バージン・ブルース 公演情報 うさぎストライプ「バージン・ブルース」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    写真館で撮った(紙焼き)写真が受付に飾られている。この公演のチラシやポスターに使用されている。もちろん結婚式をイメージさせるもの。
    とても不思議な世界感(非現実のよう)であるが、妙にしっくり観ることができる秀作。
    (上演時間1時間10分)

    ネタバレBOX

    舞台は、結婚式場の控え室。セットは上手側にテーブルと椅子、下手側に可動するオープンファンシーケースのようなものがあり、衣装が吊るされている。よく見ると結婚式場のものとは思えないものまである。

    「冠婚葬祭」という人と家族で行う行事があるが、この公演ではタイトル「バージン・ブルース」ということから「婚」式と思っていたが、2人の父(志賀廣太郎サン、中丸新将サン)や新婦(小瀧万梨子サン)の生い立ちを回想していく中で、だんだんと物語が変容し、「葬」式へ…。

    突飛な人物設定-巨乳の男、長いちんちんの男、ちんちんから出産する男、そして、ちんちんから生まれた娘を巨乳男と長ちんちん男が育てた物語。異常体(少数者への差別とみるか)として、性愛を扱い、少し下品かと思われるような台詞、しかしその核にあるのは男と女という性別を超えた”人間”を表現している。男女という固定観念という壁を壊したところに、生きることへの真剣さ、包容力ある愛が観てとれる。
    それを体現する3人の演技が面白可笑しく、時に切ない感情が実に見事に表現されていた。

    「結婚は人生の墓場」と聞くことがあるが、いつの間にか葬儀において娘が親族挨拶をしている。娘のために娘と歩んできた父は、単に実在しただけで自分の人生を全うしたのだろうか?娘を産んだ(男)親(小瀧サンの2役)、その娘に影響されたまま、小市民的な生き方は自己保身に他ならず真に生きていると言えるのか。そんなところにカフカの小説「変身」に出てくる”虫”を連想してしまう。この公演もユーモラスであるが、怖い一面を持つ。

    これって、この団体「うさぎストライプ」の”いつか死んでしまうのに”、生まれてきてしまった人間の理不尽さを、そっと舞台の上に乗せている…という趣旨に似ているような。

    次回公演も楽しみにしております。

    0

    2017/05/11 20:25

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大