河童 公演情報 河童」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
1-20件 / 36件中
  • 満足度★★★★★

    良かった
    評価が分かれているようですが,私は好きです。高く評価します。もともと河童は好きな作品,これが身近な社会で表現されていたように思えます。観てよかったなぁ。ただ,休憩と盆踊り,はしゃいではしまいましたが,やはり全体のバランスが崩れるような気が。最後まで一気に突っ走って欲しかったです。

  • 満足度★★★★★

    河童の国へようこそ。
    思い切って言ってしまいますが、今までに吉祥寺シアターで観た演劇の中では最高にドキドキした舞台。最後から最後まで楽しんでしまいました。仄暗い河の底の河童の世界で繰り広げられる、正にダルカラードでポップな物語。最大限にキャッチーながら芸術としての妥協は許さない、エンターテイメントとアートのギリギリのバランス感覚を舞台で炸裂させる谷さんの手腕に唸らされました。この大舞台の主演を担うのは、若干22歳の一色洋平くん。彼の序盤の語りからグッと引きつけられて、目の前の舞台の光景がどれも河童の異質感・・・両生類(ですよね?)のヌメリ感-しかしそれは決して不快ではない-に満たされた美しい舞台でした。凄い、素晴らしい、楽しい、他、全ての賛辞をこの舞台に捧げます。リピートどころか毎日通いたいくらいの楽しさでした。

    ネタバレBOX

    ダルカラの3人の女優さんが可愛くて可愛くて・・・特に、りなちゃんの少年の声、えりっくのアイドルステージ(38mmなぐりーずのときより何百倍も魅力が引き出されてる!)、そして百花さんの河童としての身体能力・・・なんて素敵な女優さん達なのでしょう(TT)

    音楽の岡田太郎さんのベースやギターの生演奏が観られて俄然体温が上がりました!笑 あああああカッコいいカッコいい・・・ライブ観に行きたいです・・・

    ナカヤマミチコさんはやはり怪物的な立場で(苦笑) イケメン相手に長々と騎乗位・・・なんだかだんだん綺麗に見えてきて、物語の進行とともに、自分が河童と人間のどちらであるか、感性を疑うようになってしまいました。。

    そしてお楽しみは、休憩時間の舞台上での盆踊り笑
    2時間10分だったら休憩いらないのに、と思ったけれどこの時間を設けるためだったのですね*
    観客が舞台に上がれることなんて滅多にないので、踊れもしないのに舞台に駆け上がりました笑 役者さんに教えてもらいながら一緒に踊って、河童の世界に同化しました。すごくすごく楽しい思い出になりました、ありがとうございました*
  • 満足度★★★★★

    二度目に観たとき、「「「ガツン」」」と・・・
    正直一回目観たときは、面白かったけどあんましピンと来ないかなあ・・・くらいだったんですよ。
    でもまあなんか心に引っかかるモンがあるなあ、ってな感じで思い切ってリピート。

    ・・・これ一回目に観たのと同じ芝居なのか?ってくらいグサグサ刺さってくる。苦しい。
    現代社会を軽く皮肉ってる作品、かのようなツラして、観客の人生を(さらっと)皮膚ごとえぐってくるようなエグい芝居。
    特に終盤のナンバー「Ways to Die」で「A氏」のもとに「S」が歩み寄る中での歌とダンスには、耐え切れず涙がボロッボロ。
    ダルカラの芝居はいつも観ていて「苦しい」んだけど、その苦しさとも違う苦しさ。見ごたえありでした。

    役者陣。「A氏」を演じた一色さん筆頭にみんな素敵だったんだけど、特に百花さんのTHE「河童」具合(←としか言いようが)と小角さんのマジカルな(とでもいうような)透明感が印象的。
    一回目は山崎彬さん、二回目はコロさんと、隙にやってたように見えるゲストゾーンもおもしろい。

    照明、音響、美術、音楽と、各セクションもほんとにいい仕事してて、感覚的にずっぽり引きずり込まれるような不思議さ。

    最後。
    ちょっと思ったんだけどS席A席の区分はあれでよかったのかな、と。
    二回目観てた席とか、昨日ギリギリに予約したA席だったのに、中央ブロック後方のど真ん中。
    乱舞ってるシーンとかは迫力も感じつつ全体像も見渡せたし、作品を楽しむには前方ブロックのS席よりちょうどよかったんじゃないかなあ。

  • 満足度★★★★★

    再演が観たい
    最初この作品を心から楽しめるのはSかMな人なのかも?
    なんて思ったりもしたのだけど
    途中からシンプルに河童に心底嫌悪感を持って観るっていうのもありだと思うようになった。

    一方通行で垂れ流されるものに慣れすぎると想像力、考える力が欠落していく。
    何かに夢中になった(なってる)人、こだわりのある人ほど刺さる作品だと感じた。
    実体験しろよ!それが出来ないなら想像しろよ!

    河童を透して人が見える。人を透して河童が見える。
    表裏一体。光と影。
    ただコインの表裏というだけでなく光の当て方によって白くも黒くも見える。
    描かれているのは人。
    表面だけ観るのも楽しいんだけどその内側にあるものを想像するのが楽しいし、
    人への愛を感じる。
    決して易しく作ってないところも好きなところ。


    出演陣も本当に素晴らしい。

    物語の中心人物を演じる「一色洋平」
    彼の身体能力が凄いのは当然として、芝居に対する真摯な姿勢を見せつけられる。
    特に今作での彼の探求する姿は本当にすさまじい熱を感じた。
    今しか観られない一色洋平を観られる幸せ。
    劇場にはこういう人にお金を払って観に行きたいのだ。

    百花亜希。今回も一癖も二癖もある役どころ。河童の一員の中でも異質。
    アクアリウムに続いて今回も谷賢一の代弁者としてのポジション。
    人の目を惹きつける魅力が恐ろしい。

    中村梨那。今作で唯一出てきた子供役。
    容姿や仕草が可愛いのは勿論なんだけど、本当にいい声。
    今回いい声の出演者揃いなんだけど中でも光ってた。

    平佐喜子。マイクパフォーマンスも素敵だったけど立ち姿が本当に様になっている。美しい。

    若林えり。ダルカラで可愛いえりっくを観ることが来ようとは驚いた。
    がに股が誰よりも似合う(笑)
    劇中劇でも色んな役が観られてお得感もいっぱい。
    時折見せる素の冷めた表情が氷のように刺さって怖い(笑)


    自称哲学者。大人になりたくないバスの運転手。シナリオがないと動けない政治家

    皮肉や風刺を楽しむもよし、キレキレのダンスや歌を楽しむもよし
    最大限に脳みそをくすぐられている感覚が最高。
    M1の歌詞といい踊りと言い、何度観ても背筋がゾクゾクした。


    去年の自分が観てたら全然違った作品に観えただろうし
    来年の自分が観たとしたらまた違った作品に観えたい!
    そんなことも感じる厚みを持った作品。

    ロングランとか、定期公演として帰ってきて欲しいと心から願う。

  • 満足度★★★★

    けっこう楽しめた♪
    けど、なっがいな~・・・・。 って思ったデス=13時→10分休憩→16時半近く

    眠気は出なかったが、もうちっとサクッと作れなかったかなぁとか感じました。

    ネタバレBOX

    出だしで言ってる通り、統合失調症の男の戯言であるし。

    まぁ大人の御伽噺とか思ってるのが正解なんでしょう。

    見つけた河童を追って穴の中=河童の国=「パ国」で体験する河童たちの世界を人間である主人公が、いろいろ突っ込み入れながら巡ってゆく物語。最後は人間界に帰還?=はなから病室にいて河童の世界は男の妄想だったらしいと表現。 (ほらルイス・キャロルのお話のようです(^^)

    開演前の時間つぶしは無かったです

    主宰挨拶での物語りスタートです病院にいる男が話す物語を聞いて下さいと話が展開し、男が中心になって話が進んでいきます。

    河童の「パ国」には80年前にも人間が入り込んだそうだ=芥川龍之介のようです
  • 満足度★★★★

    公演期間前半なので
    ネタバレBOXで

    ネタバレBOX

    観る側に求めるものが多い作品で結構難しい。嫌悪感を感じさせるような表現も剥き出しのままにし、取って付けたような救いは敢えて描かない。だから後味が悪く、誤解されかねない。そこが河童的(笑)絶対にわざとそうしていると思われるのが谷賢一らしくて怖い。シニカル。

    苦悩する一色洋平は新鮮だった。このところの役柄の良い部分を踏襲しつつ、弱さや脆さ、危うさを出しているのが良かった。ああいう繊細な表現が出来るのは知っているが、吉祥寺シアターの大きさでも伝えられるというのが観れて嬉しい。動きは相変らずキレキレ。

    百花亜希の存在感も素晴らしかった。板の上の何処にいても目を引く愛らしさは、河童を一方的に否定する事を難しくする要素。仕草、表情まで造り込んでて、魅力が凄い。群舞で際立つのは、パーソナルな強みだ。見事に演出に応えている様に感じられ良かった。

    中村梨那も、無邪気の邪気が満載で好演。河童の根本的な部分が表現されている。浜田えり子も素晴らしかった。ダークサイドの化身のようだが、あれがスタンダード、悪意ですらないというのが確り感じられた。あと、オープニング谷賢一が俳優ではないことも確り確認。

    今作のキャスト構成の問題からか、客席との一体感に欠けたのは、まだ2ステ目であったからと思いたい。笑える部分などでも客席が動いていないと感じる場面が多かった気がする。無理やりダブルコールに持っていこうという雰囲気もあんまりすきではない。
  • 満足度★★★★

    河童
    河童の常識に不快さを感じる部分も含めて面白かったです。原作を読んでみたくなりました。

  • 満足度★★★★

    かぱバス
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。140分(休憩込)。原作未読。

    ネタバレBOX

    谷賢一が、精神疾患のA氏(一色洋平)の話を聞き取ったという前説で開演。事業に失敗し親友を失ったAが温泉地で精神疾患の河童(三津谷亮)に会い、河童の世界へ落ちる。人間と逆の理論感を持つ河童世界に戸惑いつつも人間と河童の間で揺れるA。そして自殺した精神疾患の河童が降霊され言葉を交わす。親友と重なった光景に人間世界へ戻ると決意するAだったが、人間世界で統合失調症と診断されてしまう…。

    (腹を痛めるのはメスなんだから)メスがオスを強姦することが自然で、悲劇は喜劇で、コントは悲劇で、アイドルの落ちぶれ具合が好物で、65歳以上の年寄りは殺され、国会は台本があって、新生児に出生意思を決断させてって、河童の世界観がユニーク。Aが評したように合理的。そして素直。
    人間社会への皮肉という趣向でもあるんだろうけど、そこから人間ってどんな生き物なんだという気持ちも湧いてくる。非合理的で感情的で死を恐れて、んで生を苦しく思ってって。結果、Aは河童の世界より人間世界を選び苦しむワケだけど、結局人間に生まれてそこで生きていくことが道理なんだなと腑に落ちた。
    降霊した河童に「人間として生まれたいか河童として生まれたいか」とのAの問いに、人間として生きていくとAが応えたところに、人間が人間たる理由がある気がする。

    歌とダンスで河童世界のユーモラスな空気が上手く作れてたと思う。歌は聞き取れなかったけど。
  • 満足度★★★★

    肉まんをつまみに黄桜を一杯
    芥川龍之介『河童』って、カッパーランドの滞在記だったのね。俺も世田谷の病院に戻ったら、『河童』と筒井康隆『将軍が目醒めた時』とBO GUMBOS『魚ごっこ』をマッシュアップしたいと思います。

  • 満足度★★★★

    失業率
    河童の世界を知ることで人間社会の成り立ち方が分かりました。

    ネタバレBOX

    世の中が煩わしくなって自殺しようとした青年が、同じく自殺しようとしていた河童を追い掛け、穴に落っこち地下の河童の国に行ってきた話。

    当日パンフレットによると、芥川龍之介の「河童」をモチーフにしながら、メッタメタに書き換えたとのことでした。

    河童の国は合理的でした。余計なことを考えなくても済みます。65歳以上は殺されるため年金問題や老人医療費問題はありません。働く意志の無い者も殺されるので失業率はゼロです。そして、殺された河童は食料に回されるためみんな大喜びです。そして、そういうことを理解した上で、生まれてくる赤ちゃんは、自分の意志で生まれるか生まれないかを決めることができるようになっていました。

    こんな風に割り切ってしまえば楽ですが、プリオンの問題があったり、働き蟻の二割が働かないように、好機や非常事態が発生した場合のバッファが無ければ種として存続できないことから、世の中には自分とは考えの異なる邪魔で鬱陶しい人間が存在して、自分の思うように行かない、簡単に結論の出せない社会になっているのでしょう。

    大人は働かざるもの食うべからず、子供は勉強。保護者以外からの施しは受けない河童たちですが、ラストで河童の少年は人間の青年から肉まんを受け取りました。ちょっと人間風の考えを取り入れたことで、将来河童の自殺志願者になるのでしょうか。

    その前に、河童たちは世の中の激変に対応できず、もう既に滅んでいるのかもしれませんね。
  • 満足度★★★★

    見応えのある舞台
    価値観の相対化を促すというか、試されるような、知的な意味で面白い舞台です。私は退屈はしませんでしたが、作者の訴えたいことをちゃんととらえられたか自信はありません。
    私の聴覚的な理解力に限界があるせいか、テンポの速い曲では歌詞が聞き取れないのが残念です。

    ネタバレBOX

    事業が破綻云々という経緯で幻覚妄想状態に陥ったのなら、合理性だけの世界よりはむしろ逆に、人間性過剰な世界を志向するのではないかなと思ったりもしました。まあ、思っただけです。
    望蜀ですが、彼が人間世界に戻ることを決める(完全には復帰できないわけですが)上では、純粋に内的な展開というよりは、周囲の人や病院の治療環境がいくらか作用するのが自然な気がします。「狂ってしまった」河童の台詞の一部は、見舞いに来たかつての友の言葉が妄想世界に取り込まれたものなのかなと解釈できるのですが、それが正しいかはともかく、現実世界との関係が見えると、彼の最後の決断がより説得的なものになったのではないかと思うのです。
  • 満足度★★★★

    人間と河童の狭間
    賛否両論が交わされているが、私は大変におもしろかった。
    あくまでも個人的な感想だが、河童の世界は多分私には居心地がよかろうと思う。
    尤も、人間社会に今ひとつ適応できない自分が河童の世界に行くとやはり今ひとつ適応できないのかもしれないが。

    ネタバレBOX

    美術がとてもよかった。

    ずっと宙に在り続ける「穴」、丸を使った背景(お皿なんだろうか)、後方のカーテン?に映し出されるシルエットはなかなか不気味に美しかった。

    哀しみを感じずにはいられない肉まんは妙に私のつぼに入ってしまって、これからは肉まんをみるたびに河童に思いをはせることであろう。

    長い、という感想を持たれた方が多いようだが、私にはあっという間に時間が経ったように感じられた。

    ダルカラの役者さんたちの的確、かつ魅力的な芝居、主人公の一色さんの力強い芝居はもちろんよかったが、イタコ役の小角まやさん、脚本家役の天羽尚吾さん、ド・ランクザン望さんらの演技のテンションが高く、芝居全体の密度を濃くしていたように感じた。
    特に小角さんの演技は妙な説得力があり架空の設定を現実のもののように感じさせる力があったと思う。
    主人公、河童青年の三津谷さん、上記の役者さんたちがみな20代前半だそうでこれからが楽しみである。

    個人的にはバスガイドさん、シェイクスピア劇に大笑いさせてもらった。
    歌とダンスもなかなかおもしろかった。

    あくまでも個人的な好みではあるが、交合シーンはもう少し笑い要素があってくれたら☆が五つになったのだが。

    もう一回河童の国を訪ねたかったが、時間がとれず再観はかないそうもない、残念である。
  • 満足度★★★★

    枠組とスタンスをそのままに
    観劇日の通勤時間と、劇場に向かう電車のなかで、青空文庫でx十年ぶりに原作を飛ばし読みしてから観劇。

    原作の企みと、当時としての「ナウさ」の質感が、作り手によって、したたかに今の感覚に置き換えられ演じられていて、
    ひとつずつのシーンがとても面白く、見入ってしまいました。

    ネタバレBOX

    思うに、この小説が世に出たとき、
    描かれる世相についても、風潮についても
    あまりにも当時を切り取り走っていたので、
    だからこそ、それは狂気の態で描かれねばならなかったようにも思う。

    でも、一方でその枠組み自体は、時代に阿るものではなく、
    芥川先生が、シニカルに眺めていた、
    人間というものの普遍に裏打ちされていたように思うのです。
    で、その普遍の枠組みやシニカルな視点は
    原作のままに残し、
    時代によって色や形がかわったものを、
    作り手は、21世紀の今様に置き換えてしまった・・・。

    だから、芥川の世界でありながら、
    古臭さも、陳腐さもなく、
    でもどこか尖った、狂気をはらんだような世界観が
    そのままに観る側に訪れる・・・。
    アイドルしかり、役者達の身体の使い方しかり・・・。
    舞台から今の芥川先生が描いたであろう河童の世界の肌触りに
    時代を置き換えることなく、とても自然に捉われてしまう。

    作り手の企みのしたたかさと
    なによりもそれを成り立たせる役者たちの様々なベクトルの表現力に
    舌を巻いたことでした。



  • 満足度★★★★

    肉まんを誰かにあげたくなる
    色彩豊かなポップな衣装、舞台で、歌に踊りに楽しませてもらいました。
    パンフレットの中に、「芥川龍之介は『河童』という作品で世間を風刺したと思われていたが、彼自身は、自分自身への嫌悪があった」みたいなことが書かれていて、作品を観ている最中、「どちらが正常でどちらが異常なのか」ということが頭の中をぐるぐるしていました。

    河童の国はとても合理的で利己的。
    65歳以上は殺してしまう。
    一定の能力が無い者は足切りする。
    失業して半年経っても職に就けないものは殺して食肉に。だから失業率0%。

    そういえば、イギリスだと、50歳以上の場合、新規には人工透析をしないというのが暗黙の了解という話を思い出した。

    観終わった後、自分はどんな死に方をしたいか、について考えた。
    自分の力で生活する力がなくなってもなお、複数の管をつながれて、
    治る見込みがないと分かっても、延命治療を受け続ける意味は何か。

    完治しない病に罹った人が「家に戻りたい」と言った時、
    危険だからと病院につなぎとめておくべきなのか、
    リスクがあるのを覚悟の上で患者の意思を尊重するのか。

    作者の意図と少しずれている感想かもしれませんが、
    そんなことも考えさせられました。

    話は戻って、「肉まんをあげたくなったりする」というシーン。
    ちょうど一昨日、中華街で両親へのお土産を弟にもたせたから、なんだかリンクしているようでハッとした。
    私は物事を合理的に考えて切り捨ててしまう薄情なところがあるけど、
    自分の中にもそんなおばちゃんみたいな一面が出てきたのかと思ってちょっと嬉しい・・・のかな。確かに、誰かに肉まんをあげたくなるのは人間的かも。

    役者さんでは、霊媒師役の小門さんの澄んだ、透明感のある演技が印象的でした。

  • 満足度★★★★

    社会批判
    芥川龍之介の「河童」が下敷。中学時代の読書感想文の課題図書だったと思う。だから遥か昔に読んだ記憶はある。しかし、内容は殆ど忘れていたので、観劇にあたり再読した。
    芥川龍之介の命日である7月24日(河童忌)には、霊媒師を通じてアフタートークに現れるのだろうか。日程があえば当日観劇したかったが…。もし芥川が今の時代を見たらどう思うだろうか。河童の世界から見た人間社会の痛烈な風刺。(日本)人が思っている常識は、視点を換えれば非常識なものかもしれない。例えば人間界では男性主導、女性受動という構図が見受けられるが、河童界では逆発想である。男女平等、雇用切捨て、など発表された1927年当時と比べて現代はどうか…。
    (ネタバレBOX)

    ネタバレBOX

    さて、公演であるが脚本着想は良いが、その演出は原作のエキスの大部分を取り入れようとしたこと、そして、その描き方がくどくなったこと。その結果、間延びし集中力を欠くことになった(休憩時間の踊りも含め)。もう少しシャープな演出にすることで印象深いものになったと思う。
    演技は、キャストが癖のある役を見事に演じ、見応えがあった。

    芥川は、師である夏目漱石が「猫」の視点で人間界を風刺したように、自身は「河童」を登場させた手法を、そして今度は芝居という手段で魅せてくれたこと、うれしく思います。
    今後の公演も期待しております。
  • 満足度★★★★

    歌ありダンスあり、
    盆踊りみたいなのまである割には、不思議と高踏的かつものすごく演劇的で、微塵もエンターテイメントだなんて思わせない、不思議なテイストでした。文学的と言ってしまえばそれまでだけど、人間社会の不条理さを突くとともに河童世界の矛盾も突いていて、芥川龍之介の世界を演劇化したらこうなるんだ、とするりと納得してしまう。河童たちの騒ぐ声(ピャーとか、ク~とか)が妙にリアルで可愛くて不気味だったなぁ。高い天井と奥行きを持つ吉祥寺シアターを若い熱気と影絵でうまく使いこなしていて、すごく楽しめました。面白かったです!

    ネタバレBOX

    音楽担当がアマヤドリやクロムモリブデンの楽曲提供の方ですか。納得しました。何だか通じるものがありますね。
  • 満足度★★★

    河童
    初DULL-COLORED POP『音楽劇・河童』
    振付人セレクトがニクイ!伊藤今人(ゲキバカ/梅棒)長谷川寧(冨士山アネット)堀川 炎(世田谷シルク)中林 舞
    面白かったけど、音楽劇じゃないのがみてみたい!

  • 満足度★★★

    動きは大変そう
    最初、え?そういう河童なのと思ってしまったが、杞憂だった(笑)役者陣の動きは大変そうだったが、たしかに河童で、面白かったー。
    現代社会(と言うか人間生活か)を風刺してるような内容(個人的見解)は、確かにと感じるものも多々あったかな。

  • 満足度★★★

    楽しめましたが、
    一本の芝居としては、微妙な作りでしたね。

    お気に入りの俳優さんばかりで、それなりに楽しいんだけど、古臭くてチープな印象が勝ってしまった印象。大好きな吉祥寺シアターの筈が、終始座りが悪く、最後までこちょばゆかった。

  • 満足度★★★

    楽しめましたけど、ちょっと疲れました
    芥川作品をダルカラ風に換骨奪胎。深遠なテーマとエンターテインメントがごちゃまぜになって、頭の切り替えが大変でしたね。楽しめましたけど、ちょっと疲れる舞台でした。休憩時間を挟んでの前半と後半のバランスがよくなく、あれだったら休憩なしに一気にやってもよかったのでは。

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