方が違って見えるという科学的趣向のもの。本公演も観る場所によって演技が違って見えるということだろうか。
    客席は場内中央にそれぞれ壁側を向き、観客は背中合わせに座る。正面方向の演技は観やすいが後ろでの演技は振り向くことになる。客席を回るようにして演技を行うが、とても至近距離で全体を見渡せないのが不便だ。

    梗概…相当前に読んだが大筋は覚えていた。話は分かり易くするため時間を遡行させ、謎解きとして興味を持たせる構成にしていた。内容的には概ね原作通りだったと思うが、運命の悪戯、真実と絶望、悔悟と救済という心情の訴えが弱く思えた。物語の結末に一筋の光明(目では見えない)、救いがあったのだろうか。その結末部分(最高潮シーン)が曖昧で解りにくかった。

    同一の役柄を他の女優が演じる、そのリレーのような人物表現の演技は一体感がなく、今どの役柄を担っているのか考えながら観ることになる。また役柄を特定させないため、全員が黒い衣装を着ている。
    同一人物を複数の女優で演じる劇は何回か観たことがあるが、その時は場面の状況を違えたり、時代設定の変化等で納得するもの。本公演は時間的経過は感じられず、また状況変化は台詞説明で具現化に乏しいのが残念。演技は身体表現(パフォーマンス?)に近く、メイン(物語を紡ぐ)演技と民衆の声なき声を表現する役割が分担させているが、その交代がない。

    最後に、新しい試みにチャレンジしており、その姿勢は持ち続けてほしい。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★

    12/2の11時半の回を観劇しました。トイレにも何か貼られていたことは知らず、それ以外をしっかり堪能させていただきました。本来の楽しみ方ではなかったようですが、360度で展開しているお話を観ることはなかなかなく、本当に舞台の中に入っている印象があります。あらすじだけを知っている状態で観ましたが、刺激的で斬新な演出に驚きながらも、お話はすとんっと自分の中に入って来ました。帰りに気になって原作(もちろん翻訳)を買い一気読みしました。原作の内容がより分かりやすくなっていた気がします。オイディプスが民衆に語り掛けるとき、普通に目が合う。意志の強い瞳に揺れ動かされる。あの距離でなければ味わうことはできなかったと思います。一度だけでしたけど、観劇出来て良かったです。

  • 満足度★★★

    余りにも近すぎる役者さんとの距離。演技を十分に堪能できます。ただ,オイディプスは読み込んでいるのでしっかり頭には入っているのだけど…前衛的過ぎたのかな。客席の間にあるいくつかの展示物,その説明を聞いて,脚本,演出の意図は想像は付いたんだけど,芝居からはその意図が伝わり切れていないものでしたね。

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