湯浅桂樹の頭ん中 公演情報 湯浅桂樹の頭ん中」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    未だ延びシロあり
    15分の短編、2編と1時間の作品1編という変則スタイルのオムニバス。1.事故PR 2.師走にDON 3.茜荘

    ネタバレBOX

    1. 事故に遭ってむちうち症になった患者が訪ねてくるが、医者は、常識はずれの「治療」で対応、終にはお門違いの職種の人間迄絡んできて!

    2.彼女に浮気を疑われたサンタクロース。事実を打ち明けて誤解を解こうとするが、彼女は、自分の彼が、本物のサンタクロースだとは信じられない。サンタクロースは、真実を明かしたことが、掟に触れた為、相棒のトナカイに殺されてしまうが、トナカイが彼女迄襲おうとしたので、必死になって彼女を庇い助けるも、自らは終に詩を迎える。最後にサンタのつけ髭をねだるラストは、小品とはいえ泣かせる。

    3.3作品の中で唯一、1時間の作品でキャストの数もグンと増える分、ストーリーも込み入り、面白く拝見した。今は無人島となった島に立つ茜荘に、募集に応じて集まった男女、そして、募集を掛けた会社の社員一人が、繰り広げる男女関係そのものをゲーム化したような世界。単に、恋愛の様々なパターン(あり得るものとしては、ゲイやレスビアン、通常のヘテロ、三角関係、スワップ等々)を内包しつつ、今作が導いて行くのは、殺人事件である。それも、200年後の世界で起こる殺人事件だ。その頃迄には、血液型の相違を原因とした戦争が起こっていて、登場人物はたった一人を除いて、総て同じ血液型。そして、その事実は、この事件の起きる二十数年前に、抹殺されていた。従って、人々は、自分達以外の血液型が在った事実を知らない。ここに、残った唯一の人物を除いて。殺人事件の顛末や如何に?
  • 満足度★★★

    脳内探訪
    本名・岩佐圭二(演出)とペンネーム湯浅桂樹(脚本家)という同一人物の公演である。さて、芝居は湯浅氏が考えていること…脳内探訪といった趣旨で観劇してほしいとの前説があった。また、続けて定番の諸注意があった。人間の3大欲「性欲」「睡眠」「食欲」に絡めて、「場内ではむやみに脱衣しない」「鼾は遠慮して」「飲食禁止」ということ。
    さて、内容はオムニバス3話であるが、1話、2話が各15分、3話が60分というバランスの悪い構成である(本人弁)。
    自分のイメージは、1話「性欲→妄想」、2話「睡眠→幻想」、3話「食欲→奇想」というもの。

    ネタバレBOX

    1.事故PR

    事故で鞭打ち症になった患者が来院し、治療を求めるが医者の非常識な「治療」理屈とエロい女性が現れて混沌とした状況になる。

    2.師走にDON
    リアル・サンタクロースがクリスマスに恋人と過ごせず、彼女から浮気を疑われ…。事実を打ち明けて誤解を解こうとするが、そこにトナカイも現れて殺人事件に発展する。

    3.茜荘
    シュールな内容で印象深い。ネオ西暦になった未来の話であるが、なぜか現代的である。さて未来では血液型という概念が無くなった。血液型(種)の保存という目的のために殺戮を行った男。ミステリー要素も濃く見応えがあった。
    シチュエーションが、男女が無人島で過ごす過程を撮影する、またはカップル誕生も期待するという、現代に通じる娯楽映像企画でありながら、ストーリーが進展するに従い殺人事件が発生するという奇想さ。多様性を求めるという大義名分に隠された理不尽な行為。この無軌道の先にあるものは繁栄か絶滅か…芝居はここでジ・エンドである。

このページのQRコードです。

拡大