ソノ先に在る、あるいは居るモノへ 公演情報 劇団皇帝ケチャップ「ソノ先に在る、あるいは居るモノへ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/03/31 (土) 19:00

    座席D列11番

    価格3,300円

    いささかダーク気味であったりファンタジックであったりなリドルストーリー4編オムニバス。核心的な部分は結局明かさない、伏線を張ったまま回収しない「確信犯的(核心犯的?(笑))犯行」な4編につき「何だかワカんなかった」「半端なまま終わる」とご不満の向きもあろう。(とは言え第4話はきちんと着地するし、ハートウォーミングな要素が複数あるから最終話として相応しいかも)

    しかし「ビールは舌でなく喉で味わう」ように本作は物語でなく会話を味わう作品なのだ。
    それなのに惜しいと言うか勿体ないと言うか、高級フレンチのディナーに招待されたが「都合で残り30分で店を閉めなくてはならないので急いでたいらげてくれ」と言われた時のような、あるいは言葉の途切れた部分は自動的にカットする機能が付いたICレコーダーで記録した会話を1.2倍速で再生しているような感覚。
    上演時間の短縮に気をとられるあまりせっかくの巧みな会話が早口なのは目を瞑るにしても本来ならば会話にあるべき「間」がなくなってせわしなく、コクがないと言うか何と言うか……。(一体何回言わせるんだか……(笑))
    個人的にはきちんと間をとり普通の速さで会話する「150分バージョン」で観たいと思った。(ゆえに☆1つ減ずる)

    ネタバレBOX

    第3話「上書き保存される迷える魂」、主人公・美優紀を夫・圭一が見知らぬ人と思ってしまう部分がロベール・トマの「罠」を連想させてニヤリ。なお、吉岡さんに伺ったところ「罠」はご存じないとのことだったので偶然の産物。
    また、美優紀のモノローグかと思った台詞が彼女のブログの内容であるという工夫も面白い。

    第4話「あなたに会いたいから私は今日も空を見上げる」、漠然とアレックス・プロヤス監督の「ノウイング」(2009年)を連想。直接似ているというより「神の意思に逆らうことはできない」無常観のような部分が共通?
    また、終盤で神の遣いの一方である茘枝が「改心する(むしろ隠していた部分を見せる?)」のもイイし、そう導いた先輩(?)悠の行動もステキ。
    こんな風に物語の中心となる人物(たち)だけでなく、サブキャラ的な人物(たち)の成長/進歩/ドラマをさらりと描くのも巧いと思う。

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    2018/04/04 23:13

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