CRIME 公演情報 劇団伍季風 ~monsoon~「CRIME」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    チラシの説明から銀行強盗を面白可笑しく扱った物語と思っていたが、段々と銀行=信用業務を揶揄するような展開へ。あり得ないと思える所がいくつもあるが、それは承知の上での展開であろう。上演時間90分、しっかりと楽しませてもらった。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、営業店を横断して観た配置。通常、銀行に入ると受付、テラー係が対応するが、公演で登場する銀行員は受付、課長、店長の3人のみ。奥全面に耐火金庫をイメージさせる囲い、その中にダンボール箱が置かれている。

    梗概…五和銀行本店の業務中という設定。銀行の自慢は、核シェルターになるほど堅固な(耐火)金庫。その銀行に3人組(渡辺光、妹の千奈津、高橋達也)の強盗が現れ金庫から金を盗んで帰るはずが、予想外のトラブルが起こる。金を奪おうと金庫に入ったが、一定の時間経過後、自動的に金庫の扉が閉まる。閉じ込められたのは千奈津と人質にした課長、受付、そしてたまたま銀行に来ていた客・坂上登、山川信司の5人。この山川が自己肯定されない苛立ちから独力で爆弾を作り持ち歩いていたが、はずみで作動してしまった。爆発まで約1時間...。 緊張が続く銀行内。極限状態の中、人々の持つドラマが次第に明らかになる。

    爆発まで約1時間と言うのは上演時間を意識した設定であろうか。時限・密室空間という集中させる状況設定、その中で犯人を中心とした人物描写をして行く。しかし金庫内と執務室における演技が分断されていたように思える。別空間であるが同一次元に存在している以上、何らかの観せる工夫が必要ではないか。

    さて、リアリティを求めていないのは解かるが、犯人の目的は物語の肝になるところ。犯人の両親が経営していた工場に過剰融資を行い回収不可能にして倒産させた。そのため両親は幼い子を残して自殺。当時、この銀行は経営危機にあり吸収合併されそうな状況にあり、大手企業と共謀して工場跡地を接収したかった。その後、娯楽施設が建設されて...。時は相当経過しており、現在店長であっても当時の肩書はたかが知れている。吸収合併に絡むほどの重要案件は処理出来ないだろう。にも関わらず犯人は店長をターゲットにしているのは目先(当時の担当者)しか見ていない。もう少し銀行という組織の暗部にメスを入れてほしかったような...。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/04/30 12:56

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