死と再生とロックに 公演情報 死と再生とロックに」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.2
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★

    ポップコーンムービー的死生観。
    リアルに対してニュートラルな視点でありつつも、ニートの騒がしい思考がカラフルにぶちまけられたパンチのある演出に驚愕した初演。
    その後の企画公演、鬼FES.2010ではバンドの追っかけをするバンギャの狂騒をぶった取り、『何も考えてなさそう』にしか見えないキャッチーな汚れキャラに徹する姿勢が潔く、強烈に印象に残った。
    二作品とも、彼/彼女たちのアイデンティティの目印を間接的に示していたようにおもわれるのだが、今回の公演ではその兆しはポップと言えば聞こえはいいが、ポップコーンムービーみたいに安易でお手軽な自殺願望という形で表出する。
    彼/彼女らは正気なのか。正気なフリしてSOSのサインを出しているのか。その真偽を見極める目から逃れられなかった。

    ネタバレBOX

    ネットを通じて知り合った自殺志願者たちが同メンバー(未亡人)の所有する別荘にやってくる。
    彼/彼女たちは、まもなく訪れる死を祝い、これまでの人生をねぎらうパーティーを催してから練炭自殺をする予定。

    クダラナイ世界には価値がないとか、かつては同士だった者の成功が憎いとか、フラレた腹いせに。とか死にたい事情は人それぞれ。

    気持ちも気合いも整っているものの、心のどこかに迷いがあるのか自殺はなかなか決行されない。
    そればかりか、パーティーさえはじまらない。
    パーティーの終わりは、人生のピリオドを示唆する。

    それを知ってか知らずか、未亡人はもたもたとパーティーの準備に徹している。
    そうすることで逸る気持ちを落ち着かせているんだろうか。
    準備を手伝おうとする者は特におらず各自、くつろいだり、時折口喧嘩をしたりしながらも間もなく訪れる己の死を想い、途方に暮れる…。

    彼/彼女らは一体何を考えているのだろう。
    自殺のこと、生きること、死ぬこと、誰かを愛するということ。
    そういった誰それの気持ちが、イマイチよく掴めなかった。
    そして、誰も本心を語っていないような疑惑に囚われた。
    そういえば、いちばん最初にロ字ックをみた時も、そうだった。
    ギリギリまで感情を吐き出さない若者を
    『何を考えているのかよくわからない』とおもったのだった。

    相手の気持ちがわからないことは日常生活を振り返ってみると決して珍しいことでははないし、相手に本心を見透かされないようにすることだって恒久的に行われている。しかしながら演劇というフィールドにおける『わからないこと』はなにかとネガティヴな感情として捉えがちである。(第一、自身が理解できないことをひとは恐れるし、場合によっては無関心にもなる。)
    そういった摂理や事情があるなかで、それでもあえて本音を悟られない素振りをみせるのは、理解や共感を超えた世界が存在することを、それを認め合おうとしない趣向がはびこることへのアンチテーゼを臭わせる。そして誤解をおそれずに信念を貫くこと。
    このセオリーは非常にロックだと私はおもう。

    話はやがて、ぐだのパーティーははじまるものの、”生きたくない、逝きたくない”の振り子で自尊心もポリシーもふらついた鳴かず飛ばずのピン芸人が、売れに売れるばかりでなく、間もなく結婚式を迎える元相方を、死ぬ前にぎゃふんと言わせるためにメンバーらに協力を募り、花嫁を奪いに行って人生の目的(誰かのために生きること)を見つけた芸人は死にたいから生きたいへと転調し、事なきを得る。その他の者たちもそれぞれわずかながら、生きることに対して前向きの兆しが見えた。
    それは表向きにはハッピーであるかもしれない。
    そしていい大人たちのドタバタ劇を横目でみていた女子高生の叫び。
    どんなに世界を憎み、蔑んだとしてもロックだけは自分の味方なんだって気付いたこと。ここにいていいんだよ、って教えてくれたこと。
    裏を返せば誰もわたしを救わないシビアな現実をこれからサヴァイヴしていくことに気付いたことは、絶望的かもしれないが、女子高生の小さな成長をもたらしたのではないかとおもう。
    だからラストで人類肯定曲が流れた時、なんか救われた気がした。
    それは一瞬の儚い共同幻想かもしれないけれども、明日に繋がる希望だと信じるほかないという諦めや切なさを飲みこむ強さがあった。

    欲を言えば、核心に踏み込みこまないことを武器にした”混沌とした乱雑さ”をもっと感じたかったし、“死“と”生”の揺らぎやその質感をざらついた感触でもって多層的に、そしてストイックに打ち出してもよかった気がする。
    とはいえお得意のマシンガンジョークは笑えなさ過ぎてかえって笑けてくるし、心地よいタイミングでセンスの良い音楽が流れるのは流石だし、独自性を持っているロジメンも着実に増員しているし、次回は王子小劇場だし、見逃さないっ!
  • 満足度★★★

    シュールで個性的
    シュールで個性的。
    でもその笑いがあまり私には合わなかったみたい。
    「ロック」感って人それぞれ感じ方が違うとは、
    思いますがあまり感じられなかったかな。

  • 満足度★★★

    ちょっと見づらいかな
    導入部部分や後半は面白いと感じましたが、中盤ちょっと物語的に中弛みを感じたので、もう少し物語が欲しかったかな。
    後セットについて、今回こんな形にした意図があまり活かされてなかたっというか、見づらいだけになってるだけだったかな。

  • 満足度★★★★

    もっとロックに
    山小屋ロッジに集まった自殺志願者たち。ストーリーがなんとなく進んでいってしまった感じでした。「腐ってるならロックを聴け」という舞台を期待していたのですが……。タイトルや説明に「ロック」という言葉が無かったら気にならなかったかもと思いました。

  • 満足度★★★★

    次回も
    元音楽関係の主宰者だけあって、音楽ネタが随所に散りばめられていて、個人的にはよかったです。
    セットのつくりもgoodでした。
    アフタートークで話していた中ノ森さんとのコラボも是非とも実現してほしいです。
    その時はまた足を運びたいと思います

  • 満足度★★★★★

    ブラックユーモアと社会性の演劇
    正直好みは分かれると思いますが、個人的には好きな作風。
    勢いを感じるし変な後味がありクセになりそう。

    ネタバレBOX

    集団自殺しようと集まる人間たちの話。
    正直集まった人間が全員自殺しようとしている感じがなかったが、
    そのいい加減さが今の世の中のいい加減さを表していて、ブラックユーモアをとてつもなく感じた。

    オチも「なーんちゃって」で終わるためひとつも正解のない作品。
    そのため好みははっきり分かれると思う。
    個人的にはこの正解のない社会性とテーマに共感しました。
  • 満足度★★★

    もっとはじけてほしかった!
    個性的な役者さんの演技と個々のギャグは楽しめましたが、全体としてのロック感はあまり感じられませんでした。

    ネタバレBOX

    世の中つまらないし、うまく行かないし、でもそれで自殺しようということになるでしょうか。そして今度は、彼女を奪い取ったお笑い芸人は別にして、他の人が自殺を止めたくなったという心情の変化も良く分かりませんでした。

    役者さんは個性的でした。お母さんは面白いし、悪だくみのオカマのつれあいは美声だし。

    女子高生の目も好きです。喧嘩売ってるようで…、自殺志願者の目ではありませんが。

    お笑い芸人も、こちらの方が売れてもおかしくないような感じで、才能に大差があるようには見えませんでした。

    下ネタですって!?下ネタしか話せないという台詞を聞いてから、へーっ下ネタしゃべっているのかって思いました。単語は下ネタとは言いませんよね!!そして、単語の連発のどこが面白いんだか分かりませんでした。
  • 満足度★★

    う~ん
    個々のキャラは面白いのに、この芝居の世界観には入り込めませんでした。なんかバタバタやってるなーって感じで。好みの問題かと思いますが。次回作に期待します。

  • 満足度

    うーん…
    色々なところでチラシを目にしていた□字ック、今回初めて観たのですが好みの作風ではありませんでした。

    集団自殺をするために、寂れた山荘に人が集まって、その中の1人の希望を叶えようとドタバタが繰り広げられる物語でした。

    ストーリーも演出もありきたりで、笑えないギャグがハイテンションで続き、とても疲れました。舞台の作りが少し変わっていましたが、あまり活かされていなく、むしろ見切れることが多く見辛かったです。

    物語に絡む形でクラシックの某有名曲が1曲出てくるのですが、ストーリー上その曲である意味があまりなく、その曲のジャズバージョンの既成の音源があるから選んだだけに見えたのも残念でした。

    もう少し芝居として骨のあるものを作った上に笑いを入れないと、ただ上滑りした感じになってしまうと思いました。

  • 満足度★★★

    見辛かったのが残念
    その舞台の形が面白くはありましたが、活かしきれてない感はあったような。役者が個性的で良かったです。

  • 満足度★★★

    てんこ盛りでした。
    まぁ、つまりはなにかと盛り込まれていました。

    ネタバレBOX

    それにしてもてんこ盛りの『てんこ』って、いったいなんなんでしょうか。まぁたぶん、調べればわかることでしょうが・・・

    なにしろ今回の舞台、まさにそのてんこ盛りのようになにかと山盛りで、けれど結局なにがメインなのか、誰が主役なのか、そんなこんながよくわからない、まさにその『てんこ』のようなそんな内容でした。

    死にたがりのくせにやけに明るく、緊迫感がない連中が集まったところからもうなんだか『てんこ』状態で、最後はどう見ても女性な方をオカマに仕立てあげるところなどもまさにそれでした。

    役者さん達は皆さんとても実力があるように見えただけに脚本と演出が残念な感じに思えました。

    間の取り方がどうにも昭和な感じで、最近のボケとツッコミを短時間に何度も何度も入れる様なやり方から少々取り残されてる気がしました。

    次回作に期待です。
  • 満足度★★★★

    全人類肯定曲
    終演後にさりげなくBGMとして流れた「全人類肯定曲」が、作品の内容とぴったり合っていたのにはビックリ。違う世界で活躍するようになっても、目指しているものは同じなんだと感じました。

  • 満足度★★★

    やりたいことを
    やりきっている様が微笑ましい。ただ、期待していたロックっぽさは感じられず。

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