悪い冗談 公演情報 悪い冗談」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-20件 / 27件中
  • 満足度★★★★★

    三部作
    今回三部作「悪と自由」とうたわれた三作品目。

    観た中で今作が一番、自分的にはスイッチが入った。

    例えるなら 前1作目「ぬれぎぬ」は、観ながら小説を読むような、遠そうで近いかもしれない未来。

    前2作目目「非常の階段」。

    ふたつの流れが混じり合う所に ナイトは位置していたのかなと。 一つの流れは、穏やかな家族の流れ。 一つの流れは激しく冷たい家族(個人)の流れ。




    今作は、一番、劇中のシーンに自分の感情を すり合わせるというか

    きもちの中にぐっと手を伸ばして掴まれたような シーンが

    沢山、あった。そこに自分が居たかもしれないという苦しい投影今回、

    観ている最中の涙。

    芝居が終わり、客電がついてから オーバーラップしたように

    また、涙が溢れてきた。

    悲しみなのか 恐怖なのか 諦めなのか 訳が分からないけど 無性に涙が出てきた。

    今回物凄く、観ていて気持ちが動き、辛かった。

    しかし、群舞に救われた気がする。

    何だろう、力強く打ち付ける大地の音、 跳ねる身体 風を巻き起こす、うねる、駆け抜ける 「生」のようなイメージを、

    活力のようなイメージを 「いろいろ、有るけど良い方向を見つけて、そっちにいかなくては!」、

    「動かなくては!!」と今回の群舞には勝手にそう感じ取り、救われた気持ちがする。




    服従の実験というシーン。怖い。怖い。と観てると苦しくなってきました。

    何が怖いのか。「理性」が「やめろ」と思ってるのに、「命令」「浮遊する責任」などで理不尽な実験を服従してしまう・・。

    怖い。ほんとに怖いと思いました。日本も「責任」のあやふやさでいつの間にか、戦争していたりする可能性もあるのかと。




    あと、空襲の場面。

    焼夷弾の投下の中逃げる

    自分がそこに居たかもしれないという苦しい投影をしてしまうのです。

    自分の子がもし、そんな状況になってしまったら。

    飛躍過ぎかもしれないけど私にはどうしても観ながらそんな感情に包まれてしまう。

    劇中の3月の花火大会桜の季節。

    かつての空襲の記憶fireworks(花火)

    それは、かつての焼夷弾( fire bomb)の事なんだろうかと。

    沢山の沢山の悲しみを鎮めるためなのか。

    川の流れにかつての面影はないが、血塗られた、遺体が折り重なっていた

    川は未だにその想いを漂わせているのか。

  • 満足度★★★★★

    非常に遅くなり
    申し訳ありません、、ブログに感想を書いてます。
    http://ameblo.jp/kangeki-jyoshikai/entry-12004762024.html

  • 満足度★★★

    お花見
    さまざまなところの話が舞台上で繰り広げられ、それを覆うかのように群舞が入る。
    三部作の中で一番感覚的な芝居。
    ぬれぎぬに出てきた男女が再び登場したが、ぬれぎぬが好きだったからか扱いが少し雑に感じた。

  • 満足度★★★★

    配置の妙/約110分
     置きチラシに入っていた挨拶文で作・演出の広田さんが自ら認めていた通り、事前に予告されたものとはずいぶん趣の違う内容になっていたが、犯罪者という特別な人達の悪に迫った一作目と二作目に対し、今作では“誰もが不可避的に抱え込む悪”、さらには“国をはじめあらゆる組織が必然的に抱え込む悪”、つまりは“悪の普遍性”にまで踏み込んだ内容になっていて、「悪と自由」三部作の掉尾を飾るにふさわしい作品になっていたと思う。

     見せ方としては、この“悪の普遍性”を示すエピソードを極大のものから極小のものまで、合間にダンスなど挟みつつ大した脈絡もつけないまま舞台上に配置してゆくスタイル。
     この“配置”が作り出す絵ヅラがおそろしく美しく、また、この“配置”の妙により様々な記憶や思念が脳内に喚起され、退屈するということが一度もないまま二時間近くが過ぎていった。

     力強いモノローグとものものしい音響・照明によって織り成された、東京大空襲のくだりが圧巻でした

    ネタバレBOX

     芝居の観方は時局に左右される。
     このことを強く思い知らされた公演でもあった。

     本作ではアジア諸民族の宥和がダンスその他によって表現されるが、三原じゅん子議員の「八紘一宇」発言がなされた直後に観たために、“アジアは一つ”とでも言いたげな諸シーンがなんだか胡散臭く思えてしまった。
    「宥和」はある一国の主導のもとになされた場合、それは一国による諸国の「支配」へと容易に変じうる。

     また、日本、韓国、台湾と、国籍を異にする俳優たちが握手を交わすシーンで流れる有名な歌は、二度目の東京オリンピックが近い今、私の耳にとても皮肉っぽく響いた。

     “世界は一家、人類はみな兄弟!”と訴えているかのようなその歌。
     だが、この国は微笑を浮かべながら世界に対して両手を広げる一方で、足では国内の諸地域を踏みつけにし、国からどんどん一体感を奪いつつある。
     国際協調を訴えるより、まずは自国をまとめることが先決なのではないだろうか?
     歌い手がもし今も生きていたら、きっと同じことを思ったに違いない。

     あの歌が皮肉めいて聞こえることは、たぶん、作・演出家の計算のうちだったのではないだろうか?
     
     
  • 満足度★★★★

    アマヤドリらしい
    いろいろあって1ヶ月ほど観劇から離れての復帰作が本作だったこともあり、結構大変だった。多重構造で繋がっているのかどうか判然としない部分も多く、ここのサブストーリーだけで表現をしようとしている事象も多々あって、1回では受け止め切れない。とは言っても、ライティング綺麗さや詩的な表現など「らしさ」を堪能できた。やっぱりアマヤドリは中村早香が居てこそ、と、いう感覚は強化された。所々に感じる存在感、そして群舞のリードが格好良かった。

    ネタバレBOX

    東京大空襲についての表現については、何かアマヤドリらしくないというか、ストレート過ぎる表現のような気がしてならなかった。別に具体的な事象をそこに盛り込む必要を感じなかった。序盤で観たので一体最後はどういった表現になっていたのだろうか。アマヤドリは、前半と後半で相当違う作品になっていることも多いのでガラッと変わっている可能性もあるのでなんとも言えない。
  • 満足度★★★★

    伝わりにくい
    まあ、いいモノ観れたとは、思います。
    笑いにダンス、演技も演出も安定感が有りセンスがいいのは相変わらず。
    ここのは嵌ると泣けるんだけどなァ。
    それが無かった。照明が終始暗いのは苦手。

  • 感想としては
    特に何も……って感じでした。「裸の時間」というものが何であったか、残念ながら私には掴めなかったけれども、ひとつ感じたのは、この舞台が客を必要としているように見えなかったということですかね。客というのはいつも物語に対して傍観する立場にあるわけですけど、とりわけ今回は「あ、必要とされてないな」と思いました。

  • 満足度★★★

    カタルシス、発見、いずれも薄い
    絶望のお話。よどみない眼差しで人間の真実(残酷さ、醜悪さ、身勝手さ)を見すえた時、果たして人の未来に希望を見出せるのか? と問うている。反語的疑問だが、希望は見出せていない。絶望の仕方がゆるいからだと思う。資本主義にしろ新自由主義にしろ「自由」が「悪」を不可避に孕む事実を知っても、人は自由を選ぶだろう。そして悪は無くならない。終盤で男が結語のように語る台詞の意訳だが、そこに収斂する各シーンになっているかと言うと、関連がいまひとつスッキリしない。場面の作りも中途半端でその中途半端が意図的なのか‥それにしては隅田川繋がり(花火見物に絡むシーンが幾つかある)からの東京大空襲の描写はえらくシリアスで感情移入を促している。だが、爆弾を投下した兵士はつまらない動機でこれをやったのだろうと、皮肉にしては力なく陳腐な、敵愾心の対象にしたい「意図」による解釈の落ち。韓国、台湾から来た男女をそれぞれ囲む会話のシーンでは、植民地時代や歴史問題に触れる部分もあるが、それでどうという展開はない。意図的に会話を「深めない」ようにしたのか、あれで結構深めた事になっているのか、それさえ分らないが、いずれにしても自らの側の加害を掘り下げて初めて見えてくる風景を、無意識に避けていないか? スタンレー何とか言う、人間の服従心についての有名な実験の再現はいいアイデアだと思った。が、残念ながら問題が浮き彫りになるように作れていない(これは単に技量の問題かも知れないが)。妹を殺された姉が服役囚の下へ通うが「罪」を問題にしているようで自分が何をしているのか分らなくなる対話が、何となく人間の限界を暗示しかけるが、全体の中に埋もれてしまって残らない。被害と加害の対立は厳密には解決出来ない(歴史を救うのは忘却だ)、という部分に着目した感じは受ける。しかし今や道徳や倫理が通るにはその土壌が必要であって天から授けられる訳ではない事は、現状を見れば十分で、強調する意味があるのか。もやもやした日本の現実をそのまま舞台に上げてみた、というには先述したように空襲の逸話が被害体験として浮き立っている。個が国家に寄り添うのは自主、民主の意識が脆弱になった時だが、被害意識の共有はその端緒になる。そうなりかけてる現状を突き放してこの劇は見ているのでなく、それを結果的に促していないか。突き詰めきっていない感が否めない。

  • 満足度★★★★★

    アマヤドリ観劇
    初アマヤドリ
    なんとも言葉にし難い感情が起こりました。
    良い作品ってまとめちゃえば勿体ないと思います。

  • バランスが良いね
    本作は全体のバランスが良いと感じました。
    キャストの男女比も良く、照明効果の使い方も良かったし
    パフォーマンス、リズムも気持ちよかったです。
    独特のオリジナリティーを大切にして頑張ってください。

  • 満足度★★★★★

    生きているうちは、生きなくちゃ
    先日は最前列の観劇で、舞台と客席が地続きなのもあってか、彼らの騒ぎに飲み込まれたような感覚もありました。
    今回はちょっと離れたところから、対岸の騒ぎを眺めるように・・・・だけど、人間の生きることのせつなさやしんどさは、より深く感じられたのです。

    三波春夫さんの歌の頃は、私は子どもでした。
    あんな風に聞いた事は無かったのですが、あの時代いつもあの曲が流れていました。当時の大人たちや世間の高揚感のすごさを、思い出しました。
    そして、あの時代の匂いも。
    そして、今こうやって聞いて見ると、まるで軍歌のようだなぁ・・・と、思いました。歌い方、リズム・・・・。若い方たちは、どう思ったのかしら。

    広田さんの演出は、とても好きです。
    色んな角度から、色んな思いが飛んできて、台本買ってきたので、しばらく楽しめます。「ぬれぎぬ」と「非常の階段」もまた観たいです。

  • 満足度★★★★

    複雑!でも興味深い
    「悪と自由」の三部作全て鑑賞した。前二作はストンと腑に落ちているのだが,今作は自分的にはちょっと難解なのか,まだ消化不良である。でも興味深い作品であることは確か。この時期,忙しくて観劇生活も十分ではなかったが,この作品は無理してでも複数回観るべきだったのかもしれない。この三部作,とても充実していたと思う。ただ,観て満足するだけでなく,振り返って思考する,その気づきの要素がちりばめられた作品。とても見応えがあった。アマヤドリ,今後の作品にも期待しています。

  • 満足度★★

    大幅変更
    内容を、大幅変更されたそうですが、変更前も見て見たかったです。

    面白かったです。

    ネタバレBOX

    舞台の上部に渡り廊下の様なセットが作られて居て、そこでも、様々なシーンが登場します。

    男3人女1人のシーンで

    研究者男2名が、男女に実験に参加してもらうシーンがあり
    男性がクイズに間違えたら、電気ショック。
    女性はクイズの出題と、電気ショックオン。
    クイズの回答は、とんちんかんな物が正解で、男はどんどんと電気ショックを受けなくてはイケナイ。間違いが続くと電圧がどんどん上昇していく。


    途中から、この実験の被験者が、実はクイズ出題の女性の方だと言うのが感じられました。
    気づいて欲しいと言うのが狙いだったのかもしれません。
  • 満足度★★★★

    フライヤーの原画が素敵!
    アマヤドリさんの作品は何時も示唆的で、その意味するところ、どう捉えたらいいのか沢山の宿題を出されたようで、何日か経って答えが出たり、全く解んなかったり。 ロビーにフライヤーの原画が展示してあり、素晴らしいので一見の価値あり。

    ネタバレBOX

    最初に殺人犯と被害者家族の話があり、人であろうと国家であろうと、
    人を殺す事が許され筈が無い。そして、アイヒマンの実験の下りで、人は思いや信念とは違う行為を、容易く行ってしまう事を語り、恋人と同士の話で、色々選択肢があるように見えて、実際選べる事はほぼ決まっていると語っている。時代が変わり、人が変わり、色々変わっても、また同じ過ちを繰り返すかもよってお話だったんじゃ無いかな。
    劇中、宴会のシーンでのラベルの貼ってない、ビール設定の銀缶の飲み物は、ブルトップを開ける時に炭酸ぽく無くて、何なんだろうかと氣になる。
  • 満足度★★★★★

    あまりの「美しさ」にノックアウト
    フリーパス購入で、初日・25日と観劇。
    最初に観たときはいろいろと飲みこめず、二回目の観劇でノックアウト。

    「(たとえばBJCが「悪い心を持ってる数少ない動物」と歌ったような)人間」でいることについて、頭のシーンからグサグサと刺さってなんともヒリヒリ。
    特に終盤の「女が川に向かう」シーンの残酷なまでの美しさ、ここ最近の観劇の中でもトップクラスに打ちのめされ。

    (ただ中盤の「実験」のシーンは、元ネタをなぞっているようにしか感じられず割とけっこう退屈だったかも・・・^^;)

    小角さん筆頭に劇団員の「セリフ芸」の巧みさもさることながら、そのセリフ芸の豊かな音楽性と一体となってそこに存在する台北からのゲスト・Panay Pan Jing-yaさんの肉体の説得力が印象的。

    回を重ねてくごとに変わってく芝居、千秋楽近くでもう一度観に行けたら、と。

  • 満足度★★★★

    深い
    一つ一つのエピソードは割とシンプルなんだけど、それが絡み合って、タイトルやセットを含め、そこに込められたメッセージはとても深淵で、見応えがありました。独白の場面やダンスシーンもさすがでした。

  • 満足度★★★★★

    こう来たか!
    個人で行う犯罪と戦争と言う名のもとで行う犯罪の罪の重みは違うのか・・・・。綺麗で平和で安全な日本・・・・その日本が歩んできた道の上に数限りない、私のように名を残さない人たちの屍がある。

    クールジャパンに違和感を感じている私は、この舞台を観て私の中の違和感の答えを見たような気がしました。

    演出の妙が光ります。

  • 満足度★★★★

    視点
    「悪と自由」について語られていますが、私も視点をずらすと正しいと思っていた考えや価値が変わってくるのを日頃から感じていました。
    そして、時間が経ったら、また少し想いが変わるでしょう。
    再演あれば、見直したいと思えました。

  • 満足度★★★★★

    未来
    過去の反省を踏まえて、未来があやういことにならないようにしたいですね。

  • 満足度★★★★

    斬新と滞留と
    「ひっかけ問題」のような気もしますが、とりあえずまっすぐに受けとめてきました。
    人間の愚行と未来への憧憬…

    使われる言葉は「東京大空襲」やら「B29」と時代がかってはいるが、そこは現代の不毛を象徴しているのだろう

    脚本としては、ちょっと喰いたりない部分もあるけど勢いのある演出がそれを補ってあまりある!

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