ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】 公演情報 ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-20件 / 31件中
  • 満足度★★★★★

    罪の置き場所。
    人間の無意識層に眠る本性をスケルトンにあぶりだし、リアルタイムの日常を鼻歌でも口ずさみながらスラスラとスケッチしてしまうようなところにこの作品の凄さがあり、恐ろしさがあります。そしてグロい、キワドい、カルト、ヴァイオレンスなどという使い古された言葉を粉々にした怪人の手招くほどよく壊れた世界にただもうひたすらヤバイくらい満たされていくだけ。何だろうこの感じ。とにかく観て欲しい。なんかもう、それしか言えない。

    ネタバレBOX

    日々のタイムスケジュールの中に組み込まれているルーティーンワーク化された暴力行為に忌々しささえ抱きながらも制裁を下し続ける被害者家族と、暴力行為を受けることによって犯した罪を償い続ける加害者という逆転の構図。
    肉体的な暴力をひたすらフィルムに収めることに心血を注ぐ映像作家の視点は観客の心理を代弁し、同級生を殺害した美少女は、加害者の青年の思惑を背負っているかのよう。

    善悪で割り切れないグレーの世界は病的で狂ってる。と言ってしまえばそれまでだけど、事を追っていくと、怖いくらいつじつまが合う。

    傷を舐め合うように罪とか罰とか擦りつけ合って。
    犯した罪を償う手段はあるものの、互いを許し合える決定的な方法はない。
    もうこれ以上、手の施しようがないことを知っているから、誰もが核心に触れることを諦めていて。
    誰かが殺されたり、誰かが自殺しても不思議と憤りを感じない。
    同情のないあっけない死は事件というよりも、不慮の事故に近いから。
    嘆いたり悲しんだりなんかしないで自分の立場を気にしてる。
    思いやりがすっぽりと抜け落ちている。
    見つかったらヤバイ。だからなかったことにする。
    口が軽そうなヤツもまとめて処分してしまえ。
    そう、すべては合理的で、利己主義で、理にかなっているのだ。

    当団体は初見だったが、終始、演劇という名の虚構の枠組みからはみ出している印象を受けた。芝居くさくない役者の振る舞い、嘘くさくないダイニングキッチン、完成されたテキストからあえてひとの心の動きを停止させ、部分的にそぎ落とし、曖昧にぼかしたような演出の仕方、共感されるキャラクターが誰ひとりとしていないこと、凄い画を撮るためならひとり死ぬくらい別にいいし。とか本気で思ってそうな映像作家の、正気の面したクリーチャー等の殺意に満たない小さな悪の集まりが、圧倒的なリアリティを獲得していたからだ。人を殺した人間は、殺されて然るべきだろう。という誰もが一度くらいは感じたことのある素朴な正義感を、被害者側と加害者側に優劣をつけずに同レベルから捉える試みも秀逸だった。残虐なシーンをあえて見せずに、観客の想像力のみで暴走させる不健全さ。魂を浄化させるような柔和な光の傾き。醜悪さと美しさのアンビバレンス。ゾクゾクきた。クセになりそう!
  • 集団心理
    集団心理は怖い
    一度それて行くと何処までもそれてゆく
    修正が利かない
    修正を使用とする者が悪となる

    そして 人が落ちて行く様は気持ちがいい

    想像でみせるシーンが印象的だった
    エレファントならではの世界静けさの中の狂気

  • 満足度★★★★

    笑えない時も笑え。
    (※舞台芸術アワード用の登録。本文は後から書きます)

  • 満足度★★★

    なんともいえない感覚
    少し各登場人物の関係性が判り辛かったのと、物語も掴み辛かったかな。
    後、登場人物数の割りに、上演時間が短く、少し描ききれてなかったかなと感じた。
    (もう少し描いて欲しかったといったほうが妥当かな)

    ただ、なんだかんだいっても観終った後の、爽快感でもなく嫌悪感でもなく、なんともいえない感覚でした。
    ラスト前のバラシ場面、声だけがよかったのか、個人的にワクワクしてしまった(笑)

    ネタバレBOX

    しかしハマカワフミエ、気弱な美少女役と感じたのに、その感じた雰囲気は変えず、また表情もオドオドしいのに、平気でバラす話を進める。ハマカワフミエ、こえーぞ。
    ラストの、ぶっ刺しもお見事。ビックリしたが、でもなぜか納得(笑)。(しかし、役者は毎回大変だな)
    ただ、1番怖いと感じたのは、包丁とノコギリをクロスしてのキスシーンかも。
    あぶねーと思いながらも、そのまま絶対かっ切るかと思ったし(笑)
  • 満足度★★★★

    文字通りの「ブラックユーモア」
    まさに文字通りの「ブラックユーモア」、思いっきりブラック(かつ不道徳?)なのに妙にユーモラスで笑えてしまうのが不思議~、みたいな。
    中には眉をひそめる(どころかタイミング的に拒絶反応を示す)方もいらっしゃるとは思うものの、個人的には支持。
    最近多いスプラッタ系コメディホラー映画の「んなワケねーだろ!」な可笑しさとはまた違った可笑しさが独特。ある意味アレよりもコワいしブキミでもあり…。
    最初の場において、その家で何が行われているか大体はワカるものの細部が見えずにやきもきしていると、次の場以降の会話で薄紙を剥ぐように(←病気じゃないんだが)それがワカってくるのが巧い…と書いていて気付いたけれど、説明台詞がないんだな。台詞でそのものズバリを説明するのでなく、会話の中にヒントを潜ませて観客に知らしめる、な感じ。
    そう言えば、舞台装置(これがまた前作に続いてリアルで、そこから生活のニオイや生活音が流れてきそう)の外(=別室とか廊下とか)で起こっていることを効果音(や聞こえてくる会話)だけで想像させるというのもこのバリエーションと言えるかも?
    で、「解体」シーンは4分くらいにわたって舞台上に誰もいない状態だったと後日言われるまでそのことに気付かず。これってスゴくね?

  • 満足度

    そうかなあ
    リーディングでさわりを聞いたことがある、お話。

    ジャムっぽさって当パンに書いてありましたが。

    劇団員の男優さんお二人が流石の説得力。

    辛いのは好みの問題です。

    ネタバレBOX

    だけど、なぁ。

    私、前回公演位
    ちゃんと作ってくれないと、
    なんかお金払ってそんしたなって
    きになるなぁ。

    まぁ、何を観に来たかってことだと思いますけど。
    まぁ、私はホラー嫌いだよってことだと思いますけど。
    知人の雄姿を観に来ましたーだけじゃ、ちょっとヤダなぁ。

    まぁでも回に寄るのかもしれんですね。
    それもまた演劇の良さってことで。
  • 満足度★★★

    やっぱしelePHANTMoon
    やっぱしelePHANTMoon。
    期待を裏切らない。終盤客の想像に任せてるのも面白い。
    観劇初心者には薦めませんよ(笑)

  • 観ました!
    観ました~
    次回も楽しみです。

  • 0911231900
    観劇
    怖くない血なまぐさ
    楽しかった

  • 満足度★★★★

    生理的に迫ってくる
    ようやく見れました、初エレファントムーン。
    15分やルデコでやった短編は見てるけど、本公演は初です。

    で、今まで短編で描いたイメージとは大きくかけ離れない、ゾワゾワと生理的に迫ってくる舞台でした。

    ネタバレBOX

    前半結構普通に淡々と過ぎていくのだけど、中盤あたりのハマカワフミエさんが出てくるくらいからグッと集中度が高まります。

    贖罪と猟奇、どちらにテーマの重きがあったのかわからないけど、自分としては贖罪に重きがあったと信じたい。
    セリフの途中に「ダリオ・アルジェント」を持ち出してホラーのストーリーのなさを肯定する部分があったけど、この話はもっと深みがあって、単なるショッキングな舞台を提供しているわけじゃないと思う。

    次回はもっとストーリーのある舞台が見たいなと思いました。
  • はじめてのelePHANTMoon
    大好きな役者さんが出ている&話題の劇団ということで、観に行きました。
    めちゃくちゃ好きなタイプの作品ではないんですが、
    十分楽しめました。

    以下はネタバレBOXにて。

    ネタバレBOX

    実は物語の設定が中盤まであまり理解できていなくて、自分の理解力の無さを痛感。
    なので、以下の文章で「違うよ!!」ということがあっても、許してください。

    加害者が罪を償うために、体で償う。
    被害者が加害者に暴力をふるうことによって。

    この制度を利用している家庭の話。

    グロテスクなものとか苦手な自分にとっては、
    暴力の描写は少し観ていてしんどい時もありました。

    でも、話自体はすごく良くできていると思いましたし。
    とくにラストシーンは結構好きです。
    暗転して
    「暗転だいぶ長いなぁ。でも、ここでラストだったら好きかも。」
    と思っていたら、
    客電がついていました。
    「えっ!?こうきたか!!」と思わせてくれるラストは素敵です。
  • 満足度★★★

    あれれー
    前回「成れの果て」にはめずらしく★5をつけたのですが
    それと比べると★2.5くらい‥ 期待しすぎていたのでしょうか

    全編通して「肝心なところは見せない」を徹底しているのですが
    見える部分に狂気が欠けている感じがして、消化不良。
    後半の出演者全員が声と音だけの演出は面白いんですけど
    途中で「もういいよ」と思ってしまったり。

    ラストもなにかインパクト不足。全体的に高低差が少ないんです。
    こんなもんじゃないと信じて、次回に期待。

  • 11月22日(日)S
    極上のファンタジー。シュールでブラックなコメディ。

  • 満足度★★★

    日常の延長の美しさ
    もっと狂気な方向にふれたほうが好みなのだけど、あのワンシーンゆえ、全面肯定してしまう。流される血そのものに怖さはないけれど、血を絶やさぬ営みに、恐怖は宿る。

    ネタバレBOX

    音だけで綴られる解体の時間、取り残されたあまりに平凡で平穏にみえるダイニング・キッチンの夕暮れに、小さな子供がひとり入りこみ、なぜだか絵本を読んでいる姿が思い浮かんだ。それは、あのとき、「結婚式のナイフ入刀みたい」という言葉に導かれたか、あるいは溢れでる血に興奮したからか、 不運な縁に絡めとられるように優子(ハマカワフミエ)が授かることになった子供なのだろう。さらには、死体を跡形もなく消し去るために使った出刃包丁で、優しい笑みすら浮かべつつ夕食の支度をはじめるシーンを連想してみたりして。ああ、彼女は、直前にあった場面のように、両手に鎌を持つメスカマキリのごとく男を喰らい、子を育む生き物なのか。そして勝手に、自分のなかで「解体」を「懐胎」と読み替えて、自然と脹れあがった大きなお腹のような物語を持ち帰れた幸せを噛み締めてみたり。

    とはいえ、もちろん、そんな話ではまるでないのだけれど(笑)、
    空白はときとして饒舌を産み楽しい。
  • 満足度★★★★

    ハマカワの笑顔
    怖い、凄い

  • 満足度★★★★★

    立ちすくむような
    じわっと見えてくる物語の構造の中で、
    なすがままになっていくような
    逃げられない感覚にとらわれて・・・。

    ある種の美学に取り込まれて
    目が閉じられず、
    息を殺して見続けてしまいました。

    ネタバレBOX

    舞台のトーンに織り込まれるように
    次第に物語の設定が明らかになっていきます。

    妙に納得できるというか、
    受容しうる設定のなかで、
    次第に状況が観る者の感覚をくわえ込んでいく前半。
    違和感はあるのですが、
    そういう感じがありだと思えてしまう
    不思議なナチュラル感が舞台にあって。

    役者たちの緻密な間の作り方や仕草の積み重ねに
    観る側がその世界に取り込まれてしまう。
    で、登場人物たちがため込んでいる
    滓のような、何かを蝕んでいくような感覚までが
    爪の間から伝わるように沁み込んでくるのです。

    その感覚が、
    雫一粒でコップの水が溢れるがごとく
    堰を切って流れだす・・・。
    愕然とするくらいに淡々と
    刺殺のイメージや
    自刃のシーンがやってくる。

    そこから、まるで魔物の鎖が外れたように
    キャラクターの深層に醸し出された
    欲望のなすがままに
    物語は進んでいきます。
    何かが崩れたあと、
    陥没が次々に周りの家を飲み込んでいくような感じ。

    役者たちの瞬き半分くらいの絶妙な間が
    蟻地獄に落ちていく感覚にしなやかさを織り込んで・・・。

    ブランクの舞台にリアリティをもった狂気の気配が流れる時間。
    ナチュラルに部屋に差し込む光を見ながら、
    手首から流れ出した血をそのままにしておくような、
    なすがままに堕ちて染まっていく
    逃げ出せない諦観を含んだ感覚がやってくる。

    しかも、それだけではすまず
    観客は
    さらに底がもう一段割れたような
    声を立ててしまうような鮮やかなエンディングに
    息をのむことになるのです。

    観終わって一呼吸おいて、
    ハマカワフミエからやってきた
    深くてどす黒く澄み切った質感に
    ぞくっとする。

    それにしても、なんなのだろう・・・、
    明らかに何かが外れてしまった世界なのに、
    物語の流れを受け入れてしまう自分。
    甘い毒を舐めて、蝕まれていく感覚に
    抗わず身を任せるような、怠惰な嫌悪感。

    蠱惑感に苛まれる自分には
    否定する感情が降りてくるのですが
    でも、自分をその場から動かさない
    未必の故意のようなものも生まれて。

    とても笑えないようなひどい話だとも思うのに、
    なぜかすらっと笑えてしまう部分すら
    いくつもあって・・・。

    映像作家を「すらっ」とその家に受け入れてしまうみたいなシーンが
    前半にありましたが
    その感覚って物語を受け入れる自分にもあるのです。

    好みが分かれる作品なのかもしれませんが
    少なくとも私は、
    作り手側の魔力に囚われてしまったみたいです。

    何気に私をその世界に絡めとり幽閉した
    マキタ作劇・演出の美学のようなものと
    それを具現化させた役者達の力に
    鳥肌立つような想いがしたことでした。






  • 満足度★★★

    ついに
    観た、elePHANTMoon。面白かったです。

  • 満足度★★★★★

    凄い!
    めちゃくちゃ面白かった。

    ネタバレBOX

    最初の音響からやられました。面白い匂いがぷんぷん!
    見ていけば、なんのつながりもなさそうな主婦とタクシー運転手の会話。

    そこから叫び声とともにビニール袋を血まみれにして
    降りてくるグロッキーなもう一人の女性。

    やられた!女性とその夫との優しさ100%オーラにぐっときた!
    もう最初から最後まで想像力を駆り立てられてキュンキュンです!

    衝撃とちょっと笑える雰囲気。

    舞台ってこれです!みたいな。

    もう大満足です。

    劇団五十八号線戦線のハマカワさんがいい味だしてました☆
  • 満足度★★★

    妙な緊張感を~
    持って観ていました。ハマカワさんが怖い!

    ネタバレBOX

    北田の死体を解体するシーンでは、こちらの想像力が刺激され気持ち悪い感覚になるけど妙にニヤニヤしながら舞台を観ている自分がいるのも確か。
    美枝子どうなったのかなあ。島尾夫婦、望美もどうなるのかなあ(ニヤニヤ!)
  • 満足度★★★

    おはつ。
    今までのチラシが肌に合わず興味を持てなかったけど(すみません)やっと観ることができました。1時間20分。

    ネタバレBOX

    後半の展開。普通の動物的な感覚を思えば邪魔者は消すというのはわかりやすい。動揺そこそこに手は動かすよ、強制されなくったって人くらい刻めるよ、やるときゃやるのよ誰だって、解体するにしたがって人間が物体に変化し、魂はどこへやら目の前にあるのはただの肉片。ざくざくざく。

    あとお恥ずかしながら、どなたも触れてらっしゃらないようなので私の完全な見間違い、妄想違いがあり・・・・
    酒巻さんのお腹に人間の手のシルエットが浮かび、その指が時々動いて見えたんですね。なので片腕が義手でど根性ガエルみたいに笑いをとるのかしらと待ってしまったあんなに緊張している場面だのに。それかその手がボトッて床に落ちて自分も人を殺してることがばれる・・・・の展開があるのかと思いきや、全く違ったわけですが・・・ 薬、酒やりません。
    最後もう一声!と感じました。たとえば15秒くらいでたたみかけるような追い込みがあれば良かった。終わりの予感があってから、あのラストがあればまた違った後味に。小林タクシーさんが静かに光る。いい意味で彼はこわい。

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