大脚色 公演情報 Dangerous Box「大脚色」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

     台風接近の中エンコ迄足を運んだ公演だったが、残念ながら本が悪い。頑張っている役者も居たし、力のある役者もいたので、それに免じて一応☆は3つにしたが、本の本質的な弱さを変えなければ高評価は得られまい。(追記2018.8.12)

    ネタバレBOX

     では、今作の脚本の何が弱いのか? を指摘しておくべきであろう。恐らく作家にとってはそれなりの自信作なのであろう。そこが独りよがりなのだ。今作は、深淵の淵に立つ可能性を秘めてはいる。然し実際にその深淵と命懸けの格闘をし、死と狂気の狭間で震吟した痕跡・形跡が見当たらない。謂わば頭の中でストア派的なレトリックをこね回しただけである。
    一方、演劇とは、科白の身体化によって成立する総合芸術である。つまり頭脳の在る頭部も身体の一部と考えるのが演劇に於ける脳髄の捉え方であるべきである。然し乍ら今作では脳が身体を牛耳ろうとして空転しているのだ。即ち思考が身体化されていないのである。このことが、演劇で最も大切な創作法であるヴィヴィッドに即ち個々の具体性とリアリティーに於いての自然な筋の展開をオミットしてしまっている。これが原因で本当の対立が本に示されていない。と言うことは、ダイアローグの芸術である演劇の本質を満たすことができていないということである。作家は真に、己のテーマと格闘しなければならぬ。このことを措いて本質を描くことは永遠にできまい。そしてこれができれば、物語をヴィヴィッドに動かすメルクマールができてくる。こうしてできたメルクマールを連ねてこそ、プロットが完成するのだ。この過程を疎かにするから、多くの者が失敗する。

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    2018/08/11 12:51

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  •  脚本の弱点を小生なりに考えてみました。参考にしてください。
                           ハンダラ 拝

    2018/08/12 10:34

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