青の反対色はオレンジだが、そんな恋は江ノ島の海に捨ててきたの 公演情報 青の反対色はオレンジだが、そんな恋は江ノ島の海に捨ててきたの」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    街の在り方がとてもヘンな船橋。
    宿場町でも港町でもなくなり、都度再開発をして成立った街は、歩く度に物語を孕んでそうな奇妙な様に引きつけられる。4800歩。81分。

    ネタバレBOX

    JRを越えて南北がスムーズに行き来できる大きな道路もなく、土地買収が完全ではないのに民家を残しつつも歪な土地に駐車場が圧倒的に足りないタワーマンションを平気に乱立させる駅周辺、昭和半ばに中層化されたものの、今や2階3階はほとんど使われていない中途半端な建物が新築マンションと昔ながらの家構えの商店の間に残る本町通、街中を流れるにしてはあまりに水位が高い海老川、高架にはしたものの高架下は行き来もできず全然開発されてない京成電鉄、税収があるはずなのに古びてペンキの塗替えもされていない歩道橋や小学校や親水公園の壁。天気が荒れたら危ないだろうに地元民が川を渡る抜道にしている排水機場脇の小径、どれも街としてのビジョンが確立しないままに乱立しているよう。その秘めたドラマ性にはとても興味は惹くがすこぶる交わり難い感じもして。

    その中で和装の案内者に連れられ歩く。過去を置いていきながら海まで向かう青い服装の少女を追いつつ。

    最後の到達点、夕暮の船橋港で歌われるユーミン。それは「埠頭を渡る風」でもなく「海を見ていた午後」でもなく「翳りゆく部屋」。妙に染みたなぁ。

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