押入れのちよ 公演情報 押入れのちよ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★★

    優しさと切なさに彩られた怪異譚
    山田太一の「異人たちとの夏」などと同系統の優しさと切なさに彩られた怪異譚(でありながらユーモラスでもある)、原作は未読なのであくまで推測の域を出ないが、原作の良さと脚色・演出による面白さがうまく噛み合っている感じ。
    壁や押し入れの襖に紗幕を使い、照明によってそこに人物を浮かび上がらせるというのは時折ある手法ながらこの内容には効果的だし、テレビを観ているシーンの見せ方(テレビを表現した装置も含む)や主人公が住んでいるマンションの精巧なミニチュアを舞台下手端に置き、説明する場面でその屋上を開く(立てる?)とフロアの平面図になっているなどというアイデアも見事。
    見事と言えば、タイトルロールを演じた安田杏の喜怒哀楽表現も良く、今後の活躍に期待。
    また、同名別人の「ちよ」役、神道寺主宰も表情(ドアの新聞受けから見える目だけの演技もアリ)が楽しいし、ある意味オイシイ役。(笑)
    さらに、連絡がつかなくなったカノジョの幻影を主人公が見る場面で、カノジョ役の女優(バレエ経験があるんだろな)にトゥシューズを履かせ、抱きつこうとするのをターンでかわすなんて演出も巧い。

  • 満足度★★★★★

    カチューシャの歌
    連日満員御礼だそうで、当日券のお客様をお断りしている状態!
    だから、予約して観に行くべし。
    それでも2階席に客入れしないのは何故か??
    混んでる時は、2階に続く階段も客席にした劇団があったけれど・・。
    なんだか、当日券を断られたお客様が気の毒で・・。

    舞台は上質なユーモアのあるセリフに笑い、心温まる物語とちょっぴり切ない物悲しい情景にヤラレル!
    ホラーではない。コメディ色の強い優しい物語だ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    リストラ同然で会社を辞めた恵太は36000円の超格安マンションに引っ越した。そしてその部屋の押入れの中に、市松人形のような明治39年生まれの14歳のちよ(幽霊)が住んでいたと言うお話。
    この幽霊がちっとも恐くない。最初、びびっていた恵太はちよが人相を見られると知ってから就活先の多数の社長の人物を尋ねながら、何となく仲良くなっていく。
    ちよはちよの両親が死んでから親戚に財産を取られ売り飛ばされた挙句、カラゆきさんとなって、その後マラリアにかかって死んだという過去を持つ。

    14年生きてきて何か楽しかった事があったか?と恵太に聞かれ、その答えが切ない。ちよの悲運な運命を聞き、恵太は己の傲慢さに気づき、恵太自身も人として変わっていく。

    ここに住んでいる301号と303号の住人のキャラも楽しいし山下千代も愉快だったし、その上、霊媒師にはすんごく笑える!(^0^)
    ちよが歌う「カチューシャの歌」に懐かしさと哀しさを漂わせキャストの演技力で魅せる!

    セットの作りこみも上手いなぁ。。ひじょうに質の高い舞台でした。
    お勧め!(^0^)


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