男の60分 -2014- 公演情報 男の60分 -2014-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★★


    2014年版ということはそういうことだったのね。

    ネタバレBOX

    本田圭佑がサッカーに目覚めたきっかけを記した話。嘘ぴょーん。でも結局のところはそんな感じなのぴょーん。

    一応正しくは、少し行き詰まった劇作家が母の死を聞いて実家に帰り、母が大切に保管してくれていた小学校時代の作文を見つけ、仲間たちとの思い出を思い出し、ラスト、母親に産んでくれてありがとうと感謝する話。

    初めと終わりはまあ良くも悪くもありきたりで固定していますが、その中間の仲間たちとの思い出の部分はコント集のようなもので、公演の都度、ネタを加えたり削ったりできるフレキシブルな作品です。汎用性があります。

    怪獣に壊される直前の摂津の町の建物に居合わせた人たちの様子を描く怪獣ごっこという遊びは一つ一つがコントになっていて、幾つも幾つも作れるので延々と続きました。時間稼ぎにもなりますが、面白いので納得しました。

    Kと名乗った少年は理論派でしたが野球はからっきしダメでした。サッカーボールが出てきた段階で、あれだけ顔が似ていればKとは圭佑だとすぐに気付きましたが、有名な小学校時代の作文も上手く利用したりして最高でした。現在の姿もホントそっくりでした。

    圭佑に努力の大切さを教え、未知の領域へと誘ったのが劇作家のお母さんだったというのが凄いところです。劇作家もお母さんからこのように諭されて入れば良かったのにと思いますが、他人の子にだから言えるということもあり、自分の母親からだといい加減に聞いてまるっきり覚えていないということもありますね。

    劇作家の実家を摂津に設定したのもそういうことだったのですね。
  • 満足度★★★★★

    大笑いした、・・・泣いた
    そういえば、小学生の男子って群れてたよなーとか懐かしく思い出しました。序盤のダンスからすごかった。大笑いしてたら泣かされました。ホントにいい作品でした。観に行って良かった。

    ネタバレBOX

    ものスゴイ破壊力でした。キン肉最高。腹筋って、美しいんだな。男子のスクミズ、良いですねぇ(^o^)
  • 満足度★★★★★

    タイトルは60分だけど80分くらいはあるよ
     母の通夜、久しぶりに劇作家は故郷に帰る。変わったことと変わらなかったこと。弟が、母の棺に入れようと思う、と纏めた母の荷物の中から、小学校6年の時に書いた作文が出てくる。母は、長男の作文をとっておいてくれた。その作文を読み返すうち、作家は、小学校時代に戻っている。

    ネタバレBOX

      大阪の小学校へ転校する迄、兄弟は東京で暮らしていた。移ったばかりの兄弟は、山の上に広く平らなスペースがあるのを見付けてキャッチボールをしていたが、地元の、此処を根城にしているグループと喧嘩になる。だが、互いによく戦い、仲良くなった。兄と弟のクロ、秘密基地リーダーのもじゃお、泳ぎが一番の河童、トタン屋根の家に住んでカッパライをやっているトッタン、焼肉屋の息子、コチュジャン、スポーツ一家に生まれながら、どういうわけか一向に芽の出ないケーの7人だ。
     様々な遊びをするが、問題も起きる。コチュジャンと遊んじゃいけない、という親が居て、訳を問い質すとチョンだからだ、との答え。言っている本人も、皆もその意味が分からない。分かったのは、コチュジャンだけだった。彼は、「言うなよ」と念押しして、自分は在日朝鮮人だと明かす。だが、仲間にはどういうことを意味しているのか分からなかった。然し、コチジャンが、辛い物が嫌いで本当は、この綽名も好きではない、ということを告げると、皆で新しい綽名を考える。この辺り、在日少年のアイデンティティーの問題と差別の問題が絡んで実に見事である。兄弟の母の対応も素晴らしい。コチュジャン改まりカルビクッパの話を聞いた母は、日本食も韓国料理も好きだ、と言い、「カルビクッパと一番仲の良い友達になるのよ」と兄弟に諭すのだ。
     また、時化の日、近くを流れる糞川が氾濫を起こしそうになっているのに、泳ぎに自身のある河童は、皆の制止を振り切って飛び込んだ。向こう岸に近付いた所で流れて来た流木に当たって流される。子供達は必死に救助し九死に一生を得たが、河童は足に大怪我をして、オリンピックを目指すどころでは無くなってしまった。彼の母は、遊び仲間の所為だと言いふらし、子供達の親の下にも捻じ込んできた。おまけに、河童には、それまでの仲間とは遊んではいけない、と命令したのだった。その為、河童は女の子達とままごとをするようになり、仲間を見掛けると逃げるようになってしまったが、本当は、仲間と遊びたかったのだ。皆と遊べなかった理由を聞いた仲間は、河童も仲間になって遊べるケンケケンパ等をして遊ぶ。
     ケーの話もあるが、これは、伏せておこう。観てのお楽しみである。何れにせよ、差別だの、アクシデントだのと実際、子供達の暮らしの中で起こる深刻な問題を、キチンと織り込んで真正面から適確に捉え乍ら、勘所を掴んで正確に見据え、その後の子供達の人生展開の中にも、子供時代の体験をキチンと納得の出来る形で織り込み乍ら、人の世の暖かさもさりげない科白で見事に表現している。
     役者陣の鍛錬された体、そこから生まれる爽やかでスピーディーな演技も美しい。

  • 満足度★★★★★

    躍動する小学生
    初めてのゲキバカ、すんごい楽しかった!
    笑っているうちにいつの間にか泣いてた。
    “ノスタルジー”と“子どもの時間”のバランスが良く、脚本の巧さに脱帽。
    段ボール箱のみのセットもいいし、BGMと照明も好き。
    変にオサレにしない無邪気なダンスが素晴らしく、ストーリーを盛り上げる。
    子どもを演じると役者の力量がモロに出るが、
    平面的でないキャラが生き生きとして本当に魅力的だった。
    ケーよ、あんまり似ていてあなたの今後の人生が心配になる(笑)

    ネタバレBOX

    大きな段ボール箱が舞台を囲むように置かれている。
    弟(菊池祐太)が跡を継いでいる故郷の家へ、
    母の葬儀のために帰って来た兄(西川康太郎)は
    蝉の声を聞きながら子ども時代のことを思い出す…。

    再現される子ども時代のエピソードが秀逸だ。
    在日の子コチュジャン(伊藤亜斗武)、貧乏で万引きするトッタン(書川勇輝)、
    悪天候の中、川で泳いで足を怪我する河童(石黒圭一郎)、
    野球からサッカーに転向するケー(伊藤今人)、
    そしてメンバーを率いるもじゃお(鈴木ハルニ)。
    兄弟はこのメンバーといつも一緒だった。
    葬儀の準備をする兄弟の会話がとても繊細で「静」であるのと対照的に
    子ども時代は躍動感あふれる「動」の展開だが、
    内容はただ「動」なだけではなく、子どもの社会をリアルにとらえている。
    だからその中で“怪獣ごっこ”のギャグがめちゃくちゃ冴えて大笑いした。

    作・演出の柿ノ木タケヲさんの設定はどちらかというと情緒的で
    ラスト、葬儀の準備中に弟の子どもが生まれたり、
    売れない作家の兄が母を書きたいと語ったりと、思い入れたっぷりなのだが
    対照的に子ども時代の演出のはじけっぷりが見事で、そのバランスが素晴らしい。

    隙のない役者陣が全員素晴らしく、子ども時代は圧巻。
    ダンスの振り付けが自然な子どものエネルギーを表現していて
    伊藤今人さんの“作為を感じさせない”センスに魅了された。
    それにしても今人さんとあの人の激似ぶり、あれは演技を超えている(笑)

    ゲキバカの役者さんっていいなあ。
    おかげで私も、王子で素敵な夏休みを過ごしたのであった。
  • 満足度★★★★★

    笑いっぱなしの60分(以上)。
    いい大人達が子供を演じ、やんちゃ放題で笑いっぱなしの90分でした。田舎育ちの私にとって、子供の頃の放課後や休日は時間がとてつもなく長くて。こんな楽しい日々がずっと続くんじゃないかと思ってた、その時間を「体感」しました。ネットも携帯もない時代の空気が・情景が舞台の上に確実に存在し、笑いの中にもノスタルジーを感じる、温かな温かなお芝居でした。

    ネタバレBOX

    前半の子供達の「遊び」(というかコントタイム笑)が長くて長くて、その体感時間の長さがそのまま、子供の頃の長い遊びの時間の郷愁感に繋がっていて。凄い構成力だなと思いました。

    そして、役者さん達の身体能力が高いので、演技の垢抜け感とダンスのクォリティが尋常じゃない。前半の菊池さんの怪獣の形態一つにしても、とてつもないセンスを感じます。

    ダンスシーンはスタイリッシュな「FOUR ROSES」とは毛色が違い、ひたすら元気で楽しいダンスが満載。そんな中で目を引いた、石黒さんのソロダンスがすごーく綺麗でした。観ているこちらも激流に「飲まれる」気がして。そこからの西川さんとのキスシーン(正確には人工呼吸でしたが 笑)にはドキっとしてしまいました。。

    EPOCH MANで観た西川さんもひたすら素敵で。亜斗武さんも見たことのないやんちゃさで。今人さんのキャラには序盤何が出てくるか分からない楽しさがあって、涙が出るくらい笑わされて・・・ゲキバカを観るのは2回目ですが、もっと観たいなと思わされました。

    あと、小劇場によく見られるマニアックな客層でないとこがなんだかとても嬉しかったです。
  • 満足度★★★★

    シンプル
    面白い。90分。

    ネタバレBOX

    父をすでに亡くし最近母も亡くした兄弟。兄である俺(西川康太郎)は母が残していた自分の作文を眺め、昔を思い出す…。

    クロ(菊池祐太)…弟。近所に住んでた女の子と結婚し、子が生まれる。
    もじゃお(鈴木ハルニ)…リーダー。天然パーマがすごい。
    河童(石黒圭一郎)…水泳得意。クソ川に飛び込み九死に一生を得る。ホモな水商売先に就職する。
    トッタン(書川勇輝)…家庭がゴタゴタした貧乏人。万引き常習犯。後に万引きゲームを開発する。
    コチュジャン(伊藤亜斗武)…在日朝鮮人。辛いのが苦手なので、あだ名をクッパに替えてもらう。
    ケー(伊藤今人)…野球好きだけど下手。俺の母の言葉を胸に頑張り、ACミランで活躍する。ホンダケイスケ。

    回想中心で、小学生のバカさとか友情とか家庭事情とか、緩急つけてホットな舞台に仕上がってた。じんわり来るし笑えるし。「母」への想いはもうちょい描いても良かったと思うけど。河童とかコチュジャンとかトッタンの話は、いいとこ突いてた。
    ダンスも照明も抜群にいい。率直に楽しめたのが嬉しい。客入れ時も含め選曲も良かった。あと、チラシのキャストにフリガナがあるのが地味に親切と思う。
  • 満足度★★★★

    ダジャレが滑らなければ・・
    ・・・そこが惜しい!

    志が良いだけに、東京のコメディがこうだと関西の人に思われるのが・・
    関西公演までもうちょいブラッシュアップを・・(てもう明日か

    滑る駄洒落というのは、特に初見のお客さんが引くだけに、自分は厳しく採点を・・(苦笑

  • 満足度★★★★

    懐かしき少年小説的世界
    母の死により今は弟が住んでいる実家に帰った脚本家が昔書いた作文を見つけ、東京から大阪・摂津に越してきた小学生時代の夏を思い出す…という今江祥智や山中恒、古田足日らの作品を彷彿とさせる懐かしき少年小説的世界。
    差し詰め死体を見に行かない日本版「スタンド・バイ・ミー」と言ったところか。
    途中に出てくる「ごっこ遊び」のシーンなども楽しい。

    ネタバレBOX

    なお、初演時は日替りゲストのパートがなく(よって60分に収まった)、今人さんとハルニさんの役が逆だったと終演後に伺って納得。(ちなみにハルニさんはイチローだったとのこと)

このページのQRコードです。

拡大