スメル 公演情報 スメル」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
21-29件 / 29件中
  • 満足度★★★

    良かったんだけど‥
    永住禁止令、ゴミ屋敷とかなり奇抜な感じの舞台を想像してたけど、意外に普通な感じの親子ドラマでした。役者も良かったし楽しめたことは楽しめたんだけど‥ホラー映画を期待して観に行ったら、感動的なドラマだったみたいなそんな感じ。良い作品だとは思うけど、やっぱりイメージしていたものと違ったせいなのかな?

  • 満足度★★★★★

    やっばり、人は人と一緒にいたいんだ
    まず、なんと言ってもフライヤーがカッコいい。素敵だ。
    ここに惹かれた。

    そして、舞台は、フライヤーのように素晴らしいものであった。
    平日夜間に満席なのもうなづける。

    表面に見えるテーマ的なものだけではなく、その根底にある人の姿、特に現代に生きる人の姿・気持ちが浮かび上がってきた。

    ネタバレBOX

    冒頭の「東京都永住禁止条例」についの説明にあたるシーンで、「この説明っぽさは、どうかなのかな・・」と思ったのだが、フリーターの男と都の職員が同窓であることが観客にわかり、さらに葬式シーンが続き、「なんだ?」と思ったあたりから、作者の術中にはまったと言っていい。
    この展開、興味の持たせ方は、「うまいなぁ」と思わず唸ってしまった。

    「東京って人多すぎ」ってなことを言っている自分が東京にいて、まさに多すぎの人々を自分自身が形成している。
    「なぜ東京じゃなきゃダメなの?」と面と向かって訊ねられても返答に窮する人も多いだろう。
    そんな人たち(大多数の観客たち)の気持ちに、ざわっとした空気を送り込むような舞台だったと思う。

    東京一極集中、ゴミ問題に、介護や就職難なんていう今様のテーマと、親子の関係、男女の関係など普遍的テーマをうまく絡めて、テーマ、テーマしすぎず、見事に台詞で世界を紡ぎ出していた。
    台詞の息づかいのようなものがとても素晴らしいと思った。

    そんな表層のテーマとは別に、「人と繋がりたいのだけど、うまく繋がることができない人たち」の哀しさが舞台が進むごとにじわっとやってきた。
    人恋しさとでもいうのだろうか。
    だったら故郷に帰ればいいじゃないか、と言われても「いや、でも・・」と言葉は濁る。
    ゴミ屋敷の清掃で人々はかろうじて繋がり、お金や(危ない)仕事、芸能人になるなんていう淡い夢で繋がる。
    儚い繋がりと知りつつも、それにすがってしまうのだ。

    これって、捨てられないゴミとの関係にも似ているのではないだろうか。
    ゴミだから捨てないと、という気持ちと、いつか何かに使えるのではという気持ち。ゴミとわかっていてもつい拾ってしまうような。

    本編ラスト(?)でゴミ屋敷の女主人が泣き、「さて朝ご飯でも食べるか」と言い放つ強さにちょっと感動しつつ、本当のラスト、というか蛇足ともとられかねないラストでは、さらにもう一度、人が人と繋がりたいという欲求と、人との繋がりの危うさを、皮肉を込めて見せてくれた。

    台詞がよかったのだが、ゴミ屋敷の女主人の台詞も若者言葉にやや引っ張られているように感じた。普段あんなふうにしゃべっているのだろうか。ちょっとだけ気になった。

    前作とゆるい繋がりがあると知ってしまったら、前作も観たくなった。再演してほしい。

    蛇足だが、登場人物たちの名字が、1人を除きすべて世田谷区の地名だった。異なる1人というのが、娘の岡村。
    この疎外感は一体なんだったんだろうか。たぶん意味があると思うのだが。
  • 満足度★★★★★

    お〜
    1年待った甲斐があった。

  • 満足度★★★★★

    サイコー!
    平日にも関わらず、満席。
    ギリギリに行ったので、入れないかとドキドキしました。

    初キリンバズウカでしたが、この芝居に出会えた事に感謝。
    先日、カスガイのリビングを観た際、ちょっと気になっていたのですが、
    行ってよかったです。

    役者は少し力不足な感がありましたが、脚本が良いので
    総合点は高くしました。名作です。
    キリンバズウカ、今後も追っていきますよ!
    公演が少ないのが残念ですが・・・

  • 満足度★★★★

    「許し」
    自分は十数回ほど小劇場のお芝居を拝見いたしました。
    今まで拝見した役者の皆さんの多くが大変お若く、その若々しいエネルギーに、30代後半の自分は元気をいただいておりました(吸血鬼的にチューッと)

    しかし今回「スメル」に出演されていた稲川実代子さんの人生スキルに裏打ちされたセリフには、ぐぐっと心を打たれてしまいました。
    人は、許されて生きることで、許して生きていけるんだなぁと。

    拝見できて幸せでした。
    くれぐれも鼻血には気をつけます。

  • 満足度★★★★★

    秀才のつくった傑作
    現在の小劇場の代表作のようだなと感じました。
    ずば抜けて何かがすごいというわけではないのだけれど、丁寧に作られているシーンの重なりに、きっとこの作品は秀才が命を削ってつくった舞台なのだろうなと想像させられ、いとおしくなりました。

  • 満足度★★★★

    いい役者が揃ってますから
    落ち着いてゆったりじっくり観ました。黒岩さんの侘び寂び、浦井さんのキャンキャンする箇所とかもうたまらなく良いのです。自分としては全国各地で芸術が重んじられ、東京に文化が集中し過ぎない時代が来たなら良い水の違う土地へ移動したいのが本音。この人口密度は異常。コンビニ密度も異常。そんなこんな頭をよぎる。その辺りも書くというのをなんかで聞いていたので楽しみにしていました。チラシから想像する母子以外の流れも初心者にも問題なく楽しめ、視点は自由に観られる芝居。作家のバランス感覚◎。役者の息づかいも◎。1時間40分。次も期待。

  • 満足度★★★★

    「スミタイ」か?
    稲川さんのセリフ回しの上手さに感心!!!。  全体は初日だったので多少の硬さはあったのかも。親子は決着したようだけど、他の人たちがどうなったのかチョット気になる(住めるのか?)  楽しく観劇しました。後1回観たい!

    ネタバレBOX

    黒岩さん、足が攣ったのは芝居ですかアクシデントですか?
    細野さんのパッチギ!!。に思わず痛い!
    浦井さんの鼻栓、エピローグの鼻血、あの家は毒があるかも?
  • 満足度★★★★★

    厳然とやわらかな距離感の超越
    初日を観ました。

    完成度の高い作品で
    なにより、シーンごとに伝わってくる
    人同士の想いのしなやかさに心奪われました。

    物語には現実からのデフォルメが加えられているのですが、
    それゆえに、見えるものがあって。
    不要な重さを削ぎ落とした語り口がもたれることはなく、
    でも、想いの交差は、観る側に生々しくやってきて。

    べたな言い方ですが、見事にキリンバズウカの世界に取り込まれてしまいました。


    ネタバレBOX

    登米作劇に魅了されました。
    また、役者が本当によいのですよ。

    ゴミを集めることをやめない女性と、
    そのゴミを整理することによって東京での暮らしを続ける人々、
    さらにはその娘からも広がる人の繋がり・・・。

    架空の条例によってデフォルメされた世界の中に、
    帰る場所があってもその場所に住みつづけたい気持ちや
    住むことができても帰る場所がない不安定な想いが、
    高い解像度をもった表現のなかで観る者を浸潤していきます。
    観客に沁み込んでくる様々な想いには、
    さりげない表層と裏腹に常ならぬ深さがあって。

    人の間の距離感が絶妙。
    で、縮められたとき柔らかな想いが降りてくる・・。
    その色に引き込まれる感じ。

    2回語られる母親の「許す」という言葉が実に秀逸。
    1度目は
    場当たりのようにも思えるのですが
    でも、物語全体をすいこんだようなその重さが
    一瞬遅れて観客におりてくる。
    それがあるから、2度目の「許す」にはやられました。

    人間が抱えたどうしようもないなにかと、
    それが苛むもの。そして癒すもの。
    舞台からやってくる様々な感覚の解像度に目を奪われ
    時間が経つのがあっという間でした



このページのQRコードです。

拡大