ゼロ・アワー 公演情報 ゼロ・アワー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    やなぎみわ「ゼロ・アワー」観ました
     アート作家として知られるやなぎみわが、どんな舞台をつくるか、まずはやはりそこに注目が。


     「そこにいない相手との対話」
     物語も演出も、それに尽きる。
     メディア、声、手紙、ひとり芝居…さまざまな場面で感覚、想像力を刺激。

     声を聞かせる作りがいい(特に、いちばん最初が一番ワクワク)。
     ラジオとイヤホンは、終盤の五人の声をじっくり聞く場面でしか効果的でなかった気が。
    (私は片耳が聞こえないので、舞台の声を聞くため外した状態で、時々「ここだ!」と思った場面でイヤホンをつけていました)


     案内嬢と東京ローズのコピペ性を重ねた衣装や、白基調の美術は美しいが、「案内嬢シリーズ等の作家・やなぎみわ」の予備知識がないと?か
     (これを観に来る人は大抵分かってるのかもしれないけど、あいちトリエンナーレは、ふだんアートに興味ない人も来るので)。

     聴覚としての存在「東京ローズ」 案内嬢の制服が、視覚としての存在か…(役者・役柄はそれぞれ別人として立ってたし)
     あと、ブースの向こう側には、もっと別規範の世界性が欲しかった。


     物語自体は、とくにひっくり返る展開もなくゆったりと終わる。 (劇中で謎を追う人物は、結局真相に迫れない)

     チラシなどで提示された「6人目の正体」の謎も、特に謎でなくドキュメンタリー的に取り扱われているので、観客としてはすべてを俯瞰している気分で、それほど揺さぶられない。


     燐光群を彷彿とさせる、オーソドックスな社会派舞台という印象でした。

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