自作 THE エンド
合同会社Dostres
サンモールスタジオ(東京都)
2024/03/06 (水) ~ 2024/03/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
南出めぐみさん舞台生活十五周年記念興行ということで、一種のお祭り興行というべき作品。サービス精神旺盛で、これでもかとガンガン攻めの演出が続き、やりたい放題の楽しい舞台ではありました。それを違和感なくこなしてくれるキャストが揃っていたとも思います。しかし、笑いネタが少しくどい気もしないでもないです。特に相手に口から水などを何度もかける演出は、まだ早いのではと、ちょっと顔をしかめてしまいました。
ウィリアムとウィリアムのウィリアムたち
サンライズプロデュース
サンシャイン劇場(東京都)
2024/02/28 (水) ~ 2024/03/04 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ミュージカル界の大御所二人にミュージカル初のリオン君、お世辞にも歌はまだまだ成長過程ではあるが、この役に彼の初々しさはピッタリだったと思う。俗物の駒田父、そして相変わらず存在が美しい岡さん、お二人の凄さを泡溜めて感じる舞台でありました。
モノノ怪~座敷童子~
舞台『モノノ怪~座敷童子~』製作委員会
IMM THEATER(東京都)
2024/03/21 (木) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
童話やお伽噺には語られない影の部分があるものだが、子供には伝えられない行間の想いや非情な現実が物悲しく切なく描かれていた。だが、必要以上に映像に頼り過ぎではないかと思わないでもない。少し煩わしいと感じるくらいにも感じられた。アナログな演出もあったが、もっとそちらを重視した方が世界観が損なわれなかったのではと、思わないでもない。とはいえ、前口上からがっつり引っ張られたのは確か。シリーズもっと観たいです!
寉峯~カクホウ~
ラビット番長
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
父と子と、不器用な親子たちの想いに溢れた良い作品でした。(難を言えば、物語にメリハリというかドラマチックさが足りない気がしないでもないのですが。)この劇団ならではの、他とは違う、まるで家族のような雰囲気が強く感じられる舞台でした。キャスト同士の間合いや空気がとても良かったと思います。
舞台「Go back to Goon Docks」
舞台 「 Go back to Goon Docks」 2024 製作委員会
EX THEATER ROPPONGI(東京都)
2024/01/11 (木) ~ 2024/01/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「チックジョ~」「桜の森の満開の下」観劇。
「チックジョ~」敵も味方も入り乱れてのドタバタ劇。上の命令に怯えつつ、敵にひるみ、そして、女に振り回される。馬鹿で可愛げある男たち。それでも必死に走り回る姿は、前向き元気!客席からは絶えず笑いが起こっていた。(隣の席の若い女性は始めから終わりまでずっーーーと笑い続けていた。私はそこまで笑えないが。)
「桜の森の満開の下」対しこちらの舞台は絶えず悲しみや苦しみ、やり場のない想いに溢れていた。(重いだけではないが)
むせかえるほどの桜を想像させる演出、美しいよりその中に呻きや冷たい視線、恨みや哀しみ、一人に向けられたそれらが渦巻いているように感じられた。
どちらも上演時間が長く、短期間に三本の上演はかなりハード!西田作品、AND ENDLESS時代にもつながるストーリー三作同時上演は当たり前であったが、それでも相変わらずこなしている田中・村田両氏は凄い!個人的に田中良子さんは"様"を付けてしまうくらいその存在感、演技力に惚れ込んでいるのだが、今回も充分過ぎるほど堪能させて頂いた。特に"桜の"彼女の役は妻と母と女、息子に対する心の歪みから自分を壊し続けていく姿が切な過ぎた。
Strange Island
Nakatsuru Boulevard Tokyo
サンモールスタジオ(東京都)
2023/12/13 (水) ~ 2023/12/20 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
確かに面白い作品でした。思ったよりにリアルだったり、変に陳腐だったりのバランスが絶妙で。上演時間時間かなり長いはずが意外に気にならずに、ストーリーの中に入り込んだ気がします。ただ演技の味付けは少し濃い味だったかなと思わないでもないです。
Re- ~奥州義経名残雪~
BQMAP
シアターサンモール(東京都)
2023/11/08 (水) ~ 2023/11/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
全体として、確かにとても良い印象はあるのだけど、少しまどろっこしさも。人の想いの美しさはしっかり描かれていたと思う。出演者に熱量があり、好感が持てる。ただ時代物が絡むのならもう少し華やかさも欲しかったかなと・・・。個人の好みですが。
MARIONNETTE(東京公演)
劇団The Timeless Letter
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
全体的に演出も良かったし、芝居もしっかりしていて、上出来の作品だとは思うのだけど、なにか物足りない気がしている。場の使い方ももっとフルに使うことを考えると全体の盛り上がりも出るし、ストーリーのアクセントにもなると思う。そして、しっかりした芝居ではあったが、なんというか"優等生の芝居"に感じられてしまった。もっとその役に自分が演じるからこその何かがプラスされていれば、間延びした部分が気にならなかったのではないかと思いもする。あとはネタバレboxへ。
明後日のガラパゴス
ホチキス
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2023/10/04 (水) ~ 2023/10/09 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
この劇団の作品の素晴らしいところは"枠にはまらない"ストーリー・演出の発想力と、出演者の吹っ切った演技!今作も改めて、ホチキス凄い!!!と感嘆した参りました!寝不足だったのですが、睡魔に襲われる暇もなく、始めから終わりまで、楽しんで楽しんで拝見しました!。
燕のいる駅
ニッポン放送
紀伊國屋ホール(東京都)
2023/09/23 (土) ~ 2023/10/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
不安を感じながらも、それを考えないようにとする者、その不安を周りに撒き散らす者、その不安に怯える者、そして皆の不安を感じ取れない者、様々な想いが舞台の見えない村の様子やいない者の状態を想像させる。舞台上には
見えない雲の広がっていく気配が満ちていく。ストーリーの始まりと終わりにこれもまた見えないツバメの巣が、その世界がどうなっているのかを現している。観る側の想像力が試される舞台でもあるだろう。
「HATTORI半蔵‐零‐」
SPIRAL CHARIOTS
シアターサンモール(東京都)
2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
上演時間は確かに長かった、が、全然飽きることなく最後の最後までしっかり楽しませて頂きました。期待の殺陣も思う以上の迫力で、殺陣好きオバサンは超満足!!何より出演者全員が"出し切った演技"をしているのが素晴らしい!多分、何度観ても飽きない舞台ではないかと思います。
Letter2023
FREE(S)
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)
2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
随分穏やかな作品だったような。お酒があり、食べるものも惜しまない、軍隊の厳しさや上官の苛めもない、会いたい人はすぐ会えるところにいて・・・戦時下にこんな好待遇の方たちって有り?と違和感。主人公のラストの選択もどうにも納得がいかない。また、男性陣の演技に比べ、女性陣の演技が幼い気がした。
新宿羅生門
舞台新宿羅生門製作委員会
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2023/09/22 (金) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
羅生門のセットのインパクトがかなり大きい、加えて妖しい照明使いがドラマティックな雰囲気を作る。ストーリーはやや難解かも?本筋というか、話の向かう先がはっきりしないのが難点?はじめは誰がどれ?状態だったが、次第にキャラが立ってくる。個々のキャラ造りはなかなかだったんではないかと思う。殺陣は抜群!切れ良し、魅せ方もイイ、しばらくぶりにイイ殺陣観たなと満足!もう一捻り入れての再演希望です。
天召し -テンメシ-
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2023/09/21 (木) ~ 2023/09/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ラビット番長レギュラー陣の演技力が上がり、しっかりした作品に仕上がっていたのだが、なんというか演出が今までより"淡泊"というか、ドラマとしての盛り上がりが少々物足りないような気がしないでもない。また、客席を包み込むラビット番長ならではの空気が希薄な気もした。加えて、これは小劇団ではあるあるだが、役の設定と演者の年齢のギャップ、これがどうにもきつい気がした。見慣れたメンバーがそこにいても、ラビット番長を観ている気分にならなかったのは残念。
俺たちはどう生きるか!
株式会社L4
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/09/06 (水) ~ 2023/09/12 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ロマンスチーム観劇。現実で問題になったあれこれをオムニバスに、そしてしっかり繋いだストーリーは楽しいものでした。出演者の熱気のある元気な舞台でもありました。
気になったのは、冒頭のセリフが、独り言のはずなのに、あまりにも説明的なこと。各ストーリーの中にグサッと突き刺さる棘やウっと来る毒気がセリフひとつでもあったら、"ああ、そういうのあるよね"だけでなく、印象の強いものになったのではないかということ。アクションが大振りでキレがもう一つ、というか、元気が良すぎるせいか、若い男子の動きに無駄が多いように感じました。途中歌のシーンも、がっつりしっかりのダンスシーンなら、舞台映え、全体バランスの締めにもなったかなと感じます。逆にアンド―ちゃんの動きの切れ良し!アニメチックな"ゴシュジン"のヴォイス良し!母さんのリアルな演技も良かったですねえ!悪魔さんの不気味可愛さもGoodでした。
怪獣は襲ってくれない
株式会社スタイルオフィス
新宿シアタートップス(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
かなり衝撃的なストーリー。今まで観てきたものとは全く違うものを感じた。若いキャストの生々しい演技、ストーリーだけでなくそれらもリアル過ぎて怖くて悲しい。救いのない子供たちがさらに落ちて、助けて欲しいと思いつつ、そこから出ることに恐れさえ感じている。綺麗事が全くないこの舞台。最後の最後まで外野にいる者たちにぶつけられた、吐き出された想いも圧倒的だった。
凄いものを観た、といって良いと思う。
First Love
アーティストジャパン
あうるすぽっと(東京都)
2023/08/28 (月) ~ 2023/08/30 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
朗読劇も今は、衣装を凝らし、さながら本舞台のような登場人物の動きがあるもの。照明や音響で場の変化を感じさせるものなど、目にも楽しいものが増えた。この作品は逆にシンプルで、それはそれで演じる方の力量があけば、成立するが、六人いてもほとんどメインの方だけの朗読。せっかくのキャスト、もっとフルに使う方法はなかっただろうか?作品が作品だけに難しいのだろうが・・・演出の仕事がもう少し感じられるものであればと思わないでもない。
0号
ゲキバカ
ザ・ポケット(東京都)
2023/08/23 (水) ~ 2023/08/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
戦争が絡むと、どうしてもやりきれない切なさが付きまとう。歌やダンスがあって、陽気なキャラや、癖の強いキャラが出て、どんなに笑いをとっても、それは響いてしまう。ならば、やりすぎのくどい笑い狙いのものなどなくてもいいんじゃないかと、ついつい思ってしまう。それらがなくてもしっかり成立した舞台だと思う。ほんわりとした田中さんの語り口、これだけでも充分感動してしまう。出来れば彼女に老いも若きもひとりで演じて欲しかった。(2014年の感想)
どっかで観たようなと思っていたら、2014年版の舞台を観ていた。同じ舞台でも感じ方はずいぶん違ったようにも思える。突き詰めたら、願い叶わず、夢や愛する人を失う、時代に翻弄される人々の話。だが時代の中でイキイキとした人々を感じさせる作品でもあった。残されるものへの想い、続くものに何かが託されているようなそんな気もした。また、辛いからこそ、明るく楽しく、ゲキバカさんならではの面白さも堪能!一段と磨きのかかった田中良子さん!実に美しい存在でした!
アクセル!!
LIJOUET
サンモールスタジオ(東京都)
2023/08/23 (水) ~ 2023/08/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
舞台上で、どうレースシーンを表現するのか?今どきは映像フル活用ではと思っていたが、思いがけない演出で、その臨場感を出していた。もう少し迫力が欲しいところではあるが、小劇場であれだけできれば上出来ではないかと思う。ストーリーはモーターレースを扱ったものとして、今まで見たものとそう違いは感じられないが、そこに向かうものの想いやそれを見送り見守る気持ちはよく感じられた。キャスト的に少々バランスの悪さを感じないでもないが、ベテラン組のしっかりした演技に助けられたというべきだろうか。
ちなみに私事ではあるが、我が息子が来月耐久レース(車)に出場する。どちらかというとワクワク気分の母だったが、慣れない車に慣れないコース、舞台上の母親の気持ちがどっかーんと伝わってきた!のは言うまでもない。
六英花 朽葉
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2023/08/05 (土) ~ 2023/08/09 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
舞台全体をフルに使ったセット。上手下手に中央と。それらが絡むように物語が流れていく。始まりから"あやめ十八番"ならではなのであろう独特の演出が続く。また、まるで各々が主人公とも感じさせる登場人物たちが大変魅力的だ。時代の流れに始めは高を括り、やがて焦り、抗いつつも新しい時代に生きて行こうとするもの、終わりを理解しつつもそこに身を置こうとするもの。それぞれの想いが突き刺さってくるようで、ひとシーンも見落としたくないと思わせた。それぞれがその後どうなっていくのか、実に気になる作品である。。時間があれば昭和モダンも観たかった!
個人的な話だが、鈴木彩愛さん、初めて舞台で最初の一言を耳にしたときに"この子は別物"と感じていた。ここ数年で、堂々と進化した彼女、オバサンはたっぷり楽しませて頂きました!