あなたとわたしのための時間 ツアー2010 公演情報 あなたとわたしのための時間 ツアー2010」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    兄弟だから?
    お互いに手を動かす中で
    解けていくものがあるのかなとか
    思ったり・・・。

    常ならない状況が重なる中での
    自然な質感がとても印象に残る作品でした。

    ネタバレBOX

    入場して
    場内の半分以上を占めるマンションのセットが
    こみ屋敷化している姿にびっくり・・・。

    妹の目覚めで舞台が始まって
    冒頭はどうなるのだろうと息をつめていましたが
    そこに暮らす妹と
    訪ねてきた兄の距離感の絶妙さに
    すっと二人の世界に入り込むことができました。

    兄が掃除を始める・・・。
    そのなかでさらっと自分の婚約が破談になったことが妹に告げられる。
    一方かたずけが進む中で
    妹の上司との不倫関係も明らかになってきて・・・。

    次第に片付いていく部屋が
    明らかになっていく互いの想いを
    しなやかに増幅していくような部分があって
    うまいなぁと思う。
    新聞を縛るように兄に頼む妹から伝わってくる
    妹の兄に対する甘え心・・・。
    掃除を終わる前に何度も帰ろうとする兄の
    ちょっと迷ったような感じからこぼれだす
    妹との距離感やプライド。

    部屋がきれいになる中で
    二人に共通する部分というか
    互いの似通った不器用さのようなものが
    部屋の床面と同じよう面積分姿を現して・・・。
    単なる兄妹を描いたお芝居とは
    ちょっと異なるクリアな感じがやってきて。

    物語の終わり方もとても自然な感じで、
    安易でなくきちんと納得ができる・・・。

    お互いが混沌とした状況のなかにあっても
    掃除をすればふたたびそんな風に話ができる兄妹が、
    一人っ子の私にはちょっとうらやましかったりもしたり

    アフタートークもとても面白く。

    すでに30年の歴史がある劇団だそうですが、
    初見の私にはとても新鮮。
    もしまた、東京に来ることがあれば
    是非に観たいと思ったことでした。

  • 満足度★★★

    「合鍵」を観た!
    コメディタッチだけれど、女性特有の心の機微が描かれている場面ではシリアスで意外にこの描写が長かった。もっとコミカルな描写の方が「兄妹」と対比したインパクトがあったかもしれない。

    好演後の懇親会がものすっごく楽しかった!(^0^)
    劇団のかたがめっさ、気遣ってくれてどなたにも満遍なくお声をかけてくれたのも良かったが、たまたまワタクシが座った席はやけに盛り上がって話が弾みまくった!

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    懇親会(飲み会)の席で、周りの男性に「合鍵」と「兄妹」のどちらが好みだったか?と聞いたら、「合鍵」と答えたから男性の視点からは「合鍵」が好みなのが解る。理由は一度壊れた男女の関係が修復する展開が良かったとのこと。一般的に壊れた恋人同士は修復する可能性は少ないから。という言葉に、男性ってそんなふうに考えるのか・・・、と改めて発見する。笑

    舞台は家庭を持っている女性が、10年前に付き合っていた(不倫)男性との別れ際に「もし10年経ってお互いの気持ちが変わっていなかったなら、10年後の今日、ここで会おう。俺はここで待ってるよ。」との言葉を思い出した女が当時の合鍵で部屋に入って肉じゃがを作って恋人を待っていた場面から始まる。しかし、帰宅した男性は別人だったことから、話がややこしくなる。つまり、10年前にここに住んでいた鈴木はもう既に居なかったのだ。大家が鍵を変えずに次の入居者にレンタルしたことから、こんな間違いが起こる。

    そんなややこしい部屋に2日前に別れた女が入って来た事から男は誤解されまくる。この場面でのセトトモコのマシンガンを撃ちまくるように男を詰るセリフが絶妙!実にコミカルで楽しい!ついでに見せパンチーを惜しげなく見せまくって観客サービスするのも嬉しい。どうせなら、脱いじゃってよ。ストッキングの下はノーパンってどうよ?みたいな心持になって舞台にかぶりつきたくもなるが、そこは大人な理性が全面に押し出て本来の感情を隠す。笑

    大きな誤解を受けていたたまれなくなった男は弟を部屋に呼びつけるも結局薬局、弟にも誤解される。で、最終的に合鍵で侵入した女性が説明をして一件落着になるが、ここでの女性特有の、「母親としての役割以外に夫から女として接して欲しかった。秀雄(10年前の不倫相手)は私を女として扱ってくれた。」とのたまう。このセリフは世の男からみたら、「それで不倫されたらたまらんでしょう?だったらお前は男として俺を見てたのか?」といいたくもなるが、いあ、ワタクシ女ですが。笑
    つまりだ、男も女も家庭を持ったら対外的には男でも女でもなくなるのだと思う。それでいいじゃん!って思う。だって既婚者男性を男だと感じたことは一度もないからだ。逆に既婚者を男とか女とかの視点でみたらヤヴァイっしょ?笑

    こうして2日前に別れた恋人たちも修復し元の鞘に納まる、ってスンポーだったけれど、意外に好感だったのはセトトモコ演じる女だ。楽天的で直情的で案外、扱い易い。自分の気持ちをストレートに表現する女性って付き合う側からみると解り易くて楽だと思う。単純さが楽なのだ。

    そうして舞台終演後、懇親会へと場面は移る。わーー!酒だ酒だーー!!宴会ワッショイ!!


  • 満足度★★★

    「合鍵」観賞
    なかなか、心の琴線、揺れを捉えたうまい作品だと思います。
    1月に観た岸田國士短編集を彷彿とさせました。

    ただ、暗転が長い。。
    また幾つか間延びした場面があって
    そのあたりが少し残念です。

    今回この劇団初見でしたが、
    結構地力がありますね。また観たいです。

  • 満足度★★★★★

    「兄妹」を観た!
    どちらも不器用にしか生きられないさま(恋愛)を二人芝居で淡々と魅せつけながらも、心にじんわりと響く物語だった。
    私たちの生きてる世界では本当にあるかもしれない日常だけに深く突き刺さる。決して派手さはないけれど、素晴らしい舞台だった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    ゴミがちらかって足の踏み場もない妹のマンションに兄が尋ねてくる。妹のだらしない生活を見て、兄は部屋を片付けていく。片付けながら兄は結婚が破談になったと妹に報告するも、どうしてそんな事になったのかを問い詰めて行くと、電化製品や彼女のマンション家賃も兄は貢いだ挙句、男が出来て捨てられたという。

    散々彼女に巻き上げられて捨てられた兄のかたを持ち怒る妹。それでも兄は元カノを悪く言わない。「自分が無頓着だった。長いこと一緒に居ると気を遣わない関係になって、それでいいと思い込んでた。だけど幸恵はそれじゃ駄目だったんだ。あいつの気持ちが解らなくて鈍感だった。」と反省する。

    熟年離婚のような言葉だ。大抵の夫が妻の気持ちに気づかなかった。みたいな・・。兄にとっては予想外のことだった。

    一方でそんなお人よしの兄を妹は「呆れるほどの根性良しバカ!」と詰る。
    しかしそんな妹自信も家庭を持った男と不倫をしていた。しかもどうやらその男にとって都合が良い存在になってる妹。「待つ女」なのだ。そうして男が妹のマンションに寄り付かなくなってからというもの、部屋は荒れ放題になる。そんな妹を見かねて「おまえがどんな男を好きになろうと、どんな男に尽そうといいんだけどな・・・、自分の事ももっと大事にしろ。」と諭す。

    要するにどちらも恋愛に関して誠実で人が良いのだ。兄の実直で真面目な性格。妹のそこそこ要領がいいけれど好きな男には尽くしてしまう甘さを演出し魅せる。そしてこの二人を生んだ実家の両親もお人よしなのだ。だから観終わった後に人間の温もりに触れたような気になる。どこか深い部分に甘水でも注がれたような心持ちになるのだ。だから・・・、ただただ二人の演じる空間を観られたことが幸せだったりする。

このページのQRコードです。

拡大