春のおたより 公演情報 てがみ座「春のおたより」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    元反政府活動家とは
    反政府活動家をやめた者のことです。それなりの理由がありました。

    ネタバレBOX

    胃の辺りに棲む身体の中の牛が鳴くと、もう我慢ができないくらいに飽きてしまっておさらばしたくなるそうです。反政府活動も恋人も、そしてそろそろ人生も。

    半口開けてボーっとした男にはピッタリの設定でした。それでも元カノまでが、死ぬより徴兵忌避の方がいいと真剣に逃走を考えたところを見ると、こんな男にも足は臭いですが魅力的な面がきっとあるのでしょう。

    作家の鈴江俊郎さんは、セミを鳴かせたり牛を鳴かせたり、日本にクーデターが起きたり反政府活動があったり、不倫やフリーセックスみたいな自由恋愛があったり反政府活動の行き着くところが婚姻制度の否定と称する一夫多妻的なものであったりと、ちょっとパターンが似たところがあるようです。

    因みに、セミが鳴くとは、そう言えばあんなにうるさかったセミがいつの間にか鳴かなくなった、死んじゃったのかな、まっいいか、俺には関係ない…というくらいの意味です。

    期待しないふりをして期待するってもろ現世利益を願っていることで、あまり好きなシーンではありませんでしたが、ラストで二人の女性には期待していた汽車の音が聞こえてきました。三人の結婚式、出征前の束の間の幸せといったところでしょうか。

    男に牛の鳴き声が聞こえなくて本当に良かったと思いました。

    0

    2013/05/13 04:25

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大