あなたはいつか、わたしを見掛ける。B面 公演情報 あなたはいつか、わたしを見掛ける。B面」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    無題486(12-229)
    15:00と16:30の回(晴、暖かい)。早目に行ってビルへ、外に受付(案内)があり、ご挨拶して3階へ上がります。右側、前回公演のフロアですね、3つに分かれていて入って左の一角がttu。お仕事中、少しお話をさせていただく。壁に過去公演に関するもの、商店街のポスターなど。15:00の回の準備で忙しいなか質問に丁寧に答えて下さる。会場は道路を渡ってブックオフのところを右に曲がった(アーケード)商店街の中。よくみていないと通り過ぎてしまいますが、スタッフの方がチラシを配っているのですぐわかります。ttuは3回め。

    太宰は読んだことはなく、芝居を何作かみただけ。今回の「待つ」も未読(「待つわ」をイメージしてしまうのでした)。

    会場は商店街の「ふれあい広場」、周りは全てお店、人通りも多くチラシを受け取って足をとめる人、ttuをみにきた人、芝居中に立ち寄る人。

    前説などなくダンサーが現れダンスパフォーマンス、一緒に踊る女性、カメラで写真を撮る女性。突然、白系の服を着た女性がゆっくりと視界に現れ、これはttuだったことを思い出す。

    1回みて移動する予定で地下鉄に乗ろうとホームで「待つ」。でも寸前、引き返す、それはただ感覚。来たときふらっと入ったブックオフに「女生徒」があったので買う、読む、会場へ。2回目をみたのでした。

    ネタバレBOX

    実は、会場前でチラシを配っていたのは役者さん(役名「ファンの女)、写真を撮っていたのは(「ピンクのカメラを持った女」)、チラシの方(渡辺さん)はビルでお会いしていたのでなんとなくわかったのですが、カメラの女性は普通の方かと思っていました。設定そのものが「ストリートダンサー」のパフォーマンスということのようで、チラシもそうなっていました。自然に始まり気がつくと別世界にいるようなショック。

    タイトルは、「待つ」の最後の一節。2回目をみるとき、「手紙の女(白系の服を着た女性)」がやってくる様子がわかる位置にいました。予想より早いタイミングで細い路地をやってきます...ゆっくりゆっくり。これは、前作、ビルの外に役者さんが出てきたときの様子に似ています。

    ダンサー、観客の3人が創る空間に現れ、走りだし、ダンサーとすれちがうと時間は止まる、女は「手紙」を差し出す、誰に向けて?できる限り腕をのばして手渡そうとしている。やがて時間は動き始め、また走りだし、すれちがい、手紙を...また繰り返し、最後、何か、あるいは誰かをみつけたのか、走り去る。ここでダンサーのパフォーマンスも終わり、商店街の「広場」には日常が戻ってくる。

    ふたつの時間なのか、空間なのか、お互いが干渉しないようでいて、交わす目線。永遠の時間の中に閉じ込められているようにもみえる、それが二十歳というものなのか。

    「待つ」の主人公「私」は二十歳で、毎日人を迎えに行く。誰ともわからない人を迎えに。

    原作は1942年、今は2012年。

    商店街のなかに生まれた小さな異世界。

    追記
    増永さん、「雲。家。」の制作もされるのですね、この作品「かもめマシーン」の清水さん(一人芝居)でみました、時間があえば行こうと思います。

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