ヒールのブーツ 公演情報 ヒールのブーツ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
21-28件 / 28件中
  • 満足度★★★★

    その場所を描く、表現の卓越
    キャラクターたちの演技の強さには
    したたかに作りこまれデザインされたであろうバラツキがあって、
    それが外の景色をも取り込んだ空間にしっかりと生きる。

    時間が織り込まれたその場の質感が
    しなやかに伝わってきました。

    ネタバレBOX

    ソワレを拝見。

    客入れ時からすでに、その場というかお店のスタイリッシュな雰囲気が醸し出されていて。
    狂言回しの言葉で時間が動き
    そこに関わるキャラクターたちの
    様々なシーンが重ねられていきます。

    実は個々のキャラクターが後ろに抱えているものは
    ほとんど語られることはない。
    オーナーの過去も、訪れる客たちの出身や家族構成も
    恋人の姿さえそこにはない。
    その場にあることだけが
    伝えられていく。

    そうであっても
    個々のシーンを構成する役者たちのお芝居が
    その時間にしなやかな実存感を与えていくのです。

    客席と役者の立ち位置の距離だけで観ると、
    クオリティは十分なのですが
    それぞれの強さや色の濃淡にはばらつきがあって、
    役者の間に必ずしも調和があるわけではない。

    でも、窓の外の演技や景色に目が行き
    その場所を感じた瞬間に
    役者たちがいる空気の実存感に
    がっつりと包み込まれる。
    点描画を見るような感じ。
    役者間のお芝居の色調への違和感がすっと霧散し
    その場所と時間の
    色彩の豊かさとして観る側を惹きこんでいく・・・。

    その場所が感じられると
    今度はその場の質感で
    キャラクターたちのその場所での心情が
    さらなる立体感をもって浮かび上がってくるのです。

    ライトを消して作られる
    外からの光だけの一瞬もとても効果的。
    その場に日々が流れ
    舞台にもうひとつの軸が生まれる。
    いくつかの時間が行き来をする中で
    積もる時間が、それぞれに、しなやかに
    その場所のエピソードとしてはめ込まれる。

    終盤、
    狂言回しとしてエピソードを語り続けた女性の
    生きていく想いのリアリティに心を捉えられる。
    店の閉店の日に重ねられたキャラクターたちの手、
    どこか締まりのない結末に
    かえって失われるであろうその場所の存在が
    より深い記憶にすりかわって・・。

    自らのベクトルを貫き
    その場を作り上げた役者の秀逸に心を満たされて。
    そして、会場のみならず
    外の景色までをとりこんで
    その場所の物語を描き上げた
    作り手たちの手腕に
    改めて感心したことでした。

    ちなみに、この作品、
    お昼に観るとさらに鮮やかな印象がやってくる気がします。
    時間がなくてマチネが観れないことが
    とても残念に感じられたことでした。


  • 満足度★★★★★

    良かったです
    チケプレに当選して行ってきましたが脚本、演出、そして役者さんの熱演に大満足でした。
    やっぱり上野さんの脚本は好きです。恋愛や友情など複数のエピソードを絡ませながらうまく集束させる力には感心させられます(ラストもなんか青春だなーって感じで良かったです)。劇団競泳水着ファンは観て損はないと思いますよ。
    会場の使い方も個人的には◎。ガラス張りなので中から外へはける役者さんの演技も楽しめて新鮮でした。それにこれだけの役者さんたちをこんな間近で観られるなんてすごい贅沢だと思います。

    ・・・追記・・・・
    自分は入って奥側の席だったので役者の出入りの際にそれほど寒くもなかったし、通行人の声もまったく気になりませんでした。逆に手前(窓側)の席に座る場合にはそういったことを覚悟された方がいいかもしれません。

    ネタバレBOX

    中盤~後半に訪れるある事件では川村さん、渡邊さんという2人の売れっ子女優がまさに「熱演」。修羅場特有の凍りつくような空気をしっかり表現されてました。しかしこのあたりは本番をある程度こなして初めて完成度が高まっていくような気がする。自分が観たのは3日目だったので十分でしたが初日とかはまだ固まってなかったのかも?!

    あとカトウさん、兼多さんのコンビ、いずれも初見でしたが掛け合いが絶妙で良かった。ああいう馬鹿ばっかりやってる男友達っているよなーとかほほえましく思いながら観てました。

  • 難しい場所でしたね。
    レンタルスペースを使い、
    ブティックに見立ててのお芝居。

    って、
    ところでブティックって言葉まだ生きてるんだろうか・・・。

    ネタバレBOX

    服屋の話(ブティックの話とはあえて書かない)。

    ・・・ではなく服屋での話。
    この“で”が入るか入らないかは大きな違いだ。

    たぶん今回の話、服屋である必要はなく、単に場所の関係から服屋にしてみただけなのだから。

    なにしろ以下、気になった点をいくつか。

    友情だとか恋愛だとか、なんだか青春チックなものがテーマだったようだが、たぶんこのレンタルスペースをなんとか活かそうとしたせいなんだろうけど、仲間が集まる場所が服屋だってところがもうなんとも『???』で、というかいきなり女子高生をバイトにスカウトするところから無理があり、さらには空手着だか柔道着を持ち歩くその手の部活に入っていた二人がバンドを始めようというのも、まぁまれにはあるんだろうけど、どうなのかぁ・・・といった感じだった。

    途中店長が『なんだか顔が赤いぞ』とイサに言っていたが、かなり色付きのサングラスをかけていてどうやって色がわかったのか不思議だった。

    ブーツの件は結局どういう意味だったのだろう。本当の自分を隠すブーツは脱ぎ捨てて未来に羽ばたく的な感じだったのだろか。ってゆーか、ブーツって女性にとってそんなに意味深なのだろうか、よくわからなかった。

    カネダがアンを押す時おっぱいを押してしまっていた。

    他の俳優が本名から名前を取っているのに、アンは違った。なぜあえてアンリと被る名前を法則を変えて持ってきたのか不思議。

    店長が遅れてやって来た客を上手に案内していて感心した。

    ラストに盛り上がりがなく、え?これで終わり?とびっくり。

    以上。
  • 満足度★★★★

    青春ですな
    上野節を残しつつ、ウェットになり過ぎない演出が渋谷のギャラリーにマッチしていた。
    いつまでも観ていられる(観ていたい)芝居だった。
    屋外を頻繁に使うので窓寄りで観た方がいいのかもしれないが、実はそうでもないと思われる。

    ネタバレBOX

    渡邊安理の華は狭いギャラリーでは眩しい限り。
    対称的に地味な装いながらヒロインとして確かな輝きを放つ川村紗也。
    ふたりがぶつかり合う終盤のシーンは才能の相乗効果を感じた。
  • 満足度★★★★

    入り込みやすい
    オーストラ・マコンドーの過去の公演とは路線が変わった感じがするが、本作の方が私は好きです。
    脚本と会場とどちらが先に決まっていたのかが気になる・・・。賛否両論ありますが、会場のああいう使い方は私はありだと思います。

  • 満足度★★★★

    満足
    会場の利点を使った演出がとても良かったです。
    女優の方々がお綺麗だし、ストーリーも大変満足しました。

  • 満足度★★★★

    (o^^o)
    オーストラ・マコンドー『ヒールのブーツ』観た。甘く切なくビターな青春グラフィティは上野さんの真骨頂。それを天才倉本が渋谷の街ごと演出して見事!俳優も皆素晴らしいが、個人的にはカトウ、兼多の良い仕事っぷりか印象に残った。

  • 満足度★★

    日常の中のドラマ
    あるアパレルショップに出入りする人たちに起こるちょっとした出来事が淡々と描かれた作品でした。

    渋谷から少し離れたギャラリー的な空間の会場の立地条件を上手く使っていて、会場の外まで取り入れて日常とそのまま繋がった空気感がかもし出されていました。
    役者たちは役柄を自然に演じていて、特に女性陣は実際にいそうな雰囲気で素敵でした。

    意図的にそうしているのだとは思いますが、それぞれのシーンの繋がりが感じられず、全体的にもあまり起伏のない物語の展開で、1時間ちょっとの上演時間が長く感じました。
    各シーンでの感情の表現には惹かれるところがあったのに、総合的にはあまり満足感を感じられなくて残念です。

このページのQRコードです。

拡大