せんてい2人芝居ver. 公演情報 せんてい2人芝居ver. 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★★

    階層を分けるもの
     要するに主従を分けるもののことだ。それは、存在に対する自信に裏打ちされ、その結果は、意識と言葉によって社会化される。
     

    ネタバレBOX

     今作では、それが、客とウェイターの形で表象されているが、ウェイターは、逆転を試みる。己をより非肉化することによって。
     それは、己の肉体を植物化する夢である。そして、己を土に埋めてくれと頼むのだ。来るハズのない待ち人を待つ設定での客の女性にである。だが、彼女は、待っていたのだ、存在のプロトタイプとしての己に身を捧げる餌食を。(従って以下はWミーニングとして捉えると面白い)それがいかなる形であれ、餌食を入手した途端、彼女は存在の本質を露わにする。それは、無論、他の命を喰らうことである。この圧倒的な存在の前で夢に命を賭けた♂とは何であったのか? という♂と♀の噺でもあり得るだろうが、そこは、実に詩的にアウフヘーベンされている。
  • 満足度★★★★

    無題1434(15-082)
    20:00の回(晴)。19:20受付(整理券あり)、19:45開場。入ると壁と暗幕との間を歩き、最初の曲り角に「サラダ」、次の角には「メニュー」、会場に入ると対面式の座席(椅子+1ベンチシート)、舞台には丸いテーブルに白いテーブルクロス、ワイングラスと料理、中央にはグラス(水と花)、椅子は2つ。少し離れてバケツと観葉植物。少し上には裸電球。

    20:04前説、開演~21:05終演。「余白(2013/5@ここ」からで5公演目。本作は初演(2014/2@プロト)を観ていて、福井さんは「シアターわせだ2014(2014/11@ここ)」「我がギャング はじまりへ(2014/12@空洞)」を入れて4作目。

    前作と大きく印象が違ってくるのは「対面式座席」でどうしても向こう側の「色」が見えてしまい、照明を工夫して舞台中央がぼぅっと浮かび上がるような雰囲気だったら、と思いました。

    初演とは役者さんも違いますが、独特の雰囲気は健在。

    ネタバレBOX

    ふたりとも生きることにおいて「過敏」な状況。体内からの排出(アトピー性皮膚炎:男:ウエイター)、体内への進入防止(潔癖症:女:お客)。

    迷路風の回廊を進むと一段低くした床(土色)にぽつんとテーブル。料理はでているものの冷えているようにみえる(ただ、もともと暖かい料理なのかは不明)。暗幕で囲われた会場は外界との関係を遮断された息苦しい空間(ちょっと暖房が効きすぎていた..)。バケツと植物(「木」って言ってた?)が違和感を醸し出す。

    仕事上、お客に問いかけるウエイター、そのほとんどを否定語で短く答える女。

    ウエイターがいないとき、執拗にスプーンなどを磨く(汚れをふき取る)女、水道水は飲まず、ミネラルウオーターだという割には、花が差し入れられたコップの水でのどを潤そうとする。止める男。

    椅子から離れない女、客席からは横顔、ずっと同じ表情。

    男はだんだん不安定になり、自分でも止められない。

    開放されることのない黒い(暗幕、衣装、靴)空間と赤い色(料理、ワイン、バケツの水)。

    花になりたい男...ここの部分で突然「アルジャーノンに花束」の終わりの部分を思い出す。

    早川書房の「海外SFシリーズ」、1978年分厚い「愛に時間」で刊行が始まったシリーズのうちのひとつ。やはりいい訳だと思いました。
    創立70周年を迎えた今年、「ハヤカワ文庫補完計画」ではその文庫版を皮切りに70点が新訳/復刊/新版としてでるそうです。

    女はいつ店に入ったのか、何を注文したのか(そもそも誰が調理するのだろう)、そろそろ閉店時間なのか、「剪定」について語るシーンはどこに位置づけたらよいのだろう。
  • 満足度★★★

    観念的?
    唐突で、ちぐはぐで。苦手な感じでした。ごめんなさい。

    アトピーとか、潔癖症とか、そういう設定要らないんじゃないのかなあと。
    役者が最初からキャラをつくって、その範囲内にとどまっているのが退屈だったかな。
    登場人物の行動が、ストーリーの都合でやってて、必然性がないというか。
    そんな印象です。

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