悪魔としるし / Fiend and Symptom 公演情報 悪魔としるし / Fiend and Symptom」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 1.0
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    心霊写真と昭和
    心霊写真をモチーフにした作品でしたが、テーマやメッセージが見えず、何かしらのテクニックを見せるわけでもなく、印象に残るものがありませんでした。

    70~80年代のオカルトブームの時代に心霊写真を作る仕事をしていた男の娘のモノローグを中心に、心霊写真についてのスライドレクチャーとそれを踏まえた上での即興の心霊写真のキャプション作り、空き缶を沢山引き擦りながら革命を訴える男や昭和天皇を思わせる燕尾服姿の男エピソードが絡み、最後に登場人物全員で撮った写真で女だけが写っておらず、実は生きている人ではなかったのかも、いうオチで終わる物語でした。

    奥に向かってすぼまった筒状のオブジェが下手に浮いていて、手前の面には紗幕が張られていて映像が投影され、上手にはオブジェと同型のシルエットが描かれて一部が客席側に張り出している空間構成は面白いことが起きそうに感じましたが、あまり活かされていないと思いました。

    この劇団(?)にはしっかり構成された脚本に基づく芝居は求めていませんが、今回はいままでの作品に見られた演劇や美術の業界に対するシニカルな姿勢があまり感じられず、既成の価値観を揺さぶるような表現をほとんど見い出せない、ただとっ散らかった作品にしか感じられませんでした。

    々開演を14:05、19:05と切りの良い時刻から5分遅らせていたのは、遅刻者を待って(=多くの観客を待たせて)定刻に開演しない演劇界の慣例に対する皮肉が効いていて良かったです。

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