『帰郷』 公演情報 『帰郷』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★

    奇妙な物語
    普通に始まるものの、次第にシュールな雰囲気になり、とんでもない展開を迎える、SF、サスペンス、ホラー、エロ、B級感といったテイストのゴチャ混ぜ感が独特な作品でした。

    田舎を出ていた娘が婚約者である売れない小説家を連れて結婚の報告の為に帰って来る、というホームドラマ物にありがちなシチュエーションで始まり、途中で妄想あるいはパラレルワールドに飛んで話が混乱して来たところで、未来人が登場し、彼等のせいで時間に歪みが生じていることが明らかになり、最後にその土地の忌まわしい因習が明るみに出て一見落着という、奇妙な物語でした。

    どこまでが現実でどこまでが妄想なのか分からない奇妙な世界観に翻弄されて楽しめましたが、物語を通じて言いたいことが掴み辛く、もどかしく感じました。
    台詞のループや、不明瞭になっていく言葉や、録音に合わせた口パク等、時間のねじれを表すような演出が不気味で印象に残りました。

    リアルな室内のセットに大仕掛けが仕組んであったり、意外な物を被り物にしていたり、この規模の公演では見掛けないプロジェクションマッピングを用いていたりと、壁掛け時計が示す時刻を場面毎にこまめに変えていたりと、手を懸けたスタッフワークが素晴らしかったです。
    テクニカルな面で良かったが故に、暗転が長い時が数回あったのが勿体なく思いました。

  • 満足度★★★★★

    なんという世界観
    シュール!
    意味不明。だけどなんかすごい。
    深そうだけど意味不明。
    世界観とそれを表す美術、照明、音響、あらゆることに驚嘆。

    ネタバレBOX

    現実世界の二つのパラレルワールドが
    なんとか星人の攻撃によって時空が歪み、特異点が生まれてひっついた。
    何万年も後の未来人が現在にまでさかのぼって歴史を変えようとしている。
    …もしくはこれらがすべて主役の小説家の妄想。という話。
    説明すると馬鹿みたい。
    でもあらゆる要素が組み合わさって、壮大な馬鹿になるとこれはもうエンターテイメント!
    これこそ生で見ることに価値があると言える舞台なのかもしれない。


  • 満足度★★★★★

    無題467(12-210)
    14:00の回(曇、一時雨)。13:28受付、13:30開場。舞台は左右に分かれていて
    下手側、テーブルに椅子、振り子時計、黒電話、フローリング。上手、低いテーブルにソファ、デジタルTVにアナログTV、コンポ、カーペット。奥はガラス戸で屋外がみえる。13:59場内アナウンスで前説、上演時間1:45、14:04開演~15:46終演、「Love me tender」が流れる。SF黎明期の大作..とも思えるシナリオ、展開、ビジュアル面も大好き。「宇宙船」に続いて2作目。今日は強烈だった。雨の季節、カミナリが鳴り響き、時空は歪み、侵略者の影が覆いかぶさる。大宇宙に拡がった戦いと小さな村、葉山、海と山。振り子時計は時を刻み、「モンスター」に怯える。SF好きにはたまらない設定。

    ネタバレBOX

    世界が2つに割れ、永い永い闘いが繰り広げられる。場所と時間は瞬時に転移、空回りするテープのように繰り返され、再び闘いが始まる、sense of wonderだ...

    午前2時30分のとき、振り子時計は1:30だった。
  • 満足度★★★

    モンスター
    チケットプレゼントにて鑑賞。

    ネタバレBOX

    新潟と長野の県境にあるヒロコ(前彩子)の実家に、婚約者で小説家のミシマユキオ(内田龍)とヒロコがやってくるが、その晩は「モンスター」といわれる悪天候で荒れていた…。

    ミシマの元恋人で死亡したサオリ(妹尾果奈)とヒロコの元恋人で今ノっているロックミュージシャン・サブロー(野田孝之輔)はヒロコとミシマの大学の友人。その嫉妬と愛情を、ミシマの幻覚?という視点で時間と空間が圧縮されたような舞台が展開する。
    終盤で、その地方のナラワシ(土地の人間以外の男と結ばれるためには村長と寝なくてはいけない)が明らかになる。ヒロコの妹エリコ(富岡英里子)が引きこもったのは、自分が父の子でなかったこと?のショックだったこともわかる。そして、ヒロコが身を呈してこのナラワシを告発したことで物語が終わる。

    ミシマの小説の中の話なのかなんなのか、ちょっと判断できないけども、不気味な演出に、人間の心の中の混乱を見ることができた。
    あと、鵜沼ユカの犬演技が良かった。いい声してた。
  • 満足度★★★★★

    どきっとされられる
    展開がほんとにドキッとされられる。

    案内説明に「幻覚」とあるが、この描き方が頭への刺激になる。
    本当に幻覚なのか、それとも・・・。

    ちょっと設定がわかりにくい部分はあるが、
    「いい仕事をしてますね」的な舞台。
    お話や演出はもちろん、舞台装置・小道具なども凝っていていい。

    ちょっと大人な芝居だけど、飛んだところもあるいい芝居。
    (例えば、かぶりものとか・・・)

    ネタバレBOX

    一番最初の作品は観ていないので、わからないが、これまでの作品とのリンクも少しあったかな。

    しかし、最初のうちは、時計で時間設定を示していたのは細かい芸だな、と思った。途中から合わなくなっていたように思ったのは気のせい?

    しかし、舞台が割れたときは、驚いた。でもとてもいい仕掛けだった。

    素人が勝手なことをいいますが、
    ヒロコとサオリ、ユキオとサブローを入れ替えたキャストのも見てみたい。
    感じが変わると思う。
  • 満足度★★★★

    ぶっ飛んでましたね
    劇団初見。会場に入ると結構手の込んだ舞台セットで、期待が持てます。話の方はこちらの予想をこえて、現実と幻覚がごちゃまぜになって、ついには時空を超えてしまう。いやはやぶっ飛んでましたね。あぜん・・・としながらも楽しませてもらいました。女優さん達皆いい。

  • 満足度★★★

    恐らく今までで最も
    くちが開いたまま観ていたと思う。帰りの電車でも開いてたかもしれない。

  • 満足度★★★★★

    フィガロの結婚?!
    まあビックリ、どっちがいいか…。

    ネタバレBOX

    基本は、新潟県と長野県の県境に位置する寒村において、この村出身の娘が東京の男と結婚するに当たり、伝統儀式と称して初夜権を行使しようとした村長が事前に娘より通告を受けて張り込んでいた新潟県警の刑事によって強姦未遂で逮捕されたという話で、如何にも帰郷なんですが…、

    実際は東京の男の視点から描かれた話で、二万年後の人類が出てきたりして、死んだとされる元カノが生きているようにも思え、神奈川県の葉山で二人で暮らしている方が真実なのか、やはり新潟出身のこの娘と結婚する方が真実なのか、モヤモヤするストーリーでした。

    二万年後のΩ(オメガ)族とΠ(パイ)族の争いに巻き込まれ、お互いから記憶操作がなされたとしたらどちらが真実かは良く分かりませんが、脳が認識して理屈が納得できれば落ち着けるとすれば、私なら美人と結婚できて芥川賞を受賞して、売れっ子小説家として葉山で暮らしているΠ族側の方がいいなと思いました。

    初夜権については『フィガロの結婚』を観たときに初めて知って、そのような制度がヨーロッパにはあったことに愕然とした記憶があります。それにしても、オペラや歌舞伎には信じられないような因習のシーンが残されていることがあり、貴重な生きた資料だと思います。

    突然の二万年後の出現にはビックリ…、オズの魔法使いのようなΠ族にもビックリ…、そして何より元カノの言葉、「私たちには時間の概念が無いけど時間が無いのよ」には、ジワーっと笑いがこみ上げてきてしまいました。

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