二手目8七飛車成り戦法 公演情報 二手目8七飛車成り戦法」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-18件 / 18件中
  • 満足度★★★★★

    面白かったです
    感想を書くのに、半年以上かかってしまいました。
    今までに観たボス作演の中で、一番好きです。
    友人とは多少意見が違ったので、好みが分かれるのかな?とは思います。後からサイトの脚本を読ませていただきました。舞台の感じが思い出せるのが嬉しいですね。

    ネタバレBOX

    馬場奨励会員がコップを前に一人語りをするところ、ザキヤマが師匠に愚痴を言うシーン、倉橋女流三段と野月さんの将棋セールストークのそれぞれと、それらを受けてのザキヤマのタイトルを含むセリフ「62手目8七飛車成り戦法と二手目8七飛車成り戦法の間をぬって」がすごく心に残っています。

    将棋自体がわかれば、ザキヤマ対コブラ戦、最後のコブラ対渡辺セブン戦がどうすごいのかも、もっと良くわかるのでしょうか。駒の動き方くらいは知っているので(というかそれくらいしか知らないので)、もし棋譜があったら少し並べてみたいと感じました。
    まあ並べたからといって、そのすごさがわかるとは思えないのですが、なんというか……あの舞台の上に立ってた人達ほとんどが見ている方向を向けるような気がするので。
  • 満足度★★★★

    さすが17年のベテラン
    将棋には門外漢な身にとっても十分引き付けられるエンタメ性と、ナンセンスな方向に行ってもきちんと本筋に戻る安定性はさすが17年のベテラン。
    主人公の再起(?)をチラリと見せてフッとフェイドアウトするような終わり方も心地良い。

  • 満足度★★★★

    前から
    興味があり気になってました。
    思った以上のものがみれてかなり満足しています。

  • 満足度★★★★

    千秋楽に拝見
    うん!面白かった!しかもチケプレ頂いたのに、遅くなり過ぎて、すみませんm(_ _)m

    対決を主軸に、有効的な映像使いやら、濃いキャラ盛り沢山に、ボスのやんちゃぶりで、面白かったです。

    ネタバレBOX

    名人コブラ(ムラマツベスさん)対ザキヤマ七段(後藤裕哉さん)の戦いが主軸なのだが、戦いを見守る控え室や、コンピューターゲームを擬人化した、ぴゅー太くん(島原弓里江さん)も絡んだりと、面白かった。みんな個性的で、『佇まい』が、それぞれ魅力てきでした。

    コブラは、名人ならではの不敵の強かさが、カッコいいくせに、会話の語尾に、
    『◇◇◇◇◇にょろ~』って!いうのが、ちとかわいいはずなのに、名人と別格扱いされる、強さと不気味さが滲み出ていて、良かったです。
    真面目な顔に、笑ってしまいました。

    ザキヤマの若さと、個性的な作戦をうつための心理描写等も、良かったです。
    勝負の世界は相手ありきの戦いのようで、実は自分との戦いでもあり、その辺の描写も、可笑しいながら、しっかりでていて、良かったです。

    又、倉橋女流三冠(後藤和さん )対馬場奨励会員(小山沙織さん)の秘かな戦いなど将棋騎士等の心情や、スポンサーサイド事情等、盛り沢山でした。

    のずく七段(村松かずお さん)も良かった。

    やんちゃなボスならの、あっちにも、こっちにも仕掛けがある感が、活きてました。
  • 満足度★★★★

    ボス村松氏の
    将棋愛を強く感じた。
    自分も将棋は少し分かるが将棋界の事情や対戦などリアルな内容で良かった。
    このままリアルにいかない作風の劇団で脱線の話が自分にぴったりの世代で笑った。
    楽しかった。
    次回作も期待!

  • 満足度★★★★★

    そう来たか・・・。
    といった感想です。

    ここ最近の何作品かとは脚本を書かれた方が違うってことですよね、だからですよね、だからこうなんともドタバタとした感じになっていた訳ですよね、だからこう、なんてゆーか、スマートな感じを少々隠してワイワイとやってみたってことですよね。

    うーん、
    なるほど。

    まぁ・・・

    いいと思います。
    嫌いじゃないです。

    将棋の話ってもなかなかに良かったと思いますし、思い入れを感じました。

    ネタバレBOX

    とはいえやっぱり少々ドタバタとし過ぎたかなと、それにコブラやザキヤマの描写にもう少し深いモノが欲しかったかなと、つまりは名人やトッププロの重みや格好良さみたいなものをですね、そしたらもうちょいその辺りのキャラを好きになれたかなと、そんな風に思いました。

    それにしても相変わらずベスさんカッコ良かったです。
    そしてボスさんのなんとも言えない危うさにドキドキしてしまいました。

    いい劇団ですね、まじで。
  • 満足度★★★

    ・・・将棋?
    将棋のルールは分かっているものの
    詳しい訳ではないので、途中の解説が意味不明。

    作中にも出てきた『3月のライオン』や少し前の囲碁漫画『ヒカルの碁』は
    専門用語や定石、盤面の展開など分からなくても、緊迫感があって楽しめたが
    この芝居はそういう所まで至ってない。
    多分、あの漫画の出来が良過ぎるんだろうけど。

    楽しめなかった訳ではないが、それは役者の楽しさや馬鹿馬鹿しさであって
    将棋じゃなくても良い所だったように思う。

    明らかに何もしてない登場人物が多いのも気になる。
    あと、ザムザの座席環境で2時間は辛い。

  • 満足度★★★★

    無題214
    将棋道をまっしぐら…と思っていたら、道なき道を全速で突っ走る。「コブラ」と言えばあのコブラしかいないよ、フフーンなんてみてましたよ、で、出てきた時には正直驚きました、状況の変化に頭がついていかない、左腕にサイコガンだ…隣には小型のレディ(ガガじゃないよ)…とは違うな…。棋士、目指す人、ファン、入り乱れて盤が舞う。客席、お客さんに向かって喋る、煽る。ザムザの「木」に囲まれ、何でもブチ込め今日は鍋だ!。そんな勢い。リアルなTV中継、舞台上人が多くても不自然ではない。前回、ちょうどサプライズの回を観劇、今回もと期待していたが残念、次回ぜひ。

  • 満足度★★★★★

    おもしろい!
    通して笑いっぱなしでした。

    将棋のわからない人でも、将棋の世界やおもしろさ、所作の美しさを垣間見える芝居だったのかなと思うし。

    でも、アフタートークの長田莉奈さん(荒川チョモランマ主宰) 山本タカさん(声を出すと気持ちいいの会主宰)が「?」だったところ・・・あのあたりは、将棋好きとの温度差が産んじゃったのかなあ。ボクには「?」なとこ、なかったもん。

    対局中の検討室の様子なんざぁ・・・そのまんま。
    プロ棋士たちは、あんな感じで検討してます。

    みゅうら八段の登場は、腹抱えて笑うた!
    けど、一般鑑賞者人気は、さほどないらしい・・・将棋好きなら、上位3位以内に入るはずのナイスキャラ!というか、三浦先生そのまんまなんだけど(笑)

    ディテールにこだわったり、カチっとした脚本がお好きな方は「?」なのかもしれない劇団鋼鉄村松。
    でも、この感性というか勢いというか・・・熱量はウリだと思うなー。

    鑑賞する日を、ワクワクしながら待つ。

    ボクにとっては、そういう劇団です。

    それにしても、将棋人口増えないかなー。

    芝居の中でも触れられてたけど、最近は、囲碁に押されっぱなしだもの。

    ・・・ま、ボクも去年から囲碁始めたんだけど。

    結婚して艶っぽくなった万波佳奈先生&梅沢由香里先生に褒められたくて、囲碁の勉強を毎日最低15分やってるなんて、石橋幸緒先生には口が裂けても言わない!

    最後に・・・この公演で、将棋に興味を持った皆様!

    ぜひ、たぶん来年も正月にNHK‐BSで放映されるであろう『大逆転将棋』をご覧ください!爆笑&感心のオンパレード!すごいです、これ!

    あと、早逝した棋士村山聖の強烈な一生を描いた『聖の青春』を、ぜひ、ご一読ください!奨励会のし烈さ、そして棋士たちの強烈な生きざま、垣間見せる稚気を、じっくりと味わえます。

    あと、先崎学八段のエッセイも爆笑&しんみりの連発で、すっごくおもしろい!

    あと・・・

    って、将棋の話になるとキリがないわ(笑)

    ネタバレBOX

    ダンスシーンは、囲碁将棋好きなら、よくわかる感覚。

    対局者との呼吸を合わせながら・・・動きを読みながら・・・ひとりじゃない感覚。

    あっそうそう。

    将棋を知らない方には、モデルであろう棋士たちの情報をwiki程度でも良いので、入れておいた方が楽しめるのかもしれない。

    覚えている範囲内で紹介すると・・・

    山崎隆之七段(ザキヤマ七段)。 とにかく魅せる将棋を指す男。NHKでの解説時に、矢内女流四段にアタックをした。youtubeに映像があるかもしれない。

    矢内理絵子女流四段(倉橋女流三冠)。 タイトル戦での袴姿とカッコ良過ぎる私服とのギャップが男をメロメロにする人気女流棋士。今日現在、女流三冠は、里見香奈さんだが、倉橋は矢内さんがモデル、のはず。演じる後藤和さんは、矢内さんというより上田初美女王に似てる。

    羽生善治二冠(名人コブラ)。 一般の方にも知られている(はずの)棋士。嫁は元アイドル(元おにぎり屋)。

    三浦弘行八段(みうりゃ八段)。 ボクが一番尊敬する棋士。でも、母親と二人暮らし。。。見た目、雰囲気・・・まんまです(笑)

    佐藤天彦六段(さとう五段)。 天才。顔は似てないけど、雰囲気はまんま。

    中川大輔理事(なかがわ理事)。 棋風はよく知らないが・・・見た目のイメージは似てる。でも、実際はストイックな感じ。

    渡辺明二冠(渡なーべ竜王)。 天才。そのキレキレの解説っぷりがたまらなくボクは好き。ちなみに竜王を防衛すること8期(だっけ?)。タイトル料&対局料で、竜王戦だけで4500万円稼ぐ男。

    こんなあたり。

    ちなみに、記録係(秒読みをする人ね)。
    完璧でした!笑
  • 満足度★★★★

    将棋直球!
    まさかの将棋知らん人はどうするんやい!と言うほど直球将棋ネタでしたが将棋愛に溢れてて楽しかった。合間にワチャチャと差し挟まれる集団ダンス?も良かった。駒の持ち方・置き方を見れば普段将棋を差す人かどうかは歴然。よう手順を覚えて成り立ったなぁと感心しました。鋼鉄村松さん初見でしたが愛とあたたかさを感じました。

  • 満足度★★★★★

    面白かった!!
    将棋というと「三月のライオン」よりも「月下の棋士」の方が身近なお年頃。
    子どもの頃の愛読書(の一つ)は、「少年チャンピオン」でした。
    ボス村松さんが描いたこのお芝居、そのころの小チャン魂が感じられました。
    それだけじゃなくって、ジャンプ魂も少女コミック魂も竹書房魂も感じました。
    ようは盛りだくさんで、熱かった。すごく面白かった。
    今が師走じゃなかったら、もう一回観たいです。

    対局のシーン、役者のみなさんの指さばきが美しくて感動しました。
    ラストの対局、漫画でいうなら見開きが16ページくらい続くような感じのすごいクライマックスです。(いえ、そこで終わらないけどね。主役の対戦じゃないし。それがいいんです)

    個人的にムラマツベスさんがとても気になります。

    ネタバレBOX

    ムラマツベスさん(ハブが毒性強くしてコブラってすばらしいネーミングですねv)、白手ぬぐいと子ども騙しの青い3Dメガネ(みたいなの)だけでシャアになってたあたりから胸撃ち抜かれました。
    どこにも赤いもの使ってないのに、シャア。
    つなぎに使ったというガンダムネタは、ファースト世代には嬉しかったです。
    しかし(他にも有名どころが色々あるのに)何故に、ビグ・ザム。上から撮ったときの絵面を意識したのでしょうか。だとしたら、それも秀逸。

    分かりやすいガンダム、遊戯王ネタ以外にも、子ども村松がコナン少年のようだったり(衣装だけね)、月の下がよく似合う棋士とか「私の方が痛い」とか、女性漫画家には腐要素を匂わせたりと、ボス村松さんの数々の漫画へのオマージュを感じました。
    ていうか、私がただの漫画好きだからそういう見方になっているだけならすみません。

    それにしても、2時間の中にみっちりでしたね。
    とても得した気分です。


    余談

    へのうえ九段(バブルムラマツさん)が「名人コブラ(ムラマツベスさん)はF1レーサーになったじゃないか!」と叫んだときには、この上どんな展開が!!と期待したのですが、間違いだったのは、返す返すも残念でした(笑)
    白いスポーツカーで失踪じゃない疾走するカッコいいムラマツベスさんを観たいです。

    あ、あと、レディの衣装、サイコーでした。
  • 満足度★★★★

    鋼鉄の剛腕
    初見の劇団で、個人的に宿題もあったので
    ちょっとドキドキしながら劇場に足を運びましたが、
    始まってみると、
    カンパニーに舞台を進める力があって、
    兎にも角にも展開に引っ張られた。
    それほど短い作品でもないのですが
    あれよと観切ってしまいました。

    あとには、具だくさんの大盛りどんぶりを
    するっと平らげてしまったような
    満ち方が残りました。

    ネタバレBOX

    後で考えると、
    観た感じより、さらに構造のしっかりとした戯曲だと
    思うのです。
    だから、よしんば少々作りの雑な部分があったとしても
    観る側が手を離すこともなく
    上演時間を通してずっとしがみついていける・・・。

    正直なところ
    もっと丁寧につくれるなという部分もあって・・・。
    たとえば、
    別に青年団のようなことをやれとは思わないのですが、
    いくつかの流れが舞台上にできると
    観る側が一瞬とまどうような刹那が生まれたりもして
    引っかかったりも。

    でも、主役たちに
    踏み越えたものを物語の本筋にのせる
    復元力が編み込まれていたり、
    場を崩さないためのベースの部分をこっそりとささえる
    ロールが組み込まれていて
    ギリまで広がった脇道がきちんと収束していく・・・。
    作品の語り部的なロールを担う奨励会の女性が
    しっかりとテンションを貫く秀逸のお芝居。
    また棋譜をつける男性やマンガ家の女性などが
    役者の献身的かつ安定感のあるお芝居で
    舞台に観る側の視座を作り
    混沌が生まれようが、空気が平板になろうが
    場の流れを崩さない影の力になっていて。

    だから、コンピューターの具象も
    はみでたり突飛にならずに生きるし
    物語の周辺を描き出す役者たちが作る存在感も
    きちんと舞台のボリューム感に繋がっていく。
    女優陣の舞台上のなにげない動きや出掃けが
    わたわたせずに綺麗だったりとか
    女流名人の鬱屈の表現がしなやかに伝わってくるとか
    メイン対局の二人の思考が
    ぐっと浮き立ったってくるとか
    単に力技で押し切るばかりではない
    いろんな工夫に裏打ちされている部分もあるとは思うのです。

    なんというか、単純に雑な舞台というのとは違うのだろうし、
    この尺を見せ切るいろんな裏打ちも感じるのですが、
    それだけに
    もっと細かい部分を詰めれば
    さらに良くなる余白を感じ
    もったいない思いをした舞台でありました。

    *** ***
    初日アフタートークにお残り頂いた皆様へ

    私のつたない感想もお聞きいただきまして
    ありがとうございました。

    この場をお借りして
    心より御礼申しあげます。
  • 満足度★★★★★

    「偏執狂」的で、そして「パラノイア」的なボス村松節大爆発
    で、将棋LOVE度が強すぎな舞台。
    過剰、過剰。過剰……。
    台詞だけでなく、演技や舞台装置にまで込められたすぎた「意味」が過剰。

    詰め込みすぎて、気持ち悪くて、面白い。
    やっぱ、いろんなことの端々に、にたにたしてしまう。

    ネタバレBOX

    劇団鋼鉄村松にはボス村松さんとバブルムラマツさんの2人の作家がいて交互に作品を発表しているのだか、今回は、ボスさんのほう。

    ボス村松さんは、「過剰な人」である。
    とにかく台詞が過剰で、どんどん増幅させて、付け足していかないと、気持ちが込められていない、と感じてしまう人なのだろう。
    「この言葉では足りない」「もう少し増量せねば」と、どんどんと。
    しかし、足しつつも、「これでいいのか」と我に返るときが訪れるのではないだろうか。

    それが、「引き」の「台詞」になる。
    つまり、自分で書いておいて、否定したり、疑ってしまう。
    「照れ」かもしれないし、「生まれてきてすみません」的なものと「人に注目されたい」というアンビバレンツな感情が同時に噴出しているのかもしれない。
    それは誰にでもある感情だけど、そこの感情にバカ正直すぎて、気持ち悪いから、気持ちいいのだ。他人事ではない感情でもあるからだ。

    台詞の過剰さには、「言葉」への過信と裏腹に、完全には信じ切れていないところが見え隠れする。言い切ってしまえない、自分へのもどかしさもあるし。

    この過剰台詞についてだって、「彼らは100倍増量にしゃべっている」なんて劇中で言わせているし。わかってるんだろうなあ。「持ち味」とか「スタイル」とかそんなカッコのいいことではなく、「性(さが)」だろうね。たぶん。

    そんな言葉で表したいのは、「コト」とか「感情」だ。
    特に「感情」への筋道は、これでもか、というぐらいに過剰になる傾向にある。
    「コト」に対する想いも、「言葉」で表そうとするから、その自分の言葉にさらに酔って、過剰な思い入れとなっていく。

    それは、例えば、今回の作品であれば「将棋」のことだけに留まらず、出てくるモノ、コトにいちいち反応して、過剰になってしまうようだ。

    これは「偏執狂」的で、そして「パラノイア」的でもあろう。
    1つことに深く突っ込んでいきつつ、妄想が膨らんでしまう。

    だから、どんどん行ってしまう。ルール無用は、未来の将棋ではなく、この舞台の上に展開する。
    公演という決められた時間と人材の枠がなければ、この作品も、暗い四畳半のコタツの上で、まだ書き続けているのではないだろうか。そんな気さえしてくる。

    かといって、深くて暗い穴をのぞき込むというわけでもなく。
    コメディと仕上げてくるところが素晴らしいのだ。
    そして、実は、「将棋愛」の裏には、「人が人と接する」あるいは「人と人が向かい合う」ことへの「畏怖」が込められているのではないだろうか。
    将棋盤をじっと見つめて、自分の顔を映してみたら、そんな世界(宇宙)が見えてしまったのではないのだろうか。ビグザムの背中に。

    コブラは天を指し示すが、実際は、「将棋」に込められた世界(宇宙)が。今そこにある、としているのだはないか。しかも、ピュー太くんの登場を待つまでもなく、それは消えつつあるのかもしれない、と。

    「人が人と接する」こと、だから、それがあのラストに結びついていくわけなのだ。

    と、いう感じの将棋への過剰なLOVEは、将棋ちゃんが、ボスさんに振り向いてくれないから、さらに加速してしまうのだろう。将棋ちゃんへの熱烈なラブコールがこのように歪んでしまって、演劇となったわけだ。

    結果、この作品は、ボス村松さんの仄暗い頭の中を覗いた感覚がしてしまう。
    それは確かに気持ち悪いことではあるが、クリエイターとしては、真っ当で、正直だと思う。

    詰め込みすぎで、気持ち悪いから面白いんだな。結局。

    でも、将棋やらないから、ラストの一局に込められたモノは、まったく受け取れなかった。

    あと、ラストの2人のやり取りは、もう一息置いてから、前のテンションと断ち切るように見せたほうが効果的ではなかったか、と思う。素人考えではあるが。

    今回も、コブラを演じたムラマツベスさんがいい。いつもの感じなのだが、やっぱりいい。そして、ザキヤマを演じた後藤裕哉さんが、もの凄くよかった。
    もちろん、他の人たちも、それぞれのキャラをうまく作り込んでいて、楽しかった。

    どうでもいいことだが、未来のところで、出てくる白い人は、『時計じかけのオレンジ』+『ブレードランナー』?

    公演が始まる前に、「台本の感想を書いてくれ」的なお願いをされたので、上演前には滅多に読まない台本を読むことになった。
    これをどうやって舞台に再現するのだろうと思っていたら、まあ、全部舞台の上にぶちまけていた。それが、空間と時間がぐちゃぐちゃで融合したり、離れていたりと、とても見事だった。
    ちなみに、台本読んだ段階では、ザキヤマはてっきりムラマツベスさんかと思っていた。頭の中では彼の声色で台詞を読んでいたのだ。


    …って書いてきたけど、人のことを散々、「過剰だ、過剰だ」と言いながら、2行ぐらいで書ける内容を、こんなにだらだらと書いている自分に気がつき、愕然としてしまうのでした。
  • かわいいせかい
    私は、ボス村松氏の描く、かわいくておバカな世界が好きです。

    タイトルからして、なんともファンシーだなぁと思いましたが、まあ期待は裏切られず、楽しく観劇できました。

    今回は、ザムザ阿佐谷と高さのある劇場。
    鋼鉄村松は、今回いれてボス演出の4作しか観ていないのだけど、空間が広いほうが妄想が広がって面白いですね。


    ※観劇した作品を同じ尺度で受け取れないので☆評価は差し控えています。

    ネタバレBOX

    同世代なのでw
    ガンダムネタにはいちいち笑ってしまったのだけど、楽しかったのだけど、ガンダムネタ多すぎでは?とちょっと思いました。
    (あんなに笑って楽しんでおきながら、何をいう・・・な感想かもしれませんが)

    ガンダムやコブラのSF感?少年漫画感?(言葉がうまく選べない)とボス村松氏のファンシーさは結構乖離していると思うのだけどなぁ。
    ・・・なんて思いました。
    その乖離さ加減を幅とみれるか・・・浅いネタに感じてしまうか微妙なところ。

    魅力的な役者さんが多く出演されているので
    もっと自由に、ボス村松氏の世界で、役者さんが遊べたら、もっといいのだろうなぁ・・・なんて思ったりもしました。
    もっと遊び?余白があれば、世界がひろがるのだろうになぁ・・・なども。

    好ましいからこそ、ちょいと欲をのべてみました。
    楽しかったです。


    あっ、アフタートークはも少しききたかったです。10分短すぎ。
  • 満足度★★★★

    盛り沢山。
    劇団初見です。将棋の知識はなくても楽しく観劇できました。コメディ仕立ててで初日の固さからか笑いがすべってしまう部分もあったけれど、後半から役者さん達の力や観客を楽しませようとする思いがバシバシ伝わってきて、演劇への愛、果ては人(役者さんスタッフさんお客様)への愛に溢れた素敵な作風の劇団だなと思えました。将棋の対戦のシーンでは、役者さんに要求されるものがかなり多く難しいものであったと想像できるのですが、名人やザキヤマはもちろん、記録係も含め、よく応えていたなと感心。欲を言えば、対戦シーンの緊張と他のシーンとの楽しさのメリハリがもうちょっと感じられればなと思いました。それもきっと回を重ねるごとにより明確になるのだろうなと予感。

    ネタバレBOX

    きっと知識がある方が楽しめただろうし、対戦は人生にも繋がるのだろうなと思うと、ちょっと将棋を覚えてみようかな?と思ったりして。

    なんか凄い役者さんがいるなと思ったら、学生演劇祭で賞をとった後藤くんでした。神経が隅々まで行き届いた身体を動かす技術に、近い将来(或いは既に)小劇場ではひっきりなしに彼の名前を聞くことになるのだろうなと予感。

    そしてあの妙な動きのゲストは木皮くんでしたか。ディペオンで主演した一橋くんといい、若くて良い人材を突っ込んでくるあたり、「おじさん達がんばってます」感に溢れてて微笑ましかったです(注:褒めてます(笑))

    一つウケたのは、小学生時代の主宰が本人に会いに行くところ。自虐的で切ないけど爆笑しました。自分に照らし合わせると、心が痛いです(笑) もっと立派な大人になりたい。。(いえ、主宰は立派ですよ!)
  • 満足度★★★★★

    登場人物の一人一人が魅力的。
    ボス村松の将棋愛、演劇愛が詰まった物語がまず素敵。飛躍に次ぐ飛躍で、時々今ここはどこなのかわからないくらいの展開の早さと発想の面白さに感動する。

    役者は端役に至るまで芸達者で、この役の人がこんな演技ができるんだと驚く。実に贅沢なキャスティングだ。

    ムラマツベスの上手さは圧倒的だが、それに対する後藤祐哉もなかなかだ。後藤祐哉という新しいスターの名がが小劇場に刻み込まれる記念碑的作品となった。

  • 満足度★★★★

    2時間の大作
    まず、観てタイトルの意味がわかった。深い意味をもったタイトルだ。
    (コリッチのバナーのタイトルが違っている…)

    楽しませる仕掛けがいっぱい。モノによっては、一部の人にしか伝わっていないものもあった。自然体で組み込まれているから私もたぶんいくつかをスルーしてしまったように思う。

    将棋を知っているとなお楽しいが、しらなくても十分楽しめる。
    ザキヤマ7段と名人コブラの対決、馬場奨励会員と倉橋女流三冠の”対決”が見ごたえがあった。個人的にはピュー太の小ネタ+ボス村松さんの自虐ネタがお気に入り。

    ちょっと残念なのは、盛りだくさんだったがゆえに、全体としての柱の伝わり方が弱くなってしまったこと。初日かつ観ていたのが最後方だったからかもしれない。

    ゲストの裕本さんがいいアクセントだった。特にあのタイツ。ほんとにどれぐらいの人が東京ペンギンを覚えたのは、興味がある。あと木成さんが相当受けていた。

    一部で賛否があったアフタートークだが、とても参考になった。TL上でよく見るかたの生感想が聞けるのは、文字では伝わらない感覚が理解でき、特に、同じ芝居の同じ時間帯を共有したからこその”共感”が心地よかった。

    ネタバレBOX

    一番の主役は名人コブラだったような。
    随所のネタが最高。名前の由来、紙メガネ、手を挙げたままの”静止”、口癖など。でも存在感も半端なかった。まためちゃくちゃ好きな役者さんが増えた。

    アフタートークでは名が挙がらなかったが、ザキヤマ7段も負けてなかった。
    ミラノサンドへのこだわり、長考の表現よかった。

    馬場奨励会員は、髪が顔にかかるのが気になった…。あとスカートに衣装替えしたときにトップは狙いなんだろうか。それとも間に合わなかったのか?ちょっとアンバランスだった。

    倉橋女流三冠は、場面を追うごとにいいアクセントになってました。抑揚がない感じは演出???

    ピュー太はつぼった。最初の登場の仕方、自爆する差し手。楽しい。

    あとの役の人もよーく思い起こすといい感じだった。最初は、個性がないとおもったが、狙いなんだろう。
    場面に大人数いても気にならなかったし、自然だった。
    (意味なく場面に登場人物を残すやり方をやる人もいるが、まったくそれとは違う)
    場面の使い方はよかった。控室、ドトール、家、対戦場、群馬、それぞれすぐにわかる。これはすごいと思った。

    ただ、残念なのは、ちょっと盛りだくさんで、雑かなっておもう場面がいくつか。たとえば、全員が寝っ転がるシーン。
    あと理事がなぜ革ジャン???

    その他お気に入りのシーン。
    村松が将棋について熱く語るシーン
    群馬の山奥の瞑想
    鈴木会長
    名人が設計図を見るシーン
    (こうやって書いているといろいろ思い出す。本当に盛りだくさんだったんだな)

    最後に、棋盤のモニター構図は、工夫が細かいな~と思いました。

    追加。個人的に”新しい芝居”って…。
    歩き観。全裸で樽の上をジャンプする。客席に豆腐やワカメが飛んでくる。
    開演前に観客からアンケートをもらい、それを劇中で使う。
    っていうのが最近観たもので、新しいと思ったこと。


  • 満足度★★★★

    将棋とお芝居?
    「劇団鋼鉄村松」さん、初観劇です、いつも公演期間が短いので見逃していた劇団のひとつです。初日観劇ですが、満員御礼で会場は熱気で外気温との差が激しく汗ばむほどでした。観劇前は将棋のお芝居?とあまり期待できる内容を選択したとは思えませんでしたが、「鋼鉄村松」さんの世界観を堪能し、とても面白かった。「誰の演技がどうこう」というより、話も役者さんも演出も全体的に溶け込んでいる感覚を受けました。アフタートークで「今日の出来は80点」「脚本の面白さを芝居でどこまで表現できるか」というコメントがありましたが、後から思い返して、あの場面が面白かったと思えるのは、演出のみならず脚本が良いからでしょうね、、また数年後に再演して欲しいですね。ただ、観劇席が後方で私の周りではあまり笑いが起きなかったのが残念でした。今日の昼はミラノサンドBにしよ。

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