まどろみ戦士 公演情報 まどろみ戦士」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    衣装に頼らない潔さ
    征服のようでそれぞれに個性をだして、衣装なんて表現のほんの一部だと言わんばかりで、衣装に凝るより遥かに好感が持てる。展開の速さに最初はミニカーが?フェラーリが?・・・と戸惑ってはいたが面白いほど途中から状況が読めてきた。縁側でおじいちゃんがまどろんで・・・からは創造を絶する内容でしたね。私はグッド、でした。

    ネタバレBOX

    フェラーリとミニカーが熱さで溶けながらも己の使命を果たそうとする場面は感動すら・・・覚えました。
  • 満足度★★★★

    リアル感、増す
    2月に公演した「まどろみ戦士」パート1を、追加公演という形で上演したわけだが、さすがに本公演「まどろみ戦士~最後の旅立ち~」興行中の再演という型破りに、2月のときに比べるとスピード感やテンションは落ちた気がした。

    が、本当にそうなのか? 役者が疲れていただけか?

    いや、そうでなかったのだろう。よく見ると演出に手が加わっていたようだ。
    スピードやテンションは、演技する内部へ向けられ、むしろ内的テンションの圧力は前回より高まっていた。
    これによってファンタジックなシーンでも、前回はスピィーディーに展開されたのが今回は若干(全体的には早いので若干)落ち着きを見せていたが、各キャラクターの会話など心情の絡み合いは非常に濃くなっている。
    また、リアルにその場にいたらこうだろうなという、無理やりな高揚感を押しつけない潔さがあった。

    テンポの良さをはずさず、かつリアルであるというのは、最後は演出のバランス感覚だろうが、今回の成功でこの劇団の可能性はさらに広がったのではないだろうか。

    なんにせよこの作品は、主人公の妻が主人公を呼ぶ一言にかぎる。その素直で、無防備で、切ない響きには、普遍の感動がある。

  • 満足度★★★

    第一作目
    このまどろみ戦士は今、公演中の『最後の旅立ち』の初期、つまり、第一作なのだ!
    最後の旅立ちが第六話だから、この物語はネバーエンディングストーリーごとく12話まで続くことになる訳だけれど、もしかしたら・・12話どころでなくて、1000話くらい続くかもしれないのだ!ったら、なのなのだっ!(^0^)

    セットは何もない。ただの箱が二つ。

    衣装もTシャツにパンツという夢もちぼうもないごくごく普通の「おくさーん、今日はお買い物?」的なお衣装なわけで、勝手に壮大なエンディングストーリーかと思い込んでいたワタクシは、まいどの事ながら、


    ぐはっ!(吐血!)と、もう血が足りなくなりましたっ!

    っつーて白旗揚げようとハンカチを出そうとしたところ、物語はあれよあれよという風にテンポもありスピード感もあり、なんですか、花やしきのジェットコースターも真っ青の展開になってきたのでした。

    これから先は今、公演中の『最後の旅立ち』のネタバレ的な要素も含むので、ネタバレBOXに。。


    ネタバレBOX

    ゆみこばあちゃんが手術をすることになった。
    おばあちゃんは不安で仕方がない。

    そこに『死に掛け団』がやってきて、おばあちゃんに「走って、笑って若さを取り戻して。祈ってみて。殴ってみて。苦しんでるみんなを応援してみて!」と励ますが、それでも塞いでいるおばあちゃん。

    すると、「好きな人のことを思ってみて。」と投げかけられて、おばあちゃんはおじいさんと行った黄色い菜の花畑を思い出す。


    一方、菱方家ではおじいちゃんが相変わらず、日向ぼっこしてまどろんでいる。
    そこに孫のかなみと直がやってきて、眠りこける。


    すると、そこはまどろみの世界だった。

    まどろみの世界は不思議の国のアリスのように、妄想の世界、つまり、非現実の世界だった。
    どうやら、そこはおじいちゃんの気持ちが具体化する世界らしい。。

    現在のおじいちゃんは目がかすみ、頭がぼーっとして耳もよく聞こえないが、まどろみの世界のおじいちゃんは若かった頃のじいちゃんなのだ。

    まどろみの世界でおじいちゃん、かなみ、直、ムシカ(犬)はホルスタイン猫の化け物や、大きな岸壁、暴走車と戦いながら、「ばあさんが助けを求めてる。」と言うじいちゃんの言葉を信じ、ばあちゃんの元へ辿り着くのである。

    戦いの中で、直やかなみは、「あなた達は両親の重荷になってるのよ、死ねば?!」と言われたりしながらも、強い思いと強い意志を持ちながら少しづつ大人になっていく。


    おじいちゃんが心の通路を通っておばあちゃんに逢いに行く場面、淡い黄色の照明と黄色い菜の花畑の中で手を取り合うというセリフが、その情景を連想させ、まるで、「風の谷のナウシカ」の名場面、黄金のじゅうたんが思い出されて、何とも美しい想像でした。

    たぶん・・・情景の想像ができるという事は、綿密なセリフや巧みな動き、照明で観客を安易に想像させられるということで、よく練られたストーリーに違いない。。



    『なんて素敵な大人なんだろう。』


    年老いた二人を見て、かなみは言うのである。。


このページのQRコードです。

拡大