やまとなでしこ-番外編- 公演情報 やまとなでしこ-番外編-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    もっと泥臭い劇かと思いきや…
    事故で早世した女幽霊の相手をするタバコ屋のお婆さんが元気婆ちゃんという設定のため、話が辛気臭くならないのがいい。チラシの写真と案内文から、私の苦手なお涙頂戴の人情喜劇を想像していたので、いい意味で裏切られました♪

    ネタバレBOX

    それでも、お婆さんと楽しいひとときを過ごした幽霊が現生への未練を断ち切り成仏していく美しくて感動的なシーンでは危うく落涙しそうに。。。

    意外だったのは、お婆さんの営むタバコ屋がリヤカーを引いて売り歩く行商スタイルのお店であること。
    なので、お婆さんにも家はあるのだろうが、劇中では常にリヤカーと一緒。
    家を持たない生き方、定住しない生き方、一つ所にとどまらない生き方を唱導しているようにも受け取れて、考えさせられました。
  • 満足度★★★★

    ハッキリさせないで
    もやもや感を残してほしいと思いました。

    ネタバレBOX

    アフタートークでワハハ本舗の佐藤正宏さんが幽霊をお婆さんの方にした方が時代を変えたりするアレンジができて良いのではとおっしゃっていましたが、私もちょっと似たようなことを考えていました。

    途中で、説明された前提のままでは面白くないなと考え、ラス前でお婆さんが敬礼してしょぼんと去って行く様子から、死んでいるのは本当はお婆さんではないかと思いました。

    そんなもやもや感が心地良かったのですが、ラストで35歳の女性が奥の階段を登って行くシーンを見るにつけ、何もそこまでハッキリと死を明示しなくても良いのではないかと思いました。しかも、帰って来たヨッパライの曲付きで。

    もしかしたら、アトリエ春風舎の構造故に階段を利用したのかもしれませんが、二人は別れるだけで十分でした。おらは死んじまっただー無しでね。

    そしてもっと言うと、顔と身体を隠して意見を述べるネット社会に生きる若者そのものが幽霊のようだで十分のような気がします。何も幽霊物にする必要はないと思いました。

    ところで、移動コンビニのお婆さんの、ウルトラマンとバルタン星人の会話路線の話は奥は深くて面白かったです。ド派手なリヤカーに取り付けられた法定速度走行の木片が法廷速度走行になっていたのはご愛嬌でした。
  • 満足度★★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    リヤカーを引っ張ったお婆ちゃんの登場に、おいおいこれは劇団民芸かい?
    何て思ってしまい、ヤバいぞ今作は?と思ったのもつかの間、その後に現れる幽霊とのやり取りから一気に作品世界に没入させてしまう辺りは見事。
    そして観客自身も作品のテーマである己の人生とは?について考えさせてしまう辺りは今作が長きに渡り公演されている理由であろう。
    観客皆が、己の人生とは?について考えながら、劇場を後にしてしまったようだ。
  • 満足度★★★

    ちゃぶ台
    面白い。80分。

    ネタバレBOX

    とめ(木内里美)…84歳。リサイクル業。リアカーを押してタバコを売って禁煙を励行する。肺がんで死に行く夫に最期のタバコを吸わせなかったことを後悔する。納豆を愛する。
    夕子(桜井由利子)…40歳。恋人も夫もなく、ネットの世界で生きていたが、ネコを助けた際に事故死する。とめにしか姿が見えない。コンビニを愛する。

    元気で朝食をしっかり食べ感謝の心を忘れないとめに対して、顔色悪く朝食はセブンスターとコーヒーという夕子の対比から始まる。食=生というテーマもいいけど、序盤はやや退屈に感じた(すわり演技で手元が見えにくいのが残念)。とはいえとめの古きよき日本的なばあちゃん像とパワフルな演技はうまい。
    夕子が幽霊と認識されてからの動きが加わってからが面白い。夕子の人生と後悔とウェディングドレス、とめの後悔とボリュームが増していき、映画シーンや酒盛りに続く。戦艦ヤマトはあんまり知らないけど、「生」を得た夕子ととめがリアカーを押す終盤のシーンが美しい。とめの表情が非常にいい。そして、とめと別れた夕子は階段を一歩ずつ上がるように成仏する…。

    生身(リアル)で幸せを得ることと後悔することの両面の良さを提示する作品。いやみな感じがなく説教くさくないのがいい。
    朝食に納豆を食べたくなる舞台だった。

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