目頭を押さえた 公演情報 目頭を押さえた」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    ねじれ
    「案外平坦な道のりを行きます」と代表あいさつにある通り、起伏の激しい展開はないのですが、このくらいのテンポ、このくらいの抑揚で進む物語はけっこう好きなので、全く飽きませんでした。

    ネタバレBOX

    「元」の落下事故は、いま冷静に考えると前フリというか、いわゆるフラグが立ってましたが、観劇中は急展開という感じで驚きました。

    遼の進路(村を出ること)について、村の伝統を守る元が応援する立場を取り、村に新しい文化を持ち込んだ馨が反対するという構図は見事でした。
  • 満足度★★★★★

    人の営みや成長
    物語もしっかりしてるし、役者さんみんな上手いなぁと思いつつ、個人的には引っ掛かりが無くて印象が薄かったです。ただ、他の方の感想読んで、なるほど細かい感情の機微や、人の成長をしっかり描いてるんだと思い返し、味わいが増しました。タイトルの意味も、深く考えていなかったですが、これ以上無いタイトルですね。

  • 満足度★★★★

    微妙な人間関係
    微妙な人間関係とその変化がうまく描かれている。
    特に修子の変化が流れの展開をリードしていた。

    中谷家の主がいい感じだった。話のタイミングが絶妙。

    言葉がちょうど自分のネイティブに近かったのでそれが影響しているのかもしれないがとても臨場感を感じた。

    ネタバレBOX

    確かに面白いシーンもあったがちょっと観客が笑いすぎかと思ったシーンがあった。観る人それぞれだとは思うが自分的にはシリアスに観たほうが雰囲気に合っているように思った。

    例えば、先生が主と写真についてはなしているシーン。
  • 満足度★★★★

    遺影
    面白い。

    ネタバレBOX

    中谷元(緒方晋)…林業と喪屋文化を守っている。枝打ち講習中に転落死した。
    中谷史子(魔瑠)…元の妻。よくしゃべる。カレーばっかり。
    中谷修子(橋爪未萌里)…遼の親友で、モデルになってた。坂本先生が好き。
    中谷一平(野村脩貴)…修子の弟。ポケモン好き。元の葬儀で目頭を押さえた。
    杉山馨(金替康博)…元の妹の夫。男やもめ。葬祭コンサルタント。元の家(本家)とは微妙な関係。遼の上京に反対する。
    杉山遼(永松渚)…馨の子で、修子とはいとこ。村の人の「遺影」を撮る。コンクールで1位となり美大を目指す。
    坂本健介(うえだひろし)…写真部顧問。遼を応援するが、遼とのスキャンダル写真を撮られ混乱を招く。
    藤城琴依(七味まゆ味)…修子の家庭教師。修子のオシャレの先生。

    衰退する林業と喪屋という二つの文化を抱える人見村。組合の中心である中谷家と立場的に下で距離のある杉山家。カメラの才能を手に目標にひた走る遼と何かがあるわけでなく先生に片思いな修子。
    喪屋って特異な文化の残る狭い村で、自然な人の心がぶつかり合う。その絡ませ方(混ぜ合わせ方)が上手い。演技も上手い。会話の端々にユーモアを感じさせつつ自然な感じではあるけど、妙に怖い。

    ラスト、修子と上京前の遼の会話、久々に修子の遺影を撮る遼に、どこまでもいとこだと答える修子。その微妙な距離感が象徴するような舞台だった。

    皆上手かったけど、馨役の金替の、遼に対する気でも狂ったかの演技は素晴らしく恐ろしかった。その土地で生活する圧迫感と支えの遼を失う(奪われる)ことに対する恐怖の表れというのか。反転、元の葬儀を執行した際に、遼が撮った馨の遺影はどんな顔だったのか。気持ちの入った村の男の顔だったと思いたい。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい!!!!
    演劇の力を見た思いです。

    ネタバレBOX

    目頭を押さえたとは、修子の笑いながらの話にもあったように、悲しみで涙が流れるのを抑える遺族側の古い因習に由来する言葉だとばかり思っていただけに、途中高いところから落ちた場合の説明があったものの全く気付かず、その場に臨んで、「目頭を押さえてー、目頭を押さえたー」、そういうことか、具体的な作業のことだったかとガツンとやられました。

    ワンパターンのカレー攻撃で笑いを誘い、油断させられました。素晴らしかったです。

    馨も単に新しい葬儀の方法を持ち込んでいたわけではありませんでした。林業従事者が少なくなって、喪屋を使う機会がほとんど無かっただけのことでした。喪屋を使う機会があれば使うということでした。

    それにしても、同じような環境で育った私が木から落ちるとそうなるということは全く知りませんでした。タブーだったため聞こえてこなかったのか、全くの作り話なのか気になりました。

    才能のある者と凡人の間における嫉妬、亀裂、そして和解の描き方、凡人修子がどんどんオシャレになっていく様や、ゲームばかりしていた少年が辛い体験を経て一気に跡取り息子として成長した様子の描き方も素敵でした。

    修子だってスクープ写真が撮れました。才能とは好きなものに対する持続性の問題なのかもしれません。

    拍手が鳴り止まず、カーテンコールは当然の成り行きでした。いいものを見せてもらいました。

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