靴の中の小石 公演情報 靴の中の小石」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    素晴らしい
    評判通りの素晴らしさ。こんなシンプル舞台なのに、そこに「ある」かのように感じさせてくれる。見事としか言いようがない。

  • 満足度★★★★★

    緊張感
    撮影現場の変化の様子を面白く拝見しました。

    ネタバレBOX

    役でそうなっているのですが、足が壊死して靴の中の小石に気が付かなくなっていたかのようなベテラン俳優は、今回の撮影を通して恩人のこと、恩人の葬式にも行かなかったことを思い出し、この後悔が彼にとっての靴の中の小石だったのですが、監督が恩人の娘であることを知ってから、力の抜けたいい演技に変わりました。

    他の俳優やスタッフたちにも空気が伝わり、引き締まった撮影現場になりました。

    このことは即ち、嫌な感じのベテラン俳優と少々太り気味の女優さん、まとまらないチームワークなど、前半の散慢なお芝居が後半の引き締まったお芝居に変化したことを表していて、観客としてもどんどん引き込まれて行きました。

    劇中劇の演技は、正直それほどやり過ぎた演技だとは思いませんでしたが、ラスト近くのシーンを見るとやはり違っていて、微妙な変化や劇的な変化を楽しむことができました。

    戦争中の南方で船が沈没する回想シーンなど目に浮かぶようでした。ジーンと来ました。

    あえて言えば、プロデューサーがクールで無表情過ぎて、お芝居全体としてもキリッとし過ぎ、カッコつけ過ぎ感がありました。

    舞台挨拶は一人ずつ登場する必要は無いと思いました。時間が掛かり過ぎました。また、主宰の方が最後に去るのは理解できますが、感動を与えてくれた主役級の役者さんが最後に去ってほしいと思いました。
  • 満足度★★★★★

    無題417(12-160)
    14:00の回(晴/夏です)。受付時間がわからなかったので早めに到着、3階へあがると待っているようにということで...で、受付が始まってから開演まで少々行き違いあり。舞台は...四角い椅子が4つ(2つずつつながっている)だけですね。客席最後列の後ろにカメラが3台、左右のキャットウォークにマイク。初めて見たのですが、「活動紹介」を読みますと「小道具を排除」「影絵」「シルエット」という語がありました。劇中、藤城清治さんの作品(一度、原画展に行ったことがあります)を思いだすわけです。現場に集まってきた「それぞれを背負っている」者たちが「監督」の磁力に魅かれ、グラデーションを繰り返し、美しく輝くようになるまでが、型と色と動きで演じられ、オーロラのような背景に浮かぶ黒い像として結ばれる。それはただの影ではないことを観客のわたしは知っている。

    ネタバレBOX

    森下さん客演ということで観劇、こちらの劇団は初めてです。始まってからは、なんでこんなに勝手で、いやなヤツばかり集まってくるのかな、と思っていましたが、だんだんと...それぞれが背負っているものが少しずつ顔をみせ、一方では監督の想いが伝わってくる。

    芝居をよく見るようになる前は映画ばかりみていて、ドキュメンタリー映画も
    本数は少ないもののみることがありました。たいてい監督ご自身のアフタートークがあり、その強い意志に感心するばかり。

    本作、監督役の平野さん、その監督さんたちと比べても負けていません。
    これにベテラン俳優と自身の出生をからめたお話のうまさによってさらに引き込まれます。

    父と娘、娘と男、男と女と息子、俳優の迷いと気づき。長い間、じっと氷漬けにして抑えていたものが、ゆっくりと解け、清流となり集まり作品として結晶してゆくさまをみせていただきました。

    それにしてもシルエットは綺麗だな。
    Where the streets have no name (Rattle & Hum) ..古い、以来の感動だ。

    で、わたしもDVDを予約したのでした。
  • 満足度★★★★★


    優れた舞台というものは、観客に一瞬、イリュージョンを体験させるものだ。役者の演技、シナリオの緊密さ、音響効果、照明などは其々の装置と言えるかも知れない。然し、それがどんなに優れていても個々に、独立して動いているだけではイリュージョンは生まれない。息詰まる緊迫感や感動の嵐が、緊張の余り途切れる一瞬前の状態を持続し得た時に、それは起こるべくして起こる。総ての要素が混然と一体となり新たな次元で結晶する。その結晶こそイリュージョンの内実である。今日の舞台ではそのようなことが起こった。  
    シナリオの良さは、無論のことだが、その内容に役者の命を吹き込まれ、観客を巻き込むと劇空間は沸点に達する。シンプルだが深い照明、感興を盛り上げる音楽、俳優一人一人のほとんど自然とみまがうような表情、声音と間、観客の押し殺し固唾を呑み緊張を孕んだ期待が、劇空間を坩堝にする。あるポテンシャルを越えるとイリュージョンは一気に結晶化する。そしてイリュージョンが立ち上がる前までと後を一変させ、世界を更新してしまうのだ。

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