満足度★★★★★
『LUXSOR』
一言で表現すれば「新感覚SFホラーミステリー」、論理パズルをヒントと解法を与えられながら解いてゆく感覚が「アタマのタイソウ」な前半、「異人たちとの夏」的世界を理系の作家が書くとこうなりますよ、な終盤、ともに従来の SPIRAL MOON にはなかったようなツクリなのに全体に流れるやわらかな空気は変わらず。
また、映画で言えばワイプのように、暗転せずに次の場にスイッチする手法も面白い。後から聞いた話では台本では暗転になっているそうで、こうすることによってブツ切れになる印象が薄ると同時に上演時間短縮にもつながる、的な。
満足度★★★★
『読後感』
『LUXSOR』が理系丸出しだったのに対してこちらはいかにも文系な理屈っぽさ満載(笑)、道に喩えれば理路整然とした京都の街と曲がりくねった山道(獣道?)くらい対照的。
内容的にも「ココロの故障」を片や科学的に内面から、片や言葉によって外面から治そうするハナシだし、装置も白が基調の『LUXSOR』に対してこちらは黒が基調と何から何まで逆というのが面白い。
当初『LUXSOR』のみの予定だったところ「記憶」というキーワードが共通で、初演は2ステージのみであった『読後感』を「歌あわせ」的に組み合わせて交互上演にしたという企画、大成功。
満足度★★★
2本立て
片方は話がいささか強引で、もう一方は引用が多くて頭でっかちな印象。
役者さんはすばらしい人たちがそろっているので、今回は少し残念。
素晴らしすぎた前回と、どうしても比較してしまいます。
とはいえ、ひりひりする空気感は健在。
次回に期待します。