ファニー・ガール 公演情報 ファニー・ガール」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-20件 / 28件中
  • 満足度★★★★★

    物語が絶妙
    とにかく物語が絶妙で素晴らしい。

    ちょっと大人のフレーバーがあるいい芝居だった。ぐっとくる話。

    ただ、「ミュージカル」っぽいシーンは、このレベルは外には出せない。趣味で内内で勝手にやってくれ、という感じ。

    ネタバレBOX

    前半2回、後半2回ほど泣かされた。ぐっときた。

    惜しかったのは、3,4つの役柄について、役者さんのキャラと違うように感じたこと。別にうまくないとかということではなく、流れから感じるその人物像と、役者さんの人柄がなんとなくあわなかった感じ。

    逆に、「お父さん」達4人はそれぞれいい味出してました。
    また、一人だけ2役だった満間さんは、全体をつなぐいいイメージをくれました。
  • 満足度★★★★★

    三鷹は遠いけど観て欲しい作品。
    なんでしょうねぇ、良かったですよホント。
    上演時間2:30分って聞いた時はビックリしましたが
    それほど長くは感じない位、前半は集中出来たし
    後半はよっくりと、哀愁のある人々を見守る感覚。
    特殊な家庭環境で育った主人公ですが
    見た目と違い深く悩んでいるのが、後半の容姿にも見てとれる(笑)
    でも最後は、ちょっと風が吹いて涼しさを感じるいい後味の舞台。
    父・母がとっても素敵、しーちゃんの義父がフレディ風です
    やっとブログ更新、詳しくはそちらへ

  • 満足度★★★★★

    特別だけど特別じゃない
    幼少期と、それくらいの子どもを持つ大人になった二つの時間がシンクロしていた。男を作って蒸発した母に捨てられ、父と二人で明るく生きる女の子。親が事故で亡くなり、性欲が無く処女だという母の姉に育てられる男の子。その二つの家庭がシンクロしていた。時間と空間をシンクロさせる構成に痺れた。とにかく女の子を演じた浅野千鶴さんが素晴らしい。彼女の演技を何作品か観ているが、良さが余すところなく発揮されている。キュートな笑顔。憂いのある眼差し。切なさや恐怖を押し殺し、どうってことないふりをしたスウィートボイス。照れ隠しのようなユニークなダンス。とにかく魅力満載。挿入される歌が、世代的にもろにフィットする選曲でまいった。大好きな『イン・マイ・ライフ』もだが、クイーンの『Somebody To Love』の大合唱はひっくり返った。笑った。時間のシンクロ、空間のシンクロ、音楽と演劇のシンクロ…こうした意味の『シンクロ少女』なのならば、もう脱帽。恐れ入った。人間の業というか、心の奥底にずっとあるような性への執着のようなものを見せつけられた感じがする。でも決して嫌な感じではない。すごいなぁ、シンクロ少女。次回作も必ず観たい。

  • 満足度★★★★★

    良い
    この芝居はオリジナリティーがある。
    時々入る踊りが素晴らしい。
    ほめすぎか。

  • 満足度★★★★★

    ネホリーとハホリー☆
    (^^)/
    面白かったです☆ 
    日曜の昼の舞台を観ました。
    2時間半の大作ですが、全然飽きさせません。
    シンクロ少女の舞台は、
    「女心」 「知的さ」 「洋画」 「洋楽」 で
    面白く&楽しく作られています。
    観劇日記をブログに書きました♪

  • 満足度★★★★★

    無題849(13-288)
    19:30の回(曇)。三鷹駅下車18:27〜(早めに歩いて)会場着18:42、受付、開場待ち用の列があるので並ぶ。18:45時点で4名、18:57で列に5名、その他3名、18:59開場。椅子席4列、座布団がお尻のところと背もたれにも2枚ずつ(いいカンジ)。床面〜5段の重層の舞台、前方(一番広い)、下手後方、上手後方が部屋。真ん中は戸外でベンチらしきもの。全面板張り。説明に「選択」とあります。何度も何度も…迷い、惑い、苦しみ、もがき、そして再び、三たび、繰り返す、それぞれの人生、家族。それを象徴するかのように舞台は前に進むための「路」が取り囲み、上ったり下ったり、気がつけば同じ高さ、どう進んでもいつもの同じ高さ、それでもまた前へ。開演前のBGMはカバー曲でしたでしょうか…懐かしいものも(Fleetwood Mac、Cyndi Lauper…)。19:15/19:25前説(150分、休憩なし)、19:32開演〜21:57終演。ゆったりとした時間はいつの間にか進んでゆく、人のつながり、別れ、友達、親子、夫婦。お話に身を委ね、温かいものを感じていました(暗転時のBGMは爆音でしたが)。終盤のコーラス…とても良かったです。横手さんはさっぱりとした雰囲気になっていました。ひとつ、舞台前で誘導するスタッフ…後ろで手を組んでいるのはどうかと…

    ネタバレBOX

    Queenは「QueenⅡ」以外ほとんど聴いていませんでした。調べると、このアルバム発売は1974年…多分、この時発売と同時にLPを買ったはず。「Sheer Heart Attack(1974)」はパスし、「A Night at the Opera(1975)」を買っておしまい。「Sheer〜」は紙ジャケが出てようやく購入するも…2〜3回しか聴かず…。それでもこのメロディ(ネタバレなし、ぜひ劇場で)、舞台全面に広がり歌う人たち、よくこの曲を思いついたものです。アコースティックギターの「In My Life」もピッタリ。
  • 満足度★★★★★

    無題852(13-291)
    14:30の回(晴、青い空白い雲、10月だというのに暑い)。13:30受付、14:00開場。入ってみるとスタッフの手の位置が「前」になっていました(やはりかなり印象が違います)。また、座布団は3枚重ねでした。10/8(火)に続いて2回目です。前回、お話の時間軸が2つあることに気がついたのは終盤近く。終演後に「配役表」が配られていたのも終わって、電車の中で当パンをみて知った次第。どっちを向いても絵に描いたような幸せはなさそうなお話、葛藤、疑念、困惑、いろいろな空気がまざっていました。14:33上演~16:58終演。坊薗さんの折り紙は毎回違うのだろうか。10/14追記:ずっと気になっていて、成城石井のシーン…変わった???、もしそうでないのなら…1回目の時、寝ていたことになる。

    ネタバレBOX

    回廊を巡るのは自身について考えるための時間のように見えました。

    血縁か縁か、父と娘、父と息子、甥と小母。

    男×女&女、女×男&男の2組。

    気が合うということ、愛するということ。

    The BeatlesとQueen。

    シイはなぜ、右の路を選んだのでしょう...

    エリカの(突然の)反発は少し強引だった印象。

    忘れがたいお話、役者さんたち、選曲、コーラス部隊、名嘉さんの脚本&演出。

    次回もみに行きましょう、In my life I'll love you more。


  • 満足度★★★★★

    切なさや優しさが滲み出る
    2部構成で語る家族、幸・不幸、そして愛情。
    従来のようなドロドロさ(笑)はなりを潜め、切なさや優しさがじわじわと滲み出てくる印象。
    また、第2部の場の一部を第1部にインサートするトリッキーな手法も効果的。
    とある場面の後に長めの暗転を設ける心遣いも◎。

  • 満足度★★★★★

    今現在
    前公演「愛についてのシンクロレポート」で感じたことの答えを、しっかり観せてくれたように思いました。

    ネタバレBOX

    いろんな愛の形が出てきましたが、今回は親子の愛が強く描かれていたように感じました。シイちゃんのお父さんとの死別までの前半部分でひとつの話が出来上がっていましたが、最後まで観ると後半部分への前フリにもなっていたので、もう少し短めにテンポよく進んだらよかったように感じました。愛については劇中にも多用されていた「わからん」に象徴されるようにある程度の輪郭は掴めても、なかなか絶対的な確信に辿り着けず、年齢を重ねたり時が経つと変わって感じる部分も多いように思い、今後の変化も楽しみです!最後に配役表を終演後に頂いたのですが、劇中の歌の歌詞と和訳があれば嬉しかったです。
  • 満足度★★★★★

    いい役者ぞろい
    シンクロ少女ってこんなにやわらかい表現してたっけ・・

    これまでも印象に残る作品ばかりだが、今回は2時間半ながらストレスを感じさせない出来映えで、今までで一番よい作品かもしれない。

  • 満足度★★★★★

    文学的人間関係
    一度はこのようなドロドロした関係の中に身を置いてみたい、一回だけでいいですが、そんな感じでした。

    ネタバレBOX

    二つの三角関係、二部構成。

    2時間30分ということで長いなあと思いながら観始めましたが、一人の高校生が主人公だとすると、彼の高校時代と15年後の社会人時代の二部構成になっていて、二つのお芝居を観たと思えば最適な上演時間とも言えます。

    第一部は彼が関わる三角関係、第二部は大人になっても続く彼の三角関係と、第一部で出てきた少女が大人になって悩む三角関係の話でした。

    高校生の方は、三人はそれぞれが親友であり、優しいから、ズルズルと時間だけが経過してしまった感じです。シラノ・ド・ベルジュラックならプラトニックな思いを秘めて近くで見守るで済みましたが、こちらは一人の女性が結婚しながら彼ともザックリ付き合っていて、夫の立場を考えるといたたまれなくなります。

    大人になった少女の方は、夫が血の繋がらない妹を好きになったことに気付いたものの、家族を崩壊させたくはないし、そもそも夫も妹も好きだから思い悩みます。

    とても文学的な人間関係でしたが、例え好きだったとしても敵対するようになったらいつまでも好きでいられるのか疑問です。

    高校生だった彼の方は、ようやく町を去る決心をしました。そう、群れを去るのが自然です。大人になった少女の方は心情を二人に吐露しました。そうね、先ずはそこからですが、彼女は作家として自立しているからどんな結論を出してしまうのか少し心配に思えます。
  • 満足度★★★★★

    そもそも
    人生なんて思い通りにならないし、選択しなきゃいけない場では、たいがい(わかっていても)間違った方を選んじゃう。まぁ、それでも決断したことでふっきれることはありますよね。これ、傑作だと思います。

  • 満足度★★★★★

    みてきた
    シンクロで泣きそうになるとは。やっぱオカマさんはいいこと言うね。

  • 満足度★★★★

    なかなか 良かった☆
    ちょっとドロドロしたお話でしたが、 笑いの要素も散りばめられていて 楽しかったです。 
    浅野千鶴さんは はじめて見ましたが、 とってもキュートで存在感のある女優さんですね☆

    ネタバレBOX

    最初にビックリしたのが、 せっかくの大きな劇場を フルに使っていなかったこと!   客席は100席くらいで、 舞台もこじんまりしたかんじで、ちょっと もったいないと感じた。

    でも 役者さんたちは みんな魅力的で、素晴らしかった!
    赤澤涼太さんの オカマ役、 最高でした(笑)
    浅野千鶴さんと あやかさんの ダンス、 めっちゃかわいかったです☆
  • 満足度★★★★

    よく、「三鷹市ご自慢」
    の枕詞で紹介される「星のホール」での舞台で、劇団、劇場ともに初見だったので、興味深さもひとしおでした。いや~、「星のホール」素晴らしいですね!280席と聞いていたので、どうするつもりだ・・・・と心配してましたが、客席を自由に設営できるとは。もちろん舞台もすごい。高い天井、美しい陰影を描く照明、何よりもどんなに大音量でも決して音が割れることがない音響。小さな音も確実に拾うことができ、これって役者泣かせなのか、それとも楽に演技できるのかわかりませんが、この劇団の俳優さんたちはこのホールの特性をものすごくうまく生かしていたと思います。多重する台詞、ずれながら被せる台詞、ささやく声、すすり泣く声、どれもとても自然で聞き易く、2時間半の長尺の緊密な台詞劇をゆるみ無く演じ切っていた。一見ありえない人物設定も、ディテールが細かく示されすんなりと入っていけて、とても楽しめました。

    ネタバレBOX

    どうしてストレートプレイに徹しなかったのかがちょっと残念。台詞や演技の巧さに比べるとやはり歌や踊りは見劣りがする。ミュージカル映画からの楽曲だろうか、あまり感動を呼ばなかった・・・・というよりはハラハラした。なかなかチャレンジングでした。
  • 満足度★★★★

    期待通り
    しいちゃん踊りは必見かも!?

    ネタバレBOX

    期待通りだったがこの劇団には期待以上のことやいい意味で期待を裏切ることを求めているので期待通りというのは私にとっては及第点と言える。例によって愛とは?という大命題である。作家にとってはたかが愛されど愛やはり愛なのだろう。まるで愛以外のことには興味がないかのようである。今回は家族に焦点をあてた分長くなったと言えるが、冗長になることなくむしろ重厚にさえなった気がする。最初はくだらないと思ってぼんやり眺めていた合唱シーンを感動的なものに昇華させたのは演出家の技術だろうかあるいは演劇の神様の仕業だろうか?
  • 満足度★★★★


    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。

    ネタバレBOX

    シイ(浅野千鶴)…シンイチとカツコの子。シンイチが病に倒れカツコの元へ行くも結局捨てられた。後に作家に。夫のあっくんが不倫していることを見てみぬふりする。
    ジュン(横手慎太郎/原西忠佑)…カスミの妹の子。両親は事故死し、カスミが育てた。後にミツコと不倫し、別れを告げる。
    ソノヤ(満間昴平/泉政宏)…ミツコと中二から付き合い、結婚する。不倫に気づきジュン宅へ向かう際に事故り失明する。ショウタがジュンの子ではないかと疑っていた。
    ショウタ(満間昴平)…ソノヤとミツコの子。ソノヤにクリソツ。
    ミツコ(あやか/名嘉友美)…ソノヤの妻。ジュンと不倫する。
    カスミ(坊薗初菜)…性欲のない処女。ジュンを育てるためサダハルと結婚する。シイが出て行った後、サダハルと沖縄へ移住する。
    サダハル(赤澤涼太)…おかま。カスミとジュンを本当の家族としてみている。
    シンイチ(用松亮)…シイの父。男手一つで育てるが、余命三ヶ月を宣告される。カスミのことが好き。
    カツコ(墨井鯨子)…シイの母。男に走って家を出た。
    カオル(吉岡そんれい)…カツコと再婚した。実子のエリカよりシイと気が合うことでエリカと距離ができる。
    エリカ(太田彩佳)…カオルの連れ子。あっくんと不倫する。フィリピンとのハーフで英語がちょくちょく出る。
    あっくん(中田麦平)…シイの夫で漫画家。シイの才能に嫉妬する。

    150分は長いななんておもってたけど、苦にならなかったのは流石。(どういう役割分担になっているか知らないけど)三鷹文化センターは表周りのサービスがしっかりしてるのが大変良い。
    10歳のシイちゃんとジュンとの会話からは始まる冒頭がけっこう好き。話は、その15年後との二部構成、それをちょっとずつ出していく、そのさじ加減が上手い。混乱させずに興味を引き付ける手腕というのか。

    血のつながりって奇妙で不確かなとこに惹かれた。シイちゃんはカスミらよりも実母のカツコを選んだし、カオルは実子・エリカよりシイちゃんを好んだ、ソノヤは実子・ショウタを疑い続けたし、カスミとサダハルは確かに家族だったし。血を選ぶのか情を選ぶのかってのがピリっときた。

    終盤のQueen「Somebody to Love」はあえて崩しているのかわからんが、崩すならもっときちんと崩したほうがいいかなと思う。もしくはオジリナルとか。パフォーマンスとしては好きだけど。
  • 満足度★★★★

    シンクロ楽しい
    計算しまくりのシンクロを堪能。色々なパターンのシンクロが楽しくてそれだけでも、十分満足。でもそういう仕掛けはあくまで仕掛けでしかなくて。一人一人の登場人物の葛藤が、核だなぁと思う。構成が楽しいから2時間半の上演時間も、全然長くない。

    ネタバレBOX

    人生の岐路の選択は決して思い通りにはいかないけど、でもそれでも前を向いて生きて行こうという向上心のある物語に感じました。設定の破天荒さと、問題に向き合う登場人物達の姿勢はあまり共感出来ませんでした。でも、一人一人のキャラクターはすごく魅力的だと思いました。矛盾するようですが、登場人物達は、きちんと生きてるなぁと思いました。そういう意味では、僕は物語の本質より仕掛けが印象的だったのかもしれません。

    前半ラストの父親が死ぬ事を、三者三様に泣く人と支える人のシンクロシーンや、終盤、突然ミュージカルになるシーンの高揚感はたまらなかったです。『愛すべき人を』良い曲だった〜!
  • 満足度★★★★

    選択の理由
    「選択」を示すことは同時に「選択しなかった方」を強く意識させる。
    どちらにしても「選択」とは痛みを伴うものなのだ。
    シンクロ少女、平易な台詞と丁寧な演技で劇的な展開を“隣の出来事”みたいに見せる。
    いつの間にかディープな人間関係に首までつかって2時間半。
    空間構成と照明の上手さが印象的で
    重いテーマと軽やかなキャラのバランスがとてもよい。

    ネタバレBOX

    舞台はシンプル、階段状になっていて2つの家族がそれぞれ小さなちゃぶ台に集う。
    上の家族は10歳のシイちゃんと父親、母親は家を出て別の男の元へ走った。
    下の家族は高校生のジュンとカスミ、オカマのサダハルの3人。
    カスミは事故で死んだジュンの実母の姉だ。
    カスミは性欲の無い処女だが、ジュンを育てるためにはもう一人の存在が必要と考え
    オカマのサダハルと結婚した。 

    シイちゃんは、父親が病気で亡くなった後かつて自分を棄てた実母の元へ行く。
    新しい父親と彼の連れ子である妹がいるところだ。
    高校生のジュンは、付き合っている彼女ではなく
    親友ソノヤの彼女ミツコといる方が楽しいと感じている。

    そして15年後…。
    明らかにカスミたちと暮らした方が幸せだと思われるのに
    実母の元へ行くことを選んだシイちゃん。
    案の定シイちゃんの実母は再び別の男の元へと出て行き
    シイちゃんの夫は血の繋がらないあの妹と不倫している。
    ミツコはジュンと一緒にいると楽しいと自覚しながら、長く付き合ったソノヤと結婚した。
    交通事故で失明したソノヤは、息子のショウタがジュンの子どもではないか
    という疑念がぬぐえなくて、素直に愛することができない。
    そしてミツコはジュンと不倫している…。

    冒頭から一気にシイちゃんのキャラクターに惹き込まれた。
    母親の記憶が無いシイちゃんが、ジュンに「ジュンちゃんのお母さんの話をして」とせがむ。
    もう何度も話した、交通事故で死んだ母親の話をするジュン。
    痛ましい話なのに悲惨な感じではなく、むしろ数少ない“母のエピソード”として
    大切に、楽しげに語っている。
    このシーンの“普通でないのにどこか温かい”感じが秀逸。
    シイ役の浅野千鶴さんの作り過ぎない10歳ぶりが素直で良い。
    15年後、結婚したシイちゃんにすんなり移行しているところも自然で無理がない。

    シイちゃんを取り巻く人々のキャラがまた皆魅力的だ。
    クールなカスミを演じる坊薗初菜さんがよくはまって、身勝手な実母に向かって
    「私はシイちゃんをうちの養子にしてもいいと思ってる」と
    啖呵を切る(ように私には見える)ところが素晴らしい。
    行動は合理的だが、ちゃんと人の気持ちを見ている。

    いい人達ばかりの中で、ひとり困ったちゃんがシイちゃんの実母カツコ。
    演じる墨井鯨子さんの「私はもう昔の私じゃない!」と主張する
    ご都合主義で結局何も変わらない女の、ムキになる台詞が上手い。
    15年後、思った通り“いなくなってる”事実に、真実味を与える。

    平易な言葉を紡ぐ台詞が共感を呼ぶ。
    何より役者の気持ちが言葉と同時進行で高まって行くのが見てとれる。
    それはとてもリアルで、観ている私の心も一緒について行くのだが
    時々少し饒舌過ぎてインパクトに欠ける。
    こんなにドラマチックな決断をするのに
    あるひと言にスイッチが入って涙が止まらない…という
    強烈なカタルシスに繋がらないことがちょっと物足りなかった。

    いきなり始まるミュージカルにはちょっとびっくり。
    BGMでなく、歌って踊らなければいられなかったのか…。

    それにしても
    どうして“こっち”じゃなくて“そっち”なんだ?
    どこか失敗の匂い漂う“そっち”の選択をした理由は何だろう?
    壊れるところを見なければ気が済まないのか、終わりにできないということか?
    テーマの重さと、シイちゃんの軽やかさのバランスが絶妙で後味は悪くない。
    シイちゃんの“多分もう結論は出ている”選択に思いを馳せながら
    私は「選択」の理由を今も考えている。
  • 満足度★★★★

    長い!
    この場所で、この上演時間は無いのでは?三鷹市が好きそうな劇団とはいえ。

    しかし面白いと思った。でも長い。最後はその葛藤の中で格闘。

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