ハッピーエンドがみえる 公演情報 ハッピーエンドがみえる」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    明日は我が身
     今作、ビニールハウス等に住む人々からの視点で描かれている。一応、最低辺層ということになろうか。上を向くしかないのである。希望を持つ為には。だが、それは容易いことではない。

    ネタバレBOX

    現在の資本主義は、徹底した収奪は無論のこと、総てをその支配下に置く。少なくとも置こうとする。国家であれ、人物であれ、その他の如何なるものも。かくして資本こそ、この世の王であるかのような感を呈しているのが実情である。即ち、資本以外の総ては資本の奴隷なのである。このような構造の中で形作られるヒエラルキーでは、普通の人があっと言う間にホームレスになったり、中間層の人々が気付いてみたら底辺層になっていることは日常茶飯、最早常識でさえある。
     一方、一度底辺に落ち込んだが最後、差別され、排徐されるのが、これまた常識。更に自分達が普通であったという中間層意識が、底辺に「落ちた」自らを恥じ、こんな姿を知られたくないという感覚から社会復帰を難しくしている側面もある。
    一方、ビニールハウスに住む人々が、撲殺されたり、集団のガキに襲われて命を落とす、大怪我をするなどということは頻繁に起こっている。ニッチもサッチもいかなくなって、なるべく目立たぬよう片隅にこうして生き、底辺に馴染んでしまった人々の多くは、自らの明日を、可能性を自ら閉ざしがちなことも確かであろう。その点に着目して描かれた今作の視点の良さと、底辺から世界を観ようという視線が良い。
     時代設定をオリンピック開催直前の首都に置いている点も良い。また、舞台美術が、詩的で時宜を得ている点も評価できる。役者たちもかなり自然な演技をしている。今後に期待したい。演出もストーリー展開に関しては、自然で合格点である。

  • 満足度★★★★

    ちょっとだけ
    オリンピック開催が近づき立ち退きを迫られるホームレスと立ち退きを求める都職員。社会のドン底にいるホームレスたちが失った希望を取り戻そうと思い始める。その過程がストレートに表現すると思えば、支離滅裂さの中から生まれたりと工夫された演出で面白かった。小谷真一さんのキャラと演技が楽しかった。みすほさんのキャラもどっしりした演技で舞台に落ち着きをもたらしていて良かったと思います。どんな時でも希望は自分で作れるもの、ちょっとだけ背中を押してもらいました。

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