心の余白にわずかな涙を 公演情報 心の余白にわずかな涙を」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
21-30件 / 30件中
  • 見終わった後に
    人々がみんなもってるであろうココロの隙間を埋めるものはなんだろう?って考えてしまいました

  • 満足度★★★★

    絶妙なバランス
    チラシのビジュアルや過去に上演中止になったエピソードから過激な感じなのかと思いきや、作・演出のマキタさんが当日パンフにも書いてある通り、とても地味な作品でした。しかし、とても印象に残る作品でした。

    両性具有や不妊、知的障害、在日韓国人、自殺、信仰など重いテーマが次々に出てくるのですが、殊更に暗いわけでもなく、笑って良いのか悪いのか微妙なところを突いてくる、ウケ狙いではないユーモアもあり、単純に楽しいとか悲しいとかにならないバランスが良かったです。

    それぞれの登場人物が抱える問題をすぐに明らかにせず、話の展開から少しずつ見え隠れしてくる物語の展開が、説明し過ぎず、しなさ過ぎずで良いバランスでした。

    役者の演技はそれぞれの役に合っていてとても自然でした。特に牧師さん役の方は何ともいえない暖かみを感じさせ、本当の牧師さんみたいでした。

    客電を落とすのに必然性を持たせた始まり方と、さりげなく舞台から誰もいなくなってカーテンコールを起こさせない終わり方が現実の生活の一部を切り取って舞台に乗せた様な効果を出していて素敵でした。

  • 満足度★★★★★

    ホンモノ!
    エンタメとかファンタジーが全盛の時代に、その真逆を突っ走る志しと潔さが好きだ。ストーリーというよりも作品の質感、例えば手触り感だとか匂いだとか、そういったものがしっかりと感じられるところに演劇としてホンモノを感じる。

    さまざまなエピソードを重ねながら、誰しもが心に持つ闇の部分をベールをはぐように見せていく。この劇団、終わった後、カーテンコールがない。いやカーテンコールなど出来ないのだ。何故出来ないのか、舞台上提示されたものは全て現実であり、幕が下りたとしてもリセット出来るものではない。役者も同様、終わった瞬間に現実の自分にすぐ戻れるような作りの芝居ではないのだ。

    見終わった後、観客は心に残った重いものを引きずって会場を出る。好き嫌いはわかれるだろうが、これこそが演劇ではないだろうか?

    ネタバレBOX

    開演前、遠くでかみなりが光り、次第に雨音が聞こえてきて、最後に嵐になって停電とともに舞台が開演する。なんて素敵な始まり方、芝居の始まり方としては今年観た作品の中でベスト1だ。

    今回の芝居では後半実物が登場する人面魚が象徴的、ぬめっとして気持ちが悪く、得体の知れないもの、マキタカズオミが描きたかったものはそういったものではないか。人間の心の中にとぐろを巻く得体の知れない感情、通常我々が隠して生きている部分を少しずつさらして見せる。

    すごい作品だと心から思う。
  • 満足度★★★★

    観れてよかった
    もし2年前に公演されていたら観る事ができなかった作品です。

    張り詰めた空気が苦じゃない。

    ただ切なくて涙が溢れました。
    喪失と絶望の果て・・・それでもみんな生きていくんですね。


  • 満足度★★★★

    これは
    会話に包まれちゃいます。

  • 満足度★★★★

    耐えられない軽さの秀逸
    一つずつのシーンに満たされていく、
    言葉にすると崩れてしまうような、
    観る側にとってどこか逃げ場を失ったような
    底の浅さや軽さ、
    さらには滴り匂う
    人間の本質に息を呑みました。

    そこには、
    演劇でなければ表現しえないような質感を感じました。

    ネタバレBOX

    初日を観ました。
    劇場に着くころにはかなり雨が強くて・・。
    劇場に入って、
    客入れ中に次第に強くなってくる雨の効果音と
    雷鳴が観る側を舞台の空気に馴染ませていく。

    その中での秘めごとの質感が観る側に置かれます。

    舞台は離島のキリスト教会。
    聖堂での会話から
    いくつもの人間模様が交差していきます。

    それぞれを縛っているもやいのようなものが
    次第に浮かびあがってくる。
    それは、事故への償いに始まって
    知的な障害を持った妹のことや、
    不妊のこと・・・。
    それらは、登場人物たちそれぞれの人生にとって
    多くを占めること・・・。

    でも、そこには、言葉では表しえないような
    行き場のない底の浅さと軽さが醸されて・・・。
    それらは、人間の本質から滲みだすような
    ある種の匂いとともに観る側に染み入ってきます。

    知的障害をもった女性の、
    抱えきれないものの溢れ方のリアリティがとても効いていて、
    個々がなにかを手放す刹那に漂う
    それぞれから溢れたものの
    耐えられない軽さと温度に、
    目をそむけることができずに見入ってしまう。

    キャラクターたちに愚かさを感じるわけではないのです。
    むしろ、個々のなした選択は
    とても賢明なもののように思える。
    でも、その選択に潜んだ
    ある種、手放したような浮遊感に、
    人の弱さやコアにある欲望が発する、
    演劇でしか表現しえないような
    観る側が拒絶できない腐臭が織り込まれていて・・・。
    作り手にしか描きえないであろうその質感に息を呑む。

    冒頭のシーンを伏線にとりこむ
    終盤の牧師兄弟と両方の性を肉体に有した女性の
    それぞれの姿にも目を見開きました。
    拒絶する弟と歩みをすすめる兄、
    その現実を受け入れる女性。
    弟とのいきがかりが解けて
    さらに生きることへの強さと、
    ある種の後ろめたさと生臭さのようなものが
    やってきて。

    ネガティブな物語ではないと思うのです。
    でも、それぞれが自らの歩みを進める中での
    理性をこえたコアのような部分の
    想いの匂いが消えない・・・。

    作者が表現したかった意図が
    本当に理解できているかは疑わしいのです。

    でも、よしんば違っていたとしても、
    作り手の表すものに
    静かに強く打ちのめされてしまいました

    ☆☆★★◎◎△
  • 9月16日(木)S
    深く切ない感情が静かに。

  • 満足度★★★★

    本当のところはわかりませんが・・・
    エロのニオイが漂う舞台では男性客の出席率が高まる気がします。

    おっぱい万歳です。

    ネタバレBOX

    けれど残念ながら(?)おっぱいは出ませんでした・・・。

    ああ、おっぱい・・・

    と、期待で胸おっぱいに膨らませていただけに、こりゃ失敗だったかなとなんだかすっぱい思いに囚われていましたが、いやいや・・・これはこれでなかなかに魅力いっぱいの舞台だと途中からは完全に入り込んでいました。そうしていつのまにやらおっぱいのことなどは頭の隅っこの方に寄せて上げられていました。

    いや、その表現完全におっぱいのものだな・・・。

    さてと・・・

    物語ですが、次から次へと問題が提起されるおかげで飽きることなく観続けることができました。両性具有っていうんですか?ですとか、不妊の問題やら、なんやらかんやら・・・。

    そしてそれらの物語がとても丁寧にゆっくりとじっくりと、そしてしっとりと演じられていて、そのスピードがとても心地良く、なんだかまったりと、そしてうっとりとしてしまいました。

    役者の方々はとても安定していて、セリフは聞きやすく、笑顔が自然で・・・特に牧師役の方、すごく良かったです。そして韓国人の方と、その奥さんも、従業員役の男の子だとか、漁師役だとか、その妹だとかも良かったですね。

    ってあげていくとホントに全員が良かったです、素晴らしかったです。

    セットもとても良くできていて、なんだかホントにその場にいるような、そんな本物の臨場感を味わえました。

    いやしかしほんと、こうやって振り返りながら書いてみると悪いところが見当たりませ・・・って、あ、いやダメだ。おっぱいが出なかったんだった。

    はい、★一個没収です。
  • 満足度★★★

    話に耳を傾けてきた
    登場人物のやり取りが入れ替わり立ち代りで、何を中心にして見れば良いか、分かりにくいところがあった。やり取りによっては間延びして、飽きてしまうところもあると思うのだが、「登場人物の話している内容に如何に耳を傾けられるか」がこの作品のポイントだと思う。あくまでも一個人の受け取り方に留まるので、多数の解釈はあると思うが、自分は各々の背負うものの独白に耳を傾けてきた。その独白に応えることに詰まるのは、自分もやはり、人の気持ちの分からない人間なのか?と思う。
    (2年前にこの公演をお蔵入りにした理由はこの際考えないことにする。)

  • 満足度★★

    うーーーーん
    僕はどう見たら良いかわからなかったです。
    他の人の感想が、是非聞きたいっっ。

    ネタバレBOX

    冒頭の暗闇にロウソクの灯りはドキドキして、先が楽しみだったけど。あとは、色々なエピソードがフワフワして終わった感じ。主人公はバイセクシャルではなく、両性具有ってことなんだろうか?何だか教会の話なのに、僕は見所がわからずに救われないないなぁ、なんてしょーもない事を思った。

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