「ドドンコ、ドドンコ、鬼が来た!」 公演情報 椿組「「ドドンコ、ドドンコ、鬼が来た!」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/07/21 (金)

    夏になるとやっぱり夜の野外劇が恋しくなる。
    芝居本来のおおらかな力強さと、客席に向かってくる直球ストレートな表現。
    夏の野外劇には骨太な人間臭さが似合う。
    2017年の花園神社には、権力に翻弄され打ちのめされながらも
    再び立ち上がる人間の素朴なたくましさが舞台いっぱいに繰り広げられた。

    ネタバレBOX

    昔山奥に俗世間から隔離されたような隠里があった。
    人々は「外の世界には鬼がいる」という先祖代々のことばを信じ、ひっそりと暮らしている。
    ところが掟を破って外の世界を覗いた若者が制裁を受けて逃げ出したのをきっかけに
    それを追って出た数人が外の世界の情報をもたらし、
    さらには世間知らずの彼らを利用しようと商人たちも乗り込んできて、
    里の日常は一変する…。

    信じて来た価値観が根底から崩れる不安、それでも新しい世界を知りたいという欲望、
    人間の心が千々に乱れる様が描かれて生々しい。
    里で制裁を受けて逃亡したが、町で広い社会を知り、
    再び里に乗り込んで自分の欲望を満たそうとする若者が良い。
    演じる濱仲太さんが、善良そうな顔つきから次第に悪徳商人のそれに変わるあたり、
    大変リアルで迫力があった。
    終盤、かつて里で受けた傷を晒しながら激白する場面の説得力が素晴らしかった。
    この芝居で一番人間くさいキャラだった。

    また旅回り一座の白塗りの女形を演じた谷山知宏さんが強烈な印象を残した。
    この人が登場すると場をさらってしまうほど客席が湧いた。
    これもまた実に魅力的なキャラだった。

    土の上の芝居、屋台崩し、役者によるビールの売り声、階段まで客席になる満員御礼…。
    洗練とはまた違った方向性を追求して30年になるという花園神社の夏を満喫した。



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    2017/07/31 02:39

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