ルルドの森 公演情報 ルルドの森」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    再演希望
    所謂「小劇場」への入り口にとんでもない作品を選んでしまいました。
    劇団や作品に対する予備知識のないまま観劇し、たくさんの衝撃におそわれました。少し難解な部分もあったので、ぜひもう一度観たい。
    一部苦手な描写もありましたが「食す」という生き物として逃れられない営みについて考えさせられ、とても面白かったです。

  • 満足度★★★★

    カニバリズム
    6番シードの宇田川美樹さんが出演するので観に行きました。主役の福地さんは6C公演で観て素敵な役者さんだなと思っていましたし、以前の公演を観に行けなかったので楽しみにしていました。

    劇場の傾斜がほとんどなく観難いということは聞いていましたが、本当に公演に向かない劇場でした。招待公演なので劇場は選べなかったのでしょうが残念です。

    内容は私の苦手なタイプの作品だったのでキツかったですが、惹きこまれるシーンもたくさんありました。
    食事のシーンや食事にこだわる登場人物が気になっていたのですが、事件の真実が明かされた瞬間にゾッとしました。

    今回初めて観た役者さんの中では、早川丈二さんがとても素敵でした。

  • 満足度★★★★

    豚を食べても豚にはならない、
    さすがバンタム級、ヘビーな話でした。

    ネタバレBOX

    脳や肝臓などを持ち去る猟奇的殺人事件に取り組む神奈川県警の話。

    猟奇的な様相が前面に出ていますが、裏で行った美容整形をネタに強請られた元女優の付き人が強請った相手たちを殺害したというのが本筋で、医学的知識を基に内臓を取り出し、以前ヒットした私の血を吸い取って病気を治して的な少し異常な恋愛ドラマ「ルルドの森」のモデルとなった実母に渡し、一部が人肉を食べてその人になりたいという願望を持つ人などにも渡っていたというのが真相のようです。

    カニバリズムを扱った話ですが、豚を食べても豚にはならない、そういうことですし、異常信奉者に何を言っても無駄かもしれませんが、プリオンの怖さが知れ渡っている現状を若干無視している嫌いはあるかなと思いました。

    それにしても、主人公の三島を始め、刑事たちの単独行動が目立ちました。私憤に駆られて行動し、容疑者を殺害し、最後は三島と上司が撃ち合って二人とも死ぬなんて、神奈川県警には牟田刑事官の穏やかなイメージがありましたが、こちらの神奈川県警はバンタム級、ヘビー級クラスの自滅型暴走集団でした。

    三島が事件を通して知り合って半同棲のようになったウブでしなしなっとした女性が実は犯人の実母で、共犯者的立場の人だったとは…、三島は料理を美味しい美味しいと言って食べていましたが、冷蔵庫の中身を考えると今更ながらゾッとします。
  • 満足度★★★★★

    まるで刑事ドラマのよう
    宗教的な意味合いを持つカルトな存在のTVドラマ[ルルドの森]を巡って謎の殺人事件に挑む刑事達の物語。
    演技力も音響も演出もお見事。ただ、前の席に座れない状態にテープで観客席が閉鎖されており、確保出来たのが後ろのほう。
    また、この劇場の座席配置に段差がないので、劇場向きの箱ではなかったのが残念だった。きっと他の劇場だったなら、もっと楽しめたかもしれない。それでも、力のある舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    心は何処に
    自分とは違う人に憧れるというのは誰にでもある。ただそれが『その人』と同じ様になるのと『その人』自身になるのとでは意味が違う。香乃子のなりたかった人は誰だったのか。三島の求めるものはなんだったのか。玲子は安らぐ時があったのか。黒船の思いはどうだったのか。いろんなものが入り混じり混乱する。ある伏線があるシーンとつながっているとわかった時ゾクッとした。そしてもしかしたら本当にそうすればなりたい人になれるのかも知れないと思った。ミステリアス、サスペンス、ホラー。どの言葉もこの作品には当てはまる気がする。映画の様な舞台。演劇ノアール。東京まで観に行った甲斐があった。

  • 満足度★★★★

    精神的な・・
    怖さを感じる舞台でした。私は怖いのは苦手な方なのですが、ストーリーが謎めいていて、すごく惹き込まれました。話も人間関係も複雑なのですが、その分余計に目が離せないという感じでした。映画になってもおかしくないように思いました。残念なのは、他の方も仰っていましたが、舞台が広すぎる事でした。もっと小さな舞台なら、より臨場感や迫力を堪能できたと思います。でも、あの大きな舞台で、これだけの迫力を演じた役者さん達に拍手です。特に主役の福地さん、とても良かったです!

  • 満足度★★★★★

    生きている古代信仰
    パイプ椅子と折りたたみテーブル、それに何枚かの布を使っただけのセットで
    取調室からホテルの部屋、凄惨な犯行現場や司法解剖室まで自在に魅せる。
    猟奇的殺人事件の謎解きと、人の心理の不可解さ満載の舞台。
    息もつかせぬ緊張感のうちに事件は起こり、銃声が響き、犯人は笑った・・・。

    ネタバレBOX

    昔中学校の体育館の舞台はこんなだったっけ、と思いながら席に着いた。
    校長先生が卒業証書を渡すようなひときわ高い舞台。
    セットも何もなくて奥にパイプ椅子が見える。

    事件はもう6件起きている。
    いずれも遺体の一部、脳や肝臓などがきれいに持ち去られている猟奇的殺人だ。
    そして7件目が発生する。
    犯人は同一犯なのか、それとも別の人物か・・・。
    事件を追う捜査本部のメンバーたちが関係者に当たるうち
    昔カルト的人気を誇ったテレビ番組「ルルドの森」と
    その主演女優菱見玲子(山本香織)に行きつく。
    捜査官三島(福地教光)と黒船(早川丈二)は知らず知らず
    次第に危険な森へと足を踏み入れて行く──。

    最初から最後まで全く緊張感が途切れることなくストーリーにひき込まれた。
    犯人と思しき人物は一人ではないし、捜査官も含めて登場人物の背景も複雑だ。
    クールなようだが、犯人に対しては自分をコントロール出来ない三島がいい。
    よくある刑事物とは一線を画すキャラクターがとても魅力的だ。
    引退した女優菱見玲子がいかにもそれらしい美しさと貫禄を備え、
    重大な秘密を抱えて悩むギャップが鮮やかだった。

    この劇団はいつもそうらしいが、暗転がなく
    場面転換を全て観客に見せながら行う。
    役者がハケる時に椅子を持って行ったりするのだが
    整然と静かに、黒子になったように、スピーディーで違和感がない。
    セットがほとんど無い舞台をリアルに見せるのは音響の力もあると思う。
    何度かある銃声など完ぺきなタイミングで素晴らしかった。
    もうひとつ、照明による仏壇の表現などに工夫があって
    こういう方法もあるのかと感心した。

    それにしてもこの劇場(?)はちょっと気の毒だと思う。
    下北沢辺り(他をよく知らないので取り敢えず挙げている)の
    コンパクトな小劇場でやったらもっと濃密で張りつめた舞台になると思う。
    そういう所でぜひまた観てみたい作品。
    来年は本拠地を関西から東京に移すと言うバンタムクラスステージ。
    ぜひぜひ東京でがんがんやって欲しい。
    ダークなクライムサスペンス、サイコホラーなど、脚本が大変かもしれないが
    笑いに頼らず無駄のない台詞とテンポの良いストーリー展開は素晴らしい。
    このテイスト、笑いに転びがちな若手の小劇場系劇団とは一味も二味も違う。

    私もキーワードとなった「金枝篇」を読んでみたい。
    そして福地教光さん、素敵でした。
    絶対また観に行きます!
  • 満足度★★★

    話をきく女はいない
    チケットプレゼントにて鑑賞。
    舞台が広すぎなのか。話は○。

    ネタバレBOX

    臓器を持ち去られる殺人事件が発生し、三島(福地教光)と黒船(早川丈二)は捜査をすすめるが、80年代のドラマ「ルルドの森」の主演女優だった菱見玲子(山本香織)や「ルルドの森」の熱狂的ファンの西島優子(f-co)やその友人の平岡香乃子(緒方ちか)らを通して事件と自分らの陰という深みにはまっていく…。
    5人の他殺事件+整形外科の田村の殺人は、菱見の甥・勉(河口仁)が6人に脅されていた菱見を守るためだったと判明するも、黒船は凶弾に倒れる。そして、三島と半同棲の仲になっていた平岡は、「ルルドの森」の元ネタの事件の張本人であり勉の母であった…。

    事件の真相と、三島の狂気な人間性の両面で観客を圧倒する。平岡を演じた緒方の無実そうな振る舞いにしてやられた。そして、実年齢40半ばにして20前半の肉体を持つ異常性がジワジワ恐怖をあおる。うまかった。
    幼少時の母と父の関係から弱く傷ついた人間性を持ち、苦悩する三島もいい。
    黒船も落ち着いた空気で舞台に安定感を与えてた。

    とはいえ、舞台が広くて遠くて見栄え的に(音響的に?)物足りなさがあった。もっと小さな舞台でもう一回やってほしいな。
  • 満足度★★

    もっと面白くなるはず
    かなり観客へ投げっぱなしの作品だからこそ、引っかかる台詞は流さずに大切にして欲しかった。
    観客の想像力を掻き立てる意味でも引っかかる台詞は反芻して観客に気付かすべきでは?

    あとハコ(劇場)が演劇にむいておらず、台詞が上に抜けてしまい、シーンによっては全く聞こえなかったのは残念。

    もう少し余韻を残して場転するとか、もう少し照明を工夫するとかすれば、もっとメリハリが付いて面白くなると思う

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