新しい男 公演情報 新しい男」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★★

    役者のアンサンブル
    がすばらしい。
    何度でも観られる。観たい。

  • 満足度★★★★

    からっと失敬。
    「からっとして、失敬。」4
    三鷹と招待カンパニーが作る太宰の演劇は通い始めて3年目。
    こういった一つのモチーフで年に1本見られるのはなかなかよい。
    今回は、城山羊の会。

    これほどからっとコメディにしてくれると気持ちがいい。
    当人たちが至って真面目だからこそ、真面目に笑える。
    キャラクタがしっかり生きてくると、眩しささえ覚える。
    特に初音映莉子。わがままな妹/恋人というキャラクタ。
    かなりの当たり役だったのではないか。

    ただ、太宰モチーフじゃなくても、これは書かれる戯曲だったろう。
    この企画の難しいところは、そんなところにも感じられる。

    ネタバレBOX

    太宰が読めない“太宰役”というのは、悪くない。
    ただ、“太宰役”をさらに相応しい人に譲るという行為に可笑しみがない。
    もっと苦悩しろよーって思う。

    三鷹芸劇職員の森元隆樹が“出演”をしていて仰天。ごちそうさまでした。
  • 満足度★★★★

    絶妙の脚本と演技を満喫
    この劇団の芝居を見たのは深浦加奈子の(たぶん)遺作になった「新しい橋」が最初。舞台を見るかぎりこのときは病気の気配などまるで感じなかったのに、その半年後に彼女は亡くなってしまった。
    そのあと「新しい歌」「新しい男」と似たようなタイトルが続いている。見続けているのは別に深浦加奈子に義理だてしているからではなく、ただ作・演出を担当する山内ケンジの芝居が面白いから。
    今回も期待を裏切らない内容だった。

    ネタバレBOX

    三鷹にあるこの劇場では太宰治にちなんだ芝居をシリーズで上演していて、選ばれた劇団の作家はいわば、出されたお題に答える形で脚本を書かなければならない。しかし誰もが太宰の作品を愛読しているとはかぎらないわけで、いまさらあわてて読んでもそれは付け焼き刃になるだけかもしれない。
    実際に作者の山内ケンジがそうだったかどうかは知らないけれど、出演者の一人、三浦俊輔をそのまま本人という形で登場させ、彼が太宰治の役を演じることになったので、それまでまったく読んでいなかった太宰作品にチャレンジするというちょっとメタフィクション的な設定は、作者と太宰治の関係をそれとなく感じさせる。
    登場するのは3組の男女と、ホモっぽい編集者の合計7名。女3人はどちらかというと男女関係がもつれたとき、自殺や心中に走りそうなタイプで、いわゆる自立した強い女性ではない。
    古舘寛治と石橋けいの演じる夫婦は元は大学教授と教え子という関係だった。妻はいまだに夫を先生と呼んでいる。
    三浦と初音映莉子は恋人同士。三浦の浮気にショックを受けた彼女は思いつめて自殺をはかろうとする。彼女は石橋の妹で、彼女を追いかけて三浦が大学教授の家にやってきたという設定。
    もう一組は岡部たかしと山本裕子が演じる夫婦で、岡部は古舘の弟。彼は小説家志望だが認められずに行き詰っている。妻の山本はそんな夫とあっさり心中をしかねない、生への執着が妙に希薄なところがある。
    3組の男女の関係を描くだけで充分に面白い恋愛劇になると思うが、芝居を複雑にしているのは、本人として登場している三浦俊輔が、途中で熱に浮かされて妄想を見始め、その妄想が現実の場面とまったく切れ目を見せずに展開するところ。現実では歯止めがかかっていることでも、妄想の中ではそれが実行されてしまう。見ている側からすれば、最初は実際に起きている事を見ているつもりが、いつのまにか三浦の妄想を見せられていることになる。

    本村壮平が演じるもう一人の登場人物は、大学教授の著書を出版しているそこの編集者。3組の男女の面倒な関係から距離をおいて、傍観者としてそれを眺めている。非常に控えめな表現ながらも、彼がホモであるということは見ているうちにわかってくる。気に入った男が付き合っている相手ともめているということは、彼にとっては単なる好機にすぎないわけで、その辺のドライさがいいアクセントになっていた。出演者7人の中では彼だけが初顔。チラシによると、Live Naturally Activelyという劇団で作・演出をやっているらしい。これだけいい演技を見せられると、そっちのほうも機会があれば見てみようかという気になる。

    三鷹芸術文化センターのスタッフである、たしか渡辺という人も、面白い役で起用されていた。あれも作品にメタフィクションな味わいを付加している。

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