最新の観てきた!クチコミ一覧

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私の家族

私の家族

トリコ・Aプロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2018/01/18 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

“おかしな状況”がごく当然のように淡々と描かれる、ストイックに徹した会話劇。ドメスティック・バイオレンス(DV)がいかようにして成り立ち、存続しうるのか。その仕組みをまざまざと見せつけてくださったように思います。上演時間は約1時間45分。

ネタバレBOX

突き放したエンディングがとても良かったです。
神戸海軍操練所~幕末蒼蓮華~

神戸海軍操練所~幕末蒼蓮華~

劇団自由人会

神戸文化ホール(兵庫県)

2018/01/19 (金) ~ 2018/01/19 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/19 (金) 19:00

セット、すごかった!特に船!最後には動いた!びっくりでした。
セリフ無くても動きや表情でずっと演技をされている近澤ゆうきさん。
目が離せませんでした。

サクラと私と不透明な昨日までのこと

サクラと私と不透明な昨日までのこと

劇団 Sakura Farm

学習院女子大学 (東京都)

2018/01/19 (金) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★

結局卒業公演は・・・♪
後はネタバレに・・・♪

ネタバレBOX

白紙の台本を投げて皆出て行くので、本が上がらなかったのかと思う人もいるかも知れないが・・・♪
新しく入った舞はちゃんと書かれた台本を持っていた・・・♪
サリーの件も結婚詐欺と言うオチで片付いてしまっている・・・♪
この結婚詐欺もなんでこんな小娘をと思うのだが・・・♪
確かに複線は張っていたが・・・こんなオチなのか♪
後あんなにお土産があるなら、少しぐらい御裾分けしてくれても良いのでは(笑)・・・♪
イッコクを争う人たち

イッコクを争う人たち

カンセイの法則

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2018/01/19 (金) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★

誰が誰を騙しているのか最後まで分からない練りに練られたストーリーが秀逸でした☆そして【一番騙されたのは観客だった】という【ヤラレタ感】がとても心地良いお芝居でしたね♪

十文字鶴子奮戦記 外伝

十文字鶴子奮戦記 外伝

劇団カンタービレ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★

前に見せていただいた「新入社員のいじめ方」の芝居がとても面白く印象に残っています。今回も期待して出かけたのですが私好みの芝居ではありませんでした。でも芝居にかける役者さんのエネルギーと迫力は十分に伝わりました。舞台装置の早変わりも素晴らしかったです。

らん

らん

秦組

全労済ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

観劇後の満足感というのは「面白かった!」「感動した!」等の手土産をどれだけぶら下げて帰れるかともいえますが、まさに大漁!もう胸いっぱい、お腹いっぱいです。

悪政に苦しむ極貧の村民、更なる底辺に属する毒地で暮らす賤民の人々。
その一人、苛酷な境遇ながらも賤民ゆえの逞しさと結束の強さに包まれ、青春グラフティーさながらに恋をし、明るさ、真っ直ぐさで楽しませてくれる少女。
しかしその先には、青春モノというにはあまりに血生臭く、少女はおろか彼女を祭り上げ、裏で画策する大人達さえもドツボの争いに巻き込こんでいく悲劇。

観劇前には「予言」というキーワードから『マクベス』をイメージするところがありましたが、実に日本人的泥臭さと、闇が光を、光が闇をより際立たせるコントラストが鮮やかな展開で振り幅大きく心揺さぶられました。
ふんだんに盛り込まれた殺陣シーンでは、どれもが単純に善と悪が争う図式に当てはまらず、両者のバックボーンが充分刷り込まれている為、どちらが斬られても「あ~っやられちまった!」と心穏やかではいられない連続・・・

今年初の感動泣き。
「より激しく、より切なく、より残酷に・・・」
感極まり、気持ちいいくらい涙たくさん流させて頂きました。

ネタバレBOX

主演2名が未成年、ソワレは終演時間に規制がかかる為、凝縮されたバージョンとなり、マチネの回はそこを気にせずに上演時間も若干長くなっています。と作・演出家さんからの説明。
研ぎ澄まされたソワレのバージョンの方が好みだと考える方もおられると思いますが、私は創り手の表現したいモノが全部つまったバージョンなら、もう大歓迎。
実際、長さなど意識するヒマもなく、終始全て丸ごと全部楽しめました。

主役の松本来夢さんは初舞台という事でしたが、周りの役者さんのフォローもあり、その愛らしさが生かされた演出。
彼女「らん」を一角とした五人の恋愛模様が何とも切なく、「らん」に思いを寄せる「イタチ」の殺陣シーンが涙腺崩壊の突破口でした。
夢-戦華-

夢-戦華-

劇団fool

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

十文字鶴子奮戦記 外伝

十文字鶴子奮戦記 外伝

劇団カンタービレ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

さすがのカンタービレさん、期待通りのドタバタコメディ全開の舞台で楽しかったです。今回は外伝とのことで、本編を見たことがなかったのですが全然気にならないくらいに楽しめましたよ!帰り際にはレデイース姿の皆さんの迫力に圧倒されて記念にTシャツを購入。カッコいい〜〜握手してもらえばよかったなあ〜〜

家族はつらいよ

家族はつらいよ

松竹

三越劇場(東京都)

2018/01/02 (火) ~ 2018/01/25 (木)上演中

鑑賞日2018/01/03 (水)

映画を見ているので、内容を押さえつつ、舞台版を楽しむ。お正月から三越劇場で観劇!なんて感激しました。カーテンコール時に一人一人の挨拶もあり「新劇」って??今はどうなのかなぁと思ったりもしました。

夢-戦華-

夢-戦華-

劇団fool

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

キャストの方の熱演はもちろん、踊り、殺陣も格好良く10周年記念公演にふさわしい作品。ストーリーも熱く、そして温かさにあふれ号泣必至なのでハンカチ(タオル)の用意を。foolさんは観劇好きな人も演劇を観るが初めてな人にもお勧めできる劇団です。

私の家族

私の家族

トリコ・Aプロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2018/01/18 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★

作者は「私が加害者だったかもしれないと」と考えるらしいが、私は加害者にもあるいはこういう事件の被害者にもならないと思う。が、100%自信をもってそう言えるだろうか。私も含め誰にでも起こり得ることなのだろうか。なあなあの人間関係は続けない方がいいし出来れば断つべきと私自身の他人との関係性を見直してみようと思った。

ネタバレBOX

実際の事件もこの芝居で起きてることも理解不能だしただ気持ちが悪いだけだ。他人に洗脳されたり精神を支配されることが自分には起こり得ないと信じてるからだが、そのさまを2時間弱で描くのは難しかったのかもしれない。劇内時間は数日間の出来事と思われるが、それでもその間に他人の集団を私の家族と呼ばせるような関係性を築けてるようには見えず、ただ単に主人公が唐突に心変わりをしただけのようにも感じられた。主人公が洗脳されていくさまをもっとじっくり丁寧に描けていたらもっと楽しめたと思う。全席自由席なのに整理番号がなく入り口に近い人からの入場となったが、整理番号(入場順)を付与すべきじゃないか。
アスファルト・キス

アスファルト・キス

ワンツーワークス

あうるすぽっと(東京都)

2018/01/18 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★

ブラジルの脚本だから、南米戯曲の多くがそうであるように思い込みが多い。そこを日本の時代に合わせ整理上演したという。
舞台面は、スピード感もあって、コンテンポラリーダンスのような象徴的な場面を挿入しながら,進む。或る雨の日、都市の交差点で交通事故で通行人が事故死する。その死の直前に、たまたま居合わせたこの劇の主人公が求めに応じて、その直前のキスをする。それをたまたま見ていた新聞記者が、男同士のキスを興味本位で記事にする。そこから・・・
という展開なのだが、なにぶんにもほぼ70年前の戯曲である。最近ロンドンで作者の没後記念で上演したと言う事だから(演出者も同じ)そこからとっての、この日本上演だろう。
発表当時と最も違うのはLGBTに対する市民感情の変化だろう。
多分、とこれは憶測でしかないが、原作はもっとゲイについて論及していたのではないか。
今回の上演ではそこはすっぽりと抜け落ちて(あるいは抜け落ちざるを得ない事情があって)いて、ドラマはその無責任な新聞記事によて巻き起こされる、現在で言えば、情報社会、ことにSNSの跋扈に対する告発劇のようなところでまとめている。
長年小劇場で苦労してきた古城十忍(共同演出)らしい配慮で、こうでもしなければ持たない、と感じた時代感覚はさすがであるが(パンフレットにそう書いてある)それならもっといい素材があったのではないかとも思う。同じ南米脚本の名作では「死と乙女」や「谷間の女たち」の世界は舞台を巧みに問題の焦点の外に設定して時代と場所を越えられる演劇にしている。この作品は主人公が遭遇する事件を、直、同じ時間で設定して進行していくので、そのたびに時代のずれを感じてしまう。象徴的シーンの挿入もそれを避けようとした工夫なのだろうが、ロンドンはよくても東京はどうだろう。
ロンドンはゲイの先進地で、差別とは言ってはならないが、区別を市民が受け入れてその上で市民生活が成り立っている。差別は深く隠れているのだ。そこがあってのこの演出者の工夫だと思う。
出演者は小劇場出身者で、大劇場の経験もある中堅で、長い台詞を早口でよくこなしているが、やはり吹き替え演劇のような翻訳台詞が抜けていない。むしろ、日本的な解釈でもっとゆっくりした台詞さばきでやった方が観客に届いたのではないかと思う。意外にセット・美術がよかった。

ネタバレBOX

ラストは元戯曲があるから仕方がないのだろうが、現代となってはもっと別の締め方もあっただろう。こういう風に終わるなら、もっとゲイに対する家族の反応が描かれていないとなんのことやら、となってしまう。
らん

らん

秦組

全労済ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

不勉強ながら、秦建日子氏のことは2016年の監督作『クハナ!』を観たときにパンフレットを読むまで、ずっと女性の脚本家だと思っていたし、本作を観るまで、つかこうへいに師事していたことも知らなかった。もっと言うなら、観劇から離れている時間が長かったので、「秦組」として舞台をやっていることすら今回初めて知ったのだが。開演前に秦氏が出てきて、つか氏への謝辞(本作の初演時につか氏が亡くなった)を含めた挨拶をしたが、本編を観ていて、ああ成程と思うシーンが多かった。

下手寄りの5~6席分を中央通路までつぶして花道を作ったセットも効果的。音楽は3人の生演奏。殺陣もたっぷり。「らん」はどこかで見たような顔と思ったら、映画『クハナ!』で主役の小学6年生をやっていた子だったが、現在14歳。当然、映画の頃より背も伸びていたけど、手足が細くて「強さ」があまり出ず、アクションシーンはこの子の出番になるとややトーンダウンしたのは否めない。ただ、それに目を瞑りたくなるくらい、舞台としての満足度があった。

アスファルト・キス

アスファルト・キス

ワンツーワークス

あうるすぽっと(東京都)

2018/01/18 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/01/18 (木) 19:00

 ブラジルの作家の日本初演作。交通事故死に遭遇した男が、死にかけている男の求めでキスをしたことが同性愛(という言葉は芝居の中では出て来ない)としてスキャンダルになり、家族が崩壊していく、というテーマだと思っていたし、実際、悪意のある報道や警察の動きでスキャンダル化していく過程が描かれている。しかし、50年代のブラジルという説明は劇中にはないし、その当時のブラジルの文化的背景も提示されないので、単純に観ると、男同士のキスがあれほどのスキャンダルになることに違和感はある。そして、エンディングの出来事で、その「悪意」がテーマなのか、という疑問が残った。そのあたりを丁寧に描いていればと考えると惜しい作品である。

千に晴れる

千に晴れる

制作「山口ちはる」プロデュース

OFF OFFシアター(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/28 (日)上演中

予約受付中

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/18 (木)

18日ソワレを拝見(2時間)。

ネタバレBOX

プロデューサーの山口ちはるさんの虚実ないまぜな半生記かなぁw

何よりも演劇が好きな千晴は、ごく普通の生活を望む夫との離婚の報告をしに、大阪にいる母のもとへ帰省する。

新大阪行きの新幹線の車中、千晴の脳裏をよぎるものは…
夫と別れ、女手一つで自分と妹を育てた母のこと
自分の演劇好きに理解を示してくれた祖父のこと
地区大会優勝を目指した、高校の演劇部での日々
上京してからの出来事…後に夫となったヒトとの出逢いetc

まだ公演中なので、これ以上の詳細は伏せますが、最後、母親からのコトバで、千晴は気持ちを新たにします…といった2時間のストーリーでした。

私にとってはお馴染みの、倉本朋幸さん作・演作品なので、登場人物達が舞台中を駆け巡るパフォーマンスなど、ところどころに既視感がある舞台でした。
とはいえ、演劇への道を真っ直ぐに歩んでいく、素直過ぎるエゴイスト「千晴」の半生を、その周囲のヒト達との関わりを交えて描いた情景は、赤の他人であるワタシにさえも懐かしくもあり・うらやましくもあり…
観劇後も胸熱・目頭熱な気持ちがなかなか冷めませんでした。
良い時間を過ごさせてもらいました。感謝!

あと、個人的な記録用に配役を記しておきます。

千晴…田島冴香さん(熱演!)
妹・陽子…清水みさとさん
母…池田由生さん
店長(夫)、かつや先輩…奥田努さん(☜「店長」には心から同情しました、苦笑)
もえ(高校の友人)…青木真美さん
なっちゃん(同上)…でく田ともみさん
あいり(同上)…佐藤千夏さん
ゆな(同上)…絵理子さん(困り眉がチャーミングな方!)
みどり(同上)…藤井美緒さん
ひか(同上)…竹本みきさん(魔性の女、汗)
星丸(同上)…佐野剛さん
蓮池・大沼クン…佛淵和哉(ほとけふち・かずや)さん(『1999の恋人』に出てた方)
原先輩…中林翔平さん
あやか(同上)…郷間楓子さん
しずか(同上)…佐藤友美さん(終演後、ようやくご挨拶できたぁ♪)
森くん・黒っち…山脇辰哉さん
おじいちゃん・桑原先生…真心(しんしん)さん(大阪いるいる!タイプなおじさん)
旅人…松永大輔さん(人懐っこいスナフキン?!なキャラ)
郷愁の丘ロマントピア

郷愁の丘ロマントピア

青年団リンク ホエイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/01/11 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

財政破綻、高齢化など日本の社会問題の縮図(あるいは未来)と言われている夕張が舞台。
フライヤーの中央にデーンと書いてある「まちを弔う」が直球ど真ん中であった。

冒頭の話の中で語られていたように、「夕張」について知っていることはわずか。
大夕張、三菱炭鉱、そしてつい最近の2014年に湛水されたシューパロ湖(ダム)のことすら知らなかった。
そのシューパロ湖には集落が沈んでいることも。

(以下、ネタバレBOXに長々書いてしまいました)

ネタバレBOX

ダム湖であるシューパロ湖を臨む展望駐車場には、ダムで沈んだ町にあった記念碑などが移設されていると言う。
舞台の中央には、その1つが置いてある。
それがまるで夕張という「まちを弔う」「墓碑」のようだ。

作・演出の山田百次さんが客入れからほうきで舞台を掃いたりしている。
時間になり、自己紹介、夕張の紹介、前説・注意事項、そして自分の役名などを紹介しながらゆるりと本編に入る。
本編に入っても主な登場人物については、山田さんから役名と役者の名前を告げられる。
バンドのメンバー紹介のように(笑)。

この形が、この後続くシーンの切り替えにとって、見る者へのスムーズさを与えていたと思う。
すなわち、20代ぐらいの若者、働き盛りの年齢の頃、そして今の老人という時間と年齢を激しく行き来する際に、観客に違和感をあまり感じさせないのだ。
さらに、こうした「役者」と「役」の関係の表明が、夕張と「今(役者のいるアゴラ劇場という時空)」の日本をつなげるているようにも感じた。

少しだけ「未来」へ進んだ「夕張」は、私たちの「未来」でもあるから。

90歳を超える茂治と、その仲間(というより家族=一山一家)たちはかつて大夕張にあった三菱炭鉱の炭鉱夫だった。
彼らには、日本の高度成長期のエネルギーを担ったという自負もあるし、その後のエネルギー転換の代償も負ったというツラさも記憶にある。
それらをすべて含めて、かつての「いい時代」を懐かしみながら閉じていく町と人々が描かれていた。

80、90という老人を演じているのだが、よぼよぼの老人という演技をしているわけではないのに、あるときは老人に見えてくるし、あるときはきちんと若者にも見えてくる。したがって、きちんとその登場人物たちの時間がつながって見える。

会話のテンポがいいし、シーンとシーンとのつなげ方、切り替え方が抜群だ。
変によぼよぼの老人に一気に変わってしまえば、コント的になってしまっただろう。

ラスト近くで倒れて息をしない茂治を前にする友人たちの、どこか落ち着き諦めているような姿は、すでに救急医療が滞ってしまっている夕張の現実とともに、一所懸命に炭鉱で働いてきた彼らが、国のエネルギー政策の転換とともに放り出されてしまった姿にも重なって見えた。
死んでいく町をなすすべもなく見続けていたように、友人の死も静かに見続けるしかないのか。

夕張に暮らすのは老人だけで、訪れる人も懐かしみに来るだけ。島谷の孫娘も出産とともに夕張を出るという。
こうして、一度ダムに沈んで消えてしまった町は、再び閉じられていく。

笑いが多く、そして内容の濃い、いい作品だった。
茂治と紀男のエピソード(ほかの誰にも告げていないだろうエピソード)にはグッときてしまった。

てっきり昔の地名を付けた橋の名前を挙げていく、舞台の上の後ろ姿で暗転、幕、かと思っていたらそうではなかった。
「それはどうしてなのだろうか?」

この作品に、何か足りないとすれば、「未来」の話である。それも「少しだけでもいいから明るい」「未来」の話。
夕張は、財政破綻後、新市長の下、数々の施策を打っているらしい。
そんな「何か」につながるようなものは舞台の上では何もないのか、と思っていたが、たぶんそれが橋の名前を挙げていく後に続くラストだったのではないだろうか。

倒れている茂治はすでに息をしていない。
救急車もまったく来る気配すらない。
そこへ、本来取材のために来るはずだった人が、車でやって来るのが遠くに見える。

これが「夕張の未来」「少しだけ明るい夕張の未来」なのではないか。
たぶんすでに事切れている茂治に最後にさしのべられた「車」が、すでに閉じられていく町・夕張を生き返らせることができるかもしれない「手」なのかもしれないということなのだ。
このシーンに込められたメッセージは大きいと感じた。

それにしても、80、90になっても近くにいる「友人」というのはありがたいものだと思った。
限界集落と言いながらも、ここにはそれがある(一種のおとぎ話かもしれないのだが)。そしてそれは都会と呼ばれるところにはない、という皮肉。

茂治を演じた山田百次さんの独特の雰囲気がとてもいい。
男気があって「兄貴」と慕われるのがよくわかる(自分で書いて配役だけど・笑)。
ほかの炭鉱夫役の松本さん、川村さん、武谷さんも良かった。
4人の炭鉱夫たちの息の合い方がいいのだ。
初春歌舞伎公演「通し狂言 世界花小栗判官(せかいのはなおぐりはんがん)」

初春歌舞伎公演「通し狂言 世界花小栗判官(せかいのはなおぐりはんがん)」

国立劇場

国立劇場 大劇場(東京都)

2018/01/03 (水) ~ 2018/01/27 (土)上演中

満足度★★★★

小栗判官伝説をベースに、歌舞伎らしい「仇討ち」「恋人とのすれ違い」「主従関係」「自己犠牲」「お宝奪還」「怨念」「妖術」等々を盛り込み、面白さ満載。
春、夏、秋、冬と四季に渡り繰り広げられ、笑いや、お正月らしい華やかさもあり、楽しい舞台。

ネタバレBOX

盗賊風間八郎役を勤める菊五郎さんの貫禄。
小栗判官兼氏役の菊之助さんの二枚目感。
漁師浪七の松緑さんの悲痛さ。松緑さんはこういう役がなぜか似合ってしまう。

歌舞伎らしい時節モノのネタで笑わせてくれる。
まさかの、シャンシャンの隈取り!
全段通し仮名手本忠臣蔵

全段通し仮名手本忠臣蔵

遊戯空間

浅草木馬亭(東京都)

2018/01/18 (木) ~ 2018/01/22 (月)上演中

満足度★★★★★

対絶べシミル!! 花5つ☆ ご存じ忠臣蔵!! アナザーバージョン! 古典は苦手という方は、少し早めに行くべし。当パンの中に粗筋等を記したリーフレットが入っているから、事前にこれを読んでおけばキチンと筋が追える。また、上演時間は、10分の休憩を挟んで3時間程、極めて質の高い、息もつかせぬ迫力の舞台である。

ネタバレBOX

 前回の演技版から今回は初心に戻ってというより、前回までの5回の公演で実験して来た様々な要素を組み入れ、より自由、闊達にリーディングと呼ばれるジャンルの一定の作法を飛び越えようとの試みも仕込まれているばかりではなく、リーディングと演技との謂わば境界域の緊張感と同時に、既に各演者の頭に科白が入っているということから来るゆとりが、相互の関係性に迄気を配る細部の繊細な動きや挙措にも表れ、舞台を活き活きとしたものにしている。
 今作のように人口に膾炙し、長く生き残ってきた作品というものの凄味は、各挿話の質の高さに由り、またその相互の関連を通して描かれる人間の生き様に在ることは無論であるが、その凄さを今回の演者たちのようにしっかり演じてくれる役者、演出家あってのものでもある。
然しながら今作、今回の公演を以て暫くは、演じないという話である。18日初日で19日には、未だ残席があるとのこと、駆け込んで是非ご覧頂きたい舞台である。
TERROR テロ

TERROR テロ

パルコ+兵庫県立芸術文化センター

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2018/01/16 (火) ~ 2018/01/28 (日)上演中

満足度★★★★

テロリストが旅客機をハイジャックし、サッカースタジアムに突入しようとしていたとき、緊急発進したドイツ空軍パイロットはこの旅客機を撃墜し、乗客164名の命を犠牲にして7万人の命を守りました。彼は殺人罪で起訴され、その裁判がこの舞台という設定です。判決は観客が入場時に渡される赤い紙を有罪、無罪の箱に投票しその多数決で決定されます。

こういう問題は多くの方が大学の法学の授業などで聞いたことがあるでしょう。2010年に大流行したマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」の第一回がまさにこのテーマでした。考え方は設定次第でどうにでもなるので、裁判という形式を使って事実関係と判断基準を限定させています。どうしてドイツでこういう戯曲が書かれたかというと作品中でも述べられるように撃墜を可能とする法律が制定され、それに違憲判決が下されたという事実があったからです。

2016年8月には今回の弁護士役の橋爪功さんの一人朗読にジャズピアニストの小曽根真さんの演奏という形式で公演されています。そちらも参加したかったですね。ちなみに、今回、圧倒的な説得力で検事を演じた神野三鈴さんは小曽根さんの奥さんです。

ネタバレBOX

私が参加した回は148対139で有罪でした。これまでの世界各国での評決がPARCOのホームページに載っています。

有罪、無罪の両方の判決文が原著には載っていますので、ご自分が参加した回の判決と違うものを読みたければそちらを見てください。
フェルディナンド・フォン・シーラッハ著、酒寄進一(訳)東京創元社(発行)「テロ」、158ページ、1,728円、Kindle版 1,599円

冒頭の裁判長の「…このあたりは駐車スペースを見つけるのが難しいですし、この建物も少々複雑にできていますから…」という挨拶は新宿だから言ったのかと思っていたら原著そのままでした(笑)。
はいけいそれぞれ

はいけいそれぞれ

劇団うけつ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★

小学4年生時代の汚点(?)を高校卒業まで引きずり続けた青年のお話し。
劇団デビュー作(当時大学1年生!)の再演ということで、客演も加わりパワー溢れる舞台。
全編隈なく笑わせようとする心意気はサービス精神旺盛な劇団カラーの反映と思わせる一方、もう少し鼻息を落ち着かせた部分があっても良かったかなと。
(その分ストーリーに深みが必要になってきますが)
ちょっと過剰気味に味付された役柄は、各人本来の持ち味をかえって削いでいる様な気がし、役柄キャラ50% 自前持ち味キャラ50%の配分が“うけつ”さんの場合、最も輝くのではないかというのが個人的な感想。
他劇団にはない武器(個性や瞬発力など)を沢山持たれているのだから、それらを自由度高く存分に生かせれば、もっと面白くなると思えました。

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