快物
制作「山口ちはる」プロデュース
「劇」小劇場(東京都)
2019/11/01 (金) ~ 2019/11/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
シュチュエーションが近い、紺屋の明後日を観た後だったため、人を受け入れる事の大切さにを考えながら観てたら、受け入れたあとに自分自身も一線を越えてしまう何かを誰もが持っているんだと怖くなりました。
包み込むような優しさと、何でも受け入れる盲信は違うんだなぁって感じたのですが、違う視点でもう一度観たら、また違う感想になりそうな気もします。
先天性promise
こわっぱちゃん家
「劇」小劇場(東京都)
2019/09/20 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了
丘の上、ねむのき産婦人科
DULL-COLORED POP
ザ・スズナリ(東京都)
2021/08/11 (水) ~ 2021/08/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
男性キャストが女性役、女性キャストが男性役を演じた回の初日を観る
産婦人科を舞台に6組のカップルの諸相を描くことにより社会の様々な問題を抉り出す
「自分と異なる性/生を想像する」というテーマに基づく男女入替えキャストも成功していた
惜しむらくは後半少し散漫になったきらいがある
観て考えて損はない
主宰からのあいさつ文にあった生の上演へのこだわりには大いに賛同
ファンタジーのつくりかた
RABBIT HEART PROJECT
AI・HALL(兵庫県)
2021/07/09 (金) ~ 2021/07/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
波瀾万丈の人生を楽しむおばあさんと、祖母に捧ぐファンタジー。
自由闊達な女性が世界を冒険。
おもちゃ箱の様なエピソードが愉し。
私の祖母と重なり、後半、涙でウルウル(;_;)、良かった!
ごきげんよう。
ベンジャミンの教室
電動夏子安置システム
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2019/09/18 (水) ~ 2019/09/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
■約120分■
税制というものの必要悪的側面に光を当てた、納税啓蒙演劇として秀抜な一作。それこそ、この演目をひっさげて学校回りをしてもよいのでは?むろん、間違いが間違いを呼ぶ電夏流コメディとしてまとめてあるので、子どもたちは笑いながら税金の何たるかを学べるはず。長編ながら、連作短編集のように見せていく演出もいい。いつもより狭い小屋での上演で観客との距離が近く、ライブ感が際立っているのも醍醐味。
瘋癲老人日記
劇団印象-indian elephant-
小劇場B1(東京都)
2019/10/02 (水) ~ 2019/10/06 (日)公演終了
INDEPENDENT:4thSeasonSelection / JAPAN TOUR
INDEPENDENT
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2021/07/15 (木) ~ 2021/07/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
7/17 16:30の回を観劇。
この回は過去に見逃した演目を拝見できて、幸せでした。
[i]もしもし
16で見逃した初見の演目。
トイレの神様に取り憑かれているのか、見守られているのか…
中野守さんらしい展開、福田恵さん面白い。
[e]このカラダ
30分間ズーッと肉体の美の世界。賛(ただ少し単調)。
[a]Phish Heaven
こちらも19で見逃した初見の演目。
女性の心境を綴るお魚天国?
やっぱり有元はるかさん歌上手い!凄っ!
君恋し
劇団昴
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2019/09/19 (木) ~ 2019/09/26 (木)公演終了
病室
劇団普通
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了
なまくら刀と瓦版屋の娘
劇団6番シード
テアトルBONBON(東京都)
2019/11/06 (水) ~ 2019/11/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/11/08 (金)
面白かった!6番シードと時代劇は相性が良いと思う。
ちょっとお下品なアイテム(笑)を登場させつつ、1時間の出来事を表の辻側(第一景)と
裏の奥座敷側(第二景)の両面から見せるという脚本は見事。汗だくになりながら、
この江戸の世界を表現する役者たちも素晴らしかった。
終演後の脚本演出の松本さんによる舞台裏トークは興味深く、ずっと聞いていたかった。
ローマ英雄伝
明治大学シェイクスピアプロジェクト
アカデミーホール(明治大学駿河台キャンパス)(東京都)
2019/11/08 (金) ~ 2019/11/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/11/10 (日) 12:00
歴史的に連続性のある作品を2本立てで楽しむことが出来ました。ローマ帝国とエジプトのスケールの大きさ、重厚感もバッチリ。クレオパトラではコミカルな面も堪能。来年も見に行きます。
独鬼
壱劇屋
萬劇場(東京都)
2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
無料配信で初めて知り、そのままの勢いでチケットを購入しました。舞台の空間を全て使うようなダイナミックかつ繊細な演出、明快で沁み入るストーリーとそれをワードレスで伝えるための微細な調整、あまりにも見事です。
ベリーベリーハッピー
劇団「劇団」
ABCホール (大阪府)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
Around the world within 80days
SPPTテエイパーズハウス
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/11/07 (木) ~ 2019/11/10 (日)公演終了
戒厳令
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2021/09/03 (金) ~ 2021/09/19 (日)公演終了
女子会×男子会=□□□□
ZERO BEAT.
アトリエファンファーレ東新宿(東京都)
2019/11/06 (水) ~ 2019/11/10 (日)公演終了
ホテル・ミラクル7
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/10/04 (金) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
物語なき、この世界。【7月31日(土)13:30、18:30、8月1日(日)13:30の回は公演中止】
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2021/07/11 (日) ~ 2021/08/03 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
なかなか一言では言いにくいほろ苦い面白さがあった。身に覚えのある感情がいくつもある。三浦大輔の芝居は2008年に本多劇場で「顔よ」を見て以来。かつては舞台上で男女の行為を赤裸々に演じるので賛否両論を起こしたが、今作ではそこはおとなしめ。でも岡田将生とヘルス嬢・日高ボブ美の濃厚なシーンはしっかりある。
「おっぱいパブ」で偶然であった高校時代の知り合い(岡田と峯田和伸)。居酒屋に行くが、全く話は弾まない。絡んできた酔っぱらい(星田英利=はまり役)を張り倒したら、頭を打って動かなくなってしまった。「殺したか」とあせるが、自分たち二人がドラマの主役になったような高揚感を覚える。一緒にいた友人、恋人は脇役扱い。この、変な主役気取りが面白い。
岡田の(ダメ男を演じても)美しい立ち姿とと、峯田の見るからにダメ男のうらぶれ感の組み合わせがよかった。奥にゴジラビルも配した歌舞伎町(ゴジラロード)のセットが良くできていた。それぞれの店のセットが回転して、裏側になると、店内になる。それが、ヘルスだったり、スナックだったりと、内装を変えて店を違える。表側も、右から見せるか、左から見せるかで、全く別の店になるところも良くできていた。シンプルな通行人の映像で雑踏を示し、深夜になるといなくなるという時間の示し方もわかりやすかった。
シビウ国際演劇祭2021 招聘作品『砂女』国内プレ公演
うずめ劇場
調布市せんがわ劇場(東京都)
2021/07/27 (火) ~ 2021/07/29 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
北九州市時代からの4名の団員と、主宰ゲスナー氏の「次が読めない」ユニークな演劇製作。20数年も続けばこの独自さも持ち味という事だろうか。うずめとしては「演劇」らしい舞台(会場がスズナリだし)の二本立て企画「砂女↔砂男」から、既に7年も経ったとは・・(時の速さよ)。この時自分は「砂男」(ホフマン作/天野天街演出)のみ観劇し、天街作品にハマりかけの私は大満足だったが、並んで評判だった「砂女」を今回観て衝撃を受けた。
驚くべき舞台だ。なぜ「砂の女」か?・・の問いを殆ど無化する(舞台が全てを語っている)。原作小説を遥か昔に読み(高校か大学か)、勅使河原監督の映画もたぶん同じころ見たが、芝居を観ながら小説を思い出した。「思い出した」と言っても大昔の記憶だが断片的に附合するものを感じた。そして、この作品に流れる人間存在の根拠の危うさ、定住や婚姻、家族、共同体、人生の目的や意義、といった概念の揺らぎを措定範囲にしながら具体的な一つ一つのエピソードを時系列に刻んで行く。実在するモノを数えた方が早そうな砂丘の村の簡素な生活のなかで男と女は具体的行動により場面を作る「演劇」を体現し、「砂の女」の世界が見事に結実していた。
Court Gort(コートゴート)
PLAYunitむめむめ
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2019/10/02 (水) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/10/04 (金) 14:30
2019.10.4(金) PM14:30 アトリエファンファーレ東池袋
10月だというのに30℃を超える真夏の暑さに照りつけられながら、アトリエファンファーレ東池袋へと華奈さんが出演されているPLAYunitむめむめ 第3回公演『Court Goat』白ヤギチームを観に足を運んだ。
階段を地下へと降り、劇場に入り席に着く。目を上げると、正面に半円に描くように置かれ3台の長机と椅子、正面の机には裁判長と裁判官、左右の机には6選ばれし人の裁判員と1人の補充裁判員が分かれて座っている。裁判長の後ろには、ヤギの仮面が止められた額縁が掛けられている。
此処では、裁判員制度が導入され十年が経つ頃、東京で密かに人気を集める『模擬裁判ツアー』が行われている。
ツアー参加者の一人である穂高菜々子(百々 ともこさん)は、学生時代の先輩でツアーガイドの利木 誉(五十嵐 絢美さん)に頼まれ、補充裁判員として模擬裁判に参加する。
この裁判の被告人・大学生の加賀美(栁沢 茂人さん)は同じ大学に通う幼なじみの彼女が、同大学生の根岸に襲われている現場に行き合わせ、助ける為に揉み合ううちに、ナイフで根岸の脇腹を二度刺した事により根岸が死亡したことによる傷害致死罪に問われており、検事(山本 蓮さん)・弁護士(中村 つぐみさん)ともに罪状に相違はないが、この日が襲った幼なじみと初対面だという被害者の根岸は、なぜ幼なじみを襲い命を落とすことになったのか、なぜ、ストーカーされていると怯えていた幼なじみは、根岸のいるこの場所に一人で来たのか、なぜ、被告加賀美は、脇腹を2度も刺したのか、その時殺意はあったのか、被告は情状酌量に値するのか、裁判員ら十人での評議は順調に進んでいると思われたが、一人の裁判員の突然の辞退により評議は思わぬ方向へと進み始めるという物語。
重いテーマなので観るまでは、どんな舞台で、それを観た自分はどう感じるのか、最後まで目と心を逸らさずに観ることが出来るのかと不安があったが、重いだけでは無く所々に笑えて和める場面が散りばめられおり、休憩無しの2時間15分という長尺の舞台であるにも関わらず、話が進むにつれ引き込まれ、終盤に向けて伏線が回収されて行く最後までググッと魅せられた。
裁判員制度が導入された時、友人とアメリカでさえ、陪審員制度に留まっており、アメリカの人達でさえ、陪審員制度を導入されていなかった日本人が、いきなり陪審員制度より重い裁裁判員制度を動導入するのは大変すぎる、無謀、選ばれた人達の精神的負担が大きいのではないかと言うのを聞いたが、大人として成熟していない多い今の日本で、この制度を採用するのは不安だと語り合った事を思い出した。
その時は、比較的殺人など重い裁判ではなく、窃盗や万引き等負担の少ない裁判に裁判員として呼ばれると聞いていたが、気がつけば殺人などの重い裁判でも裁判員制度が用いられている今、裁判員制度や裁判員裁判は私たちにとっても他人事ではなく、描かれているテーマも昨今の痛ましいニュースの報道の在り方、受け取る我々の姿勢、もし自分がこの様な事件の裁判員になったら等、決して他人事として看過出来ないテーマであり、自分だったらと考えながら観た。
14日が千穐楽なので、細かく書くとこれから観る方に結末が判ってしまうので、全体の感想をざっくりと綴に留めるが、本当の悪、本当の罪、真犯人はどう裁かれるのか、この『Court Goat』の幼なじみを襲った加害者根岸は加賀美刺され最終的に被害者になったが、本当の加害者と言えるのか。
被害者であるが加害者とも看做された根岸の家族は、事件の報道により、世間や近所から心無い言葉と視線を浴びせられ生きる地獄に落とされた家族もまた被害者であり、助ける為に根岸を刺した加賀美も加害者と言えるのか。
幼なじみの遺族の絶望と悲しみ。
助けられたものの結局は、事件後命を絶ってしまった幼なじみの描き潰えてしまった夢は、事件の発端を作った真犯人に痛みはあるのか、もし痛みを感じていないなら、そのような人間らしい感情を持たない人間を前にした時、この痛ましい事件で奪われた人々の命と時間を誰が何を持って贖うことが出来るのか。
もし、自分がこのような事件に巻き込まれ、当事者となったとしたら、若しくは、このような事件の裁判員として選ばれ、居合わせることを余儀なくされたとしたら、自分はどういう結論を出すのか。
星の王子さまの『大切なことは目に見えない』という言葉を思い出す。事件の隠された真実を知った時、その隠された真実を知らないままに出した結論が間違いであり、一人の人間の命と未来と夢を奪ってしまったとしたら、そう思うと裁く側、市井たる裁判員に及ぼす精神的負担と拭えないトラウマをどうケアしてゆくのか、一方的な、偏った報道により加害者の家族の味わわされる絶望と地獄を思う時、加害者の家族もまた、被害者であり、加害者の家族と言うだけでそしられ続ける痛みと苦しさ等を思い、考え、感情と思考が全身を駆け巡り、胸を締め付けられた。
このような事件も裁判員制度も、他人事ではない怖さ。裁判員制度だけでなく、様々な事について自分自身に置き換え、重ね考えたこの舞台は、質の良いサスペンスを観た様な、進むにつれ、伏線が回収されて行き、ドンドン引き込まれ、ラストまでたどり着くとそう来るかという極上のミステリーを一冊、一気に読んだような舞台だった。
文:麻美 雪