不文律 公演情報 不文律」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-20件 / 21件中
  • 満足度★★★★★

    同じカッコー
    この舞台を観終わって思い出したのが「 カッコーの巣の上で 」という映画だ。映画の中で
    ジャック・ニコルソンは最終的に廃人にさせられてしまう。閉鎖的な精神病院の出来事を綴った映画だ。英語でカッコー「cuckoo」という単語には、鳥の名前であると共に、形容詞として「気が狂って、馬鹿な」という意味があるけれど、今日の舞台も映画と似たような終わり方である。そして同じようにアル中や精神的に病んだ人たちが入所している施設が舞台だ。

    ネタバレBOX

    裏日記はこちら→http://ameblo.jp/misa--misaki/


    ここでは表向きは自然治癒を行う施設として存在し、裏の事業として患者を人体実験させていたクローンの人体研究所として機能していた。二人の医師、大橋と沢田はかつての師の意思を継ぎこの研究を継続し患者をクズと言い放ち人体実験をしている。これに気付いたもう一人の正義感の強い医師・西尾がこの間違いを訂正しようとしたが逆に西尾は廃人にさせられてしまう。

    この舞台を観て感じたことは、患者たちは施設の中である意味心地よいともいえる諦めに浸っておりそこから出ようとはしなかったことと、狂人たちは一つの秩序をそこで構築し独白を始める場面もあることから、外に出て生きるという意欲が完全に失っているようにも思えた。

    そんな中、二人の医師は100年後の未来を見つめて研究するあまり、今の多少の犠牲はやむ終えないと考え、研究に間違っているという言葉はないと言う。研究にあるのは成功か失敗かのどちらかだと・・。

    研究と倫理の狭間で揺れ動く不文律は、きっとその昔、原爆を作った博士の不文律を覚えているだろうか。研究者というのは留まるところを知らない。一つの成功のその次も見たくなるものが研究者だ。そして二人の師である松浦先生の娘は「父は以前こんなことを話していました。人は物心がついたときに解ることがある。人はいずれ死ぬ。」と話す。

    タイトルが素敵だ。そして全体をとりまく演出も素晴らしい。音響、照明も、勿論、キャストらの演技力も。特に終盤を衝撃的に飾った西尾役の海老根理があまりにも素晴らしい。ワタクシの大好きな谷仲恵輔の重厚な演技力にも満足した。本当に良いものを観たと声を大にして言いたい。東君、腕をあげたなぁ。。とつくづく嬉しい舞台だった。カンペキ!
  • 満足度★★★★

    怖かったけど
    良かったし、あたしは好き系やった。
    これからも期待しています

  • 満足度★★★★★

    良かった!
    今年、643ノゲッツー作品を3本観たが一番良かった。
    シリアスで重いテーマなのにテンポが良くて、セットもスタイリッシュで世界観に引き込まれた。
    伏線の回収のされ方もきれいで、ラストも見事で心に残った。
    ハーバード白熱教室のテーマになりそう。

  • 満足度★★★★

    医学と倫理の攻めぎ合い
    極力笑いを抑えるどころか、怖ろしい限り。

    人が様々な病気から生き長らえてる裏に、
    大なり小なり数々の先人達の犠牲があって、
    我々は生きているということを
    忘れてはならないと思わされた。

    最後の西尾医師の姿、
    収容されていた子の
    代わりとなったのであろうか。


    メインステージから演者が移動して、
    ガラス?越しに見せる演出は
    怖さを増してました。

    話は重いが施設にいる子達はみんな個性的でイイ。

    「蝶々が見える」と言っていた桜井あかね、
    金髪姿はお人形のようで可愛かった!

  • 満足度★★★

    怖かった・・
    とても怖く感じました。熱演に加え、こういった事が実際にあるんだろうな・・と感じてしまいました。なので観終わった後、後味が悪かったです。個人的に、今回のストーリーは好きではありませんが、とても演技力のある劇団なので、今後は楽しい舞台を選んで観たいと思いました。

  • 満足度★★★★★

    無題182
    硬質で、鋭角的で、冷えびえして。帚木さんの「閉鎖病棟」(未読、粗筋だけ)「エンブリヨ」「臓器農場」(既読)などから暖かみを排したような味わい。攻め手(男3人)と受け手との関係がなかなか明らかにならず悶々しつつ、目の前の展開に集中。

    ネタバレBOX

    初っ端から乱闘か…と思うほど激しく、これが芝居中現れる。男はチンピラかと思ったけどそうでもないらしい…何かの施設かなと気がつくまで時間を要す。アル中?SEX依存症?ドラッグ?様々な症状がみてとれるようになってきても、異様感と疑問符は消えません。

    何枚もベールが掛っていて、ことの真相が何なのか見えそうで、でも最後のピースがちゃんとはまりません。

    クローン、リハビリ施設、多様な症状などが(私の中で)一致しないまま終演。無機質で機械的なセリフや、2体のロボットのような看護士(?)、クスリに頼らない治療、表と裏、医学の発展と無軌道な実験、善意のなかの欺𥈞、お話そのものは腹落ちしないんだけど、演技、演出とも前々作(前作は日程があわなかった)の印象とは大違い。

    舞台後方、薄いスクリーンで仕切り、照明を上手く使った演出…部屋の外、独房?気がつかないうちに役者が立っていて、照明が切り替わると不気味な像が浮かび上がる。

    それにしてもなぜクローンなんでしょう、今はips細胞じゃないかな…そこがよくわからない、映画の「アイランド(2005年)」とかならわかるけど。

  • 満足度★★★★

    実は
    どこかで実際に行われてるかも!?な、怖さがありました。
    初めての観劇でしたが完成度も高く感じました

    ネタバレBOX

    最後のテープを張り巡らす意味合いがちょっと解らなかったです。
  • 満足度★★★★★

    こんな話大好きです!
    最初から陰湿な雰囲気、いいですね。

    ネタバレBOX

    生徒を虐める先生のような陰湿な雰囲気で始まり、それが依存症の治療施設における医者たちによる薄汚い小銭稼ぎの話かと思ったら、施設そのものが隠れ蓑で、先代の先生の意を受けた人間のクローン実験を秘密裏に行なっている施設の話でした。

    クローン実験のことを知らなかった若い医者が正論を唱えていたものの、最後薬物によって廃人にさせられるという救いのない話、良かったです!

    ところで、若い医者は秘密を知ったその日に廃人になってしまったのでしょうか?やはり数日は掛かるように思います。それだったら、交代要員として着任していた女性医師が調理用の前掛けをしていた方が良かったのではないかと思いました。
  • 満足度★★★★★

    参りました
    極力笑いを排した(お笑いちびっこコンビ(?)には結構笑わせてもらいましたが)、シリアスなハードサスペンス、すっかりはまり込んでしまいました。期待以上の素晴らしさ。参りました。

  • 満足度★★★★

    シリアス系
    ナース二人のセリフと動きの調和が私にはよかったです。
    ただ自分の思う不文律とはイメージが違ってました。

  • 満足度★★★★

    気が滅入る
    観た後に気が滅入る。
    これは観た人間に対しての影響力が大きいという事だと思う。

    演出や演技は、いかにも舞台らしい、と思えるものが随所に見られる。
    芝居観に来たなーって実感する。

    本当は私は明るい話の方が好きだが、これはこれで楽しめた。

    ネタバレBOX

    クローン実験って所に違和感。

    ただの医学の進歩の為の人体実験ではなく、あえてクローン技術のための人体実験にする必要がるのか?

    クローン出てこないし。
    出てきたけど気付かなかったのか?
  • 満足度★★★★★

    生命の重さを問う
    メッセージ性の高い内容に、緊迫感のある演技・演出でとても楽しめました。

    ネタバレBOX

    今の命と将来の命、どちらが大切か。

    将来の命のために、今の命は犠牲にしても良いのか。医学の進歩には犠牲が必要なのか、犠牲が無ければ発展はないのか。

    どんな命もかけがえのない命。無駄にしてよい命はないはず。
    衝撃的な結末は受け入れがたいが、似たようなことは

    役者の中では谷仲恵輔さんの演技は見事。声もしびれますね。
    音による緊迫感の醸成も成功だと思います。
  • 満足度★★★★★

    ほんとにシリアス
    相当シリアス。めっちゃ引き込まれる。
    シリアス過ぎて、笑う場面でも、あまり笑わないお客さんも・・・。

    お話自体もですが、手法や照明・音など工夫されていてほんとに引き込まれました。
    役者さんの動きも、てきぱきしっかりでとても印象に残ります。
    笑いの質も個人的には、つぼった!

    迫力のあるあっという間の90分でした。

    ネタバレBOX

    あえていうと、「医者」と「研究」に対立軸を置いているのには、
    リアルティに欠けるかな、と思いました。

    あと、最後については相当迫力ありましたが、
    もう一押しなんかほしかったというのが、気持ち的な感想。

    2人の看護士のやり取りや存在感はすごかった
    また、ビデオテープの下りは、ちょっとうるっときた。
  • 満足度★★★★★

    呆然。
    5月に初めてこの劇団の芝居を見たのですが、その時と全然違う作風でした。常に緊張感が満ち溢れてました。脚本・演出が本当に凄く良い。観劇後のカーテンコールで拍手できなくてすいませんでした。それぐらいずしっときたお芝居でした。

  • 骨のある芝居
    当日まで楽しみにしていたのですが、急に用事が出来てしまい、
    せっかくのチケットを無駄にするのは残念なので、演劇が好きな弟に観てもらいました。
    弟の話によると、久しぶりに骨のあるお芝居で、設定も面白く、舞台に引き込まれたという話でした。

    今回の公演は、もう観に行ける時間が取れないので、次回、同公演があれば、絶対に観に行きたいと思っています。

  • 満足度★★★★

    医者としての不文律
    アルコールや薬物やセックス依存症の人の更正の為の隔離施設を舞台にした物語で、医療に関する重いテーマを緊張感のある演出で描いていて、引き込まれました。
    暴力的、狂気的シーンが多くて笑いもほとんどなく、後味も良くないのですが、印象に残る作品でした。

    冒頭からテンションの高い暴力的なシーンで、その後も激しい口論や患者達の異常な行動が続く殺伐とした雰囲気で物語が進み、次第に施設の裏の顔が明らかになって行き、最後は医者としての信念の違いから生じる悲劇的な決別が非常に衝撃的な表現で描かれていました。

    後から冷静に考えると物語としてはそれほど新味のあるものではないのですが、演出が素晴らしくて、観ている間は圧倒されっぱなしでした。先鋭的な作品に見られる様な、ユニークな演出手法自体をアピールするタイプではなく、少々実験的な手法も内容に沿っていて自然に感じられる、手法だけが突出しない絶妙なバランス感覚が良かったです。
    特に音の使い方がとても良かったです。常にメトロノームの音や衝撃音でビートが刻まれ、不安感を煽っていたのがとても効果的で、後半で使われるホイッスルの音も切迫感がありました。
    シンプルな設えで空間を仕切り、重層的な表現を可能にしていた美術も良かったのですが、妙にカラフルなのが安っぽくて残念でした。床の模様も含めて1つの色に統一した方が、空間に緊迫感が出ると思いました。

    この劇団を観たのは前々作の『バニラ』で、笑いを狙い過ぎて空回りしている感じを持ったのですが、今回は直球勝負のヘビーな作品になっていて、今後の展開が楽しみです。

  • 満足度★★★★

    濃密な芝居
    個人的には、良い時間を過ごせた!
    まず演出がとても良い。役者陣も上手い。
    脚本も徐々に盛り上げ、一気に爆発する感じ。
    やんわり期待していた(笑)が、満足した。

  • 満足度★★★★★

    重いテーマを容赦なく描写した作品
    物語はとある施設の中で行われている研究のお話。ここでタイトルの「不文律」がなるほど・・と感じられる。脚本もさながら、まず演出が素晴らしい。役者の演技力もしっかりと。終盤に訪れる西尾先生の姿で打ちのめされた。決して明るい終わり方ではない。しかし記憶に残る作品だと思う。素晴らしい舞台を観ました。有難うと言いたい。

  • 満足度★★★★

    濃厚でした。
    どの作品だってそうなんでしょうが、物語は伏線を散りばめつつ、そしてそれを拾いつつ、クライマックスに向けて進んで行くわけですが、特にこの作品はその様子がやけにそろりそろりとした忍び足な感じで、けれど最期はドーン!ってやる感じで、そこに向かうまでのなんとも言えない演出のうまさ、そして音楽の使い方にガーン!と頭を後ろから金属バット的な硬いやつで殴られたような衝撃を受けました。

    ネタバレBOX

    ・・・と、そんなことを上で書いたわりに意外と理解していない感じで恐縮ですが、結局あの場所ではクローン人間の人体実験をしていたと、だから食事したにもかかわらずさらに食事を求める患者がいたり(つまり、クローンか本物のどちからしか食べてないから)、血を抜かれたり、髪の一部を取られたり、そういったことが行われていたと、そういう理解でよろしかったのでしょうか。

    音の使い方がやけによかったです。
  • 満足度★★★★★

    重い。
    すごいものを観てしまった。カーテンコールですら緊張感が半端なく続いてました。観劇後ですらうまく現実に戻ることができなかったです。他の人にもあの感覚を味わってもらいたい。ひがしさんに色々聞いてみたい。あの人はどういう感覚をしているのだろうか?1日経っても余韻が残る芝居はそうそうないと思う。本当に圧倒されました。あえてネタバレは書きません。

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