優子の夢はいつ開く 公演情報 優子の夢はいつ開く」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★★★

    チャーミングな毒気
    内田春菊の世界(自分も昔漫画を読んだ)を久々に思い出した。演劇のテキストに置き換わっても内田印の香を放っている。かつ、space雑遊で体感したどの芝居とも違う独特な空間--チラシのイメージを立体化した?--の快い肌触りに浸った。
     )冒頭、突如挿入されるミュージカル風の下手ウマな独唱で主人公優子(専業主婦)の住む「小宇宙」が描写され、劇が始まる。古き米国TVホームドラマ風なパッケージがセット(お金持ちの設定)共々提示された感。 鼠の出没の疑いについての言及以後、外部(の人々)の「侵入」に対する無防備さとギリギリの防御の按配がスリリングで、「ある種の侵入(性的な)」を許してもなお主観的には防御戦の延長にあるという内田印ならでは感も一瞥しつつ、始まりは安定した「箱」に見えた家庭(夫と息子がいる)の骨組みも揺らぎ、この「揺らぎ」をも背景としながら、優子が何と対決しているのかよく分からないまま、それでもあたふたと戦う現場に引き込まれている。
     最後にはオチがある(伏線もしっかりある)が、ここに収斂させるには解釈の幅が狭まり、人物の持つ存在感に委ねる余地のある演劇では(漫画等と違って)、「落ち切る」必要はない気がした(・・仄めかすだけで暴露しなくていい)。
     が、そこまでの狂気じみた展開はかなりの毒気を持っているのに、そうした日常があり得る話に見え、軽やかに見れてしまう、そういう世界が出現するのを見る快感は否めない。 
     役者は皆が皆芝居が達者であったが、優子を演じた女優の「天然」具合のハマり方は当て書きか?と目を引くものがあった。
     演出ペーター・ゲスナー氏の守備範囲の広さ(変幻自在さ?)もインパクト有り。

  • 満足度★★★★

    家族の秘密!
    内田春菊の生い立ちから生じる表面的には理想的な家族とその裏の家族の姿が衝撃的。ありそうな話。

    ネタバレBOX

    時間を持て余したお嬢様専業主婦が幸せな家族を守るために性的開放に目覚めただけでなく、ネズミ退治のように殺人を請け負う!
  • 満足度★★★★

    シュール
    澤穂希と村上ファンドのような夫婦でした。

    ネタバレBOX

    育ちのいいお嬢様風奥さんが実は殺人鬼だったという話。

    ひげ面の男に家庭を壊されるのかと思っていたらすんなり受け入れ、次に自我に目覚める「人形の家」風な話になるのかなと思いましたがそうでもなく、森博嗣「奥様はネットワーカ」風な意外な展開になりました。シュールでストーリー的には良かったと思います。

    老人病の子供という設定も悪くはありませんが、そして病院に行っていないので分かりませんがが、セックスしないと死んでしまう病気にもつながっていき理解できますが、九十九一さんの出演ありきから出発したとすれば残念です。子供ができる役者に子供らしい子供を演じてもらった方がもっと面白くなったと思います。
  • 満足度★★★★

    面白かったです。
    突然変わる優子さんの日常。えっ、そんなことになっちゃうの・・・とビックリ。

  • 満足度★★★

    う~ん・・・
    劇団初見。春菊さんのマンガは大好きなので、芝居の脚本はどうかなと気になっていました。ブラックシュールな世界観はおしまいまで観れば納得できるのですが、自分にとってはどうもこの芝居は入り込みにくいものでした。マンガと芝居の違いなのかなー。演出の問題なのかなー。

  • 満足度★★★★★

    ドロッとしたものをライトに魅せる
    演出家・ペーター・ゲスナー氏は 旧東ドイツ出身の国内外の戯曲に精通している日本語が堪能な方みたい。美大出身の作家を想起させるクリエイティブで生新な気風を感じる演出が心地よい。

  • 満足度★★★★

    伏線が....
    予想通りの展開から予想しない展開へ!倒錯と妄想、現実とのボーダレスな世界へ!面白かったです!

  • 満足度★★★★

    ちょっと観方を工夫
     脚本が内田春菊。演出がうずめ劇場のペーター・ゲスナーというちょっと変わった取り合わせだ。

    ネタバレBOX

    自分の解釈は、一般と可也異なると思うが、却ってこっちの方が、春菊が取り組んできたテーマに近いかも知れない。というのも、この「国」の為政者の発想というのは、千年以上も変わっていないからだ。ということは、真の民主革命が起こっていないということである。だからつい先だって迄五礙の障りなどということが平然と言われていたのだ。自分はそんな側に与しないが、多くの日本人男性は、そのようなことを意識したことも無かろう。それほど、この「国」の女性差別は原始的である。まあ、男が平気で奴隷をやっているのだから、そんな連中を男と認めること自体滑稽そのものなのであるが。マッカーサー如きに精神年齢12歳と断じられてへへーと畏まっていたらしいが、そのこと自体笑止である。戦争で負けたからと言って文化やエスプリで負けた訳ではあるまい。そんなことすら主張できなかった大多数の日本人が、本当に「葉隠」を“死ぬことなりと見つけたり”と読んだだけであるなら、そういう連中は総て自死すべきであった。論理とはそういうものである。戦後精神界堕落の一例を挙げておけば、死に体で、文章を書き殴っていただけの三島 由紀夫を過剰なまでに高く評価すること自体、この植民地の実態を曝け出しているのに、そのことにすら気付けないボンクラばかりでは致し方あるまい。ハッキリ言って三島の作品で優れているのは、戯曲と「仮面の告白」くらいだろう。自然に振る舞えないこと自体、危機的状況であり、それを人工に置き換え、そのことを火箭として用いることのできたのはBaudelaire迄である。Baudelaireは、最後の精神性を担って引き裂かれていたし、最後には失語に陥った。彼ほどの天才にしてそうであった。このことを深く考えるべきであろう。(無論、梅毒の影響を反論の根拠として言う人々は多かろう。だが、彼の担った精神性に匹敵し得るだけの内実を持って言っているか否か、自問して欲しいものである。Sartreの批判もBaudelaireの抱えていた問題総てを批判し切れている訳ではない)まして、三島は表層の作家である。死に体と言って悪ければエパーヴである。ちょっと横道に逸れた。
     さて、本題に入ろう。今作で登場する各人物を国や民族集団に置き換えて考えてみると、とても面白いのだ。欧米人が観て面白がるであろう理由は自分のような観方をする者が結構いるだろうということでもある。内容は観てのお楽しみ。だが、日本で独自の存在感を発揮している内田 春菊の、取り敢えず日常に仮託された社会性をも観る為には、これは案外有効な方法だと思う。
  • 満足度★★★★

    原作者は漫画の作風通りかなぁと思える展開でありンした
    演出さんは演劇界に30年(うち15年は北九州だそうで)のドイツ系九州男児さんだそうで、暗転時とか投影画とかがユニークだったですよ♪

    なかなかに個性的な登場人物が動き回る印象強い1時間50分の作品でありました(星は~4.5ぐらいでしょうかねぇ)

    ネタバレBOX

    住友さんは”南海奇皇”で仙台エリさんらと絡んでたドラマCDとかでの印象が強かったのですが・・・生身では、こ~ゆ~動きをするんだなぁと感心いたしました(^^;)

    結構えぐい現実と妄想&夢とかが錯綜するサスペンティツクな物語・・・
    一方的に優子さんにかかわってくる近所のちょっと嫌な感じの奥様は
    役者さん上手で、らしさ良くが出てましたわ(^^)

    舞台セットは綺麗な居間の雰囲気がよく再現されていたです

    開演前の座の温めとかは特になく席はほぼ満席3分前にアナウンスin

    ネズミが出る居間にネズミホイホイが仕込んである・・・初めて見ましたネズミホホイ! かかってる動きあり

    綺麗で素敵な家庭と見させて、人の悪い隣人の悪口が本当のことで。ネズミに象徴された影が物語の進行とともに姿を現してゆきます。

    隣人に押し付けられた9歳の子の施設担当と身体の関係になる優子・・・・ベンツ持ってる裕福そうな旦那は実はリストラされて無職=給与は旦那の母親が会社を装って振り込んでいたようだが、ボケが進んだようで明細が”会社”になってバレてました。 で状況の被害者ぶってた優子自身もじつは高額な礼金でDVに悩む女性の相手を亡き者にしていた殺人者らしいと判明し、ラストユニークな玄関モニターに警察が来たところでENDです。

    黒い黒い(^^;) すんげぇインパクトのある芝居だなァと感想っす!
  • 満足度★★★★★

    クリスマス
    クリスマスにこの公演を観るのか!みたいな(笑)
    ブラックエロサスペンスでした、すごく面白かったです。
    内田春菊さん、素晴らしいです。
    最後のシーンもなかなか見ものでした、本当に「優子の夢はいつ開く」でした。
    ぜひ、足を運んでみてください!

  • 満足度★★★

    不思議な世界
    優子のミュージカルのワンシーンのような生活で始まりました。不思議な世界へと変わっていくのは、思わぬ展開でした。

    ネタバレBOX

    優子のはじめの生活がミュージカルのワンシーンのように感じました。ある事件をきっかけに悪いほうへ、崩れていく信頼と貞操、その向かう展開、特に、すぐに下のほうへ話がいくのは少し強引過ぎる感じがしました。不思議で目が離せない展開でありました。
  • 満足度★★★★

    驚きの展開!
    内田春菊女史の脚本らしい...そんな感じを受ける面白い公演であった。女史の本業ともいえる漫画家の特長も活かしており、その力(魅力)をいかんなく発揮している。
    序盤はコミック-ストーリーのような印象を持ったが、終盤はホラーのような感じもする。その変化の大きさに驚かされる。独創的なストーリーで、まったく先読みができない巧みな構成。想像を絶するラスト...観終わってみれば、ブラックジョークのようであった。
    主人公・鈴木優子(住友優子サン)は単なる専業主婦、家庭をきりもりする婦人、などというありきたりな描き方ではない。

    ネタバレBOX

    演出は、暗転時にスクリーン-プロセスを用い、女史のマンガスケッチを映し出す。その電影も単に静止漫画ではなく、コマ送りするイメージである。また漫画だけではなく、見せ場となるシーンには実映像を挿入する。

    梗概は、裕福な家庭に育った優子、幸せな結婚生活(夫・大学生一人息子)を送っている。そんな中、児童施設から子供(小学4年生)を一時的に預かることになり、その施設職員も家に出入りしだしてから、家庭内に波風が立つ。そして彼女自身は主婦から一人の女になり、”性”まで解放してしまう。
    一見平凡で幸せそうな家庭にも、それぞれ抱えた問題がある。TVドラマ「岸辺のアルバム」(1977年)を思い出した。それは、平和に見えた家庭の崩壊の発端は、謎の男からの電話が契機になっていたが、本公演では施設職員と預かる子が闖入者である。

    表面上は素知らぬ顔(頻繁に行う奇妙な「ダンス」、「歌」で表現?)をしているが、夫の裏切り。本当のところは家族から逃げ、人生相談と称し、その相手の不幸を楽しみ自己満足にひたる。本当はかまって欲しい孤独な女性...の内面が崩壊していく様を世間(近所の偽主婦友達)の羨望を絡め、しっかりと観(魅)せる公演は秀逸であった。

    次回公演を楽しみにしております。

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