九月新派公演 公演情報 九月新派公演」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    その時代の
    風俗と価値観が冷凍保存されてる感じ。
    名優たちが解凍して見せてくれる完成度の高いお芝居。

    ネタバレBOX

    一部は涙、涙…。久里子さんに泣かされました。

    でも、正直、与之助がしてくれたことって、ありがた迷惑のような…(あわわ)(いやでもホントに)。
    与之助みたいなことをしてしまう気持ちもわかるんだけど。

    それに、夕霧は与之助が助かっても一緒にはならないと言うけれど、夕霧はそれで満足かもしれないけど、その場合の与之助の奥さんの立場になってみると、嫌なものですよね。自分より大事に思って信じ合っている相手がいるなんて。
    そこまで尽くして一緒にならないほうが相手の為だなんて、そんな世の中がおかしいんだわ。

    波乃久里子は、二部はすごく若く見えたけど、花魁のお化粧はちょっと老けて見えた。ベテランの芸で見せるのもいいけれど、もう少し若さが見えたほうが、この役にはいいような気がする。

    二部はもう少しテンポが欲しいと思った。コメディなのか、そうでもないのか、微妙な感じで進んでいくので。

    英太郎、チャーミング。最後はそんなに崩しちゃっていいの?というくらい壊れてくれます(笑)。水谷八重子もすごい(笑)

    二部は喜劇なんだけど、最後は含蓄がある。
    でも実はよく分かってなくて。これはハッピーエンドなの? 家族の絆を描いた物語なの?

    埴輪が象徴するものは、封建的な家族制度というか、“松崎家の女たちを縛り付けていたもの”であることは間違いないと思うんですが、最後に使用人たちも皆暇乞いをするので、一家の長である寿一郎その人を象徴してているようにも見える。すると、埴輪を割るという行為は、“古い家”を象徴する寿一郎を捨てる(みんなが家を出て行く)という意味にも見えるんですが、そうすると、家族の絆を描いたという解説文とは一致しないよね…。
    最後に寿一郎が大臣に任命されたときに女たちが笑うのは何故なんでしょうか。私は、大臣という肩書≒名誉≒権威主義≒その地位を巡って男達が道化になるもの…を笑い飛ばしてるのかと思っていたのですが、同じように、家族の絆を描いたものであるなら、この解釈は間違っているような気がします。
    埴輪を割った後、この家族はどうなるんでしょうか???

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