蠢雲 公演情報 鉄秀「蠢雲」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    絵・舞踏・音楽のコラボ。
    踊るように絵を描く“舞描”の鉄秀さんと絵師の東學さんの2人の描き手が、交互に墨と金(金泥・金粉?)で描く。その姿がコトバを使わぬ「禅問答」。

    ネタバレBOX

    舞台後方全面がキャンパスになっている。
    2人の描き手は客席側を向いて座っており、自分の番が来るまでそこに何が描かれているのかを知らない。
    振り返り、それを瞬時に見て自分の筆(あるいは手)を墨に浸してキャンバスに向かう。

    最初は、東學さんがキャンパス一杯に描いた、迫力のある龍の絵からスタートした。
    バトンタッチ後、鉄秀さんは素手でビルのようなものを龍の背に書き加えていく。さらに、中心には人の顔が浮かび上がる。
    見る見る間に、龍が消えていく……。

    時々刻々と変わっていくキャンパスの上から目が離せない。
    互いの絵の上に自分のインスピレーションを瞬時に描くので、それを活かす、または破壊、創造が、とにかくスリリング。

    無言で行われる禅問答。

    舞踏の向雲太郎さんは、冒頭、暗闇から登場する。
    このシーンに鳥肌。

    舞台の上にいる向雲太郎さんよりも、彼の影が墨絵のようにキャンバスの上で踊る。
    これも時々刻々と変わるドローイングのひとつだ。

    ラストに向かい、舞台の上はカオスとなりつつも、「作品」として仕上げる意識が全員にあり、到達点を目指す。

    築山健一郎さんの生音楽は、ジャーマンプログレ風。
    盛り上がる。

    最後に禍々しさと神々しさが同居したような絵が仕上がった。
    この絵は撮影可。
    しかし本来は、描き手と踊り手がこの絵に加わって完成だと思うので、彼らには舞台の上にいてほしかった。

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    2018/01/18 06:00

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