THE TUNNEL 公演情報 THE TUNNEL」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.9
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★★★

    これが答えだ
    奇しくもオリンピックのサッカーで日韓の関係性が浮き彫りになった昨今
    カラフルなスコップのフライヤーも印象的なこの公演は
    異文化と歴史の対立を超えた未来の可能性を考えさせる。
    トンネル反対派に対する説得力に欠けるのが残念だが、
    この作品の制作意図、制作体制こそがその答えではないか。

    ネタバレBOX

    舞台にはトンネル工事現場と思しき小高い山が2つ。
    2つのあいだには通路が架っており、1つはなぜかてっぺんから滑り台で降りられる。
    冒頭、上手と下手に役者が別れて並び、そこから順番に小高い山に駆け登って
    話したり踊ったり肩を組んだりして滑り台から下りて来ては、それを繰り返す。
    それがあんまり嬉しそうで楽しげなので
    障害が多いに決まってるこの話が、明るい結末を用意しているのだと判る。
    役者陣の豊かな表情と身体表現から、どうやってここに至ったのか知りたくなる。

    福岡―釜山130キロをトンネルで結ぶという国家プロジェクトが始動し
    賛成反対、賛否両論渦巻く中で、様々な立場の人々を描く物語。

    トンネル工事現場の作業員が面白い。
    日本側の作業員と班長(栗原茂)の、仕事や家族に対する考え方が変化していく様がリアル。
    韓国側の作業員を演じる韓国の役者さん二人が、とても達者な方たちだった。
    韓国語にはバックに字幕が映し出されるが、なくても想像できるほど豊かな表現力。

    公園の女(石本径代)、おおらかで野性的なキャラクターがとても良かった。
    達観した眼差しで、リヤカーで旅をする一家や学校へ行かない少年を見守る。
    ギターをかき鳴らしながら唄う姿が強く印象に残る。

    高校の演劇部はまるで社会の縮図のようだ。
    トンネル開通式典での出し物を依頼された高校演劇部は喜びに沸き立っている。
    父親がトンネル工事の仕事をしている生徒もいる。
    ところがトンネル反対運動のメンバーの話を聞いて
    自分たちの活動に疑問を持ち始めた一人の生徒が、式典参加を取りやめようと言い出す。
    演劇部が分断される事態に、顧問の先生は無理に説得をせず
    みんなの総意なら取りやめても構わないと話す。

    結局、式典当日の反対運動メンバーによる妨害にもかかわらず
    最後はみんなで歌ってハッピーエンドになるのだが
    この持って行き方に説得力がないのが残念。
    妨害されて思わず壇上に上がり、自分の心情を訴える高校生の言葉に
    「それでも自分はトンネルの向こうにある未来を見たいのだ」という説得力がない。
    未来を担う者が、たとえ拙い言葉でもその先にある未来を切り拓く決意を語らずして
    一体他の誰がここで演説するべきだろうか。
    一番の見せ場で「私の高校生活」を語っても、
    反対派の心を変化させる理由にはなりにくいと思う。
    ここが弱いので、ハッピーエンドになだれ込むのが安易に見えてしまう。

    「それがみんなの意見なら、式典参加を取りやめてもよい」と理解を示す
    顧問の先生(渋谷はるか)はとても良い先生ぶりではまっている。
    ただこれも、反対運動に傾く生徒に語りかける言葉に力がない。
    真摯に教師に向かって疑問をぶつける生徒の方がよほど力強い。

    「自国の文化が損なわれる」と危惧する反対派に
    両国の市民レベルの交流とか、互いを理解するための具体的な行動など
    抽象的な不安を払拭し、それを凌駕するだけの流れが示されないので
    せっかくの大団円が虚ろなものに見えてしまってとても残念だった。

    白い衣装で人々を見守る明花さんが奏でる韓国の楽器は
    個性とメリハリのある音で良かったと思う。

    個人的にはトンネルの完成後、淡々と次の現場へ行くという班長と
    それを支える妻(齋藤緑)、姉と弟の一家が現実的で温かく
    自国の文化とはこういう市民が家庭において守っていくのだなあと感じた。

    演劇人がこういうテーマに取り組む姿勢、制作体制は素晴らしいと思う。
    こういう動きこそが今後の両国を変えていくのだと
    私はトンネル反対派に訴えかけたい気がするが、
    山田さん、どうだろうか?
  • 満足度★★★★

    こうあって欲しい・・・
    よい芝居でした。ファンタジーかもしれないけれど、日韓関係が政治的にかなり険悪な現状では、こうあって欲しいと思いました。

  • 満足度★★★★

    トンネル
    場所と場所、人と人、繋げるものの象徴としては、良かったのはではないでしょうか!?ただ、タイミング的に厳しいところがあったかもしれないですね!?
    あと、ほかの方も言ってるように、難しいところがあるのでしょうが、内容が表面的に終わっていたのは残念でした。
    最後に、音楽を担当していた白い衣装の二人はいいアクセントにもなっていて良かったです。

  • 満足度★★★

    悪くはないのだが
    役者の演技も悪くないし、話の流れや場面転換も悪くないのだが、日韓トンネルがつながったら失ったりしてそれからどうなるの主軸が余り描かれてなかったように感じた。
    (と言うより、ある家族の話の方が印象が強すぎるからなのかも)

  • 満足度★★★

    なかなか楽しめた!
    夏休みに親子で観劇したら、楽しめるかも。
    韓国の役者さんも出演。
    上演時間120分。

    ネタバレBOX

    良く言えば、様々な立場の人からみた、日韓トンネル開通の問題点を描いていた。
    悪く言えば、結局何が一番言いたかったことなのか、分かりづらかった。

    ただ、このような身近なことをテーマに、国民の姿を描くというのは面白いと思うし、意欲的な作品だと思う。

    個人的に良かったのは、韓国の役者さんが一緒に演じていたこと。
    字幕で対応していたが、面白さは伝わってきた!
    韓国の人だけの公演というのは、興味はあっても言葉の問題でなかなか観れなかったのだが、このような形で観れたのは非常に良かった!

    父親の仕事に対して、高校生の娘が理解を示し、トンネル工事中の父親と
    メールではなく、文通していたのは微笑ましかった。
  • 満足度★★★

    愛国心
    始まる前の白塗りの女性が、舞台や客席をふらふらしているので、あーしまった。前衛的な芝居か と危惧したがそんなことはなかっった。

    芝居自体はうまく表現されていたが、日韓関係について、両国のナショナリズムが高まっている今、少し微妙

    ネタバレBOX

    トンネルで韓国とつながると日本の伝統がなくなってしまうという反対派の言い分も分かる気がした。
    オリンピックでの独島(竹島)は韓国領土であるという報道もあり、むかっ腹を感じていたため、それが引っかかっていて素直に見れなかった。
  • 満足度★★

    総花的に過ぎたのでは…それから国旗の扱いも
    部分的には面白いところもあったが、全体としてはイマイチの感。

    ネタバレBOX

    開演前、白く顔を塗った女の子が、
    お客さんにちょっかいを出したり、愛嬌を振りまいたりして・・・。
    また、広い舞台には、巨大な滑り台があって、存在感もある。

    そういうわけで、期待したのですが、色んなものを取り入れ過ぎて、
    どれも中途半端で終わった感がありました。

    「日本の総理大臣(政治システム)」「公共事業」「日・韓トンネル掘削現場」
    「式典に出る高校演劇部」「反対派」「南を目指す家族」等々・・・。

    これだけ、色々なものを出してきて、最後どうするのだろう?と思ったが、
    一応、「歌でまとめ上げた」のだが、これはちょっと無理があったのでは。
    出演者のうち、音楽陣は結構印象には残ったが、
    それ以外の場面場面は何だったんだろうと思ってしまった次第。

    この辺を整理していき、「結局何が言いたいの?」を
    明確にすべきと思ったし、
    さらに、(最近の情勢は一層難しくなっている中)
    国際親善って何?表面上仲良くできていればそれでいいの?
    …という辺りにも触れてほしい気がしました。

    それから、高校演劇部が作った「横断幕」が登場するのだが、
    韓国の国旗が上、その下に日本の国旗が描かれていたのです。
    しかし、これはまずいでしょう。
    (国旗を上下に置くのは、下が「属国」の意)
    「意図的」とは思いたくないですが、
    最近の某テレビ局などの風潮を見ていると、
    そのように捉える人もいるのでは?
    「国旗掲揚 位置」なのでネット検索すれば、情報得られます。
    こういうこともきちんとしないと、親善どころか紛争になってしまいます。
  • 満足度★★

    社会派っぽいが違うし
    社会派演劇っぽい内容だが実際に起きている話ではないし、何を描きたかったのかよく分からなかった。色々な立場の登場人物が出てくる割に生かしきれていない印象。題材の着眼点は興味深いだけにもっと面白いものができたのではないかと思われ、もったいない。

  • 満足度★★

    がっかり
    共同の脚本・演出に無理があったのではないのだろうか?不可解なことが多すぎる!

  • 満足度★★

    つかみにくい芝居。
    シーンというか、登場人物のグループによって、同じ位相にいるのか、違う位相にいるのかが少々つかみにくく、全体として、誰と誰が同じ時代と空間にいて、誰がいないのかが、最後まではっきりと理解できなかった。

    観終わった後、改めて説明を読んでみて、「失いたくないもの」がなんだったのか、結局のところ伝わってこなかったと感じた。
    ある程度仕方ないことだが、デフォルメが少々きつくて、例えば差別的発言であったり、例えば政治家という職業であったり、「ここまで露骨な人(こと)」が本当に許容されるか?」と引っかかってしまい、うまく含意を受け取れなかったように思う。

    ネタバレBOX

    「公園の女」は全ての位相に存在し関われそうだが、「少女」と「女」は、存在しつつ見えない(基本的に関わらない)、といった雰囲気。
    「リヤカーの家族」は、さらに未来の人間のような気がした(「弟」と交流しているから、実際には同じ時代と見るべきなのかもしれないが、あまりにも互いの常識がずれているので、同じ時代ととらえにくかった)。
    正解はなく、受け手の判断に任されているのだろうが、何ともつかみにくい印象を強くもってしまった。

    また「反対派」の「伝統が失われる」という言葉に具体性がなく、なぜあれで高校生が説得されたのか、今ひとつつかめなかった。
    さらに、「反対派」と対峙する教師のバス停での言葉は全く正論なのだが、「反対派」に共鳴する生徒に対して、対峙しようとしない。
    そこには、他人に対しては強く出られるが、身内に対しては弱い、という日本人独特の心性を表現した部分もあるのかもしれない。しかし作品全体としては、そこでの対峙がないために、「演劇部」が何をもってトンネルを受け入れているのかがわかりにくくなっていたと感じた。
    (対峙しない、というストーリーそのものが、なし崩し的に受け入れる日本社会への皮肉でもあったのかもしれないが)

    賛美歌で終えるラストシーンは、正直、日本人になじまないと感じた。
    キリスト教徒の多い韓国と違い、多くの日本人は賛美歌になじみがない。あそこで大合唱になりうるのか、かなり疑問だった。もちろん演劇的には象徴的なシーンであろうから、実際に人々が賛美歌を歌ったわけでなく、共感し合ったという事実の表現として、合唱という形をとったと思うこともできるのだが、そのシーンまでの積み重ねが少なく、お互いがお互いを受け入れたのか、結局つかめないままだった。

    解釈は観客に任されていると感じたが、どうにも中核がつかめなかった印象だけが強く残った。
  • こういった国際共同制作そのものが、
    もっともっと自由に出来るような世の中になればいいと思う。

    国際共同制作、ということ自体が目玉になるのではなく、ありふれたときに初めて、私たちはお互いのことを友と呼べるのだと思う。今、このご時世だからこそ、未来に期待したい。

  • なんで
    なんでこういう展開にしたの?
    なんでこういう人物を出したの?
    なんでここでこういうことを言うの?するの?
    それでなんでこの人たちはこういう反応をするの?

    って、????きょとんとしてしまう作品でした。
    説得力もつかみ所もなくて、感情移入できない。

    いらないキャラクターいっぱいだったなぁ。

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