泡 公演情報 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★★★

    豪華なキャストで素晴らしい舞台を堪能
    東京フェスティバルは、毎回社会的な視点を盛り込みつつ、笑いの多い作品を見せてくれる。
    今回は、小名浜のソープから震災、原発事故を見せてくれた。

    ネタバレBOX

    事故直後は作業員が多く来たので、混んでいた風俗街が、原発作業員の箝口令のために外出禁止になっていったことで閑古鳥が鳴くようになってしまったこと、原発事故による漁業補償のこと、震災の復興と言えどもフーゾクには銀行が貸し付けを渋っていること、等々と、作・演のきたむらけんじさんが現地でリサーチしてきたであろうことが、リアルに盛り込まれていたようだ。

    しかし、コメディである。
    そういう状況にあっても、人の営みがあって、面白いということ。
    無理して笑わせるシーンを作るのではなく、思わず笑ってしまうシーンを作り出す、脚本のうまさがある。

    そして、役者全員が味のあるいい演技。
    うまいから、大爆笑もあった。

    役者はとにかくみんないい。
    どこか胡散臭いけど、いいおっちゃんの朝倉伸二さんは、こういう役をやらせたらピカイチ。前作ではびしっとスーツを決めていた天宮良さんが今回は真っ黒に日焼け(舞台では危ない表現をしていたが・笑)した原発作業員が、さまになっているのに驚いた。漁師で船長の近江谷太朗さんもいい、2人とも男気を感じさせるところににうまさがある。
    人気ソープ嬢の小林美江さんもも情がある感じで、人気があるという雰囲気が出ていてうまい。そして、数年前までは現役ソープ嬢という、川俣しのぶさんもとてもいいのだ。

    ラストの、小さなシアワセ感(「感」だけで実らないだろう雰囲気も含めて)は素敵だった。この物語にふさわしいラストだ。

    東京フェスティバルにはバスレはないな。

    猪苗代湖ズの音楽で客入れという趣向もいい。
  • 満足度★★★★

    観た
    切り口が面白い。重いテーマなのに笑いもあり観やすい作品だが、いろいろと考えさせられた。

    ネタバレBOX

    マットのオチがとても良かった!
  • 満足度★★★★

    いろいろありますね
    舞台は福島小名浜のソープ。今もなお、原発被災の後遺症が残っている町での、現地の市民の実際の苦悩を、ユーモアを交えて描いている。

    3.11をテーマにした作品は何度が見たが、異色の出来ばえ。

    劇団員1人で、役者はすべて客演。主催のきたむらさんは政治ものが多かったようだが、本作では以前とはだいぶ違った出来ばえ。
    面白かった、

  • 満足度★★★★

    秀作
    3.11以降の、市井の人々(被災者)の生活がどうなったのか?。小名浜を題材に、マスコミがいままで伝えてきた内容とはちょっと違った視点から、日常の真実に鋭く斬り込んだ内容だ。原発の放射線に起因する理不尽で不便な生活を強いられ、そしていつ解決するかもわからない現状を見事に現している。暗く、辛い状況なのに、笑いを盛り込んだ戯曲とすることで、観る者の心に、反面教師のように訴えてくる。カーテンコールの挨拶で、「劇団員が一人もいないんです。毎公演ごとに役者を集めて…」との説明があった。つまり全員が客演!それにしてはいい座組だ。まるで当て書きのようなキャスティングも上手い。

  • 満足度★★★★

    素晴しい!
    3.11の震災関連の芝居をいくつか観劇したが、現地の人でなければ分からない視点で描かれていた。
    私の中で「政治、選挙報道」の東京フェスティバルというイメージが払拭した!
    上演時間約2時間。

    ネタバレBOX

    福島県小名浜のソープランド街を舞台にした人間模様。
    綿密な取材活動をされたのだろう、ということが舞台から伝わってきた。

    物語では、50歳過ぎの元ソープ嬢のオバチャン、若くて美人の元歌舞伎町のソープ嬢、人気NO1の子持ちソープ嬢が登場。
    それそれの立場が分かり易く描かれていた。

    「ソープランドで人気No.1の泡姫(ソープ嬢)は美人とは限らないんだよ」と
    いうのが、分かった気がした。

    政治ものを取り扱った出演陣が、今回の舞台では、全く違う役どころを
    演じ、それがとても合っていたのは、さすがである。

    それにしても、「からし牛乳」は笑えたなあ。
    よく思いつくなあ、これも実話なのかな(笑)。
  • 満足度★★★★

    ソープランドからフクシマをみる
    う~ん、見事な視点。東フェスさんにはいつもうならさせますね。色っぽくて、社会的。素晴らしい人情エンターテイメントでした。

  • 満足度★★★★★

    一般庶民への愛情とエール
    まさかソープランドがこういうふうに震災にからんでるとは知りませんでした。風俗だからこその悲喜こもごも。笑いながらも社会勉強になる傑作です。名もなき一般庶民への愛情とエールをたくさん感じる心あたたまる作品でした。出演者全員、表情豊かな大熱演。笑いを取っても、それで決して問題をチャカして軽んじてないところに、作家・演出家・役者の力量を感じました。

  • 満足度★★★★★

    人生は○毛のようなものだ
    あのセリフを胸に
    希望の灯りをともしていきたいと思います。

    芸の道を進む舞台人は
    『指名』のくる日を心待ちにしているものです
    よね!





  • 満足度★★★★

    いい人たち
    重たい話が背景にあるのですが、面白くて前向きでした。

    ネタバレBOX

    小名浜のソープが舞台、従業員や客の地震発生時から一年間の話。

    福一(福島第一原発)で働く作業員や、漁業補償を貰っている船長さんの実情など興味深いものがありました。ソープの流儀も地域差があるとのことで、小名浜の泡姫として努力しようとしたり、あるいは結婚で辞めたりと従業員側にも色々ありました。

    最後は、信金の営業マンが地域振興のためにと、脱サラして鮮魚のインターネット競り市を起業するというもの凄く前向きな結末にとても嬉しくなりました。

    さて、こうした振りのための伏線だとは思うのですが、スタート早々から金融機関の融資姿勢に関することで大きな間違いがあり、ずーっと気になってしまいました。

    金融機関は反社会勢力や風俗営業に対して一切融資はしません。ですから、そもそも建物修繕費用を見積もるための調査をすること自体あり得ません。このことはソープのオーナーが一番良く知っているはずです。ソープを建設したとき自己資金で建てたでしょう。そして、何か事が起きたときのためにと、せっせと自己資金をプールしてきたことでしょう。

    やはり、ソープに遊びに来て漁業者の実情を聞き及んだ信金マンというくらいが丁度良いのではないでしょうか。

    因みに、飲食店に信用保証協会付きの融資を実行するときは、風俗営業を営んでいない旨の宣誓書を提出してもらうのが融資条件になっています。それくらいのものです。

    このベンチャー企業についてもですが、ソープのオーナーが社長だと資金がソープへ流用されると推察される恐れがありますので、出資者や役員に関しては注意された方が良いと思いますです。

    牛乳の雨宮さんや、ゴールデンエアマットがカナダに漂着したなんて大笑いでした。
  • 満足度★★★★★

    面白かったです!風俗と震災の関係
    3・11の震災とその後の原発事故へのかかわり方は人それぞれだけれど、風俗業界にも影響が~。これは誰も想像もしなかったところではないだろうか。視点を固定するとそこから色々なものが見えてくるといういい例で、かなり綿密な取材のもとに書かれた脚本なんだろうな~と思わせるリアリティがすごい。役者さんも上手くて、ソープの店長が出てきた時は、あまりのそれらしさに場内から笑いとどよめきが起こったほどでした。様々なエピソードも生きていて、震災と原発事故に題材を採ったにも係わらず悲観的なお話にはならず、どこまでも未来に向けたやさしく暖かい視点が心地よかったです。役者さんたちの程のいいお芝居も良かった。何というか、十分に余力を残した感じのお芝居でとてもリラックスして観れました。でもこれ、初日だったんですね。全くそんな感じはありませんでした。すごい演技力!大満足です。

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