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ノスタルジアの贖罪

ノスタルジアの贖罪

空想嬉劇団イナヅマコネコ

上野ストアハウス(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/23 (月)上演中

満足度

批評するかどうかは観客が決めること!SNS上で作り手たちが「あそこは伏線で」「こういう意味があって」と声高に言っているのも素人くさいし気味の悪さを感じる。

ネタバレBOX

そもそもミステリーとして先が読めたしさっぱり笑えなかった。笑いの部分は合わないだけかもしれないが、もう観ない。
MTF

MTF

トランス☆プロジェクト

吉祥寺シアター(東京都)

2017/10/20 (金) ~ 2017/10/28 (土)上演中

予約受付中

満足度★★★★

中村中さんの唄う『友達の詩』で表現するところの大切に想う人との距離感のあやうさ、哀しさを痛感してしまう作品でした。
何でも本音で分かり合える間柄であれば申し分ないが、今の関係性を壊したくないがために発生する距離感。
友情であれ愛情であれ間違いなく相手を信頼し、思う存分に気持ちを共有したい思いは一緒のはずなのに段々遠ざかっていく物理的・精神的距離感がせつなく、羨ましいほど真っすぐな性格であっても報われるとは限らないのもせつない。

トランス☆プロジェクトさんは一貫して性同一性障害をモチーフにした作品を当事者と一緒に創り続けているそうですが、本作ではノーマルな人達の人との関わり合いや自分自身が何者なのかも同時に問題提起されており、何だかもういろいろと悩ましいです。
関わりたくない、関心もない人との対応マニュアルは簡単に(?)できそうですが、大切にしたい関係の築き方や自己表現にはいろいろなカタチがあって、あ~っもうホントッ悩ましい!

ネタバレBOX

性同一性障害者である主人公ミツオの現在はご多分に漏れず夜の商売でしたが、自らを「おかま」と称し、おちゃらけてみせる生活が彼女に幸福感をもたらしている様には到底見えない。
せめて東京だけでも彼女みたいな人が会社や近所に当たり前のように存在する。そんな日常の方がとても楽しいと思うのだが。
いろいろと問題がある中、トランス☆プロジェクトさんの活動が、そんな社会に少しでも近づく働きかけになっているのは間違いないと思えます。
ミツオのこれからもどう進んでいくのか気になるラストだったし。
木立によせて

木立によせて

芸術集団れんこんきすた

新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)

2017/10/19 (木) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

2度目の観劇。もっと観たいのだが、公演中他の日は、完全に埋まっていてどうにもならないのが残念である。若手2人(第一部石渡 弘徳くん・第二部木村 美佐さん)の演技が良い。優れた作・演出をする奥村 千里さんの深い洞察に基づいた指示を的確に理解して、舞台上に載せるだけの良い意味での素直さを持っている。無論、れんこんきすた座長の中川 朝子さんの迫真の演技については言うまでもない。まことに深い作品である。革命後のソ連の状況を革命家たちの名前や、革命に関わる短い単語だけで表している技法も凄い。(少しだけ追記2017.10.22)花5つ☆

ネタバレBOX

 オリガが、最初の生徒、ジュイシェンを志願させるような気持ちにさせてしまったのが、己の教育の所為であると考え、彼が戦場から送って寄こした最後の手紙の意味する所を恐らくは取り違えて、他人に教えることを拒み続けた幾十年の苦悩を二番目の生徒、アルティナイが救ってくれることになるのだが、この間のドラスティックな展開を見事に舞台化している、役者たち3人の演技が、実に魂に染み入るのだ。無論、それを為さしめる脚本の良さ、演出の視座と適確なアドバイスが、このように他人の魂を惹きつける作品に結実している訳だ。何故、今作が他人の心にこれだけ染み入るのか? このことを知る便ともなる作品であろう。表現の白眉と言える作品を何れ生み出すであろう、れんこんきすたの、次のステップへの確固たる離陸作品である。
 些細な点で指摘できることが無いではないが、それは別の場所、別の機会にする。こんなことを言ったからといって、今作の価値が下がる訳ではない。何故なら、今作の基底は、本質を通してに見事な普遍性に達しているからである。
JOE MEEK

JOE MEEK

ピストンズ

花まる学習会王子小劇場(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/23 (月)上演中

満足度★★★★★

ビートルズ出現前のブリティッシュロックにこんなすごい人がいたんですね。

ネタバレBOX

ジョー・ミーク氏。大変恥ずかしながらビートルマニアを自負していた自分が全く存じなかった方です。本作品は英国が生んだ天才ジョー・ミーク氏がバディ・ホリー氏の死後、彼が駆け抜けた約10年のプロデューサー人生を当時の音楽シーンを絡ませながらテンポよく描いた舞台でした。
彼の作品テルスターは1962年12月から翌月迄の3週間全米ビルボード誌で1位に輝いたんですね。おそらく当時の日本ではアメリカングラフィティに象徴されるアメリカンポップスの影に埋没していたような気がします。かつてインターネットの無い時代にオールディーズをほじくり返したことがありましたが、バディ・ホリー氏は出てきてもミーク氏は検索しきれなかったと思います。
さて舞台については総勢20名近くの役者さん達が素晴らしいコンビネーションで役割を演じ切り、60年代のロックシーンの再現がしっかりと出来ていた、と思いました。また、多くの曲でバンド演奏シーンを再現しながらも、ビートルズだけは演奏シーンをあえて出さないところがそのパワーの凄さを思い知らされる、という効果がしっかり出ていたと思いました。
帰宅後、テルスターを聞いてそのメロディーラインや演奏手法の斬新さに驚きました。1960年代にこんな曲作りが出来る人がいたのか、と今更ながら感動です。ビートルズやストーンズはその時代を牽引する力を持ち、頂点に上り詰めました。その影で銃口を自分に向けて命を絶たざるを得なかったミーク氏。それは決して彼の音楽性が時代遅れになり世間から顧みられなくなったのではなく、彼の音楽は実は出てくるのは50年早かったのだ、ということを強く感じました。
消滅寸前(あるいは逃げ出すネズミ)

消滅寸前(あるいは逃げ出すネズミ)

ワンツーワークス

ザ・ポケット(東京都)

2017/10/20 (金) ~ 2017/10/29 (日)上演中

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/20 (金) 19:00

限界集落、と言うか、タイトル通り消滅寸前の集落を舞台として、それを回避しようとする人々の奮闘を描く。ただただ暗くなるのではなく、エンターテインメントを意識した造りは安定感が一杯だが、エンディングはやや予定調和的で、予想できてしまうのが惜しい。久々に見た中村まり子が元気なのは嬉しい。

愛だ

愛だ

X-QUEST

新宿村LIVE(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/19 (木) 19:00

ヴェルディの歌劇「アイーダ」をベースに、X-QUESTらしいダンス’&アクションで楽しい舞台を作ってくれていた。最近は、劇団員が前面に出ず、客演を軸に置く造りだが、それでもエンターテインメントとして素敵な作品を作ってくれる。今回は、ちょっとばかり言葉遊びが少ないかな、とは思ったが。

ベチャロンドン

ベチャロンドン

くによし組

中野スタジオあくとれ(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/18 (水) 19:30

シュールで不条理な國吉のストーリーが、怪優・菊池美里を得て、新たな地平に進んだという印象の作品だった。いや、いつものヘタウマ感はいっぱいなんだけど、それでも何か不思議な感触を残してくれる。セリフのキレも素晴らしい。

愛だ

愛だ

X-QUEST

新宿村LIVE(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回も良かったです。
地下墓場のラストシーンを連想させるような構造を持つ劇場でのX-QUEST流「愛だ(アイーダ)」。
階段をあがって地上にでたとき、とても、不思議な気持ちがしました。

ネタバレBOX

以下、イメージが鮮明に残ったシーンやそのシーンに対する勝手な思い入れを箇条書きにて。


・ソラリス(父)とラダメス(息子)の価値観の対立。 
 しかし遺伝子的にはあらがえない。結構な似た者の百面相親子が可愛かったです。

・去年流行した「恋ダンス」。今作品ではアイーダとラダメスのダンス『アイーダ・ダンス → 愛だ・ンス』なのかなと勝手に思うところ。
 リズムが鼓動ともとれる。とても可愛い振付。冒頭パートでトクナガさんが踊る姿がとっても可愛かったです。

・ビーンズ(役名)の長セリフシーンではつい頑張ってと応援してしまう。

・ビーンズ(役名)のハンドクラップ付のあの歌のシーンではつい頑張ってと応援してしまう。

・門野さんの板挟み状態のシーン。古代より人は板挟みで悩んだりしていて4500年の間それは変わらないのかもしれない。

・スカラベのやり取りのシーン。会話(謎謎)とアクションによる連想の演出が見ていて面白いと思いました。
 あぁっそうやってつなげてみせるのっ!?そんな表現するのか!?と。

・王子像の暴走が凄いので心してみる必要がある。

・かわいそうなのはこの世を死んだように生きることか?

・だとするとかわいそうなのはアムネリス(王女)、マードック(兵士)、ラムフィス(元神官)。

・アイーダは生きているあいだに『愛だ』と目覚めた。

・ウルティモは死んでから目覚める。

・地下墓地の世界から現実の地上世界にでる。

・超高層のビル群に墓石の残像を重ねてみたりしてみる。

・『愛だ』の世界観を風景に投影しそら寒さを感じながら、日常の平和を現実として認識する。

・こういう演劇体験が楽しいから自分はお芝居を観に行くのだと思う。

・X-QUESTの演劇は、楽しいパワーと引き寄せパワーを秘めていると思った。

JOE MEEK

JOE MEEK

ピストンズ

花まる学習会王子小劇場(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/23 (月)上演中

満足度★★★★★

「セッション」や「ララランド」を観終わった後の気持ちに似た感覚が残りました。
とても中身の濃い舞台だと思います。
ジョー役の役者さんの熱演は、いろんな方に観てほしいです。
ピストンズさん、初めて拝見しましたが、これから注目していきたいです。

夏の夜の夢

夏の夜の夢

演劇集団関奈月

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2017/09/08 (金) ~ 2017/09/10 (日)公演終了

満足度★★★★

今まで「夏の夜の夢」は何度か拝見しましたが…、
その中でも、とてもコメディらしい「夏の夜の夢」でした。

所々に挟み込まれる、全力でのボケやツッコミ。
学生さんらしい潔さ、とっても清々しく、笑わせて頂きました。

そして、10人の新人さんが初陣との事。
とても初陣と思えない堂々とした演技でした。

関奈月さん、益々、層が厚く、これからが楽しみです。

出てこようとしてるトロンプルイユ

出てこようとしてるトロンプルイユ

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2017/10/20 (金) ~ 2017/10/29 (日)上演中

約2時間5分。パリのアパルトマンを舞台に売れない画家らが登場する。題名どおり額縁から出てこようとしてる何かを描いた“だまし絵”がモチーフ。息の合った親しみやすいドタバタ喜劇だが、実は平面と立体、時空間について考えせるSFになっていて驚いた。並行世界、ループものなどの王道をふうまえ、天才と凡人、身分差といった人間社会も描く。は~感服!ロビーで岸田國士戯曲賞受賞作『来てけつかるべき新世界』DVDを購入。

ネタバレBOX

ベタな繰り返しネタはバリエーションが豊富で多いに笑わせてもらった。20回繰り返したとのこと(終演後のトークより)。『ビルのゲーツ』を思い出した。

実はこの演劇でも、日常のたわいない会話でも、私たち人類はいくつもレイヤー(層)を、すごい速度で、無意識に行き来している。高尚な思考の旅は刺激的で面白い。でも、目の前の日常こそが大事なのだという“娼婦”の生き方も美しいし、真実だと思う。

舞台装置が部分的に金色に塗られていることに、終演後のイベントで気づいた。このお芝居も金色の額縁の中の絵だったというわけ!
ノスタルジアの贖罪

ノスタルジアの贖罪

空想嬉劇団イナヅマコネコ

上野ストアハウス(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/23 (月)上演中

満足度★★★★★

鑑賞日2017/10/20 (金) 19:00

20日19時の回を観に行きました。非常に良かったのでコメント。
まず今までで最も怖い公演だったのは間違いない。
ホラー描写が多く、役者の演技も合間って怖い。ビクッとしたのも初めてである。

しかし、ホラーは苦手と敬遠してしまうのは実にもったいない作品である。
怖い描写が多いものの笑いあり涙ありの展開で、観劇後は清々しい気持ちになれることは間違いないだろう。実際泣いてしまった(感動で)ので、一人で来て良かったと思った。
役者の狂気的で悲しみや苦悩をあるがままに表現された演技は圧巻だった。可愛い女の子がものすごく怖かった。
舞台美術もアクションも手を抜いている部分は見当たらず、細かいところまで凝っているなと思った。

面白いことはあれもう一度観たいと思う演劇は滅多にないが、有給を取ってでも月曜日に改めて観に行きたいと思えた素晴らしい作品だ。

この作品のことはこの先ふと、何気ない時に思い出すと思う。

ネタバレBOX

リコが自分を刺した時に「これでチャラだからね」と言うようなセリフを言った意図は、シロウが自分のせいで大勢の人を死なせてしまったという苦しみを背負っていることを、左手に触れることで知ったから、その苦しみを味わわせてしまったことへの贖罪と言うことなのかなと勝手に解釈しました。実際どうなのかわからなかったのでここに書いておきます。

最初のシーンの星座を教えるお父さん、最初はだからなんなんだと思いながら観ていたけれど、後半で同じシーンが繰り返された時に自然と涙が・・・理想の父親像というものを感じました。

次回の作品も期待しています。
イデビアン・クルー「肩書ジャンクション」

イデビアン・クルー「肩書ジャンクション」

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2017/10/20 (金) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

気持ちいい。音響設備もいいし。

ノスタルジアの贖罪

ノスタルジアの贖罪

空想嬉劇団イナヅマコネコ

上野ストアハウス(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/23 (月)上演中

満足度★★★★★

戦慄の「ダーク・ファンタジー・ミステリー」というだけの作品だったと思う。難解な出だしから、どんどんホラー色満載で進行するストーリーに、なんか好みではないかもと思いながら…気が付けば最後はファンタジー感覚に魅了されていて、なんとも不思議な作品だった。2時間を軽く超えるのに長さを感じる間も無く駆け抜けてくれたし、細かいことは全く気にならない満足感。この劇団のダーク・ファンタジー恐るべし!

三英花 煙夕空

三英花 煙夕空

あやめ十八番

シアトリカル應典院(大阪府)

2017/10/07 (土) ~ 2017/10/09 (月)公演終了

満足度★★★★

しっかりとした演技、はっきりとしたセリフ、良い舞台でした。ただ、一人二役のため時間見ていて混同した。関西になじみがないので観客が少なく、もったいなかった。しかし、知れば人気がでる実力のある劇団である。東京、下北沢に行かなくても、関東の良質な演劇が見ることができてラッキーでした。

ルート64

ルート64

演劇ユニット ハツビロコウ

SPACE 梟門(東京都)

2017/08/05 (土) ~ 2017/08/11 (金)公演終了

彼らが見た「眩しい光」とは何だったのだろう?娑婆が辛く生きにくい場所だったというのは分かるけれど、なぜあの宗教に惹かれていったか?示されなかったのがどうにも不満です。

あるいは友をつどいて

あるいは友をつどいて

演劇ユニット ハツビロコウ

SPACE 梟門(東京都)

2017/03/28 (火) ~ 2017/04/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

革命を夢見た彼らがなぜ、一般市民(つまりその人たちのために革命すべきであり、味方にするべき人々)を傷つけ、反感を買うをようになってしまったのか?作者の見解が示され、私はそれに共感した。それ故に面白いと感じ、高い点数をつけたのです。

自分の中で採点の基準ができてきました。再度点数をつけます。

子ゾウのポボンとお月さま

子ゾウのポボンとお月さま

劇団印象-indian elephant-

RAFT(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★

「人魚姫」を連想するような話。もっとも結末は違い優しい気持ちにさせられる。
説明文…「偶然出会った、人間の女の子を好きになり、ポボンはお母さんゾウに尋ねます。『ゾウすればボクは人間になれる?』ポボンは人間になるために、一生懸命努力をします。そして、ついに…」というもの。
表層的には、子供も楽しめる見せ方、内容になっているが…。

(上演時間45分)

ネタバレBOX

舞台は素舞台。ゾウのポボンは擬人化ではなく、被り物で子供にも直ぐイメージ出来るようにしている。
さて、「人魚姫」は王子のそばにいたいがために美しい声を失くし、最終的には自らの命をも失うことになる、という叶わぬ恋の物語である。本公演も女の子に恋をして人間になる努力をする。さて、演出として事前に観客何人かにバナナを渡し、ポボンが鼻で回収し食べるという場面がある。ゾウの特徴である鼻を強調させる。

人もそうかもしれないが、恋した弱みであろうか、相手に色々なことを合わせる。ゾウのポボンも人間になったら鼻がなくなり…。子ゾウに人間になる方法を教えた母ゾウは何て思うのだろうか。わが子が別の生き方を選択したことを、喜ぶのであろうか、悲しむのであろうか。

当日パンフに作・演出の鈴木アツト氏が「タイ・チェンマイのエレファントキャンプでゾウが鼻で絵を描いたり、サッカーボールを蹴ってシュートしたりするショーがありました。また観光客がゾウの背中に乗って広い公園内を散歩することも出来た。ゾウは好きでやっているわけではないですが…」と書いている。
穿った見方をすれば、人間(少女)がゾウを人間の世界へ招き入れたようにも思え、そこに優しさと意図しない思惑が透けて見えるようで怖さを覚える。
まさしく「人」と「象」という「像」が、不平等(迎合)愛という虚像として立ち上がってくるのだが…。

当日は就学前の子も観に来ており、楽しんでいた様子。ぜひ続けてほしい公演である。
次回公演も楽しみにしております。
絢爛とか爛漫とか

絢爛とか爛漫とか

パショナリーアパショナーリア

シアター風姿花伝(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

平成29年度’(第72回)文化庁芸術祭参加公演…パショナリーアパショナーリアの旗揚げ公演でもある。この「絢爛とか爛漫とか」(2007年)は飯島早苗の作。ちなみに2007年に男女雇用機会均等法の施行規則が改正され、女性だけではなく男女双方に対する差別の禁止が盛り込まれた。
この公演は、物語の文学に情熱を燃やす女性群像を、そのまま演劇の世界に身を置いている女優陣ならびに演出家そのものを描いているようだ。
当日パンフの「ご挨拶」文には、出演女優や演出家(山田佳奈女史)等に対することが紙面の大半を占めている。それだけ互いを意識している証であろう。
(上演時間2時間5分)

ネタバレBOX

舞台セットは、上手側に座机、蓄音機、鏡台。下手側に桐箪笥、籐椅子、布団。中央に七輪、座布団という和室。奥には障子戸、それを開けると枯れ木の風景。両袖には大きな垂れ幕。

「昭和モダン」と呼ばれた時期の女性4人が集まり、熱心に小説談義をしている。その「書く」ことに対する色々な思いが、各人の視点で語られる。冒頭はジャズに合わせて踊りながらの登場。その滑稽な出だしに身を乗り出し笑う。
梗概…デビュー作以来、一本も書けていない作家・文香(町田マリーサン)の部屋に集まってくる作家仲間のまや子(佐渡寧子サン)、すえ(中込佐知子サン)、薫(野口かおるサン)。才能とは、自分とは何か。葛藤、羨望、嫉妬、友情、そして恋を心地よいテンポで描いている。その思いは情熱的に、また叙情豊か、そして深淵を見る時もある。ラスト、文香がまや子に新作の構想を語る場面は圧巻である。自分の文才に疑問を持ち、足掻く心の中(うち)を書いたような物語(「湧き水を足で掻き回して濁している」との台詞に呼応して)。訥々と語る文香...その内容に心魂揺さぶられる。

公演の4女優に、この4人の作家が投影されているような気がした。物語で描く女性像は性格・振る舞いを誇張して描いているが、それを演じている女優も演劇の世界で切磋琢磨していることがうかがい知ることが出来るようで興味深かった。

この公演の見所、それは4人が典型的な当時の女性像を表していると思われるところ。文香は、文学で身を立てたい。その才能と向き合い苦闘する姿が知的女性のようである。まや子は、先進的であることを望みつつも奔放と古風の両面(客観性)を持つ、評論家志望。すえは、旧家に育ち父母の愛情に疑問を呈しつつ、母への反発が父への思慕へ倒錯するような。猟奇・狂気という作風。薫は、庶民派の代表のようである。自由な発想と創作姿勢が生きた文学になる。実は子供が産めないため離縁された経験もある。当時の「家制度」を考えさせる。

この4女優の演技が実に自然で...芝居の面白さを堪能させてもらった。
そして、この四季を表現する演出が見事。春は桜と花びらが舞い落ち、冬は枯れ木と雪...というように陰影する。公演全体の時の流れに人の心の移ろいを投影し、余韻を残す。もちろん、衣装も季節に合わせて変わる。
気になったのは、文香が新作構想をまや子に聞かせる件、花魁の影絵が映し出されるが、少し陳腐なような。その演出がなくても十分聞かせるものだと思う。

最後に、観たのは午前11時からの回。この回を含め何回かは「イベント託児・マザーズ」として託児が利用できる。観劇するには嬉しく、女性ならではの細やかな気遣いが感じられる。
次回公演も楽しみにしております。
燃えあがる荒野

燃えあがる荒野

ピープルシアター

シアターX(カイ)(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/24 (火)上演中

予約受付中

満足度★★★★

船戸与一原作「満州国演義」…揺れ動く時代の奔流の中、無残に、歴史のはざまに棄てられていく若者たちを描く3部作」の第一弾。軍靴の音が高く響くようになった昭和初期、満州の地を舞台に壮大な叙事詩を思わせる。時代背景、その深刻な状況下で、一人ひとりの人間の生き様を丁寧に描いた公演である。

本公演は深いテーマの追求、映画の「フィルムノワール」に対し、演劇で「テアトルノワール」という新しい分野を創り出したいという野心的な作品でもある。
物語は日本国内・満州という地を交錯させるような展開で、登場人物も多く置き去りにされそうになる。そこは当日パンフ(写真掲載するためコート紙を使用。B5版二つ折り)に、物語の展開(登場順)に沿った配役が記されている。前文、演出のことば(森井睦 氏)、そして満州の豆知識が記載されており、オーソドックスな構成だが、公演を興味深く観させるための工夫が施されるなど丁寧な作りである。

(上演時間2時間20分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

セットは満州の壮大さ荒野をイメージさせるものであろうか、段差を設けた草原風景、所々にススキも観える。板中央に切り株3つあるのみのシンプルなもの。

物語は1920年代後半、張作霖爆殺事件あたりを背景に、敷島4兄弟の生き様を中心に展開する。その展開は映画のクロスカットのように同時代、それを別の場所を交錯させるような構成で、壮大感を表そうとしている。その手法によって観客が物語の繋がりを感じられないことがある。しかし本公演では、人物描写や視覚的表現を駆使してその克服を試みようとしていたが…。確かに人物造形は感じられたが、映画・映像と違って同一セットでは場所の違いを視覚で観せるには限界があり、観る者の想像力に負うところが大きいと思う。

物語は日本国内と満州を交錯し、国内は耽々と不穏な空気が流れ、一方満州における修羅現場と茫洋な雰囲気の対比、そして人物は相貌を変え動き回る。日本海を挟んで昔からの深い関係にあった大陸と日本の近代史が人々にもたらした不幸。その構図を兄弟の生き様として持ち込む。そして社会の底辺にまで浸透して強者・弱者の構図を浮き立たせる。といっても当時の社会のヒエラルキー構図が直接の対峙して映し出される訳ではない。そこには閉塞・緊迫という状況、時代という大きなうねりが立ちはだかっているという表現である。その時代に個々人が翻弄されていく姿がしっかり描かれる。そして最悪な不条理である戦争に向かって突き進んでいく、その抗し難い状況が重層的に立ち上がってきて実に観応えがある。

公演でも日本国内の出来事は、なるべく四隅の小スペースを中心に演じていた。このセットは今後(第2弾、第3弾)へ引継ぎ、日本国内から満州国へ主舞台が移ることを示唆しているのであろうか。なぜなら4兄弟は、それぞれの信念と理想を持ちながら、満州国へと巻き込まれていくのだった…とあるのだ。

次回公演も楽しみに、とても待ち遠しいです。

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